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安全データシート
亜リン酸ジメチル
作成日 2011年3月25日
改訂日 2012年3月30日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称亜リン酸ジメチル、(Dimethyl phosphonate)
製品コード22A4050
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限主たる用途はNylon 6 fibresの難燃剤[IARC 71 (1999)]である。
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性引火性液体 区分4
健康に対する有害性急性毒性(経皮)区分3
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分2B
 生殖細胞変異原性区分2
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分2(全身毒性)
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1(眼、皮膚)
環境に対する有害性水生環境急性有害性 区分3
 水生環境慢性有害性 区分3
 注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
ラベル要素
絵表示又はシンボルどくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報可燃性液体
 皮膚に接触すると有毒
 眼刺激
 遺伝性疾患のおそれの疑い
 全身の障害のおそれ
 長期にわたるまたは反復ばく露による眼、皮膚の障害
 水生生物に有害
 長期継続的影響により水生生物に有害
注意書き
 【安全対策】
 炎や高温のものから遠ざけること。
 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
 取扱後は眼をよく洗うこと。
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
 適切な個人用保護具を使用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと
 環境への放出を避けること。
 【応急措置】
 火災の場合には適切な消火方法をとること。
 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
 汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露したとき、または気分が悪い時:医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 【保管】
 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名亜リン酸ジメチル
別名ジメトキシホスフィンオキシド、(Dimethoxyphosphine oxide )、ホスホン酸ジメチル 、(Phosphonic acid dimethyl)、データなし、()
分子式 (分子量)C2H7O3P(110.06)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号868-85-9
官報公示整理番号(化審法・安衛法)化審法:(2)-1961、(2)-2001
安衛法:2-(7)-143
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合水と石鹸で洗うこと。
 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : 咳、吐き気、咽頭痛
 皮膚 : 吸収される可能性がある。 発赤、痛み
 眼 : 発赤、痛み
 経口摂取 : 下痢、吐き気、嘔吐
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤データなし。
特有の危険有害性引火性の高い液体および蒸気。
 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
 静電気で引火するおそれがある。
 加熱により容器が爆発するおそれがある。
 消火後再び発火するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 容器が熱に晒されているときは、移動しない。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置全ての着火源を取り除く。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境に放出しないこと。
回収・中和不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
封じ込め及び浄化方法・機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策消防法・の規定に従う。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項炎や高温のものから遠ざけること。
 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
 取扱後は眼をよく洗うこと。
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
 適切な個人用保護具を使用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱後は手をよく洗うこと。
 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと
接触回避10項に示す混触危険物質との接触を回避する。
保管
技術的対策消防法の規定に従う。
保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし。
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会未設定
ACGIH未設定
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体: SIDS (2010) データなし
無色 : HSDB (2007) データなし
臭いマイルドな臭気: HSDB (2007) slight : GESTIS (Access on June. 2010)
pHデータなし
融点・凝固点<-60℃ ℃ : SIDS (2010)
沸点、初留点及び沸騰範囲170.3 ℃ : Ullmanns(E) (2003)
引火点64 ℃ (CC) : Ullmanns(E) (2003)
自然発火温度237 ℃ : GESTIS(Access on June. 2010)
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲5.8-38.1(vol%) : ICSC (2005)
蒸気圧4.52 mmHg (25℃) : Howard (1997)
蒸気密度7.9 : HSDB (2007)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)1.201 g/cm3 : Ullmanns(E) (2003)
溶解度>10 g/100mL : HSDB (2007)
 データなし
オクタノール・水分配係数-1.2 : ICSC (2005)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性この蒸気は空気より重い。加熱すると急速に分解し、リン酸化物、ホシフィンを含む有毒なヒュームを生じる。 220℃以上の湿った空気と接触すると急速に分解し、リン酸、メタノールを生じる。この物質の水溶液は強酸であり、塩基と激しく反応し、腐食性を示す。酸、酸化剤と激しく 酸反応する。
避けるべき条件加熱。 220℃以上の湿った空気と接触。
混触危険物質酸、酸化剤。(水溶液は強酸であり、塩基と激しく反応する。)
危険有害な分解生成物リン酸化物、ホシフィンを含む有毒なヒューム。リン酸、メタノール。
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値、3040(雄)、3283(雌) mg/kg(OECDTG401)(SIDS (2010))。(GHS分類:区分外)
経皮ウサギのLD50値、681mg/kg(SIDS (2010))。(GHS分類:区分3)
吸入吸入(ガス):GHS定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
 吸入(蒸気):ラットに7.1 mg/L/6h(4時間換算:9 mg/L)の投与で死亡なし(SIDS (2010))。なお、試験濃度(7.1 mg/L)は飽和蒸気圧濃度(26.8 mg/L)の90%より低いため、気体の基準値を適用した。(GHS分類:データ不足で分類できない)
 吸入(粉じん・ミスト):データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚腐食性・刺激性ウサギに0.5 mlを4時間適用で、軽微な刺激性(slightly irritating)(SIDS (2010))。なお、ラットで長期・反復ばく露後に皮膚および粘膜に中等度〜重度の刺激性が観察された(SIDS (2010))。(GHS分類:区分外)
眼に対する重篤な損傷・刺激性ウサギの試験(OECD TG405同等)において、観察1時間後および4時間後にmild to moderate edemaが認められたが、観察5−7日には回復している(SIDS(2010)。(GHS分類:区分2B)
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
 皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験および染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)における陽性(SIDS2010))。なお、in vitro変異原性試験としてエームス試験(5mgを超える10mgで陽性)、マウスリンフォーマアッセイ、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性結果(SIDS2010))が得られている。(GHS分類:区分2)
発がん性IARCにおいてGroup 3に分類されている(IARC 71 (1999))。なお、ラット・マウスの経口による2年間の発がん性試験において、雌雄ラットに肺胞/気管支の腺腫およびがん腫、肺の扁平上皮がん腫、前胃などに腫瘍の発生頻度の増加が認められたが、マウスでは雌雄ともに腫瘍発生は認められていない(NTP TR287 (1985))。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性データ不足で分類できない。なお、ラットの経口による生殖毒性試験(OECD TG421)において、雌雄に重度の一般毒性影響および性機能・生殖能に影響が認められているが、親動物の死亡率も増加し雌では全動物が死亡(雄は2・12)(SIDS(2010))していることから、評価に採用しなかった。(GHS分類:分類できない)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)ウサギを用いた急性経皮毒性試験で、ガイダンス値の区分2に該当する1000mg/kgの用量で、運動抑制、眼瞼下垂、呼吸困難、運動失調、静止の症状が報告(SIDS (2010))、標的臓器を特定することが困難なため全身毒性とした。なお、ラット、マウスを用いた急性吸入毒性試験で、死亡はなく、7 mg/L/6h (9 mg/L/4h)の用量でマウスにのみ10匹中2匹に努力呼吸と眼瞼下垂が観察された(SIDS(2010))。また、ラットおよびマウスの急性経口毒性試験において、ガイダンス値範囲を超える用量で、不活発、衰弱、疲労、表在呼吸が見られている(SIDS(2010))。(GHS分類:区分2(全身毒性))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ラットを用いた4週間吸入ばく露試験(蒸気:6 hours/day)において、0.483 mg/L以上で死亡例が発生し、全濃度で眼に対する表在性の刺激、粘膜刺激、角膜炎が見られ、0.142 mg/L以上(90日換算値:0.044 mg/L)で白内障へ進行した。一方、0.142 mg/L以上で皮膚刺激も観察され、0.483 mg/L(90日換算値:0.149 mg/L)以上で皮膚炎へ進行し、死亡例の主な死因は皮膚の壊死と急性化膿性炎症がであった(SIDS (2010))。反復吸入ばく露こより、ガイダンス値区分1に相当する濃度で白内障、および死亡をもたらした皮膚の壊死/急性化膿性炎症への進行が認められ、以上は局所作用のみの影響だけではないと判断した。なお、ラットおよびマウスの13週間経口投与試験のガイダンス値を超える高用量において、ラットではで眼の変化(眼球変性、角膜炎)および肺の病変(炎症、うっ血、組織球増殖)が、また、マウスでは心臓での鉱質沈着、肝細胞空胞化、肺のうっ血が観察されている(SIDS (2010))。(GHS分類:区分1(眼、皮膚))
吸引性呼吸器有害性データなし。(GHS分類:分類できない)
 

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性有害性)甲殻類 (ミジンコ) による48時間 EC50 = 25 mg/L (SIDS, 2004) である。(GHS分類:区分3)
水生環境有害性(長期間有害性)急性毒性区分3であり、急速分解性がない (28日間でのBOD分解度 = 48% (既存点検, 1997))。(GHS分類:区分3)
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
 国連番号3278
 品名有機リン化合物(液体)
 Proper Shipping NameORGANOPHOSPHORUS COMPOUND, TOXIC, LIQUID, N.O.S.
 クラス6.1
 PGL
 海洋汚染物質非該当
 MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるバラ積み輸送される液体物質Y類
国際規制 海上規制情報IMOの規定に従う。
 航空規制情報ICAO・IATAの規定に従う。
国内規制陸上規制情報消防法の規定に従う。
 海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
 航空規制情報航空法の規定に従う。
特別安全対策 移送時にイエローカードの保持が必要。
  食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
  輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
  重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号  151
 

15.適用法令
労働安全衛生法危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
海洋汚染防止法有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)
消防法第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
船舶安全法引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) 
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。