1.化学品及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | 1,4−ジクロロ−2−ニトロベンゼン | ||
化学品の英語名称 | 1,4-Dichloro-2-nitrobenzene | ||
製品コード | R03-C-002-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料中間体/染料・有機顔料の原料(p−ジクロロアニリンの原料) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(血液系)、区分3(麻酔作用) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(血液系)、区分2(神経系、肝臓、腎臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 血液系の障害 眠気またはめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、肝臓、腎臓の障害のおそれ 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 1,4−ジクロロ−2−ニトロベンゼン | ||
慣用名又は別名 | ニトロ−p−ジクロロベンゼン 2,5−ジクロロニトロベンゼン | ||
英語名 | 1,4-Dichloro-2-nitrobenzene Nitro-p-dichlorobenzene 2,5-Dichloronitrobenzene | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C6H3Cl2NO2 (192.00) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 89-61-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-455 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 情報なし | ||
眼に入った場合 | 情報なし | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 眼:充血。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(窒素酸化物、塩化水素、一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 容器内に水を入れてはいけない。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 大火災の場合は、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合にはその場所から避難し、燃えるままにしておく。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時) すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。 プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。 容器内に水をいれてはいけない。 こぼれた物質を、密閉式の容器内に集める。 湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 裸火禁止。 粉じんの拡散を防ぐ。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 塩基、強酸化剤および食品や飼料から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 消火により生じる流出物を収容するための用意をする。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
---|---|---|---|---|
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄色、褐色 | ||
臭い | かすかな芳香臭 | ||
融点/凝固点 | 55 ℃(ICSC(2008)、危険物災害等支援システム(2021)) 56 ℃(GESTIS(2021)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 261 ℃(ICSC(2008)) 267 ℃(GESTIS(2021)) 266 ℃(危険物災害等支援システム(2021)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2008)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.4〜8.5 vol%(空気中)(ICSC(2008)、GESTIS(2021)) | ||
引火点 | 135 ℃(ICSC(2008)、GESTIS(2021)、PubChem(2021)、危険物災害等支援システム(2021)) | ||
自然発火点 | 465 ℃(ICSC(2008)、GESTIS(2021)、PubChem(2021)) >500 ℃(危険物災害等支援システム(2021)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | 6.9(20 ℃、濃度 80 mg/l)(GESTIS(2021)、PubChem(2021)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 0.01 g/100 ml (非常に溶けにくい)(ICSC(2008)) 水: 83 mg/l(20℃)(GESTIS(2021)) エタノール、エーテル、ベンゼン、二硫化炭素に可溶(PubChem(2021)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 2.93(ICSC(2008)) Log Kow: 3.03(GESTIS(2021)) Log Kow: 3.09 log Kow(PubChem(2021)) | ||
蒸気圧 | 0.5 Pa(25℃)(ICSC(2008)) 0.00383 mm Hg(25℃)(PubChem(2021)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.669 (22℃)(PubChem(2021)) 1.67 g/cm3(PubChem(2021)) | ||
相対ガス密度 | 6.6 (空気=1)(ICSC(2028)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱分解する。 塩化水素および窒素酸化物を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 強酸化剤および塩基と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 熱 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、強塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 塩化水素、窒素酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
---|---|---|---|---|
急性毒性 | ||||
経口 | ラットのLD50値は、1000 mg/kg、1210 mg/kg(環境省リスク評価vol.6(2008))、2503 mg/kg(SIDS(1996))、1000-2503 mg/kg(NITE初期リスク評価書No.46(2008))であり、区分4に該当するデータが最も多いことから、区分4とした。 | |||
経皮 | ラットLD50値>2000 mg/kg(OECD TG402、GLP)(NITE初期リスク評価書No.46(2008))に基づき、区分に該当しない(国連分類基準の区分5または区分に該当しない)とした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | |||
吸入: 蒸気 | データなし。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験(4時間適用)(OECD TG404、GLP)において、皮膚表面の乾燥のみで刺激性はみられない(NITE初期リスク評価書No.46(2008))ことから、区分に該当しないとした。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP)において刺激性はみられず(NITE初期リスク評価書No.46(2008))、SIDS(1996)においても「本物質はウサギの眼に対し刺激性は無かった」と記載されていることから、区分に該当しないとした。なお、他のウサギを用いた眼刺激性試験において中等度の刺激性(72時間後には刺激性はみられない)が1匹の動物で見られた」(ドレイズ試験)(NITE初期リスク評価書No.46(2008)、BUA No.65(1991))との記載がある。 | |||
呼吸器感作性 | データなし。 | |||
皮膚感作性 | 化学プラントの労働者31人(対照群として一般人5人)によるパッチテストにおいて、0.1%で3人、0.5%で6人、1.0%で9人に紅斑がみられた(一般人ではいずれの濃度でも紅斑なし)との報告があるが、「この報告のみからアレルギーに関する影響を評価することはできない。」(NITE初期リスク評価書No.46(2008))との記載があり、モルモットを用いたマキシマイゼーション法による試験(GLP)においては、感作性は認められず(NITE初期リスク評価書No.46(2008))、分類できないとした。 | |||
生殖細胞変異原性 | in vivoおける試験データがなく、分類できないとした。なお、in vitroにおいては、エームス試験で複数の陽性結果があるが(厚労省報告(access on Oct. 2009)、NITE初期リスク評価書No.46(2008))、チャイニーズハムスターV79細胞を用いた染色体異常試験及びHGPRT試験は陰性であり(NITE初期リスク評価書No.46(2008))、チャイニーズハムスター培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験の陽性結果(厚労省報告(access on Oct. 2009))は「細胞毒性により染色体を観察できた細胞数がかなり少なく、結果の信頼性は低い」との記載がある(NITE初期リスク評価書No.46(2008))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたこと及び(3)より健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質であることを重視し、区分1Bとした。旧分類からIARC及び日本産業衛生学会の分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による2年間がん原性試験において、雄に肝細胞腺腫及び肝細胞腺腫と肝細胞がんを合わせた発生の増加、ジンバル腺腺腫の発生増加、腎臓腫瘍(腎細胞腺腫と腎細胞がんを合わせた発生)の増加、皮膚腫瘍の増加、雌にも子宮腫瘍(乳頭状腺腫と腺がんを合わせた発生)、乳腺の腺がんの発生増加がみられた。(厚労省委託がん原性試験結果 (2003)、IARC 123 (2020))。 (2)マウスを用いた混餌投与による2年間がん原性試験において、雄に肝細胞がんと肝芽腫、雌に肝細胞腺腫と肝細胞がんの発生増加がみられた(厚労省委託がん原性試験結果 (2003)、IARC 123 (2020))。 (3)本物質は厚生労働省化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。 (4)国内外の評価機関による発がん性分類として、IARCではグループ2B(IARC 123 (2020))、日本産業衛生学会では第2群B(許容濃度等の勧告 (2020):2019年分類)にそれぞれ分類している。 | |||
生殖毒性 | ラットを用いた経口投与簡易生殖毒性試験(OECD TG421、GLP)において、親動物に一般毒性(流涎など)がみられる用量の1例に死亡仔のみの出産がみられ、これについて「被験物質が周産期の母動物に対して影響を及ぼした結果と推測された。」(厚労省報告(access on Oct. 2009))との記述があり、区分2とした。なお、発情回数、交尾率、受胎率、妊娠期間、黄体数、着床痕数、着床率、出産率、総出産仔数、分娩率、死産仔数、新生仔数、出生率および性比、哺育4日の剖検に影響はみられなかった。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 経口経路では、ラットを用いた試験において用量2503 mg/kg(LD50値)で平衡感覚の喪失がみられ、ネコを用いた試験において用量25 mg/kg群以上でメトヘモグロビンの形成と軽度のチアノーゼ、用量250 mg/kgで平衡感覚の喪失、腹臥がみられている(いずれもNITE初期リスク評価書No.46(2008))。経皮経路では、ラットを用いた試験において用量2000 mg/kgで自発運動の減少がみられている(BUA No.65(1991))。以上より、分類は区分1(血液系)、区分3(麻酔作用)とした。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ラットを用いた経口投与試験(簡易生殖毒性試験(OECD TG421、GLP))において、用量200 mg/kg(90日換算値:91.1 mg/kg)で「自発運動の低下、後肢の伸展、よろめき歩行、腹臥あるいは横臥、呼吸緩徐、斜頸」(厚労省報告(access on Oct. 2009))、ラットを用いた28日間経口投与試験(OECD TG407、GLP)において、用量250 mg/kg(90日換算値:77.8 mg/kg)で「肝臓重量及びビリルビン値の増加、肝細胞肥大、精巣への影響(精上皮の壊死、無精子症、精子形成抑制)」(SIDS(1996))、ウサギを用いた21日間経口投与試験において、用量50 mg/kg(90日換算値:11.7 mg/kg)で「腎臓で中等度の影響(混濁腫脹、うっ血)」(NITE初期リスク評価書No.46(2008)、環境省リスク評価vol.6(2008))、ウサギを用いた15日間経皮投与試験において、用量100 mg/kg(90日換算値:16.7 mg/kg)以上で「赤血球数およびヘモグロビン量の減少、脾臓の髄外造血亢進、鉄色素の沈着」(NITE初期リスク評価書No.46(2008))等の記述があることから、神経系、肝臓、腎臓、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、神経系、肝臓、腎臓に関して区分2、血液系に関して区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。以上より、分類は区分1(血液系)、区分2(神経系、肝臓、腎臓)とした。なお、ラットを用いた28日間経口投与試験(OECD TG407、GLP)において、用量250 mg/kg(90日換算値:77.8 mg/kg)で「精巣への影響(精上皮の壊死、無精子症、精子形成抑制)」(SIDS(1996))が見られているが、生殖毒性が区分2に分類されている事からここでは分類しなかった。 | |||
誤えん有害性* | データなし。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(コイ)の96時間LC50 = 0.118 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BODによる分解度:4%(既存点検, 1995))ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1578 | |||
品名(国連輸送名) | クロロニトロベンゼン(固体) | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | U | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)( 令和4年度までの対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |