1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | p-tert-ブチル安息香酸 | ||
化学品の英語名称 | p-tert-Butylbenzoic acid | ||
製品コード | R03-B-001-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 塗料用樹脂改質剤、防錆剤、塩ビ安定剤、液晶原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系、精巣) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(神経系、腎臓、雄性生殖器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 | |
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 神経系、精巣の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、腎臓、雄性生殖器の障害 水生生物に毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 口をすすぐこと。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | p-tert-ブチル安息香酸 | ||
慣用名又は別名 | 4−tert−ブチル安息香酸 | ||
英語名 | p-tert-Butylbenzoic acid 4-tert-Butylbenzoic acid 4-(1,1-Dimethylethyl)benzoic acid | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C11H14O2 (178.23) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 98-73-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-1338 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 情報なし | ||
眼に入った場合 | 情報なし | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水噴霧で冷却する。 安全にできるのであれば、危険区域から損傷していない容器を移動する。 発火源を遮断する。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、密閉型防護服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 必要に応じて適切な保護服または適切な化学防護服を着用すること。 漏洩区域外に避難する。 適切な保護対策がされていない場合は漏洩区域に入ってはいけない。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 粉末の場合は、粉じんが飛散しないようにして取り除く。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じんの発生を防ぐ。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.1 ppm(Skin) | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 | ||
臭い | かすかな芳香臭 | ||
融点/凝固点 | 165〜167 ℃(GESTIS(2021)) 164.5 ℃(PubChem(2021)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 加熱分解する(GESTIS(2021)) 280 ℃ (IUCLID (2000)) | ||
可燃性 | 可燃性(GESTIS(2021)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 爆発しない(IUCLID(2000)) | ||
引火点 | 158 ℃(Closed cup)(GESTIS(2021)) | ||
自然発火点 | 自然発火性なし(IUCLID (2000)) | ||
分解温度 | >280 ℃(GESTIS(2021)) | ||
pH | 3.9(GESTIS(2021)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 12.6 g/L(20℃)(GESTIS(2021)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 3.85(GESTIS(2021)) | ||
蒸気圧 | <0.01 hPa(20℃)(IUCLID(2000)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.142 g/cm3(GESTIS(2021)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。水溶液は酸性。強塩基、強酸化剤と危険な反応をする可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | 熱 | ||
混触危険物質 | 強酸、強塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:473 mg/kg(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (2020)) (2)ラット(雌)のLD50:642 mg/kg(ACGIH (2020)) (3)ラットのLD50(雌):< 720 mg/kg(CLH Report (2010)、EU RAR (2009)) (4)ラットのLD50(雄):720 mg/kg(CLH Report (2010)、EU RAR (2009)) (5)ラットのLD50:735 mg/kg(CLH Report (2010)、EU RAR (2009)、ACGIH (2020)) (6)ラット(雌)のLD50:550〜880 mg/kgの間(CLH Report (2010)、EU RAR (2009)、 ACGIH (2020)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、(2)、(3)については、30%DMSO溶液でのデータであるため、根拠データとして採用していない。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (2020)) 【参考データ等】 (2)ウサギのLD50:> 900 mg/kg(MOE初期評価 (2021)、EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (2020)) (3)ラットのLD50:300 mg/kg(MOE初期評価 (2021)、EU RAR (2009)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1〜3には該当しないが、区分を特定できず、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(粉塵、4時間):> 1.8 mg/L(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021)) (2)ラットのLC50(粉塵、4時間):> 1.9 mg/L(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (2020)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、皮膚反応は全くみられなかったとの報告がある(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、データを見直し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(GLP、72時間観察)において、24時間後に全例で軽微な結膜発赤がみられたが、72時間後には全ての反応が消失した(24/48/72時間後の角膜混濁スコアの平均:0.3、虹彩炎スコアの平均:0、結膜発赤スコアの平均:0.5、結膜浮腫スコアの平均:0.1)との報告がある(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG406、GLP、皮内投与:25%溶液)において、惹起後に全例で皮膚反応はみられなかった(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG475、単回経口投与)で陰性であった(EU RAR (2009)、MOE初期評価 (2021)、ACGIH (8th, 2020)、AICIS IMAP (2013)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然試験で陰性、ほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスターV79細胞)を用いた小核試験で弱陽性(+S9)又は陰性(-S9)であった(EU RAR (2009)、MOE初期評価 (2021)、ACGIH (8th, 2020)、AICIS IMAP (2013)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021)、安衛法変異原性試験 (Accessed Sep. 2021))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、体重増加抑制がみられた高用量(41 mg/kg/day)では精巣毒性に起因する雄性不妊が全例にみられ、体重増加抑制のみられない用量(7.9 mg/kg/day)でも受胎能喪失例が1/10例みられたことから、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)雄ラットを用いた混餌投与による生殖毒性試験(0.002〜0.05%(換算値:1.6〜41 mg/kg/day)、70日間投与後に未処置雌と交配)において、投与期間中に0.05%(換算値:41 mg/kg/day)群で体重増加抑制がみられた以外に一般毒性影響の記述はない。未処置雌と交配させた結果、0.01%(換算値:7.9 mg/kg/day)群の雄1/10例、及び0.05%群の雄全例(10/10例)が雌を妊娠させることができず、受胎能の低下が顕著に認められた。0.05%投与群を70日間休薬維持(通常飼料給餌)し、再度未処置雌と交配させた結果、受胎能の回復が認められた。試験終了時の0.05%群の精巣重量は0.01%群の88%に低下し、7/10例に精細管の精上皮に軽度の傷害が検出された(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (8th, 2020)、AICIS IMAP (2013)、CLH Report (2010)、ECHA RAC (Background Doc.) (2011)、EU RAR (2009)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 (2)ラットを用いた経口及び経皮経路での反復投与毒性試験において、精巣毒性がみられており、精巣は本物質の標的臓器の1つである(特定標的臓器毒性(反復暴露)の項参照)。 【参考データ等】 (3)米国の化学工場で本物質にばく露された90人の男性労働者を対象にして精巣機能への影響を調べた調査では、精巣毒性があると考えられる化学物質へのばく露履歴がない男性労働者を対照群として実施された。その結果、精巣機能への影響はみられず、本物質のばく露が不妊を引き起こしたという証拠もなかった。その後、対照群の例数を増やして再評価した研究でも精巣機能に対する影響は認められなかった(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (8th, 2020))。 (4)EU CLP分類(Accessed Sep. 2021)ではRepr. 1Bに分類されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1(神経系、精巣)とした。 【根拠データ】 (1)ラット、マウスを用いた単回経口投与試験において、 LD50は550〜880 mg/kgであり、致死量付近及びそれ以下の用量で、低活動性、運動失調、接触による冷感、疼痛反射消失、腹部と肛門領域の黄色汚染、前肢の障害、精巣の精子形成低下がみられ、ラットでは、痙攣に次ぐ側臥位、振戦、精巣萎縮がみられたとの報告がある(MOE初期評価 (2021)、AICIS IMAP (2013)、EU RAR (2009)、CLH Report (2010)、ACGIH (2020))。 (2)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(4時間)において、0.495 mg/L(区分1の範囲)で、精巣と脊髄への影響がみられたとの報告がある。なお、精巣への影響は精子数の減少等、前肢の神経障害は顕微鏡検査より、多巣性多発性脊髄症によるものとの報告がある(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (2020))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、ヒトのデータでは影響はみられなかったが、(2)〜(4)より、動物では神経系、腎臓、雄性生殖器への影響がみられたことから、区分1(神経系、腎臓、雄性生殖器)とした。なお、旧分類で標的臓器とされていた肝臓、血液系については、根拠データで用いられていた物質が混合物であったことから、本分類では採用していない。 【根拠データ】 (1)アメリカの化学工場で本物質にばく露された 90 人の男性労働者を対象にして精巣機能への影響を調べた調査では、精巣機能への影響はみられなかった。また、肝臓や腎臓の機能、赤血球の生成にも影響はなかったとの報告がある(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (2020))。 (2)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、100 ppm(6 mg/kg/day(雄)、8 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)以上で、肝臓相対重量増加、腎臓尿細管及び腎乳頭の壊死、精巣に精上皮の脱落による萎縮(雄)が、316 ppm(21 mg/kg/day(雄)、27 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)以上で、腎臓相対重量増加(雄)、精巣相対重量減少(雄)、体重増加抑制(雄)が、10,000 ppm(75 mg/kg/day(雄)、89 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で血清尿素窒素の増加、体重増加抑制(雌)がみられた。死亡例は316 ppm(15.8 mg/kg/day、区分2の範囲)で死亡又は切迫と殺(8/10例(雄)、3/10例(雌))がみられたとの報告がある。(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (2020)、EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、CLH Report (2010))。 (3)ラットを用いた28日間反復経皮投与試験において、60 mg/kg/day(90日換算:18.7 mg/kg/day、区分1の範囲)で精巣絶対・相対重量減少(雄)、精巣の生殖上皮の変性(雄)がみられたとの報告がある(EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、CLH Report (2010)、ACGIH (2020))。 (4)ラットを用いた28日間反復吸入ばく露試験(粉塵、6時間/日、5日/週)において、0.0047 mg/L(90日換算:0.00104 mg/L、区分1の範囲)で運動場所にいる間の覚醒状態の低下(雄)、排尿/排便回数の減少する例数の増加(雄)が、0.0157 mg/L(90日換算:0.00349 mg/L、区分1の範囲)で活動度の低下(雄)、立ち上がり回数の減少(雄)、振戦の発生頻度増加(雄)、顔面の被毛汚染や脱毛の増加(雄)、肝臓重量増加(雌)がみられたとの報告がある(MOE初期評価 (2021)、ACGIH (2020)、EU RAR (2009)、AICIS IMAP (2013)、CLH Report (2010))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(キンギョ)による96時間LC50 = 4 mg/L(EU-RAR, 2003)であることから、区分2とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がないが(BODによる分解度:0、0、12%(既存点検, 1990))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の96時間NOEC = 21 mg/L(EU-RAR, 2003)であることから、区分に該当しないとなる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0、0、12%(既存点検, 1990))、魚類(キンギョ)による96時間LC50のデータは得られているが、低濃度長期曝露を想定する慢性影響におけるpHの影響が否定できず、慢性分類の根拠としては用いないとの専門家判断により、分類できないとした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |