簡易リフトに搭乗したところワイヤロープが切断し搬器とともに落下
業種 | 機械修理業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | エレベータ、リフト | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 合図、確認なしに車を動かす |
No.100102
発生状況
この災害は、砕石プラントの修理等を行っている工場に設置されている簡易リフトに搭乗したところ、巻き上げ用ワイヤロープが切断し、搬器とともに1階まで落下したものである。災害発生当日は、前日から行っていた採石プラントの修理作業が一段落したので、従業員全員で朝から工場内の整理等を実施し、午後3時頃終了した。 午後3時から約15分程度の休憩を行い、通常の作業を開始したが、その直後に災害が発生した。
災害の目撃者はいないが、工場内で作業していた者が簡易リフトが動く音がした後、簡易リフトのモーターが唸るような音がして、その直後に「バチッ」というワイヤーロープが切れるような大きな音がし、さらに搬器の激突する音がしたので、急いでその場所に駆け付けてみると、簡易リフトの昇降路の囲いと搬器の上部の枠との間に被災者が胸部をはさまれてぐったりとしていた。直ちに、工場長等に連絡し、全員で被災者を救出し、救急車で病院に運んで治療したが、被災者は両肺挫傷、左鎖骨骨折で4ヶ月入院の重傷であった。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 荷物運搬用の簡易リフトに搭乗したこと
2 簡易リフト構造規格に従った適正なリフトの設計が行われていなかったこと
3 定期自主検査等を実施していなかったこと
4 簡易リフトを用いた作業に係る安全衛生教育を実施していなかったこと
対策
この災害は、砕石プラントの修理等を行っている工場に設置されている簡易リフトに搭乗したところ、巻き上げ用ワイヤーロープが切断し、搬器とともに1階まで落下したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 リフトの設計は知識経験のある者が行うこと
2 期自主検査等を実施し、整備を確実に行うこと
3 簡易リフトの搬器への搭乗を禁止すること
4 安全衛生教育を実施しておくこと
5 安全衛生管理体制を整備すること