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安全データシート
β-ヒドロキシナフトエ酸
作成日 2010年03月31日
改訂日 2018年03月16日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称β-ヒドロキシナフトエ酸
(3-Hydroxy-2-naphthoic acid)
製品コードH29-B-078
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限染料中間体

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(経皮)区分4
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
皮膚感作性区分1
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2 (全身毒性)
区分3 (気道刺激性)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2 (副腎)
分類実施日
(環境有害性)
環境に対する有害性はH22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分3
水生環境有害性 (長期間)区分3
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示感嘆符腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
皮膚に接触すると有害
皮膚刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
重篤な眼の損傷
呼吸器への刺激のおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
臓器の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による副腎の障害のおそれ
水生生物に有害
長期継続的影響によって水生生物に有害
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名β-ヒドロキシナフトエ酸
別名β-オキシナフトエ酸
3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸
3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C11H8O3 (188.18)
化学特性 (示性式又は
構造式)
構造式
CAS番号92-70-6
官報公示整理番号
(化審法)
4-398
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。コップ1、2杯の水を飲ませる。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咽頭痛、咳
皮膚:発赤、痛み
眼:発赤、痛み、熱傷
経口摂取:咽頭痛、吐き気、嘔吐、下痢
応急措置をする者の保護救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。
特有の消火方法火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。
延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。
消火活動は風上から行う。
火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(空気中濃度に応じた有機ガス及び粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材こぼれた物質をふた付容器内に掃き入れる。湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
この物質を環境中に放出してはならない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
裸火禁止
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
強酸化剤から離しておく。
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
安全な容器包装材料破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2017年度版)(吸入性粉じん) 2 mg/m3
(総粉じん) 8 mg/m3
(第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん)
ACGIH(2017年版)PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles)
PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles)
* Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具局所排気又は呼吸用保護具を用いる。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具安全ゴーグルを着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
非常に淡い黄色の結晶 (HSDB (2017))
臭い情報なし
臭いのしきい(閾)値情報なし
pH情報なし
融点・凝固点222〜223℃ (HSDB (2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲375℃ (危険物ハザードデータブック (2007))
引火点220℃ (化学商品 (2016))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)可燃性 (ICSC (J) (2010))
燃焼又は爆発範囲情報なし
蒸気圧ごくわずか (25℃) (ICSC (J) (2010))
蒸気密度情報なし
比重(相対密度)情報なし
溶解度水:0.047 g/100 ml (非常に溶けにくい) (ICSC (J) (2010))
ベンゼン、クロロホルム、アルカリ溶液に可溶; アルコールとエーテルに易溶 (HSDB (2017))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 3.05 (HSDB (2017))
自然発火温度> 400℃ (ICSC (J) (2010))
分解温度情報なし
粘度(粘性率)情報なし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性通常の取扱い条件下では安定である。
危険有害反応可能性加熱すると分解し、刺激性のヒュームを生じる。強酸化剤と反応する。
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質強酸化剤
危険有害な分解生成物火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、823 mg/kg、1,040 mg/kg (SIDS (2005)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮GHS分類: 区分4
モルモットの急性経皮毒性試験で、1,000 mg/kgでは致死性はなく、2,000 mg/kgでは死亡したとの報告 (SIDS (2005)) より、LD50値は1,000〜2,000 mg/kgの範囲と考えられる。(この試験では各用量1匹のみが用いられている。) したがって区分4とした。
吸入:ガスGHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 区分2
労働者に皮膚と気道の刺激を起こす可能性があるとの記載 (SIDS (2005)) がある。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404準拠) で、本物質適用後1時間及び24時間後にごく軽微な紅斑と浮腫が認められたが48時間以内に完全に回復し、皮膚一次刺激指数は0.3であったとの報告や、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で本物質24時間の適用で軽度から中等度を示すとの記載 (いずれも SIDS (2005)) がある。労働者に皮膚の刺激を起こす可能性があるとの記載から、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷性又は
眼刺激性
GHS分類: 区分1
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) において、本物質の適用1時間後に3匹全例で浮腫と分泌物を伴う結膜の充血がみられ、24〜72時間後には結膜炎と角膜混濁、1匹には虹彩炎が認められ、7日後には全例で角膜びらんと血管新生が観察され、これらの症状は試験終了時の14日後までに回復しなかったとの報告 (SIDS (2005)) から、区分1とした。
呼吸器感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性GHS分類: 区分1
モルモットを用いた改変マキシマイゼーション試験 (OECD TG 406準拠) において、惹起後48時間における陽性率が66.7% (6/9) との結果 (SIDS (2005)) から、区分1とした。なお、モルモットを用いた別のマキシマイゼーション試験及びヒトのパッチテストでは感作性なしとの結果が報告されている (SIDS (2005)) が、いずれも少数例の試験であり特にヒトのパッチテストでは少数(健常者28人、皮膚炎患者8人)のため最終的評価はできないと述べられている (SIDS (2005))。
生殖細胞変異原性GHS分類: 分類できない
ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、チャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2005))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2005))。
発がん性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖毒性GHS分類: 区分2
ラットを用いた経口投与による1世代試験において、雌雄の親動物に体重増加抑制がみられた高用量 (200 mg/kg/day) では、出生児に体重の低値に加え、曲尾、短尾、小眼などの外表奇形、精巣の位置異常、脾臓の低形成、横隔膜ヘルニアなど内臓奇形がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2005))。以上、親動物の一般毒性影響量で出生児に奇形発生がみられたため、区分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 区分2 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性)
ヒトでは本物質が労働者に皮膚と気道の刺激を起こす可能性があるとの記載がある (SIDS (2005))。実験動物では、ラットの単回経口投与試験において、315 mg/kg以上で活動低下、腹臥位、横臥位、下痢が、1,000〜1,200 mg/kgでこれらの症状に加えて頻呼吸と閉眼がみられ、死亡例の剖検では肝臓の暗色化と明色のスポット、消化管の充血が認められたとの報告がある。この試験でのLD50値は823 mg/kgと報告されている (SIDS (2005))。症状がみられた用量はガイダンスの区分2に相当するが、これらの症状のみでは標的臓器を特定できない。以上の情報から区分2 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 区分2 (副腎)
ヒトに関する情報はない。
実験動物については、ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲である60 mg/kg/day (90日換算: 18.7 mg/kg/day) の雌で副腎壊死 (1例)、300 mg/kg/day (90日換算: 93.3 mg/kg/day) の雌雄で摂水量増加、リン酸減少、血漿及び尿中ビリルビン増加、雌で肝臓重量増加、副腎壊死 (1例) がみられている (SIDS (2005))。
以上より、区分2 (副腎) とした。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 = 33 mg/L (環境省生態影響試験 (2003))から区分3とした。
水生環境有害性(長期間)急性毒性区分3であり、急速分解性がない (難分解性、BODによる分解度:19.9% (既存点検 (1979))) ことから区分3とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策イエローカード携行が望ましい。
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。