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エックス線装置の漏洩エックス線検査中、放射線皮膚障害

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発生状況 この災害は、エックス線装置完成時の漏洩エックス線検査実施中に、検査員が放射線皮膚障害を負ったものである。
 当事業場では、工場内に設けた管理区域内の検査場において、製品であるエックス線装置の完成時(出荷前)検査を実施している。この検査は、装置のハード、ソフト両面にわたる詳細なもので、会社作成の検査基準書(チェックリスト)に基づいて行われる。
 災害発生当日、被災者は、上記検査場において出荷前のエックス回折装置の検査を行っていた。この装置の検査は大項目で31、細部事項では約80に及ぶもので、漏洩エックス線検査は「X線発生装置総合検査」の細部点検事項として行われていた。
 当日午後13時ごろより、被災者は漏洩エックス検査を開始した。フェイルセイフ機構(操作者が前面の開閉扉を開けるとエックス線源部のスイッチが切れる安全設計)を解除して、エックス線が照射されていることを確認しながら、サーベイメータを用いて漏洩エックス線を測定した。13時30分ごろ、右側シャッター付近から基準を超えるエックス線の漏洩を認めたため、エックス発生装置の線源部を覆っていたシャッターを点検しようとしてこれを取り外したとき、エックス線照射経路に入れた右手を被爆し、放射線皮膚障害を負った。
原因 この災害の直接原因は、漏洩エックス線検査を実施するに当たり、フェイルセイフ機構を解除して、エックス線発生装置の線源部を覆っていたシャッターを取り外すため、エックス線照射経路に右手を入れて被爆したことによるものである。
 この漏洩エックス線検査はエックス線発生装置メーカーの完成時検査として行ったものであるが、この検査はユーザー段階の操作と異なり、フェイルセイフ機構を解除して行わなければならないため危険度が高い作業である。従って、操作時における防護措置上の一般的な留意事項にとどまらず、シャッターのトラブル発生時の作業基準(シャッターの取外し手順など)、漏洩エックス線検査作業標準(シャッター閉のとき及びシャッター開のときの漏洩エックス線の確認をするための作業標準)が必要であるが、これらが定められていなかったために被爆事故が生じたと考えられる。
 また、間接的な原因としては、多項目の専門的な検査に注意を注がねばならなかったため、エックス線の危険性の認識が薄れて不安全行動に至ったことが考えられる。
対策 本件災害は、エックス線発生装置メーカーの完成時検査における漏洩エックス線検査を行った検査技術者が高エネルギーのエックス線被爆事故に遭ったものであるが、この検査はユーザー段階の操作と異なり、フェイルセイフ機構を解除して行わなければならない等のため危険度が高い作業であった。
 この被爆事故の直接原因は、漏洩エックス線が確認された場合の非定常作業として行った「エックス線発生装置の線源部を覆っていたシャッター取外し作業」に関する安全作業の標準化がなされていなかったため、その作業手順中、電源OFFの基本動作を省略したままエックス線照射経路に手を入れるという不安全行動につながったことであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が望まれる。
1 安全衛生管理体制の整備
 安全衛生委員会の活性化、特に、エックス線装置製造・検査部門におけるライン管理者の日常の安全衛生管理活動の活発化
2 作業標準の整備と徹底
 放射線業務従事者に係る非定常作業の標準化の整備とその徹底
3 安全衛生教育訓練の実施
 放射線業務従事者に対する安全衛生教育訓練、特に、放射線業務の危険有害性に関する再教育及び単独作業における『一人KY(危険余地)活動』の定着化のための教育訓練の実施
業種 その他の精密機械器具製造業
事業場規模 300〜999人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 放射線
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業手順の誤り
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 有害な場所に近づく
NO.1074
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