この災害は、高所作業車の運転操作について不十分な特別教育を受講したのみで、技術、知識が不十分なまま運転操作を行った結果発生した災害であるが、同種災害の再発防止のためには、次の様な対策の徹底が必要である。
1 作業計画を定め、作業を行うこと
作業する場所の走行および昇降が可能なスペース有無、積載物の大きさ、重量、作業人員、工具などの状況を確認し、その作業のニーズに応じた高所作業車の種類、能力、大きさなどが十分な機種を選定し、その機種の特性を十分に踏まえた作業計画を策定する必要がある。
高所作業車の走行装置としては、「トラック式」、「ホイール式」、「クローラ式」があり、エンジン始動、発進、走行中、走行停止時などにおいて、それぞれの特徴があるので、留意する必要がある。
作業装置には、ブーム型として、「伸縮ブーム型」、「屈折ブーム型」、「混合型」があり、垂直昇降型としては、「ストレートタイプ」、「シザースタイプ」、「Xタイプ」があり、リフトアームと油圧シリンダーなどで構成されている。
そのほかに、操作装置、アウトリガー、ブーム旋回装置、ブーム起伏装置、作業床首振り装置、安全装置、非常停止装置などの装置があり、それぞれの機種によってその仕様が異なっているので留意する必要がある。
2 作業指揮者を選任すること
高所作業車を用いて作業を行うときには、その作業の指揮者を定めて、その者に、その作業に関する作業計画に基づいた作業の指揮を行わせる必要がある。
3 特別教育を実施すること
作業の性質上高所作業車の使用が不可欠である場合には、その作業で作業床の高さが10m以上の場合には高所作業車運転技能講習修了者を、10m未満の場合には高所作業車運転技能講習修了者又は高所作業車の運転業務に係る特別教育を受けた者を就業させる必要があるので有資格者などの養成をあらかじめ行うことが重要である。
なお、この災害の直前に元請の実施した高所作業車の特別教育は、学科教育、実技教育とも安全衛生特別教育規程の求める要件を満たしていないので、安全衛生特別教育規程に沿った教育を確実に実施することが必要である。