| 1 運転の切替えが不適切であったこと このタレットパンチプレスは、AUTOモードで一時停止状態となった場合は、 ・ モーター ON ・ クラッチ OFF ・ ブレーキ ON となり、ブレーキが働いているので外部からクランク軸を回転させることはできない。 したがって、被災者はクランク軸の調整に当たってブレーキがOFFとなるHANDモードに切替えたものと思われる。 これらの状況から、次のようなことが推定される。 |
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| [1] 操作盤のHANDモードボタンを押したが、HANDモードに切り替わらなかった。 [2] 操作盤のHANDモードボタンを押したつもりであったが、押し方が不完全なため、HANDモードに切り替わっていなかった。 [3] 操作盤のHANDモードボタンを押すのを忘れた。 [4] 操作盤のHANDモードボタンを押したが、制御機構の誤作動でAUTOモードに切り替わった。 |
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| しかし、災害発生直後の操作盤のボタンは、AUTOモードになっており、制御機構が正常であれば、ブレーキが働いており、クランク軸が回転することはない。ただし、次のような条件下では、回転することも考えられる。 | |
| [1] ブレーキOFF、クラッチOFFで、クランク軸のクラッチがOFFからONの中間位置で待機している状態(このときはエラーメッセージ IN PUNCH CYCLEが表示される) [2] タレットの内外の金型交換が行なわれず、待機している状態(エラーメッセージの表示なし) [3] インデックスピン(タレットの位置決めをするタレットに差し込むピン)が入らず待機している状態(エラーメッセージの表示なし) |
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| なお、災害発生後に、作動試験を実施したところ、HAND・AUTOモードの切替え、クラッチ・ブレーキ等の誤作動、異常等は認められなかった。 | |