| 1 工程管理に関する対策 | |
| (1) 工程作業に関する指図書の記入事項は、単位作業毎に明確に示す。 災害発生にかかる工程における指図書の「真空度(cmHg)]欄には、「添加時50cmHg」「混合昇温時0cmHg」の指示が記載されていたが、これらの作業の中間の「混合」時の真空度欄は余白となっているという不備があった。 そのため、指図書の不備に起因する誤操作により反応釜内の温度が異常に上昇したことに鑑み、例えば、真空度の欄にはすべて数値を記入するなどすべての作業標準について記入方法を統一する。 (2) 真空冷却を行う場合は、必ず「還流配管」で行うよう徹底する。 この災害の間接原因として、真空冷却する際には「還流配管」で行うべきところ、作業者がレジンの段階移送における操作と誤認して「脱水配管」に切り替え操作をしたため、ストレーナー等の清掃作業が必要となったことが指摘されているためである。 (3) 逆止弁の構造、機能について再教育する。 また、「逆止弁・開放禁止」の表示板を取り付け、臨時に清掃を行うときなどは上司の許可を得て開放することとする。 |
|
| 2 安全衛生管理体制に関する改善対策 | ||
| (1) 操作ミス防止のため、次の対策を早急に講じる。 | ||
| [1] 経験のない作業を開始するときは、上司の指示を受けて着手するよう徹底する。 [2] 非定常作業のうち作業標準が定められていないものについては、その作業結果をその都度上司に報告し、指示に従って行動することとする。 [3] 特に、夜間・休日の異常時の連絡に関する作業標準を徹底する。 [4] 作業指示は、関係作業者全員に確実に伝わるようにする。 |
||
| この災害の間接又は直接原因となった作業指揮者及び作業者の誤操作ないし誤認に基づく行為としては、指図書の不備による真空度調整の判断誤り、反応釜内の異常な温度上昇を抑制するための真空冷却時の操作ミス、臨時の反応設備内の清掃が必要となった際に設備に対する誤認があったとされている。 | ||
| (2) 非定常作業のうち、有害物へのばく露リスクが高いと予測され、かつ、比較的作業頻度の高いものについては作業標準を定める。 現行の反応非常処置に関する作業標準では不十分と考えられるので、例えば、異常時における真空操作の作業標準を定める。 (3) 有害物へのばく露リスクが高いと予測される作業については、保護具の着用基準を見直す。 例えば、カッパ類を常備して着用を義務づける。 (4) 職場安全衛生委員会、職長教育、作業前のミーティング等の機会に、改善した事項を中心に関係者全員の意思統一を図り、決まったことを徹底する。 |
||