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安全データシート
ビフェニル
作成日 2002年11月18日
改訂日 2009年3月30日
改訂日 2019年3月15日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称ビフェニル
製品コードH30-C-007-MHLW
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限熱媒体,染色助剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性区分2B
発がん性区分1B
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(肝臓、神経系、呼吸器)、区分2(腎臓)
分類実施日
(環境有害性)
環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用
環境に対する有害性-
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報眼刺激
発がんのおそれ
長期にわたる又は反復ばく露による肝臓、神経系、呼吸器の障害
長期にわたる又は反復ばく露による腎臓の障害のおそれ
注意書き
 安全対策取扱い後は...よく洗うこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 応急措置眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名ビフェニル
別名ジフェニル
フェニルベンゼン
1,1’−ビフェニル
1,1'-Biphenyl
Biphenyl; 1,1'-Biphenyl
Dibenzene
Diphenyl
Phenylbenzene
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C12H10 (154.21)
化学特性 (示性式又は
構造式)
構造式
CAS番号92-52-4
官報公示整理番号
(化審法)
4-13
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
-

4.応急措置「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。
吸入した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別な注意事項データなし

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
激しく加熱すると燃焼する。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
情報なし
環境に対する注意事項情報なし
封じ込め及び浄化の方法及び機材情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
眼との接触を避けること。
粉じん、蒸気、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避情報なし
衛生対策情報なし
保管
安全な保管条件情報なし
安全な容器包装材料データなし

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2019年度版)未設定
ACGIH(2019年度版)TLV-TWA: 0.2 ppm
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
適切な呼吸器保護具を着用すること。
保護具
呼吸用保護具情報なし
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体(結晶)
無色または白色
臭い特異臭
臭いのしきい(閾)値情報なし
pHデータなし
融点・凝固点69-71℃:Merck(Access on Oct 2005)
沸点、初留点及び沸騰範囲254-255℃:Merck(Access on Oct 2005)
引火点113℃ (密閉式):ICSC(J) (1994)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
燃焼性(固体、気体)データなし
燃焼又は爆発範囲0.7 〜 3.4vol%:溶剤ポケットブック (1994) p235, 236
蒸気圧0.00893mmHg(25℃) [換算値 1.19Pa(25℃)]:Howard (1997) p112
蒸気密度5.3 (空気=1):ICSC(J)(1994)
比重(相対密度)1.041 (20℃/4℃):HSDB (Access on Oct 2005):Howard (1997) p112
溶解度水溶解度 7.48mg/L (25℃):HSDB (Access on Oct 2005)
エーテル、ジオキサン、芳香族系溶剤に溶解する。:溶剤ポケットブック (1994) p235, 236
n-オクタノール/水分配係数logPow=4.01:HSDB (Access on Oct 2005)
自然発火温度570℃:Ullmanns (E) (5th, 1995) A13: p261-262
分解温度データなし
粘度(粘性率)データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件データなし
混触危険物質データなし
危険有害な分解生成物データなし
熱安定性に優れた物質である。

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットLD50値:2400mg/kg(環境省リスク評価第1巻, 2002)、3280mg/kg(環境省リスク評価第1巻, 2002、ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)に基づき、区分外(国連分類では区分5)とした。
経皮ウサギLD50値:2500mg/kg(環境省リスク評価第1巻, 2002)および>5010mg/kg(環境省リスク評価第1巻, 2002)に基づき、小さい方の値を採用し、区分外(国連分類では区分5)とした。
吸入:ガスGHSの定義による固体である。
吸入:蒸気データなし。
吸入:粉じん及びミストCICAD 6(1999)にマウスLC50(4時間)値:>43ppm(換算値0.27mg/L)とのデータがあるのみで、区分が特定できないことから、データ不足のため分類できないとした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性CICAD 6(1999)のウサギを用いた試験およびヒトの皮膚へ適用した試験において刺激性が認められなかったとの記述から、区分外と考えられたが、化学物質の環境リスク評価第1巻(2002)の皮膚を刺激するとの記述、EUリスク警句のR36/37/38から軽度な刺激性がある可能性も有り、分類できないとした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性CICAD 6(1999)のウサギの眼に適用した試験において軽度の刺激性が認められたとの記述から、区分2Bとした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性CICAD 6(1999)のモルモットを用いたmaximization testにおいて皮膚感作性は認められなかったとの記述から、区分外とした。
生殖細胞変異原性体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性の結果がある(CICAD 6, 1999)ことから、区分外とした。
発がん性【分類根拠】
発がんに関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
既存分類では、(3)のとおりEPAがSに分類しているものの、適切な試験ガイドラインとGLP基準に準拠して実施された厚労省のがん原性試験(1)及び(2)において、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められ、有害性評価小検討会の審議を経てヒトにおける懸念から同省が指針を出したことを重視し、旧区分を変更し区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いたがん原性試験(2年間混餌投与)において、雄の投与群で膀胱腫瘍(移行上皮乳頭腫、移行上皮がん、その他少数例に扁平上皮がん・扁平上皮乳頭腫)の頻度増加が認められた。投与群では雌雄ともに腎盂・膀胱に結石、膀胱に過形成がみられたものの、雌の膀胱には腫瘍の増加は認められなかった(厚労省委託がん原性試験結果(1996))。
(2)マウスを用いたがん原性試験(2年間混餌投与)において、雌の投与群で肝細胞がんの発生増加がみられた(厚労省委託がん原性試験結果(1996))。
(3)国内外の分類機関による既存分類は、EPAがSとしている。

【参考データ等】
(4)(1)及び(2)の論文(Umeda et al., 2002、2005)を評価して、米国EPAは動物2種の2つの部位に明らかな発がん性の証拠が認められたものの、1)ラットの膀胱腫瘍、マウスの肝臓腫瘍のいずれに対しても、他の動物種でみられていないこと、2)ラットの膀胱腫瘍の作用機序が膀胱結石に密接に関連した高用量での現象であることから、発がん分類はS(Suggestive evidence of carcinogenic potential)が妥当と結論している(IRIS(2013))。
(5)本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。
生殖毒性環境省リスク評価第1巻(2002)、CICAD 6(1999)、PATTY(4th, 1994)、IRIS(2005)のラットを用いた繁殖試験において生殖能に影響が認められなかったとの記述、およびCERIハザードデータ集(1999)、CICAD 6(1999)、PATTY(4th, 1994)、IRIS(2005)の妊娠ラットへの経口投与試験において親動物に一般毒性が認められる用量でも重大な生殖毒性が認められなかったとの記述から、区分外とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)CICAD 6(1999)のマウスを用いた吸入暴露試験において軽度な呼吸困難が認められたとの記述が有るがデータ不足につき分類できないとした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)環境省リスク評価第1巻(2002)、CICAD 6(1999)、ACGIH(7th, 2001)またはPATTY(4th, 1994)の職業暴露例で肝障害、中枢および末梢神経系への影響、気管支炎が報告されているとの記述から、区分1(肝臓、神経系、呼吸器)とした。また、CICAD 6(1999)のラットを用いた21日間混餌経口投与試験において腎臓への影響が区分2のガイダンス値範囲で認められとの記述から、区分2(腎臓)とした。
吸引性呼吸器有害性データなし。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)-
水生環境有害性(長期間)-
オゾン層への有害性-

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3077
国連品名ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
国連危険有害性クラス9
副次危険該当しない
容器等級III
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9)
健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
大気汚染防止法有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申)

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。