この工事は、天端コンクリートブロック上にある擬木(バリケード)を設置するための土台の部分と歩道の一部を構築するものであったが、施工計画書によると次のとおりであった。
[ガードレールの据付け]
 堀削完了後、支柱を路肩部に打込機で打ち込み、基礎砕石を搬入し、人力にて敷き均し、タンパ等で十分締固めを行う。所定の高さ、厚さに仕上げる。次に根巻き(天端)コンクリートは、型枠を設置して、生コンクリートを打設し、養生する。養生完了後、ガードレールを取り付ける。
 このような施工方法を採用し、根巻き(天端)コンクリート(No2ブロック)の型枠が取り外され、養生段階にあったものと思われる。
 また、一般的な現場の安全管理状況は次のとおりであった。
[1] 安全目標の設定
 土木工事安全施工技術指針に基づき、無災害記録の達成を目標とし、安全運動を推進する。
[2] 安全に対する具体的実施事項
  イ 毎月1回安全協議会を実施し、現場の安全管理を徹底し、記録をとる。
ロ 毎日のKYK(危険予知活動)のミーティングを行い、その日の作業手順の周知と危険箇所に対する安全な指示を行う。
ハ 毎週土曜日に工程会議を行い、併せて安全に対する討議を行う。
ニ 現場に各作業責任者名を掲示する。
ホ 第3者による災害を防止するため、現場内に第3者が立ち入らないよう看板を立て、必要に応じてロープを張る。
ヘ 安全巡視員を配置し、現場の安全を確認する。
ト 安全日誌、使用機械、始業前点検等を記録する。
 これらの一般的な管理が徹底されていれば基本的に災害を防ぐことができると思われるが、災害は、突然に思いもしないときに発生しがちであり、特に今回のケースのように天端コンクリートの端からの転落・墜落といった災害の防止対策としては、次のものが現実的に有効な手段である。
[1] 高さ11.7mのNo2のコンクリートブロックの端部からの転落・墜落を防止するためには、コンクリートブロック上にある擬木(ガードレール)の設置用の穴を利用して支?(ポスト)を設け、それに手すりを設ける等転落・墜落防止対策を十分に行うこと。また、それでも不十分と判断される場合には、その周囲に関係者以外の者の立入を禁止する措置をとること。
[2] 毎作業日、作業場所を工事責任者が巡視を行い、また、作業再開のときにも作業箇所の状況を点検し、作業者に安全上の注意を与えたり、作業箇所の安全上必要な措置をとること。