1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | アルファ-メチルスチレン (alpha-Methyl styrene) | ||
製品コード | H27-B-036 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂の耐熱・耐衝撃性の強化剤重合原料,ポリエステル樹脂・アルキッド樹脂改良剤重合原料、NITE初期リスク評価書;ABS樹脂の耐熱・耐衝撃性強化用改質剤、化学工業日報社 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (肝臓)、区分2 (呼吸器、腎臓) | |||
吸引性呼吸器有害性 | 区分1 | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ 皮膚刺激 眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 発がんのおそれの疑い 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、腎臓の障害のおそれ 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 無理に吐かせないこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 漏出物を回収すること | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | アルファ-メチルスチレン | ||
別名 | 2-フェニル‐プロペン、イソプロペニルベンゼン、1‐メチル‐1‐フェニルエテン | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C9H10 (118.18) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 98-83-9 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 3-5 3-8 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移動させない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服( 耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 不活性材料( 例えば、乾燥砂又は土等) で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 危険でなければ漏れを止める。 すべての発火源を速やかに取除く (近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 『8 . ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 消防法の規制に従う。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 皮膚と接触しないこと。 眼に入れないこと。 飲み込まないこと。 | ||
接触回避 | 『1 0 . 安定性及び反応性』を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 消防法の規制に従う。 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から離して保管すること。− 禁煙。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | ||
安全な容器包装材料 | データなし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-TWA: 10 ppm (48 mg/m3) (α-メチルスチレン) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 消防法の規制に従う。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧)(GHS判定) | ||
色 | 無色 (ICSC (2005)) | ||
臭い | 特徴的な甘い芳香 (PATTY (6th, 2012)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | < 10 ppm (PATTY (6th, 2012)) | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -23℃ (ICSC (2005)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 164℃ (ICSC (2005)) | ||
引火点 | 83.89℃ (密閉式) (HSDB(2015)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.9〜6.1 vol% (HSDB (2015)) | ||
蒸気圧 | 1.9 mmHg (25℃) (HSDB(2015)) | ||
蒸気密度 | 4.08(空気=1) (ICSC(2005)) | ||
比重(相対密度) | 0.91 (水=1) (ICSC (2005)) | ||
溶解度 | 水:0.012 g/100mL (20℃) (ICSC (2005)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log P = 3.48 (25℃) (SIDS (2009)) | ||
自然発火温度 | 574℃ (ICSC (2005)) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | 0.940 cP (20℃) (HSDB (2015)) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 水より軽い。 引火性の液体。 わずかに揮発する。 重合することがある。 燃焼すると分解し、有毒なヒュームを生じる。 強力な酸化剤と反応する。 アルミニウム、鋼を侵す。 | ||
化学的安定性 | データなし | ||
危険有害反応可能性 | 空気と蒸気の混合物は爆発性を有する。 加熱による分解で刺激性の煙又はヒュームを生じる。 加熱又は触媒により重合する。 アルカリ金属又は金属有機化合物により重合する。 プラスチックを侵す。 酸と接触すると重合する。 酸化剤と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | 酸化剤との共存を避ける。 ビニル又はイオン重合触媒との共存を避ける。 | ||
危険有害な分解生成物 | データなし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、4,900 mg/kgで2件 (PATTY (6th, 2012)、NTP TR 543 (2007)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、SIDS (2002)、DFGOT vol. 15 (2001)) 及び4,900〜5,900 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)) と、合計3件の報告があり、いずれも区分外に該当する。なお、2件が国連分類基準の区分5に該当するので、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分外 ウサギのLD50値として、14,560 mg/kg (SIDS (2002)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 区分外 ラットのLCLo値 (6時間) として、3,000 ppm (4時間換算値:4,500 ppm (21.78 mg/L)) との報告 (SIDS (2002)) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (2,962 ppm) より高いため、ミストの基準値を適用した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (標準ドレイズ試験) で中等度の刺激性が見られたとの報告がある (SIDS (2002))。また、ウサギを用いた別の皮膚刺激性試験 (適用時間不明) において中等度の刺激性がみられたとの記載がある (SIDS (2002))。以上、中等度の刺激性との記載から区分2とした。なお、ウサギに本物質の原液0.5 mLを24時間適用した結果、24時間後に激しい紅斑や浮腫、水疱形成、皮膚腐食性が生じ、ドレイズスコアは8.0 (最大値8.0) との結果 (NITE初期リスク評価書 (2008)) があるが、24時間適用の試験であるため分類には用いなかった。本物質は、EU CLP分類において「Skin. Irrit. 2 H315」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2B ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質の原液0.1 mLを24時間適用した結果、軽度から中等度の刺激性がみられたが、48時間後には回復したとの報告があり、ドレイズスコアは8 (最大値110) であった (NITE初期リスク評価書 (2008))。ウサギを用いた別の眼刺激性試験において、本物質86 mgの適用により中等度の刺激性がみられたとの報告や (SIDS (2002))、軽度の結膜炎がみられたが角膜傷害はなかった (NTP TR 543 (2007)) との情報がある。また、ヒトに対しても眼刺激性を示すとの記載が複数ある (NITE初期リスク評価書 (2008)、DFGOT vol. 15 (2001))。以上、動物試験での48時間後に回復したとの記載から区分2Bとした。なお、本物質は、EU CLP分類において「Eye. Irrit. 2 H319」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、職業ばく露において本物質による接触性皮膚炎や湿疹の報告が (NITE初期リスク評価書 (2008)) があるが、ばく露状況等の詳細について不明であるため区分に用いるには不十分な情報と判断した。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない In vivo小核試験の陽性は決定的な知見ではなく、in vitro試験もすべて陰性であることから、ガイダンスに従い分類できない。すなわち、In vivoでは、13週間吸入ばく露による雌雄マウスの末梢血を用いた小核試験で、雌で陽性、雄で陰性結果がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、NTP TR 543 (2007)) が、このうち雌の陽性知見は10例中2例が死亡した用量で、NCEにおいて対照群の1.8倍 (0.510% vs 0.913%) の誘発を示したもので、PCEでは陰性、雄ではNCE、PCEともに陰性である。雌雄マウスにおける代謝の違いは報告されていない。従って、これらの知見は小核誘発の決定的な証拠とは言い難い。その他のin vivo試験データはない。In vitroでは、哺乳類培養細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性結果1例が認められるが、それ以外の試験、すなわち、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験やヒトリンパ球の姉妹染色分体交換試験などで陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2015)、SIDS (2002)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、DFGOT vol. 15 (2001)、NTP TR 543 (2007))。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 ヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物ではラット又はマウスを用いた吸入経路による2年間発がん性試験において、ラットでは用量相関的な尿細管の腺腫とがんの合計頻度の増加が雄に、マウスでは肝細胞の腺腫とがんの合計頻度の増加が雌雄ともに認められており (IARC 101 (2012)、NTP TR 543 (2007)、NITE初期リスク評価書 (2008))、IARCはグループ2Bに分類している (IARC 101 (2012))。この他、他の国際機関による発がん性分類結果はなく、よって本項は「区分2」とした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない ラットを用いた経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物に一般毒性影響 (体重増加抑制、肝臓・腎臓重量増加、胸腺萎縮など) が顕著に発現する高用量 (1,000 mg/kg/day) で、母動物2例 (2/10例) が全身状態悪化により、哺育を十分に行えなかった結果、分娩後の新生児が2日以内に全児死亡した以外、親動物の性機能及び生殖能、児動物の発生、生後4日までの成長に関する指標に影響はみられず、本試験条件下での生殖発生毒性に対するNOAELは1,000 mg/kg/dayと報告されている (NITEI初期リスク評価書 (2008)、SIDS (2002)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2015))。ただし、これはスクリーニング試験のため、この結果のみでは「区分外」とはできず、この他、分類に利用可能なデータがないことから、本項は分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) 本物質はヒトに気道刺激性がある (環境省リスク評価第2巻暫定的有害性評価シート (2003)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、ACGIH (7th, 2001)、NITE初期リスク評価書 (2008)、DFGOT vol. 15 (2001)、HSDB (Access on August 2015))。実験動物では、ラットの経口投与 (区分2超の用量) で、自発運動低下、よろめき歩行、吸入ばく露 (区分2相当) で閉瞼、協調運動失調、感覚消失、ウサギの経皮適用 (区分2超の用量) で、自発運動の低下、痙攣の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 以上より、本物質は気道刺激性及び麻酔作用があり、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 新たな情報を追加し旧分類を見直した。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (肝臓)、区分2 (呼吸器、腎臓) ヒトについては、肝機能障害、ビタミンB12の欠乏、免疫学的変化の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 実験動物では、ラットを用いた反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG422) において、区分2の範囲である200 mg/kg/day (90日換算値:雄95.6 mg/kg/day、雌91.1〜100 mg/kg/day) でALT増加、肝臓・腎臓の絶対及び相対重量増加、肝細胞の好酸性変化、尿細管上皮の空胞化 (雌) がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2015))。 マウスを用いた14週間吸入毒性試験において、区分2の範囲である75 ppm (ガイダンス値換算:0.27 mg/L) 以上で鼻腔の嗅上皮の萎縮・化生、ボーマン腺の萎縮又は過形成、150 ppm (ガイダンス値換算:0.27〜0.53 mg/L) で鼻腔の嗅上皮の硝子変性、ラットを用いた吸入経路による2年間発がん性試験において区分2の範囲である100 ppm (0.48 mg/L) で嗅上皮の基底細胞の過形成、マウスを用いた吸入経路による2年間発がん性試験において区分2の範囲である100 ppm (0.48 mg/L) で嗅上皮の化生・腺の過形成がみられている (NTP TR 543 (2007))。 | ||
以上からヒトで肝臓への影響がみられ、実験動物において区分2の範囲で鼻腔、肝臓、腎臓に影響がみられている。 したがって、区分1 (肝臓)、区分2 (呼吸器、腎臓) とした。 なお、旧分類ではラットにおける腎臓の影響は雄ラット特有の所見として否定していたが、雌ラットにおいても腎臓に影響がみられていることから腎臓を標的臓器とした。また、ラットでみられた肝臓の影響についても適応反応として否定していたが、同試験において肝細胞の脂肪滴の消失、トリグリセライドの減少、腎臓の尿細管上皮の脂肪化、副腎束状帯の脂肪滴の増加等、脂質代謝への影響がうかがわれること、ヒトでの所見の報告があることから肝臓を標的臓器とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 区分1 炭化水素であり、HSDB (Access on August 2015) に収載された数値データ (粘性率: 0.940 mPa・s (20 ℃)、密度 (比重) : 0.9106) より、動粘性率が1.03 mm2/sec (20 ℃) と算出されることから、区分1とした。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 区分2 甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=2.6 mg/L(環境省生態影響試験, 1996)であることから、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 区分2 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 1979))ことから、区分2とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2303 | |||
国連品名 | ISOPROPENYLBENZENE | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 128 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 旧第3種監視化学物質 優先評価化学物質 旧第2種監視化学物質 | |||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
道路法 | 車両の通行の制限 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質 揮発性有機化合物 法第2条第4項 (平成14年度VOC排出に関する調査報告) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質 | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸出貿易管理令別表第1の16の項 輸出貿易管理令別表第2 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |