1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-Dichlorophenoxyacetic acid) | ||
製品コード | H28-B-031 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(除草剤) (NITE CHRIP) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H29.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | − | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | |||
発がん性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系)、区分3 (麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、血液系、肝臓、腎臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 強い眼刺激 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害 眠気又はめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、血液系、肝臓、腎臓の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 | ||
別名 | 2,4-D 2,4-PA | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C8H6Cl2O3 | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 94-75-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 3-927 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 4-(4)-234 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 周辺の状況や火災の状況に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
接触回避 | 情報なし | ||
衛生対策 | 情報なし | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2016年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2016年版) | TLV-TWA: 10 mg/m3 (Inhalable particulate matter) (Skin) (2,4-D) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色あるいは白色 (ICSC(J) (2005)) | ||
臭い | 無臭、かすかなフェノール臭 (HSDB (2016)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | Detection: 3.13 mg/kg (HSDB (2016)) | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 138℃ (Merck (15th, 2013)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 160℃ (0.4 mmHg) (Merck (15th, 2013)) | ||
引火点 | データなし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | 不燃性 (ICSC(J) (2005)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 8.25×10-5 mmHg (20℃) [換算値 0.011 Pa (20℃)] (SRC (2016)) | ||
蒸気密度 | 7.63 (Air=1) (ACGIH (7th, 2013)) | ||
比重(相対密度) | 1.416 (25℃) (ACGIH (7th, 2013)) | ||
溶解度 | 水: 0.031 g/100 mL (25℃) (非常に溶けにくい) (ICSC(J) (2005)) 有機溶媒に溶ける (Merck (15th, 2013)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 2.81 (GESTIS (2016)) | ||
自然発火温度 | 不燃性 (ICSC(J) (2005)) | ||
分解温度 | > 150℃ (GESTIS (2016)) | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると分解し、塩化水素を含む有毒なヒュームを生じる。強力な酸化剤と反応し、火災および爆発の危険をもたらす。ある種の被膜剤や金属を侵す。 | ||
避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、443 mg/kg、699 mg/kg (JMPR (1996)) の報告に基づき、区分4とした。 なお、本物質は専門家判断に基づき、情報源としてJMPRのLD50値を優先的に採用した。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分外 ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (EPA RED (2005)、JMPR (1996)) の報告に基づき、区分外とした。ガイダンスの改訂に伴い、区分を見直した。 なお、本物質は専門家判断に基づき、情報源としてJMPRのLD50値を優先的に採用した。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足により分類できない。なお、ラットのLC50値 (4時間) として、DFGOT vol.11 (1998) には、>1.79 mg/L の報告があるが、この値からは区分を特定することはできない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分外 ウサギの皮膚一次刺激性試験 (4時間塗布) では刺激性はみられなかった (JMPR (1996))、PATTY (6th, 2012)) ことから、区分外とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2A ウサギを用いたドレイズ法による眼一次刺激性試験において、強度の刺激性 (角膜混濁、結膜の浮腫・発赤、眼脂分泌) が認められていることから (JMPR (1996))、EPA RED (2002)、PATTY (6th, 2012)、区分2Aとした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 区分外 モルモットを用いたビューラー法による皮膚感作性試験では陰性であった (EPA RED (2005)、JMPR (1996)) ことから、区分外とした。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、マウスの精原細胞姉妹染色分体交換試験で陽性、マウス骨髄細胞を用いる小核試験で陰性、ラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陽性、陰性、ラットのリンパ球を用いる姉妹染色分体交換試験で陰性、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性である (JMPR (1996)、DFGOT vol.11 (1994)、ACGIH (7th, 2001)、ACGIH (7th, 2013)、EHC 29 (1984)、PATTY (6th, 2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験、姉妹染色文体交換試験では陰性または陽性の結果が報告されている (JMPR (1996)、DFGOT vol.11 (1994)、ACGIH (7th, 2013)、PATTY (6th, 2012)、EHC 29 (1984))。以上のように、in vivo、in vitroで、わずかに陽性結果も認められるが、陰性の結果が主体であり、WHO (1996)、PATTY (6th, 2012) では、本物質に遺伝毒性はないと結論している。したがって、本分類においても遺伝毒性なしと判断した。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 IARCは最新の評価において、本物質の発がん性はヒトでの不十分な証拠と実験動物での限定的な証拠に基づき、グループ2Bに分類した (IARC 113 (in prep., Access on June 2016)、IARC Press Release No. 236 (Access on June 2016))。今回の評価も分類結果は以前と変更ない (IARC Suppl. 7 (1987)) が、本物質が作用機序として酸化ストレスを生じる強力な証拠があり、その機序がヒトで起こりえること、免疫抑制作用の中程度の証拠があることが記述されている (IARC Press Release No. 236 (Access on June 2016))。よって、本項は区分2とした。 なお、他機関による分類結果としては、ACGIHが2001年以降A4に (ACGIH (7th, 2013))、EPAが1997年にグループD (Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential (2015)) に分類しており、いずれも「分類できない」に該当する。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 ヒトでは妊娠6ヵ月前から妊娠第5週まで本物質を含む製品にばく露された母親から生まれた子供に遺伝病とは異なる先天性奇形と重度の精神的発達障害が生じたとの記述があるが、1例のみの症例報告である (DFGOT vol. 11 (1998))。実験動物ではラットを用いた経口経路 (混餌) による二世代生殖毒性試験において、F0、F1親動物に腎臓尿細管の限局性核密度の増加、体重増加抑制がみられる用量 (20〜80 mg/kg/day) でも受胎能に影響はなかったが、F1児動物に体重の低値、生存率低下、骨格変異・異常 (彎曲肋骨、痕跡状肋骨、胸骨分節不正の増加) がみられた (環境省リスク評価第5巻 (2006))。また、妊娠ラット又は妊娠ウサギの器官形成期 (ラット:妊娠6〜15日、ウサギ: 妊娠6〜18日) に強制経口投与した発生毒性試験において、ウサギの試験には母動物、胎児とも異常はなかったが、ラットでは母動物に体重増加抑制がみられる用量で、骨格変異・異常 (頸肋、痕跡肋骨、胸骨分節欠損の発生率の増加) がみられている (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2013))。 以上、実験動物で親動物に毒性影響のみられる用量で児動物又は胎児に生存率低下や骨格異常がみられたことから、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系)、区分3 (麻酔作用) ヒトでは主に自殺企図による本物質の経口摂取による、昏睡、反射の消失、意識喪失、筋緊張低下などの神経系への影響が報告されている (ACGIH (7th, 2001, 2013)、EHC 29 (1984)、DFGOT vol.4 (1992))。また本物質にばく露された農業従事者11人 (女性、35〜52歳) を2年間経過観察した調査で、ばく露後初期に心臓の痛み、動悸、呼吸困難、周期的な頭痛とめまい、疲労感、腕や脚の痛みがみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2013)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。さらにラットの経口単回ばく露試験で、筋緊張症によるものと考えられる協調運動障害、軽度〜中程度の歩調変化及び他の運動困難が区分1のガイダンス値の範囲内の用量で認められたとの報告がある (ACGIH (7th, 2013))。以上より区分1 (神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、血液系、肝臓、腎臓) ヒトについては、1 日当たり 500 mg を 3週間経口摂取した人で、慢性中毒が生じ、縮瞳が著しかったとの記録がある (環境省リスク評価第5巻 (2006))。 実験動物では、ラットを用いた混餌投与による13週間反復投与毒性試験において、区分1相当である 5 mg/kg/dayで血液系への影響 (ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球数、網状赤血球数の減少) がみられ (環境省リスク評価第5巻 (2006))、別のラットを用いた混餌投与による13週間投与毒性試験において区分2相当の 100 mg/kg/dayで肝臓への影響 (肝臓の重量増加、AST・ALT増加、小葉中心性肝細胞肥大)、副腎への影響 (副腎重量増加、皮質球状帯細胞肥大)、腎臓への影響 (近位尿細管の刷子縁消失) がみられている (JMPR (1996))。ラットを用いた混餌投与による2年間反復投与毒性試験において、区分1相当である 5 mg/kg/dayで腎臓への影響 (尿細管上皮細胞の褐色色素沈着、腎盂の微小結石及び移行上皮過形成の増加)がみられ (環境省リスク評価第5巻 (2006)、JMPR (1996))、別のラットを用いた混餌投与による 2年間反復投与毒性試験において、区分2相当である 75 mg/kg/dayで肝臓への影響 (AST・ALT・アルカリ性ホスファターゼ増加、結節を伴う肝細胞の染色性の変化はみられるが関連する変性や壊死なし)、甲状腺への影響 (チロキシン減少、甲状腺重量の増加)、腎臓への影響 (近位曲尿細管の下行脚の変性) がみられている (JMPR (1996))。イヌを用いた混餌による1年間反復投与毒性試験において、区分1相当の5 mg/kg/dayで腎臓への影響 (血中尿素窒素の増加、クレアチニン増加、腎臓の尿細管上皮の色素沈着)、肝臓への影響 (ALT増加、肝臓の炎症) がみられている (環境省リスク評価第5巻 (2006)、JMPR (1996))。 | ||
このほか、マウス、イヌを用いた混餌による 13週間反復投与毒性試験においても区分1相当の用量で腎臓に影響がみられている。 これらのうち、甲状腺、副腎にみられた所見は適応反応あるいは二次的所見等が考えられることから分類根拠としなかった。 したがって、区分1 (神経系、血液系、肝臓、腎臓) とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類 (マスノスケ) の96時間LC50=0.373 mg/L (EHC84 (1989)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの (BCF<10.1 (既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない (BODによる分解度:0% (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
国連品名 | ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 9 | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の以下の規則に従う。 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空規制情報 | 航空法の以下の規則に従う。 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項) 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) | |||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸出貿易管理令別表第1の16の項 輸出貿易管理令別表第2(輸出の承認) 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの(平10三省告示1号) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |