| 1 安全衛生管理の組織体制の強化 | |
| (1) 安全衛生委員会の委員長には、事業場における総括管理の権限と能力を有するトップレベルの管理者を選任し、安全衛生管理組織を再編整備する。(災害発生時は、製造事業本部の課長級の中間管理者が委員長) (2) 特定化学設備及びその付属設備に係る点検検査、安全衛生教育、作業環境測定等の重要事項は安全衛生委員会の審議事項とする。(特に、災害発生当日アンモニアガスの環境測定が行われているのに同じ工場で進められていたアンモニア漏洩事故対策に生かされていない点は、安全衛生管理組織が形骸化していると言わざるを得ない。) |
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| 2 安全衛生教育の徹底 | |
| (1) 幹部職員及び関係労働者に対して、アンモニア中毒予防に関する教育を実施する。(アンモニアガスへのばく露を受けると眼、鼻、喉の粘膜刺激症状、皮膚障害等のほか、退避できない場合には呼吸器が強い刺激作用を受けて咳嗽、気管支炎、肺水腫などが起こる。この有害性に関する知識があるだけでも、予防対策の必要性の認識が深まる。) (2) アンモニア漏洩事故に備えて、退避、救護等の訓練を実施する。 (3) 特定化学物質等作業主任者(技能講習修了者を選任している。)に対して再教育を行う。 |
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| 4 アンモニアガスが漏洩した場合の対策 | |
| (1) アンモニアガス漏洩事故等の異常事態が発生した場合の措置に関するマニュアルを作成し、関係者に周知する。 (2) ガス漏洩箇所のバルブ閉止等の緊急作業に就かせる者には、呼吸用保護具のほか、不浸透性保護衣、不浸透性で熱遮断性の安全靴等を着用させる。 (3) 労働者を退避させ、立入禁止区域にはその旨表示する。 (4) ガス除去は適切な方法で迅速かつを確実に行い、立入禁止解除はガス濃度測定等の客観的な判断に基づいて行う。(本件災害発生に関しては、製造本部長による立入禁止命令の解除は、幹部職員の巡回結果「アンモニア臭もかなり少なくなってきている。」との報告のみに基づいて判断されたが、この巡回点検は作業環境測定を伴わず、作業者からアンモニア臭の有無についての意見聴取、作業箇所ごとの通気性の良し悪し等の調査は行っていない。) (5) 漏洩ガスにばく露した作業者は、全員緊急時診断を受けさせ、必要なものには早期治療を施す。 |
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