1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | クメン | ||
化学品の英語名称 | Cumene | ||
製品コード | R03-B-011-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機合成原料(フェノール、アセトン)、ラッカー希釈剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 | |
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | ||
発がん性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(呼吸器) | ||
誤えん有害性 | 区分1 | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 吸入すると有害 眼刺激 発がんのおそれ 神経系の障害 呼吸器への刺激のおそれ 眠気またはめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害のおそれ 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ 長期継続的影響により水生生物に毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 無理に吐かせないこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | クメン | ||
慣用名又は別名 | イソプロピルベンゼン 1−メチルエチルベンゼン 2−フェニルプロパン | ||
英語名 | Cumene isopropylbenzene 1-Methylethylbenzene 2-Phenylpropane | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H12 (120.19) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 98-82-8 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-22 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 医師に連絡すること。 医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 無理に吐かせないこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : めまい、運動失調、嗜眠、頭痛、意識喪失。 皮膚 : 眼、皮膚を刺激する。皮膚の乾燥。反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 眼 : 眼、皮膚を刺激する。発赤、痛み。 経口摂取 : めまい、運動失調、嗜眠、頭痛、意識喪失。液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を引き起こす危険がある。 中枢神経系に影響を与えることがある。許容濃度をはるかに超えると、意識を喪失することがある。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂、AFFF(水性膜泡消火薬剤) | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素)が放出される可能性がある。 引火性。31℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 | ||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 関係者以外は安全な場所に退去させる。 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 必要に応じた換気を確保する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 漏出物を回収すること。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。 多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。 漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器に出来る限り集める。 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 漏出物の上をむやみに歩かない。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | ||
安全取扱注意事項 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | クメンはゴムを腐食する。 消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 許容濃度: 10 ppm、50 mg/m3(皮) | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 5 ppm | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を着用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した有機ガス用吸収缶を使用する -作業者が粉塵に暴露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 不浸透性手袋の使用を検討すること。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 鋭い芳香族臭(臭いの閾値 0.012ppm:PubChem(2022)) | ||
融点/凝固点 | -96 ℃(GESTIS(2021)) -96.01 ℃(CRC(2018)) -96.9 ℃(Perry(2019)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 152 ℃(GESTIS(2021)) 152.4 ℃(CRC(2018)) 153 ℃(Hommel(1996)) | ||
可燃性 | 引火性(ICSC(2014)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 0.8〜6 vol.%(GESTIS(2021)) 0.9〜6.5 %(NFPA(2002)) | ||
引火点 | 31 ℃(Closed cup)(GESTIS(2021)) 102 °F(Closed cup)(Merck(2013)) 115 °F(Lewis(2001)) | ||
自然発火点 | 420 ℃(GESTIS(2021)) 795 °F(Lewis(2001)) 797 °F(NFPA(2002)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 0.85 mm2/s(25℃)(ICSC(2014)) | ||
溶解度 | 水: 0.05 g/L(20℃)(GESTIS(2021)) 水: 0.2 g/L(20℃)(非常に溶けにくい)(ICSC(2014)) エタノール、エチルエーテル、アセトン、ベンゼン、石油エーテル、四塩化炭素に可溶(PubChem(2021)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 3.66(GESTIS(2021)、ICSC(2014)) | ||
蒸気圧 | 5.3 hPa(20℃)(GESTIS(2021)) 4.5 mm Hg(25℃)(PubChem(2021)) 427 Pa(20℃)(ICSC(2014)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.86 g/cm3(20℃)(GESTIS(2021)) 0.8615 (20℃)(CRC(2018)) 0.866 50°F(PubChem(2021)) | ||
相対ガス密度 | 4.15 (GESTIS(2021)) 1.01 (20℃)(GESTIS(2021)) 4.2 (空気=1)(ICSC(2014)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 常温、常圧の下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 引火性。31℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。酸および強酸化剤と激しく反応する。火災や爆発の危険を生じる。爆発性過酸化物を生成することがある。 硫酸、強酸化剤、硝酸、クロロスルホン酸と危険な反応を起こす可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | 熱 | ||
混触危険物質 | 酸、強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 爆発性過酸化 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分に該当しない。なお、(6)は詳細が不明なため、(1)〜(5)のデータより分類を行った。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:2,700 mg/kg(ACGIH (2001)) (2)ラットのLD50:2,900 mg/kg(DFG MAK (1999)、MOE 初期評価 (2015)、厚労省 リスク評価書(2015)) (3)ラットのLD50:2,910 mg/kg(EU RAR (2001)) (4)ラットのLD50:3,980 mg/kg(EU RAR (2001)) (5)ラットのLD50:4,000 mg/kg(EU RAR (2001)) 【参考データ等】 (6)ラットのLD50:1,400 mg/kg(DFG MAK (1999)、DFG MAK (2013)、厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2001)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:10,600 mg/kg(DFG MAK (1999)、DFG MAK (2013)、厚労省リスク評価書 (2015)) (2)ウサギのLD50:> 3,160 mg/kg(DFG MAK (2013)、厚労省リスク評価書 (2015)、AICIS IMAP (2016)、EU RAR (2001)、ACGIH (2001)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(5,300 ppm)より低いため、蒸気と判断し、ppmVを単位とする基準値より判断した。ガイダンスより、ラットのデータを使用したが、区分に該当しないものであったため、マウスのデータを用いた分類に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)マウスのLC50(7時間):2,000 ppm (4時間換算:2,645 ppm)(DFG MAK (2013)、EU RAR (2001)、AICIS IMAP (2015)、厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、ACGIH(2001)) (2)マウスのLC50(2時間):5,000 ppm (4時間換算:3,535 ppm)(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)) 【参考データ等】 (3)ラットのLC50(6時間):> 3,520 ppm (4時間換算:4311 ppm)(産衛学会許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、AICIS IMAP (2016)、EU RAR (2001)) | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度(295,900 mg/L)より高いため、ミストと判断した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):39.3 mg/L(DFG MAK (2013)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、ACGIH(2001)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n= 6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404相当、無傷/有傷皮膚、72時間観察)では、24及び72時間後の観察で浮腫はみられなかったが、軽度で回復性のある紅斑が全例にみられた。6例の個体別平均スコア(フルスコア:8)は各々2、1.5、2、2、2及び1.5で無傷皮膚と有傷皮膚には差はなかった(AICIS IMAP (2016)、EU RAR (2001)、ACGIH (7th, 2001)、厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2021))。 【参考データ等】 (2)本物質は皮膚刺激性物質である(AICIS IMAP (2016)、NTP(2009))。 (3)厚労省 リスク評価書 (2015)では、皮膚刺激性/腐食性:軽度の刺激性とされた。 (4)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(原液0.5 mL、24時間適用)では、皮膚剥離を伴う軽微な脱脂作用がみられ、軽微な皮膚刺激性と判定された(ACGIH (7th, 2001)、厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、ガイダンスに従い、区分2Bとした。 【根拠データ】 (1)本物質は眼刺激性物質である(AICIS IMAP (2016)、NTP(2009))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、中程度の発赤と多量の流涙を伴う刺激がみられたが、120時間以内に回復した(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019) 、ACGIH (7th, 2001)、厚労省 リスク評価書 (2015)、AICIS IMAP (2016))。 (3)厚労省 リスク評価書 (2015)では、眼に対する重篤な損傷性/刺激性:軽度の刺激性とされた。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n= 20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:10%溶液において、惹起後48時間後の陽性率は0%(0/20例)であった(厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2021))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、in vivoにおける一部の投与経路や臓器で弱い反応が見られたが、in vitroを含む他の知見はすべて陰性であったことから、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、腹腔内投与によるラット骨髄小核試験で弱陽性であったが、強制経口投与あるいは吸入ばく露による複数のマウス末梢血/骨髄小核試験ではいずれも陰性であった(CLH Report (2019)、ECHA RAC Opinion (2020)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015))。強制経口投与による雄ラット及び雌雄マウスを用いたコメットアッセイ(対象臓器:血液、肺、肝臓、腎臓)において、雄ラットの肝臓、雌マウスの肺で弱陽性であった(CLH Report (2019)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、厚労省 リスク評価書 (2015))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験、ほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO))を用いた遺伝子突然変異試験(HPRT遺伝子座)及び染色体異常試験で陰性であった(CLH Report (2019)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015))。 (3)ECHAのRACは本物質が弱い遺伝毒性を有する可能性は完全には否定できないが、本物質は生殖細胞変異原性区分1B/2には該当しないとしたCLP分類提案者の結論に同意した(ECHA RAC Opinion (2020))。 (4)利用可能なデータからは、本物質自体は遺伝毒性を有さないと考えられるが、本物質の代謝物であるα-メチルスチレン酸化物は遺伝毒性を示す一部の知見がある(Canada CMP Screening Assessment (2019)、AICIS IMAP (2016))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)より、動物種1種(マウス)であるが適正な試験で雌雄両性に肺腫瘍をはじめとした複数種の悪性を含む腫瘍の増加が認められたことから、動物実験において発がん性の十分な証拠があると判断し、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性併合試験(雄:250〜1,000 ppm、雌:125〜500 ppm)において、雌雄ともに肺に悪性を含む腫瘍、雄には脾臓の血管肉腫、雌には肝細胞腺腫、肝細胞腺腫とがんの合計の増加が認められめられ、雄にはさらに甲状腺の濾胞細胞腺腫の有意な増加傾向がみられた。また、本物質にばく露したマウスの肺でK-rasとp53の突然変異を評価した結果、肺の腫瘍の87%と52%でそれぞれK-rasとp53の変異がみられたが、対照群ではそれぞれ14%と0%であった(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、CLH Report (2019)、NTP TR542(2009))。 (2)国内外の評価機関による既存分類結果として、IARCでグループ2Bに(IARC 101 (2013))、日本産業衛生学会で第2群Bに(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019):2015年分類)、EPAでカテゴリーD(not classifiable as to human carcinogenicity)に(IRIS (1997))、NTPでRに(NTP RoC 14th. (2016))、DFGでカテゴリー3に(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed November 2021))それぞれ分類されている。また、EUは今後Carc. 1Bに分類する見込みである(ECHA RAC Opinion (2020))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験(雌雄:250〜1,000 ppm)において、雄には鼻腔呼吸上皮の腺腫、腎尿細管の腺腫とがんの合計、精巣の間細胞腺腫、雌には鼻腔呼吸上皮の腺腫の増加が認められた(IARC 101 (2013)、厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、AICIS IMAP (2016)、CLH Report (2019)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、NTP TR542(2009))。 (4)ラットの試験で認められた腎臓腫瘍については、雄ラットに特異的なα2u-グロブリン腎症と関連した腎臓の腫瘍形成の可能性が十分に考えられ、ヒトにはあてはまらないと考えられている(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019))。一方、ECHAのRACは雄ラットのα-2uグロブンリン腎症に関連したものはヒトには当てはまらないと判断できるが、雌にも腎症の増加傾向(有意差はない)がみられており、雄の腎腫瘍の全てがヒトに当てはまらない機序によるものとは言い切れず、雄の腎腫瘍も本物質の発がん性の限定的な証拠と考えられるとした(ECHA RAC Opinion (2020)、NTP RoC 14 th. (2016))。 (5)雌雄マウスでみられたクメン誘発性の肺腫瘍は、用いたマウスの系統では背景発生率が高いが、増加率が大きく低用量から発生率の有意な増加がみられたことから、投与に関連した影響で生物学的意義を有する所見と考えられた。この作用機序に関して、肺のクララ細胞におけるCYP2F2が関連した代謝(ベンゼン環の酸化)によるα-メチルスチレンとその酸化物の関与が想定されている。マウスの肺にクメンの代謝産物が蓄積する所見も認められている。マウスはラットよりもCYP2E1やCYP2F(CYP2Fサブファミリーは種に対して1種類しか発現しておらず、マウスではCYP2F2、ラットではCYP2F4、ヒトではCYP2F1)を含む多くのクララ細胞を肺に有していることから、マウスとラットでは肺や呼気における代謝産物の分布状況が異なったと考えられた。一方、ヒトの肺にはCYP2F1がほとんど分布していないことから、ヒトの代謝能力はげっ歯類に比べてかなり低いと考えられる(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019) 、NTP RoC 14 th. (2016))。 (6)ECHAのRACはマウスの肺腫瘍に関して、気道のクララ細胞の代謝亢進に関連するマウスに特異的な作用機序の仮説は、スチレン等のアルキルベンゼン化合物でみられるこの機序を介したいくつかの知見(細胞毒性を示さない、代謝物が量的に多くはない、ラットとマウス間で代謝物に差がない等)が確認できないことから、本物質には当てはまらないことが示唆されるとした。その上で、別の作用機序としてK-ras変異が関連する機序等の可能性も残るとして、肺腫瘍はヒトに当てはまるとみなすべきであるとしている(ECHA RAC Opinion (2020))。 (7)ECHAのRACはこの他、雌雄ラットにみられた鼻腔の腫瘍も発がん性の証拠であるが、良性腫瘍のみであり限定的な証拠と考えられる。雌マウスの肝臓腫瘍に関しては、当該系統の自然発生率が高く、証拠としての重みは低いとしている。以上、ヒトへの外挿性を否定できない良性/悪性腫瘍がげっ歯類2種の複数部位に発生することから、Carc. 1Bが妥当とされた(ECHA RAC Opinion (2020))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (2)より、著しい母動物毒性(死亡率:13%)を生じた高用量群において、胚/胎児毒性の徴候がみられたが、母動物毒性による二次的影響と考えられる。中用量以下では母動物毒性(摂餌量減少)はみられたものの、ばく露に関連した発生影響は認められていない。したがって、(1)、(2)より本物質の発生影響に関する懸念は低いと考えられるが、生殖能への影響に関する毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)雌ラットを用いた吸入ばく露による発生毒性試験(妊娠6〜15日)において、母動物に体重増加抑制、摂餌量減少、肝臓重量増加が認められる最高濃度(1,200 ppm)まで、母動物の生殖影響も胎児への発生影響も認められなかった(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2016)、Canada CMP Screening Assessment (2019))。 (2)雌ウサギを用いた吸入ばく露による発生毒性試験(妊娠6〜18日)において、母動物には低用量群から摂餌量減少、高用量(2,300 ppm)群では、死亡(2/15例)、流産(1/15例)、体重増加抑制、口腔・鼻腔周囲の汚れ等が認められた。胎児には低用量群で頭部に斑状出血を有する胎児比率の増加がみられたが、自然発生率の範囲内であった。高用量群では吸収胚/着床後死亡胚の増加、生存胎児比率の減少傾向がみられた(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2016)、Canada CMP Screening Assessment (2019))。 【参考データ等】 (3)ラット及びマウスを用いた14週間吸入ばく露試験において、雄マウスの最高濃度ばく露群で精巣上体の精子数の減少がみられたが、それ以外には雌雄のいずれにも生殖器への有害影響は認められなかった(産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、DFG MAK (2013)、厚労省 リスク評価書 (2015)、AICIS IMAP (2016)、Canada CMP Screening Assessment (2019))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、ヒトの知見において神経系及び気道への影響がみられた。(3)〜(8)より、動物の知見において、区分1の範囲で中枢神経系への影響(運動失調、歩行異常、意識喪失)がみられた。以上より、区分1(神経系)、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)吸入や経口摂取により眩暈、運動失調、嗜眠、頭痛、意識喪失を生じる。ヒトの TCLo として 200 ppm(984 mg/m3。傾眠や活動抑制、易刺激性)との報告がある(MOE 初期評価 (2015)、厚労省 リスク評価書(2015))。 (2)300-400 ppm のクメンにばく露した労働者が、眼および上気道の痛みを訴えたとの報告がある(厚労省 リスク評価書(2015))。 (3)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(蒸気、6時間)において、0.461 mg/L(4時間換算:0.565 mg/L、区分1の範囲)で四肢の屈曲反射の低下、水平移動の増加(雌)が、1.03 mg/L(4時間換算:1.26 mg/L、区分1の範囲)で直腸体温低下、水平運動の増加、歩行障害(雄)がみられたとの報告がある(DFG MAK (1999)、厚労省 リスク評価書 (2015))。 (4)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(蒸気、4時間)において、1.98 mg/L(区分1の範囲)で意識喪失がみられたとの報告がある(DFG MAK (1999)、厚労省 リスク評価書 (2015))。 (5)マウスを用いた単回吸入ばく露試験(蒸気、6時間)において、2.5〜6 mg/L(4時間換算:3.06〜7.35 mg/L、区分1の範囲)で活動性亢進、歩行異常がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (6)マウスを用いた単回吸入ばく露試験(蒸気、4時間)において、1.72 mg/L(区分1の範囲)で麻酔、運動失調、反射喪失、呼吸頻度の減少、肝臓と腎臓における脂肪沈着、脾臓濾胞における細網細胞の核の断片の貪食がみられたとの報告がある(DFG MAK (1999)、厚労省 リスク評価書 (2015))。 (7)マウスを用いた単回吸入ばく露試験(蒸気、7時間)において、10 mg/L(4時間換算:13.2 mg/L、区分2の範囲)で中枢神経系抑制による呼吸不全がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (8)ラットを用いた単回経口投与試験において、1,350 mg/kg(区分2の範囲)で重度の運動障害、麻酔作用、白血球数の減少が、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で24時間以内に全例死亡がみられたとの報告がある(DFG MAK (1999)、厚労省 リスク評価書 (2015))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、ヒトの知見において、重度の影響はみられなかったが、(5)、(6)より、呼吸器への影響がみられたことから、区分2(呼吸器)とした。なお、ガイダンスに基づき分類結果を変更した。また、(2)〜(6)より、動物の知見において、雄ラットのみにみられた腎臓の組織変化等の所見はα-2uグロブリン腎症に基づくものと判断し、標的臓器として採用していない。 【根拠データ】 (1)クメンを溶剤として 1〜2 年にわたって使用していた労働者で、毎日のばく露が原因となる障害の発生はなかった。また、大多数の労働者で 300〜400 ppm の濃度は眼や上気道の痛みを生じたが、一部の労働者では 400 ppm をかなり上回る濃度でもすぐに耐容性を示したとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、AICIS IMAP (2016)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019))。 (2)ラットを用いた4週間反復吸入ばく露試験(蒸気、6 時間/日、5 日/週)において、0.517 mg/L(90日換算:0.115 mg/L、区分1の範囲)で頭部の左右の動きの増加と斜頸様症状が、1.476 mg/L(90日換算:0.328 mg/L、区分2の範囲)で平均絶対腎臓重量の増加(雄)が、2.947 mg/L(90日換算:0.655 mg/L、区分2の範囲)で左右腎臓の平均絶対重量増加(雄)、円背位姿勢(1/10例)(雌)、平均絶対腎臓重量の増加がみられたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019))。 (3)ラットを用いた14週間反復吸入ばく露試験(GLP、蒸気、6 時間/日、5 日/週)において、0.308 mg/L(0.22 mg/L、区分2の範囲)で腎皮質における硝子滴の蓄積(雄)が、0.615 mg/L(0.439 mg/L、区分2の範囲)で腎臓におけるα2u-globulin 量の増加、腎髄質顆粒状円柱の頻度増加(雄)が、1.23 mg/L(0.879 mg/L、区分2の範囲)で腎臓と肝臓重量増加(雄)がみられたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR542 (2009))。 (4)マウスを用いた14週間反復吸入ばく露試験(蒸気、6 時間/日、5 日/週)において、0.308 mg/L(0.22 mg/L、区分2の範囲)で肝臓におけるごく軽度の巣状慢性炎症が、0.615 mg/L(0.439 mg/L、区分2の範囲)で平均体重の低値、肝臓重量増加が、1.23 mg/L(0.879 mg/L、区分2の範囲)で精巣上体尾部重量及び精子数の減少(雄)、昏睡状態・運動失調の後1週間以内に死亡する個体(8/10例)がみられたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR542 (2009))。 (5)ラットを用いた105週間反復吸入ばく露試験(GLP、蒸気、6時間/日、5日/週)において、1.23 mg/L(0.879 mg/L、区分2の範囲)で嗅上皮の基底細胞の過形成、呼吸上皮の過形成(雄)、腎乳頭部の鉱質化(雄)が、2.46 mg/L(1.76 mg/L、区分該当しない範囲)で尿細管の過形成と腎臓乳頭部の移行上皮の過形成(雄)が、4.92 mg/L(3.51 mg/L、区分該当しない範囲)で呼吸上皮の過形成(雌)がみられたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、AICIS IMAP (2016)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、NTP TR542 (2009))。 (6)マウスを用いた105週間反復吸入ばく露試験(GLP、蒸気、6時間/日、5日/週)において、1.23 mg/L(0.879 mg/L、区分2の範囲)で肝臓のエオジン好性変異細胞巣の発生率の増加(雄)、嗅上皮の萎縮(雄)、嗅上皮の腺の過形成(雄)、嗅上皮基底細胞の過形成(雌)が、2.46 mg/L(1.76 mg/L、区分に該当しない範囲)で化膿性炎症、嗅上皮基底細胞の過形成、嗅上皮の異型過形成、前胃の上皮性過形成、嗅上皮の異型過形成(雌)、嗅上皮の腺の過形成(雌)、呼吸上皮の扁平上皮化生の発生率増加(雌)がみられたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2015)、MOE 初期評価 (2015)、AICIS IMAP (2016)、産衛学会 許容濃度暫定値の提案理由書 (2019)、NTP TR542 (2009))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 (1)〜(4)より区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質は炭化水素化合物である。 (2)本物質(液体)を誤嚥して化学性肺炎を起こすことがある(MOE 初期評価 (2015))。 (3)EU、オーストラリアでは、クメンの動粘性率が低いことと急性経口毒性試験の剖検例で肺に浮腫や出血がみられたことを根拠に、本物質は「飲み込むと肺の傷害を生じるおそれがある」旨のリスク警句を付して有害性物質に分類するよう勧告された(AICIS IMAP (2016)、EU RAR (2001))。 (4)40℃での動粘性率は0.73×10-6 mm2/sとの報告がある(EU RAR (2001))。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50 = 1.2 mg/L(CICADS 18, 1999)から、区分2とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(84/449/EECに従った分解度試験(揮発容器使用)における28日間での分解度:13%(EU-RAR, 2001))、藻類(Scenedesmus subspicatus)の72時間NOEC = 0.22 mg/L(EU-RAR, 2001)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.35 mg/L(EU-RAR, 2001他)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(84/449/EECに従った分解度試験(揮発容器使用)における28日間での分解度:13%(EU-RAR, 2001))、魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 2.7 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008)であることから、区分2となる。 以上の結果から、区分2とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1918 | |||
品名(国連輸送名) | クメン | |||
国連分類 | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 130 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第二石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(X類同等の物質)(環境省告示第148号第1号) 危険物(施行令別表第1の4) | |||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |