| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 塩化直鎖パラフィン(炭素数が14から17) | ||
| 化学品の英語名称 | Chlorinated normal paraffins (limited to those C=14-17 and the mixtures thereof) | ||
| 製品コード | R06-S90-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 難燃性樹脂原料(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 生殖毒性 | 区分1B、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分 | |
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(腎臓、甲状腺) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による腎臓、甲状腺の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 塩化直鎖パラフィン(炭素数が14から17) | ||
| 慣用名又は別名 | クロロアルカン(C-14 〜17) | ||
| 英語名 | Chloroalkanes(C=14-17) Chlorinated normal paraffins (limited to those C=14-17 and the mixtures thereof) | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | - (-) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | - | ||
| CAS番号 | 85535-85-9 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 2-68 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きにし、保温して安静にする。 医師に連絡をする。 呼吸困難の場合は、被害者に酸素を吸入させる。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 身体を保護しながら汚染された衣類を脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水で石鹸で十分に洗浄すること。 その後、ポリエチレングリコール400と交互に水で数分間すすぐ。最後に石鹸と水で洗う。 医師の手当てを受ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 流水で10分間、まぶたを大きく広げて患部を洗眼する。 医師の手当てを受ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぎ、水分を吐き出す。 意識がある場合は、コップ1杯の水(約200ml)を飲ませる。 嘔吐させない。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が気管に入るのを防ぐため、頭を肺より低くし、うつぶせの姿勢にする。 嘔吐物が気道に入るのを防ぐ。 医師の手当てを受ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺火災に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、その位置を明瞭に表示する。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | |||
| 眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 液体 | ||
| 色 | データなし | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | ca. -50〜 ca. 25 ℃ (ECHA CHEM (2024)) 市販混合液において明確な融点はない(EURAR (2005)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | > 200 ℃ (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 可燃性 | データなし | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | >210 ℃ (40%以上の塩素化体) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:< 0.1 mg/L 不溶 (ECHA CHEM (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | 0.000001〜0.000002 mmHg (20℃)(52%塩素化体) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.095 g/cm3 (20℃)(41%塩素化体) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 15,000 mg/kg(EFSA (2019)、REACH登録情報 (Accessed May 2021)) (2)ラットのLD50:> 4,000 mg/kg(EFSA (2019)、AICIS IMAP(2015)) | |||
| 経皮 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)、(2)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分3)。 【根拠データ】 (1)本物質(塩素含有率:40%)について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、閉塞、4時間適用、14日観察)において、皮膚の乾燥・硬化が72時間後に先行して見られ、6〜8日後に皮膚外層の剥離、6〜10日後に痂皮鱗片化がみられた(適用24/48/72h後の紅斑スコアの平均:1.5、浮腫スコアの平均:0.6)との報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (2)本物質(塩素含有率:52%)について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、閉塞、4時間適用、14日観察)において、適用6〜10日後に痂皮鱗片化がみられた(適用24/48/72h後の紅斑スコアの平均:1.3、浮腫スコアの平均:0.3)との報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)本物質(塩素含有率:40%及び45%)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において、適用1〜2時間後に全例でごく軽微な結膜刺激がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (2)本物質(塩素含有率:52%)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、48時間観察)において、適用48時間まで1例で軽度の結膜発赤がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (3)本物質(塩素含有率:40%及び45%)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、48時間観察)において、適用48時間まで1例で軽度の結膜発赤がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)本物質(塩素含有率:40%)について、モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(皮内投与:20%溶液)において、惹起48時間後の陽性率は5%(1/10例)であり、原液で再惹起したところ陽性反応はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報(Accessed May 2021))。 (2)本物質(塩素含有率:40%及び45%)について、モルモットを用いたMaximisation試験(皮内投与:5%溶液)において、惹起24、48時間後に陽性反応はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474、GLP、塩素含有率:42%及び45%)において、陰性の報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015) 、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (2)ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG475、GLP、塩素含有率:52%)において、陰性の報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015) 、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (3)細菌復帰突然変異試験(OECD TG471相当、塩素含有率:42%)において、陰性の報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015) 、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (4)利用可能な試験結果から総合的に判断し、本物質に遺伝毒性はないものと見解を示している(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015))。 | |||
| 発がん性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 生殖毒性 | (1)〜(3)より、区分1Bとし、授乳影響を追加した。なお、(1)では親動物に一般毒性影響がみられない用量で児動物に生存率低下や皮下の血腫/出血がみられ、(2)及び(3)では、生後の哺育期に母乳を介して本物質又は代謝物が児動物に移行し、血液凝固障害を生じ、出血傾向、内出血や死亡を生じることが示唆された。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による 一世代生殖毒性試験において、90 mg/kg/day以上の用量で児動物に生存率減少、皮下の血腫/出血がみられたとの報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015))。 (2)雌ラットの妊娠期間中に投与(6,250 ppm:560 mg/kg/day)し、哺育期間中も同様に投与された群、並びに妊娠期間中の投与後に対照群から生まれた出生児を6,250 ppmの餌で哺育した群の2群では、対照群の餌を妊娠及び哺育期間を通して投与した母動物から生まれ育てられた群、投与群から生まれた出生児を対照群の母動物に哺育された群と比較して、F1児動物の死亡率の増加(67%及び77%)と内出血の頻度増加(8%及び17%)がみられた。これらの群の児動物では血中第]凝固因子の減少がみられ、乳汁移行した本物質又は代謝物が新生児のビタミンK依存性凝固系を阻害した、あるいは母動物の乳汁中のビタミンKを減少させ、その結果、児動物に凝固障害を引き起こす可能性が示唆された(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015))。 (3)ラットにおいて、中鎖塩素化パラフィン(MCCPs)は投与した母親から生まれた授乳中の新生児で凝固系を障害する。授乳中の新生児における出血影響はビタミンK欠乏の持続の結果として生じ、EFSAの専門家パネルはこの現象はヒトにも当てはまると結論付けた(EFSA (2019))。 【参考データ等】 (4)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECDTG414、妊娠6〜19日)において、発生毒性はみられなかったとの報告がある(EFSA (2019)、 AICIS IMAP (2015))。 (5)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECDTG414、妊娠6〜27日)において、発生毒性はみられなかったとの報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015))。 (6)ラットを用いた混餌投与による生殖/発生毒性スクリーニング試験(OECD TG 421相当、交配28日前〜哺育21日)において、生殖毒性はみられなかったとの報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015))。 (7)英国ロンドンとランカスターの18人の女性からの母乳サンプル25検体から中鎖塩素化パラフィン(MCCPs)を検出可能であった。その値は6.2〜320 ng/g脂肪で、中央値は21 ng/g脂肪、97.5%タイル値は130.9 ng/g脂肪で、地域による差はなかった(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (8)無作為に選択したヒトの母乳サンプル22検体中1検体で本物質が検出レベル以上(61 ng/g脂肪)であった(REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 (9)EUではLact.に分類されている(CLP分類 (Accessed May 2021))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | データ不足のため分類できない。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)〜(3)より、区分1(腎臓、甲状腺)とした。なお、肝臓については薬物による適応反応であると考えられるため採用していない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、3.6 mg/kg/day(雄、区分1の範囲)、4.2 mg/kg/day(雌、区分1の範囲)で雌に血清コレステロール増加、甲状腺への影響(濾胞サイズの減少、組織の崩壊、濾胞の高さ増加、核の小胞化)がみられ、36.2 mg/kg/day(雄、区分2の範囲)、42.2 mg/kg/day(雌、区分2の範囲)で雌雄に肝細胞の核の大小不同・小胞化、甲状腺への影響(雌雄で細胞質空胞化、雄で濾胞サイズ縮小、組織の崩壊、濾胞の高さ増加、核の小胞化)、雌に肝臓への影響(肝臓相対重量増加、静脈周囲肝細胞の均一化)、髄質内層の尿細管拡張がみられたとの報告がある。しかし、試験による肝臓、腎臓、甲状腺における分析、描写が存在しないため、病理組織学的解釈は不可能であったとの報告がある(EFSA (2019))。 (2)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、10 mg/kg/day(雄、区分1の範囲)で雌雄に慢性腎炎がみられ、100 mg/kg/day(区分2の範囲)で雌雄に肝臓及び腎臓の絶対・相対重量増加、雌に血清コレステロールの増加がみられたとの報告がある(EFSA (2019))。 (3)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、100 ppm(9.3 mg/kg/day(雄)、9.7 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で雌に肝UDPGT活性の増加がみられ、300 ppm(23 mg/kg/day(雄)、24.6 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雄に血漿FT3の減少、雌に血漿TSHの増加、甲状腺炎がみられたとの報告がある(EFSA (2019)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed May 2021))。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.0059 mg/L(EU REACH CoRAP, 2019、EU REACH SVHC, 2021)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性に関する十分なデータが得られていない。甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.0087 mg/L(EU REACH CoRAP, 2019、EU REACH SVHC, 2021)から、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3082 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、液体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | - | |||
| 化学物質審査規制法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項)【218 モノ(又はポリ)クロロアルカン(C=14〜17、直鎖型)】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【90 塩化直鎖パラフィン(炭素数が14から17までのもの及びその混合物に限る。)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||