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安全データシート
2,4−ジメチルアニリン
作成日 2010年2月1日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称2,4‐ジメチルアニリン、(2,4-Dimethylanilin)
製品コード21K1-214
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限染料・顔料中間体
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H21.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性火薬類分類対象外
 可燃性・引火性ガス分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類分類対象外
 高圧ガス分類対象外
 引火性液体区分4
 可燃性固体分類対象外
 自己反応性化学品分類対象外
 自然発火性液体区分外
 自然発火性固体分類対象外
 自己発熱性化学品区分外
 水反応可燃性化学品分類対象外
 酸化性液体分類対象外
 酸化性固体分類対象外
 有機過酸化物分類対象外
 金属腐食性物質分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
 急性毒性(経皮)区分外
 急性毒性(吸入:ガス)分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気)分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん)分類対象外
 急性毒性(吸入:ミスト)区分4
 皮膚腐食性・刺激性区分外
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分2
 呼吸器感作性分類できない
 皮膚感作性分類できない
 生殖細胞変異原性分類できない
 発がん性区分外
 生殖毒性分類できない
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(血液系)
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1(血液系、肝臓)
 吸引性呼吸器有害性分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性区分2
 水生環境慢性有害性区分2
ラベル要素
絵表示又はシンボル感嘆符環境健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報可燃性液体
 飲み込むと有害
 吸入すると有害
 強い眼刺激
 血液系の障害
 長期にわたる、または、反復ばく露により血液系、肝臓の障害
 水生生物に毒性
 長期的影響により水生生物に毒性
注意書き
 【安全対策】
 炎や高温のものから遠ざけること。−禁煙。
 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 環境への放出を避けること。
 【応急措置】
 火災の場合には適切な消火方法をとること。
 飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露した場合、医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 漏出物を回収すること。
 【保管】
 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名2,4−ジメチルアニリン
別名
分子式 (分子量)C8H11N(121.2)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号95-68-1
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(3)-129
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : めまい、し眠、頭痛、吐き気
 皮膚 : 発赤、紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、めまい、し眠、頭痛、吐き気、意識喪失。
 眼 : 発赤、痛み
 経口摂取 : 紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、めまい、し眠、頭痛、吐き気、意識喪失。
最も重要な兆候及び症状意識低下を引き起こすことがある。
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項医学的な経過観察が必要である。
 ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。
 

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水、水噴霧
特有の危険有害性熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
 激しく加熱すると燃焼する。
 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 容器が熱に晒されているときは、移さない。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置全ての着火源を取り除く。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
封じ込め及び浄化方法・機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項取扱い後はよく手を洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
 ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 皮膚との接触を避けること
 飲み込まないこと
 眼に入れないこと
 消防法の規制に従う。
接触回避『10.安定性及び反応性』を参照。
保管
技術的対策消防法の規制に従う。
混触危険物質『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会未設定(2008年度版)
ACGIH未設定(2008年度版)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
澄明で淡黄色(空気にばく露すると赤〜茶色)
臭い特徴臭
pHデータなし
融点・凝固点−16℃ : ICSC (J) (2007)
沸点、初留点及び沸騰範囲214℃ : ICSC (J) (2007)
引火点90℃ : ICSC (J) (2007)
自然発火温度520℃ : ICSC (J) (2007)
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲1.1〜7.0 vol% (空気中) : ICSC (J) (2007)
蒸気圧11Pa (20℃) : ICSC (J) (2007)
蒸気密度4.19 (空気=1) : ICSC (J) (2007)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)0.97 (水=1) : ICSC (J) (2007)
溶解度水 : 0.5g/100ml (20℃) : ICSC (J) (2007)
オクタノール・水分配係数log P = 1.68 : ICSC (J) (2007)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性燃焼すると分解し、有毒で腐食性のヒューム(窒素酸化物)を生じる。強力な酸化剤と激しく反応する。次亜塩素酸と反応し、爆発性のクロロアミン類を生成する。酸、酸無水物、酸塩化物、ハロゲン類と反応する。プラスチック、ゴムを侵す。
避けるべき条件燃焼
混触危険物質窒素酸化物、次亜塩素酸、酸、酸無水物、酸塩化物、ハロゲン類
危険有害な分解生成物爆発性のクロロアミン類
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットを用いた経口投与試験のLD50値 470 mg/kg (DFGOT vol.19(1998)、ACGIH(7th, 2001)) から区分4とした。
経皮ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値3,300 mg/kg (DFGOT vol.19 (1998))との記述がある。このLD50値は国連GHS急性毒性(経皮)区分5に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
吸入吸入(ガス):GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
 吸入(蒸気):データがないので分類できない。
 吸入(ミスト):本物質の飽和蒸気圧濃度(25℃)は175 ppm (0.867 mg/L)である。ラットを用いた4時間吸入ばく露試験のLC50値1.53 mg/L (DFGOT vol.19 (1998)) は飽和蒸気圧濃度より大きいため、ミスト基準を適用し、区分4とした。
皮膚腐食性・刺激性OECD TG準拠の皮膚刺激性試験で「not irritating」(DFGOT vol.19 (1998))の旨、記述されている。また、BUA 161 (Summary, 1994) には、「skin : weak irritation」と、記述されている。以上より、国連GHS皮膚刺激性区分3に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 なお、環境省リスク評価書第6巻 (2008) には、ヒトへの影響の項に「皮膚を刺激し、・・・皮膚に付くと発赤」との記述がある。また、引用文献のICSC (2007)には、EFFECTS OF SHORT-TERM EXPOSUREの項に「mildly irritating」と、記述されている。
眼に対する重篤な損傷・刺激性OECD TG準拠の眼刺激性試験で「irritating」(DFGOT vol.19 (1998))の旨、記述されている。また、BUA 161 (Summary, 1994) には、「eye : irritant」と、記述されている。以上より、程度が不明なので細区分せず区分2とした。 なお、環境省リスク評価書第6巻 (2008) には、ヒトへの影響の項に「眼を刺激し、・・・眼に入ると発赤、痛み」との記述がある。また、引用文献のICSC (2007)には、EFFECTS OF SHORT-TERM EXPOSUREの項に「irritating」と、記述されている。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データがないので分類できない。
 皮膚感作性:データがないので分類できない。
生殖細胞変異原性in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いたAmes試験)で「陽性」(NTP DB (Access on October 2008)) との記述があるが、in vivo試験のデータがないので、分類できない。
発がん性IARCでグループ3 (IARC Suppl. 7 (1987))との記述があるので、ガイダンスに従い区分外とした。 ただし、ドイツDFGではカテゴリー2 (DFGOT vol.19 (1998) ) に分類されている。
生殖毒性データがないので分類できない。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)動物については、ラットを用いた4時間吸入ばく露試験において、「過呼吸がみられた」(DFGOT vol.19 (1998)) 旨の記述と、ラットの致死量を求める経口投与試験において、「投与約1時間半後にメトヘモグロビンが産生された」(DFGOT vol.19 (1998)) 旨の記述がある。これらの症状は全て区分1のガイダンス値の範囲内でみられた。本物質のヒトについてのデータはないが、DFGOT vol.19 (1998) には、「異性体である2,6-xylidineがヒトにメトヘモグロビン血症を引き起こした」との報告が記述されている。以上より、区分1(血液系)とした。 なお、ICSC (2007)には、「高濃度ばく露すると、意識低下を引き起こすことがある。高濃度にばく露すると、メトヘモグロビンを生成することがある。これらの影響は遅れて現れることがある。医学的な経過観察が必要である」旨の記述があるが、投与量などの詳細については不明である。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雄で肝臓の絶対及び相対重量の増加、腎臓の尿細管上皮硝子滴の増加、血色素量の減少、血小板数の増加、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、雌で総コレステロール量の増加、雌雄で小葉中心部の肝細胞肥大」(環境省リスク評価書第6巻 (2008))が見られた旨記述されており、区分2のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雌で肝臓の絶対及び相対重量の増加、腎臓相対重量の増加、血色素量の減少、プロトロンビン時間の短縮等を認めた」(環境省リスク評価書第6巻 (2008))旨記述されている。肝臓への影響については、ACGIH(7th, 2001)にも、区分2のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雄で肝細胞壊死、胆管過形成がみられた」旨の記述があるため、採用する。腎臓の尿細管上皮硝子滴の増加は、雄ラットのみにみられた症状なので採用しない。以上より、区分1(血液系、肝臓)とした。
吸引性呼吸器有害性データがないので分類できない。
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=9.9mg/L(ECOTOX, 2008)から区分2とした。
水生環境慢性有害性信頼性のある長期毒性試験データが得られていない。急速分解性がなく(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検データ, 1998)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=9.9mg/L(ECOTOX, 2008))であることから、区分2とした。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規制に従う。
航空規制情報ICAO・IATAの規制に従う。
UN No.1711
Proper Shipping Name.XYLIDINES, LIQUID
Class6.1
国内規制
陸上規制情報消防法の規制に従う。
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号153
 

15.適用法令
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)新規指定化学物質(第1種)(平成20年11月21日公布、平成21年10月1日施行、PRTR:平成22年4月1日把握開始、平成23年4月1日届出開始)2,4‐ジメチルアニリン(政令番号 : 1-214)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。