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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
2-メチル-1,1'-ビフェニル-3-イルメチル=(Z)-3-(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
作成日 2008年11月19日
改訂日 2022年03月15日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称2-メチル-1,1'-ビフェニル-3-イルメチル=(Z)-3-(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
化学品の英語名称2-Methyl-1,1'-biphenyl-3-ylmethyl (Z)-3-(2-chloro-3,3,3-trifluoro-1-propenyl)-2,2-dimethylcyclopropanecarboxylate
製品コードR03-C-064-MHLW
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬(殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分2
急性毒性(経皮)区分3
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)区分3
皮膚感作性区分1B
発がん性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1(神経系)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(神経系)
分類実施日
(環境有害性)
マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分1
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと生命に危険
皮膚に接触した場合や吸入した場合は有毒
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
発がんのおそれの疑い
神経系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
気分が悪いときは医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名2-メチル-1,1'-ビフェニル-3-イルメチル=(Z)-3-(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
慣用名又は別名ビフェントリン
英語名2-Methyl-1,1'-biphenyl-3-ylmethyl (Z)-3-(2-chloro-3,3,3-trifluoro-1-propenyl)-2,2-dimethylcyclopropanecarboxylate
Bifenthrin
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C23H22ClF3O2 (422.87)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号82657-04-3
官報公示整理番号(化審法)4-1701
官報公示整理番号(安衛法)7-(3)-277
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
気分が悪いときは医師に連絡すること。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状短期・長期または反復曝露の影響:神経系に影響がある恐れ。
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項適切な空気呼吸器、防護服を着用する。
医師に対する特別な注意事項医師が暴露物質名を知り、防護のための注意を払うことを確認する。

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災
・粉末消火剤、二酸化炭素または散水。
大火災
・散水、水噴霧または一般の泡消火剤。
使ってはならない消火剤棒状注水
火災時の特有の危険有害性加熱して分解すると、フッ化物および塩化物の有毒蒸気を放出する。摩擦、熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
特有の消火方法タンク、貨車あるいはタンク車が火災に巻き込まれた場合は、すべての方向に、適切な隔離距離と適切な初期避難距離をとる。
容器内に水を入れてはいけない。
火災後も大量の水を用いて容器を冷却する。
安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。
火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。
安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。
消火水をせき止め、後で廃棄する。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消化する。
大火災の場合は、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合にはその場所から避難し、燃えるままにしておく。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。
防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置適切な呼吸器用保護具を着用する。
耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)
適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
危険でなければ、漏れを止める。
蒸気抑制泡剤は蒸気濃度を低下させるために用いる。
環境に対する注意事項環境への放出を避けること。
排水溝、下水溝、地下室や閉鎖場所への流入をを防ぐ。
封じ込め及び浄化の方法及び機材流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。
漏洩時
必要により、風下に適切な初期避難距離をとる。
適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
危険でなければ、漏れを止める。
蒸気抑制泡剤は蒸気濃度を低下させるために用いる。
プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
乾燥した土、砂や不燃物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
容器内に水をいれてはいけない。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
安全な容器包装材料国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2021年版)未設定
ACGIH(2022年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
作業場では全体換気を行う。
設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。
保護具
呼吸用保護具作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色
臭いかすかな甘い臭い
融点/凝固点51〜66 ℃(GESTIS(2022))
69 ℃(PubChem(2022))
68〜70.6 ℃(危険物災害等支援システム(2022))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点165 ℃(Closed cup)(GESTIS(2022))
151 ℃(Pensky Martens closed cup)(PubChem(2022))
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 水<〜0.01 (mg/100mL)(危険物災害等支援システム(2022)、PubChem(2022))
塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、エーテル、トルエンに可溶(PubChem(2022))
n-オクタノール/水分配係数Log Kow: 6(GESTIS(2022))
蒸気圧1.78X10-3 mPa(20℃)(PubChem(2022))
1.335x10-8 mmHg(PubChem(2022))
密度及び/又は相対密度1.212 g/cm3(25℃)(GESTIS(2022))
1.2 g/cu m(125℃)(PubChem(2022))
1.26 (危険物災害等支援システム(2022))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性推奨される保管条件下で安定。自然光に対し25℃で2年間安定。半減期-255日。pH 5〜9、21℃で21日間安定。
危険有害反応可能性加熱して分解すると、フッ化物および塩化物の有毒蒸気を放出する。
避けるべき条件
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物フッ化水素、塩化物

11.有害性情報
急性毒性
経口ラット経口投与でのLD50=47mg/kg(農薬登録申請資料(2004))に基づき、区分2とした。
経皮ラット経皮投与でのLD50=790mg/kg(農薬登録申請資料(2001))に基づき、区分3とした。
吸入: ガスGHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入: 蒸気データなし。
吸入: 粉じん及びミストラット吸入暴露でのLC50=0.8mg/L(農薬登録申請資料(2004))に基づき、区分3とした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ウサギでの皮膚刺激性試験において、刺激性がないとの報告がある(農薬登録申請資料(1991))ことから、区分に該当しないとした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギでの眼刺激性試験において、48時間以内に消失した軽度の眼刺激性が見られたが、Draize scoreで全て1以下である(農薬登録申請資料(1991))ことから、区分に該当しないとした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)より、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。ECHA RAC Opinion (2011)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目を見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:5%溶液)において、陽性率は89%(8/9例、1例は途中死亡)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2011)、CLH Report (2009))。

【参考データ等】
(2)Buehler法では陰性であったが、Maximization法では陽性であった(食安委 農薬評価書 (2019)、JMPR (2009))。
(3)モルモット(n= 10)を用いたBuehler法による皮膚感作性試験(経皮投与:原液)において、皮膚感作性はみられなかったとの報告がある(農薬抄録 (2012))。
(4)EUではSkin Sens. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Jan. 2022))。
生殖細胞変異原性細菌を用いた復帰変異試験、CHO培養細胞を用いた前進突然変異試験、ラット肝初代培養細胞を用いた不定期DNA合成試験、CHO培養細胞を用いた染色体異常試験、ラットを用いた骨髄細胞でのin vivo染色体異常試験の何れの試験結果も陰性である(農薬登録申請資料(1991))ことから、区分に該当しないとした。
発がん性【分類根拠】
(1)〜(3)よりマウスに膀胱腫瘍の発生増加が示唆されているが、単一の試験により提供された動物種1種、片性(雄マウス)のみの結果であることから限定的な発がん性の証拠であり、区分1Bに分類するには不十分と判断し、区分2とした。新たな情報源を利用し分類した。旧分類からEUでGHS区分が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)マウスを用いた2年間混餌投与による発がん性試験では、50〜600 ppm(7.6〜92 mg/kg/day(雄)、10〜110 mg/kg/day(雌))の投与において、雄に肝臓腫瘍(肝細胞腺腫と腺がんの組合わせ)、雌の肺腫瘍(細気管支-肺胞腺腫と細気管支-肺胞がんの組合わせ)、雄に膀胱腫瘍(平滑筋肉腫)の発生頻度に有意な増加又は増加傾向がみられた。(JMPR (2009))。
(2)(1)の肝臓腫瘍と肺腫瘍に関して、病理専門家パネルによる再レビユーの結果、投与に関連したものではないと結論された。また食品安全委員会は(2)について、肝臓腫瘍は統計的に有意な増加はなく、前がん病変も伴わないため検体投与の影響ではない、肺腫瘍は使用したマウスの系統(Swiss Webster)がこのタイプの肺腫瘍の好発種であり、投与群で増加した発生頻度も背景データの範囲内であること、用量相関性がないこと等から検体投与の影響ではないと判断した(JMPR (2009)、食安委 農薬評価書 (2019))。
(3)(1)の雄マウス高用量群にみられた膀胱腫瘍(平滑筋肉腫)の発生増加に関して、JMPRは上記の病理専門家パネルによる再レビューにおいて、マウスの膀胱腫瘍は良性でおそらく血管を起源とし、主に雄に発生し、明らかにマウスにのみ認められることから、ヒトには当てはまらないと判断した。一方、食品安全委員会は、マウスの雄の膀胱で平滑筋肉腫(粘膜下腫瘍)の発生頻度増加が認められたが、腫瘍発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難く、評価に当たり閾値を設定することは可能であると考えられたと結論しており、膀胱腫瘍と検体投与との関連性を否定していない(JMPR (2009)、食安委 農薬評価書 (2019))。
(4)EUは、雄マウスにみられた膀胱腫瘍も肝臓腫瘍も検体投与による可能性を否定できず、ヒトには当てはまらないという確たる証拠もないとして、これらの腫瘍発生をEUの発がん性分類の根拠とした(ECHA RAC Opinion (2011))。
(5)国内外の評価機関による既存分類結果として、EPAでグループC(Possible Human Carcinogen)に(EPA OPP Annual Cancer Report (2020))、EUでCarc. 2に(CLP分類結果 (Accessed Jan. 2022))分類されている。

【参考データ等】
(6)ラットを用いた2年間混餌投与による発がん性試験では、12〜200 ppm(2.3〜9.7 mg/kg/day(雄)、3.0〜12.7 mg/kg/day(雌))の投与において、一般毒性(振戦、体重増加抑制)が発現する最高用量の200 ppmまで腫瘍の発生増加は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、JMPR (2009)、ECHA RAC Opinion (2011))。
生殖毒性ラット2世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響がない(農薬登録申請資料(1991))ことから、区分に該当しないとした。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)ラットでの試験において、音に対する反射亢進、自発運動量の変動、横臥、間代性痙攣、流涎がみられたと報告がある(農薬登録申請資料(2001))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られたことから、区分1(神経系)とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)イヌでの試験において、振せんとの報告がある(農薬登録申請資料(1991))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分1(神経系)とした。
誤えん有害性*データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.11μg/L(農薬登録申請資料、2001)から、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=6(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法濃縮度試験:低濃縮性(BCF = 133)(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号3349
品名(国連輸送名)ピレスロイド系殺虫殺菌剤(固体、毒性)
国連分類6.1
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*151
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2) (令和4年度までの対象)
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)
船舶安全法毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」