1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン (1-Chloro-2,4-dinitrobenzene) | ||
製品コード | 24B6518 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料・医薬中間体 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性(経皮) | 区分2 | |||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(血液系)、区分3(気道刺激性) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分2(神経系、血液) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | |||
<環境分類実施日に関する情報> | ||||
水生環境有害性 (急性):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 水生環境有害性 (長期間):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 | ||||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 | |||
皮膚に接触すると生命に危険 | ||||
皮膚刺激 | ||||
重篤な眼の損傷 | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
遺伝性疾患のおそれの疑い | ||||
臓器の障害(血液系) | ||||
呼吸器への刺激のおそれ | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(神経系、血液) | ||||
水生生物に非常に強い毒性 | ||||
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
眼、皮膚、衣類につけないこと。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
皮膚に付着した場合:多量の水/…で洗うこと。 | ||||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
汚染された衣服を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||||
口をすすぐこと。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | ||||
漏出物を回収すること。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | ||||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | |||
化学名又は一般名 | 1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン | ||
別名 | 1,3-ジニトロ-4-クロロベンゼン、2,4-ジニトロフェニルクロライド、1,3-Dinitro-4-chlorobenzene、2,4-dinitrophenyl chloride、DNCB | ||
濃度又は濃度範囲 | 99%以上 | ||
分子式 (分子量) | C6H3ClN2O4(202.55) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 97-00-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-454 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (3)-454 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 不純物:不明、 添加剤又は安定剤:無添加 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。安静。人工呼吸が必要なことがある。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けんで洗うこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
汚染された衣服を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。吐かせる(意識がある場合のみ!)。吐かせるときには保護手袋を着用する。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 紫色(チアノ−ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐、視覚障害。 気道を刺激する。 | ||
皮膚 : 吸収される可能性あり! 発赤、痛み。紫色(チアノ−ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐、視覚障害。 皮膚を重度に刺激する。 | |||
眼 : 発赤、痛み。 眼を刺激する。 反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 | |||
経口摂取 : 腹痛、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐。 | |||
短期暴露の影響: 眼、気道を刺激する。皮膚を重度に刺激する。血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成することがある。高濃度の場合、死に至ることがある。 | |||
長期または反復暴露の影響: 反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。神経系に影響を与え、視覚障害を生じることがある。 | |||
応急措置をする者の保護 | 吐かせるときには保護手袋を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、乾燥砂 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は分子中にN、ハロゲンを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にN、ハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系、ハロゲン酸化物系のガスなどの有毒のガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
空気中で粒子が細かく拡散して爆発性の混合気体を生じる。 | |||
特有の消火方法 | 安全な場所から消火作業を行う。 | ||
消火作業は、風上から行う。 | |||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
漏出物を回収すること。 | |||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出したものをすくいとり、または掃き集めて紙袋またはドラムなどに回収する。 | ||
粉塵が飛散しないようにして取り除く。 | |||
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。 | |||
多量の場合、木粉、珪藻土、バーミキュライト等に吸収させた後、適切な容器に入れ廃棄処分まで湿潤状態を保つ。乾燥状態にしてはならない。 | |||
こぼれた物質を真空掃除機で吸引し、安全な場所に移す。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
眼、皮膚、衣類につけないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
裸火禁止。 | |||
摩擦や衝撃を与えない。 | |||
衝撃、摩擦、または振動を加えると、爆発的に分解することがある。 | |||
空気がなくても、加熱すると爆発することがある。 | |||
強力な酸化剤、強塩基と反応する。 | |||
燃焼すると、塩化水素、窒素酸化物を含む有毒で腐食性のガスやフュームを生成する。 | |||
149℃で爆発の危険性。 | |||
高温の表面または裸火により加熱されると、爆発的な分解が起こる。その際、有毒な窒素酸化物(気体)、塩素水素蒸気(塩酸蒸気)と反応生成物蒸気が生じる。 | |||
粉塵の拡散を防ぐ! | |||
作業環境管理を厳密に! | |||
局所排気または呼吸用保護具。 | |||
顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。 | |||
20℃で気化したとき、空気中で有害濃度に達する速度は不明である。 | |||
水生生物に対して毒性が非常に強い。 | |||
火気厳禁、衝撃注意 | |||
接触回避 | 塩素酸ナトリウム、過酸化ジベンゾイル、アルミニウム、ナトリウム、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、ヒドラジン水和物 | ||
酸化剤、強塩基 | |||
衛生対策 | 作業中は飲食、喫煙をしない。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
火気厳禁、衝撃注意 | |||
強力な酸化剤、強塩基、食品や飼料から離しておく。 | |||
安全な容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2012年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2012年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
耐火設備(条件)。 | |||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて、適切な呼吸用保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 保護手袋、保護衣(自給式呼吸器付化学保護衣)を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣(自給式呼吸器付化学保護衣)、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 結晶(Merck (14th, 2006)) | ||
色 | 黄色(Merck (14th, 2006)) | ||
臭い | 特徴的な臭気(ICSC(J) (1999)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | 7 (0.36 g/L 20℃)(IUCLID (2000)) | ||
融点・凝固点 | 52-54℃(Merck (14th, 2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 315℃(Merck (14th, 2006)) | ||
引火点 | 194℃(CC)(Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | 2.0-22%(CRC (91st, 2010)) | ||
蒸気圧 | 0.000085 mmHg(25℃)(HSDB (2003)) | ||
蒸気密度 | 6.98 (air=1)(HSDB (2003)) | ||
比重(相対密度) | 1.6867(16℃/4℃)(CERIハザードデータ集 (2002)) | ||
溶解度 | 水:0.0092 g/kg H2O (25℃)(CRC (91st, 2010)) | ||
エーテル、ベンゼンと二硫化炭素に可溶。冷アルコールに微溶、熱アルコールに易溶。(HSDB (2003)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 2.17(HSDB (2003)) | ||
自然発火温度 | 432℃(ICSC(J) (1999)) | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 強力な酸化剤、強塩基と反応する。 | ||
化学的安定性 | 情報なし。 | ||
危険有害反応可能性 | 熱、衝撃、摩擦などにより、爆発的に分解することがある。 | ||
空気がなくても、加熱すると爆発することがある。 | |||
燃焼すると、塩化水素、窒素酸化物を含む有毒で腐食性のガスやヒュームを生成する。 | |||
避けるべき条件 | 衝撃、摩擦、または振動。 | ||
加熱、燃焼。 | |||
混触危険物質 | 塩素酸ナトリウム、過酸化ジベンゾイル、アルミニウム、ナトリウム、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、ヒドラジン水和物 | ||
酸化剤、強塩基 | |||
危険有害な分解生成物 | 一酸化炭素, 二酸化炭素, 窒素酸化物, 塩化水素 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値は640 mg/kg(環境省リスク評価 第3巻 (2004))および1070 mg/kg(PATTY (5th, 2001))に基づき、区分4とした。GHS分類:区分4 | ||
経皮 | ウサギのLD50値は130 mg/kg (環境省リスク評価 第3巻 (2004))に基づき、区分2とした。GHS分類:区分2 | ||
吸入:ガス | 吸入 (ガス):GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | 吸入 (蒸気):データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | 吸入 (粉塵・ミスト):データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギの皮膚に24時間の閉塞貼付した試験で強い刺激性(highly irritating)との結果(IUCLID (2000))が得られている。さらに、本物質は皮膚一次刺激性が最も強いことで知られている物質の一つであり(Contact Dermatitis (Frosch) (5th, 2011))、ヒトで接触性皮膚炎を起こし、かゆみ、水疱性丘疹及び皮膚の剥離等の症状がみられる(環境省リスク評価 第3巻 (2004))との記述もあり、区分2とした。GHS分類:区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギの眼に適用した試験で強い刺激性(highly irritating)との結果(IUCLID (2000))に加え、ヒトの眼に対し重度の刺激物である(HSDB (2003))との記述に基づき、区分1とした。 GHS分類:区分1 | ||
呼吸器感作性 | モルモットを用いたin vivo免疫学的試験において、吸入惹起処置で呼吸器アレルギーを誘発せず、同種細胞親和抗体の力価が低かったこと、さらに引き続き行われた試験では本物質が陰性対照として用いられ、投与動物で高力価の特異抗体の誘発がみられなかったこと、さらにマウスのIgE試験で陰性の事実から、本物質が呼吸器感作性を有しないことを納得し得る証拠があると結論されている(ECETOC TR 77 (1999))が、現時点では呼吸器過敏症試験用として認められた動物モデルはないことから、ガイダンスに従い分類できないとした。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | モルモットを用いたマキシマイゼーション試験とビューラー試験、マウスの局所リンパ節試験でいずれも陽性の結果(ECETOC TR 77 (1999))があること、本物質は一般に皮膚感作性試験の陽性対照として用いられている(EHC 149(1993)、JECFA 855(1996)、JMPR 930(1997))こと、ヒトでの職業ばく露またはヒトに適用した試験で、皮膚感作性を示す多数の報告がある(環境省リスク評価 第3巻 (2004)、ECETOC TR 77(1999)、DFGMAK-Doc.13 (1999))こと、さらにContact Dermatitis (Frosch)にはアレルギー物質として掲載されている(Contact Dermatitis (5th, 2011))こと、以上の知見に基づき区分1とした。 GHS分類:区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | in vivo試験としてマウスの腹腔内投与によるアルカリ溶出試験(in vivo遺伝毒性試験)で用量依存的なDNA損傷の増加を示し、結果は陽性(IUCLID (2000))、in vitro試験として、エームス試験で強い陽性結果(安衛法 変異原データ集 補遺3版(2005))、およびV79細胞を用いた染色体異常試験、HGPRT試験でも陽性の結果(IUCLID (2000))が報告されていることから専門家の判断により区分2とした。また本物質は、労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。なお、in vivo試験の優性致死試験で陰性との記載(DFGMAK-Doc.21 (2005))があるが、試験の詳細は不明である。GHS分類:区分2 | ||
発がん性 | ラットおよびマウスに2年間混餌投与(用量320、800、2000 ppm)によるがん原性試験において、ラットでは雄に腎細胞腺腫、および雌に乳腺の腺癌の発生増加が認められたが、マウスの雌雄には腫瘍の発生増加は認められず、本物質のマウス雌雄に対するがん原性は示されなかった(厚労省がん原性試験 (1992))。さらに、雄ラットおよび雌雄マウスに18ヵ月間混餌投与(250〜2000 ppm)した試験では、両動物腫とも対照群と比べ腫瘍発生率の増加はなかった(IUCLID (2000))と報告されている。以上の得られている結果から、本物質の発がん性に関して結論付けられないため「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ラットに経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422、GLP)において、主な一般毒性学的変化として、30 mg/kg 群の雌雄で胃の病変(前胃の扁平上皮の過形成、炎症性細胞浸潤など)が認められたが、生殖および発生に及ぼす影響としては、親動物の一般状態、交尾、受胎、妊娠、分娩など性機能・生殖能の指標、仔動物では、外表、一般状態、出生率、性比、新生児の4日生存率など仔の発生に関する指標に被験物質に起因する変化は認められなかった(経産省生殖試験 (Access on Apr. 2012)、List2相当)。したがって、性機能・生殖能に対する悪影響は見出されなかったが、一方、妊娠期間中のラットに0.13 mg/m3の濃度を吸入ばく露した試験で着床後の吸収胚の増加がみられたと報告されているが、詳細不明に加え対照群の設定についても報告されていないとの記載(環境省リスク評価 第3巻 (2004))もあり分類には採用せず、仔の発生に及ぼす影響についてはデータ不十分なため、「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトへの影響として、吸入及び経口暴露では唇、爪及び皮膚のチアノーゼ、めまい、頭痛、息苦しさなどの急性毒性症状が現れ、また、血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成する可能性がある(環境省リスク評価 第3巻 (2004))との記載がある。動物試験では、ラットに640 mg/kgを経口投与した結果、血中でのメトヘモグロビン産生が認められ、30分後20%、1時間後17%、2時間後12%を示し、24時間後のみハインツ小体が観察されたと報告(IUCLID 2000))されており、ラットによる試験の用量は区分2のガイダンス値内であるが、ヒトの情報に基づき区分1(血液系)とした。また、ヒトで本物質のばく露により眼、気道、皮膚に刺激を与えるとの記載(環境省リスク評価 第3巻 (2004))もあることから区分3(気道刺激性)とした。なお、ヒトで本物質のばく露により、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐など神経系と同様の症状が現れるが、詳細が不明であるため分類の根拠としなかった。GHS分類:区分1(血液系)、区分3(気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトの本物質による慢性中毒では、霧視、中心暗点、視野狭窄を伴う球後視神経炎が徐々に現れ、視神経炎も伴い、例外的には眼の萎縮〜瞳孔反応の調節障害に至る可能性があり、また、慢性中毒による球後視神経炎は末梢神経炎と関連があり、脚の不全麻痺および足の灼熱感をもたらす(HSDB (2003))。以上のヒトでの知見(List 2)に基づき、区分2(神経系)とした。一方、ラットに1.1 mg/m3の濃度で4ヵ月間吸入ばく露(粉塵;4時間/日、5日/週)した試験で、対照群の設定についての記載はないが、ばく露後2〜3週間で行動異常、可視粘膜の充血、呼吸困難が現れ、23匹中4匹が死亡し、4ヵ月間のばく露後には、ヘモグロビン濃度及び赤血球数の減少、スルフヘモグロビン血症もみられた(環境省リスク評価 第3巻 (2004))との報告があり、用量は区分2のガイダンス値内であることから区分2(血液系)とした。 GHS分類:区分2(神経系、血液) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=0.14mg/L(環境省生態影響試験、1999)から、区分1とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中) | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF<44(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない (BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中) | ||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 3441 | |||
国連品名 | クロロジニトロベンゼン(固体) | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当する。 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 153 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質 | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
消防法 | 第5類自己反応性物質、ニトロ化合物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P | |||
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |