この災害は、可燃性ガスが残存するタンクのマンホールを開放しているときに爆発が発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 設備改善
  (1) 廃水タンクに、スラッジが堆積しないように、自動的に一定時間ごとドレーンできる設備を設けること。
(2) 自動測定設備を設けることにより、廃水を抜き出す際に、可燃性ガスなど危険有害なガスが窒素置換により、完全に除去されたことが確認できるようにすること。
(3) マンホールが開放されてから、空気の混入により可燃性ガスが爆発限界範囲に至らないように不活性ガスの置換が継続できる設備を設けること。
 なお、不活性ガス使用に際しては、酸素欠乏症対策に十分留意すること。
2 作業標準の作成とその周知徹底
 マンホールの開放など非定常作業時における作業手順は、タンク内に残存する可燃性ガスに対応した作業の安全化を検討した結果を踏まえて、閉止弁類の閉止、マンホールの開放などの操作の時期、順序、マンホール解放直後および作業中のタンク内における可燃性ガスの検知などについて具体的に標準化し、作成すること。
3 作業間の調整
 可燃性ガスなど爆発火災の危険性のあるものを取り扱う場所での作業と、その周囲での作業が輻輳して行われないように作業間の調整を行うこと。
4 立ち入り禁止区域の設定
 可燃性ガスなど爆発火災の危険を有する物質が存在する場所の周囲には、関係者以外の立ち入りを禁止する区域を設定し、その旨を表示すること。
 なお、請負業者に対する周知徹底について、担当部門などを明確にして、その方法をルール化しておくこと。
5 火気使用の禁止
 可燃性ガスなどの爆発火災の危険性のあるものが存在する場所の周囲では、火気の使用を厳禁すること。
6 退避経路の設定
 可燃性ガスの存在する周囲での作業については、爆発火災を想定した退避経路の設定を行うこと。
7 安全管理体制の充実
  (1) 作業標準作成体制の充実
 あらかじめ、作業ごとに、設備による危険性および作業姿勢など作業方法、作業行動などによる危険性を十分に検討し、その結果を踏まえた作業手順を標準化する仕組みを構築すること。
 なお、これらの標準化の有無、適正性などのチェックシステムも併せて構築する必要があること。
(2) 作業標準の周知体制の充実
 作業標準の現場での確実な履行状況を管理するシステムを構築すること。
 なお、請負業者に対する周知徹底の方法についても、担当部門などの役割分担を明確にルール化しておくこと。
(3) 作業指揮者の指名
 作業指揮者を選任し、その者に作業標準基づく作業方法、順序などを作成させ、関係作業員に周知させること。
 なお、請負業者の作業員に対しても、その役割分担など作業内容について、明確にかつ具体的に指示させること。
8 安全教育の実施
  [1] 管理者に対し、担当プロセスの危険性の存在についての十分なアセスメントの実施、およびその結果に基づく対策の確立に関する管理能力の向上のための教育を実施すること。
[2] 一般社員に対し、プロセスの危険性に関し、新たに整備した作業標準による教育を、模擬訓練を含めて実施すること。
9 関係請負人に対する安全管理
 関係請負人およびその所属する作業員に対し、構内における可燃性ガスなど爆発火災の危険性のある場所や作業およびその対応策の周知徹底を行うこと。