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安全データシート
2,3-ジメチルアニリン
作成日 2013/3/8
1.化学品及び会社情報
化学品の名称2,3-ジメチルアニリン
(2,3-Dimethylaniline)
製品コード24A6062
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急時の電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限染料・顔料中間体, 解熱鎮痛消炎剤(メフェナム酸)の製造原料
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(経皮)区分3
皮膚腐食性/刺激性区分2
特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分2(血液、腎臓、肝臓)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)分類実施中
水生環境有害性 (長期間)分類実施中
オゾン層への有害性分類実施中
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
皮膚刺激
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(血液、腎臓、肝臓)
注意書き
安全対策粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋、保護衣を着用すること。
応急措置皮膚に付着した場合:多量の水/…で洗うこと。
  特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)
  皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
  汚染された衣服を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
保管施錠して保管すること。
廃棄内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
他の危険有害性

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名2,3-ジメチルアニリン
別名2,3-キシリジン、2,3-ジメチルベンゼンアミン、vic-o-キシリジン、2,3-Xylidine、2,3-Dimethylbenzenamine、vic-o-Xylidine
濃度又は濃度範囲99%以上 (一般的な製品)
分子式 (分子量)C8H11N(121.18)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号87-59-2
官報公示整理番号(化審法)(3)-129
官報公示整理番号(安衛法)(3)-129
分類に寄与する不純物及び安定化添加物不純物:3,4-ジメチルアニリン (一般的な製品)
添加剤:無添加 (一般的な製品)

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気、安静。気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水と石けんで洗うこと。
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣服を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入 : めまい、嗜眠、頭痛、吐き気。
皮膚 : 吸収される可能性あり!めまい、嗜眠、頭痛、吐き気。
眼 : データなし。
経口摂取 : 紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、めまい、嗜眠、頭痛、吐き気、意識喪失。
短期暴露の影響:高濃度に暴露すると、意識低下を引き起こすことがある。高濃度に暴露すると、メトヘモグロビンを生成することがある。これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。
長期または反復暴露の影響:血液に影響を与え、貧血を生じることがある。
応急措置をする者の保護データなし。
医師に対する特別な注意事項データなし。

5.火災時の措置
消火剤粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂、水噴霧
使ってはならない消火剤棒状水
特有の危険有害性当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
可燃性。
96℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。
特有の消火方法消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火を行う者の保護消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
必要に応じた換気を確保する。
環境に対する注意事項漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなど密閉式の容器に回収する。残留液を砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。
この物質を環境中に放出してはならない。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋、保護衣を着用すること。
火気厳禁
可燃性。
96℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。
96℃以上では、密閉系および換気。
作業環境管理を厳密に!
換気、局所排気、または呼吸用保護具。
安全眼鏡、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。
20℃で気化したとき、空気は汚染されて遅く有害濃度に達する。しかし噴霧もしくは拡散すると、かなり急速に有害濃度に達する。
燃焼すると分解し、有毒で腐食性のフューム(窒素酸化物など)を生じる。強力な酸化剤と激しく反応する。次亜塩素酸と反応し、爆発性のクロロアミン類を生成する。酸、酸無水物、酸塩化物、ハロゲンと反応する。プラスチック、ゴムを侵す。
水生生物に対して毒性が非常に強い。
環境中に放出しないように強く勧告する。
暴露の程度によっては、定期検診を勧める。
この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要である。指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。
接触回避強力な酸化剤、次亜塩素酸
衛生対策取扱い後は手などをよく洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
火気厳禁
施錠して保管すること。
窒素シールをして保管する。酸性物質と一緒に保管しない。
強酸化剤、酸、酸無水物、酸塩化物、次亜塩素酸類、ハロゲン類、食品や飼料から離しておく。
密封。
消火により生じる流出物を収容するための用意。
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
安全な容器包装材料鉄製の容器はさける。
プラスチック、ゴムを侵す。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2012年度版)未設定
ACGIH(2012年版)未設定(TLV は異性体混合物に対してのみ設定されている。)
設備対策蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて、適切な呼吸用保護具(個人用保護具:空気中濃度に応じた有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク。)を着用すること。
手の保護具保護手袋、保護衣(化学保護衣)を着用すること。
眼の保護具必要に応じて、適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具保護手袋、保護衣(化学保護衣)を着用すること。
個人用保護具:空気中濃度に応じた有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状油状液体(ホンメル (1996))
澄明で淡黄色。空気に暴露すると赤〜茶色になる。(ICSC(J) (2007))
臭い特徴的な臭気(ICSC(J) (2007))
臭いのしきい(閾)値0.024 mg/m3(異性体混合物)(環境省リスク評価 第7巻 (2009))
pHデータなし。
融点・凝固点3.5℃(Ullmanns(E) (6th, 2003))
沸点、初留点及び沸騰範囲222.7-222.9℃(Ullmanns(E) (6th, 2003))
引火点96℃(CC)(ICSC(J) (2007))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし。
燃焼性(固体、気体)データなし。
燃焼又は爆発範囲1〜2.7 vol%(空気中)(ICSC(J) (2007))
蒸気圧0.13hPa(25℃)(ICSC(J) (2007))
蒸気密度4.19(空気=1)(ICSC(J) (2007))
比重(相対密度)0.99(20℃/4℃)(NFPA (14th, 2010))
溶解度水:15 g/100 ml(20℃)(ICSC(J) (2007))
エタノール、ジエチルエーテルに易溶。四塩化炭素に可溶。(CRC (91st, 2010))
n-オクタノール/水分配係数2.17(ICSC(J) (2007))
自然発火温度545℃(ICSC(J) (2007))
分解温度データなし。
粘度(粘性率)データなし。

10.安定性及び反応性
反応性強力な酸化剤と激しく反応する。酸、酸無水物、酸塩化物、ハロゲンと反応する。プラスチック、ゴムを侵す。
化学的安定性情報なし。
危険有害反応可能性次亜塩素酸と反応し、爆発性のクロロアミン類を生成する。
避けるべき条件情報なし。
混触危険物質強力な酸化剤、次亜塩素酸
危険有害な分解生成物燃焼すると分解し、有毒で腐食性のフューム(窒素酸化物など)を生じる。

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値は 930 mg/kg(NITE初期リスク評価書 208 (2005))および 933 mg/kg(環境省リスク評価 第7巻 (2009))に基づき、区分4とした。GHS分類:区分4
経皮モルモットのLD50値は 500〜1000 mg/kg(NITE初期リスク評価書 208 (2005))に基づき、区分3とした。GHS分類:区分3
吸入:ガスGHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミストデータなし。GHS分類:分類できない
皮膚腐食性及び刺激性モルモットを用い24時間閉塞適用した試験で、強度の刺激性がみられた(有害性評価書 Ver.1.0 No.208 (2005))との報告に加え、ヒトで「本物質およびその異性体の混合物は皮膚を刺激性し、皮膚に付くと発赤や痛みを生じることがある」との記述(環境省リスク評価 第5巻 (2006))もあり、区分2とした。GHS分類:区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性データ不足。なお、「本物質およびその異性体の混合物は眼を刺激性する場合がある」(環境省リスク評価 第5巻 (2006))と記述されているが、データの引用はなく、詳細不明である。GHS分類:分類できない
呼吸器感作性データなし。GHS分類:分類できない
皮膚感作性データなし。GHS分類:分類できない
生殖細胞変異原性データ不足。なお、マウスの経口投与による精巣を用いたDNA合成阻害試験(生殖細胞in vivo遺伝毒性試験)で陰性(環境省リスク評価 第7巻 (2009))の報告がある。また、in vitro試験として、エームス試験では陽性(厚労省報告 (Access on July. 2012)、NTP DB (Access on June 2012))および陰性(NITE初期リスク評価書 208 (2005))の両方の結果があり、CHL/IU細胞を用いた染色体異常試験では陽性(厚労省報告 (Access on July. 2012))が報告されている。GHS分類:分類できない
発がん性データなし。なお、ACGIHの発がん性カテゴリーにおいて、異性体混合物として「A3」に分類されている。GHS分類:分類できない
生殖毒性データなし。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)本物質を高濃度にばく露すると、意識低下を起こし、メトヘモグロビンを生成することがある(環境省リスク評価 第7巻 (2009))と記述されているが、具体的なデータの引用はなく、詳細不明であるためデータ不足で分類できない。なお、異性体である3,5-ジメチルアニリンのデータとして、ラットの経口投与試験の結果、血中メトヘモグロビン濃度は、145 mg/kg以上の投与で5%(対照群は4.96%)を超え、580 mg/kg投与では3時間後に最高値の32.7%を示した(環境省リスク評価 第7巻 (2009))との報告があり血液への影響が認められた。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(反復ばく露)ラットの経口投与による28日間反復投与毒性試験(化審法ガイドライン、GLP)の結果、ガイダンス値範囲の区分2に相当する60 mg/kg(90日換算:18.7 mg/kg/日)以上の用量において、ヘモグロビン量、赤血球数およびヘマトクリット値の減少、メトヘモグロビンの増加、病理学的検査で脾臓にヘモジデリン沈着の増強、骨髄に造血亢進がみられ、メトヘモグロビン血症に伴った貧血に対する代償性の造血亢進と考えられた(厚労省報告 (Access on July. 2012))ことから、区分2(血液)とした。また、ガイダンス値区分2に相当する300 mg/kg(90日換算:93.3 mg/kg/日)の用量において、尿蛋白の増加、尿沈渣中の赤血球、白血球の増加、小円形上皮細胞の増加、尿素窒素の増加、病理学的検査では腎乳頭壊死および尿細管の拡張、皮質における間質の細胞浸潤に加え、尿細管の好塩基性変化および髄質内帯の鉱質沈着、尿細管上皮の好酸性小体の出現頻度の増加がみられた(厚労省報告 (Access on July. 2012))ことから、区分2(腎臓)とした。さらに300 mg/kgの用量では、γ-GTP活性およびGPT活性の増加、総コレステロールの増加、病理学的検査で小葉中心性の肝細胞肥大および胆管の増生がみられ、軽度の肝臓障害と考えられた(厚労省報告 (Access on July. 2012))ことから、区分2(肝臓)とした。GHS分類:区分2(血液、腎臓、肝臓)
吸引性呼吸器有害性データなし。GHS分類:分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)分類実施中
水生環境有害性(長期間)分類実施中
オゾン層への有害性分類実施中

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。
国連番号1711
国連品名キシリジン(液体)
国連危険有害性クラス6.1
副次危険-
容器等級II
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報消防法の規定に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号153

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第2種指定化学物質
消防法第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体
船舶安全法毒物類・毒物
航空法毒物類・毒物

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。