この災害は、解体ヤードで足場解体作業中突風のため足場が転倒したものである。
[1] 事故当日の前2日間は、風が強く作業を中止していたが、解体作業の管理上の必要から、当日の朝、最大風速9m/秒の強い風があったにもかかわらず足場の解体作業があった。
[2] 足場の解体作業に、強風時の作業中止の責任体制が確立してなかった。
[3] ジャンプ足場の解体作業が、ネットを取り外さないまま行われた。
[4] ネット、跳ねだし部が布板部に引っかかって、縁切りできない状態なのに足場のブロックを吊り上げてしまったので、作業者が足場上に上がって外し作業にかかった。
[5] その作業中に突然突風が吹き、下部の足場が転倒したもの。
[6] ジャンプ足場の解体作業の作業手順によれば、2段づつ縁切し、単管で転倒防止の控え(単管ヤラズ)を取って行うことになっていた。当日は3段目を縁切して、転倒防止の控えも取らなかった。
[7] この作業手順は会社にて作成したものであったにもかかわらず、現場では作業手順は守られていなかった。
[8] 仕事のマンネリ化で、強風時の作業中止基準が徹底してなかった。
〈不安全な状態〉
[1] 解体足場に控えなく、不安定なまま足場の作業をした。
[2] 足場にネットなどが引っ掛かった状態で解体作業をした。
〈不安全な行動〉
[1] ネットなどの取り外しに、控えのない足場に上った。
[2] 強風下に作業を行った。
〈作業方法・環境〉
[1] 決められた作業手順での解体作業ではなかった。
[2] 強風についての認識が無く、作業の中止基準も無かった。