1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | チオりん酸O,O-ジエチル-エチルチオエチル (別名: ジメトン) (Demeton) | ||
製品コード | R02-B-049 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | |
自己反応性化学品 | タイプG | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分1 | |
急性毒性 (経皮) | 区分1 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 吸入すると生命に危険 遺伝性疾患のおそれの疑い 神経系、呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | チオりん酸O,O-ジエチル-エチルチオエチル | ||
別名 | ジメトン | ||
メルカプトホス | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C8H19O3PS2 (516.7) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 8065-48-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 人工呼吸が必要なことがある。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 医療機関に連絡する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 痙攣、めまい、息苦しさ、吐き気、嘔吐、縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰、発汗、意識喪失。 皮膚: 吸収される可能性あり!他の症状については、「吸入」参照。 眼: 吸収される可能性あり!充血、痛み。 経口摂取: 胃痙攣、下痢、嘔吐、「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火薬剤、乾燥粉末消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 漏れた液を、密閉式の容器に集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 強酸化剤および食品や飼料から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 消火により生じる流出物を収容するための用意をする。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | TLV-TWA: 0.05 mg/m3 (Inhalable fraction and vapor) (Skin; BEIC) | |||
設備対策 | 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器を使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは保護眼鏡を使用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣 (化学防護服) を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 硫黄臭 | ||
融点/凝固点 | < -10℃ (GESTIS (Access on May 2020)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 134℃ (2 mmHg) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (2002)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 45℃ (c.c.) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
自然発火点 | 464℃ (ICSC (2002)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 6.66E+002 mg/L (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) プロピレングリコール、エタノール、トルエンに可溶 (HSDB (Access on June 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 3.21 (O体); log Kow = 2.09 (S体) (est) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
蒸気圧 | 3.4E-004 mmHg (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.1 (水=1) (ICSC (2002)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 燃焼すると、分解する。 リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 強酸化剤と 激しく反応する。 プラスチック類を侵す。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフューム |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ※本物質ジメトン(CAS番号 8065-48-3)はジメトン-O (CAS番号 298-03-3) 及びジメトン-S (CAS番号 126-75-0) の混合物 (組成比: 約2:1) のため (ACGIH (7th, 2002))、混合物として健康に対する有害性を分類した。 【分類根拠】 (1)〜(7) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 2.5 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)) (2) ラットのLD50: 雌: 2.5 mg/kg、雄: 6.2 mg/kg (ACGIH (7th, 2002)、MAK (DFG) vol.19 (2003)) (3) ラットのLD50: 雌: 3〜5 mg/kg、雄: 5〜6 mg/kg (MAK (DFG) vol.19 (2003)) (4) ラットのLD50: 雌: 4 mg/kg、雄: 10 mg/kg (MAK (DFG) vol.19 (2003)) (5) ラットのLD50: 8 mg/kg (ACGIH (7th, 2002)) (6) ラットのLD50: 1.7 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) (7) ラットのLD50: 雌: 3 mg/kg、雄: 6 mg/kg (HSDB (Access on May 2020)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雌: 8.2 mg/kg、雄: 14 mg/kg (ACGIH (7th, 2002)、MAK (DFG) vol.19 (2003)) (2) ラットのLD50: 8.2 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) 【参考データ等】 (3) ウサギのLD50: 24 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、区分1とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0047 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.047 mg/L (ACGIH (7th, 2002)、HSDB (Access on May 2020)) (2) 本物質の蒸気圧: 0.00034 mmHg (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.0047 mg/L) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスを用いた優性致死試験で陰性、ハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある (MAK (DFG) vol. 9 (2003))、HSDB (Access on May 2020))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ほ乳類培養細胞を用いた姉妹染色分体交換試験において陽性の報告がある (同上)。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、腹腔内投与による発生影響の可能性が報告されているが、LD50の範囲でみられたこと、評価書間での共通した十分な情報ではないことから、これらの情報を分類根拠としなかったため旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 雌マウスの妊娠7〜12日のうち1回、腹腔内投与した試験において、妊娠9日以降の投与で胎児の重量低値がみられた (MAK (DFG) vol.19 (2003))。なお、この試験においてACGIH (7th, 2002) では、出生児のわずかな死亡率増加がみられたとの記載があり、IRIS (1987) では、消化管の異常や口蓋裂の発生率増加の可能性があるとしているが、MAK (DFG) vol.19 (2003) ではいずれも影響として記載されていない。 (2) 雌マウスの妊娠7〜9日、8〜10日、9〜11日のいずれかに腹腔内投与した試験において、母動物の体重に影響がみられない用量で胎児にわずかな骨格異常、胎児重量低値がみられている (MAK (DFG) vol.19 (2003))。 (3) 胎仔毒性は、LD50の範囲で本物質を腹腔内投与したマウスで認められた (MAK (DFG) vol.19 (2003))。 (4) 生殖毒性に関する十分な情報は得られていない (GESTIS (Access on May 2020))。 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1 (神経系、呼吸器) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 吸入後、多くの場合数分以内に最初の影響が気道と眼に現れる。気道への影響は、気管支収縮と過度の気管支分泌の結果として、胸部の圧迫感と呼吸時の口笛のような音になる。眼への影響には、縮瞳、遠くの物体の不明確な認識及び流涙が含まれる。経口摂取後、15分から2時間以内に発症した症状には、食欲不振、吐き気、嘔吐、胃部の痙攣、下痢などがあった (MAK (DFG) vol.19 (2003))。 (2) 本物質60 mLを大腿にこぼした後、水で洗い流したが、ズボンを着用し続け、約9時間後に突然吐き気、嘔吐、脱力感がみられた。また、血漿及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性は、症状が発現する1.5時間前に激しく低下した (ACGIH (7th, 2002)、HSDB (Access on May 2020))。 (3) 本物質約1 mg/m3にばく露された14人の農業従事者のうち12人は、血漿ChE活性を低下させたが、中毒の臨床的証拠は示さなかったと報告されている (ACGIH (7th, 2002))。 (4) 本物質6 mg/m3までは、血清ChE活性の低下と関連していたものの、臨床影響はなかったと報告されている (ACGIH (7th, 2002))。 【参考データ等】 (5) 本物質も含まれる有機リン系農薬は、吸入、摂取、皮膚吸収を含むすべての経路で吸収され、その毒物学的影響は、神経系のアセチルコリンエステラーゼ阻害によるものであり、呼吸器、心筋、神経筋の伝達障害を引き起こす (IPCS PIM G001 (1998))。 (6) 本物質は有機リン酸塩のグループに属し、吸入、摂取、皮膚吸収後に急性毒性を示す。中毒は縮瞳、調節障害、唾液分泌、流涙及び強迫発作を引き起こし、さらに筋肉の痙攣、消化管の痙攣、気管支収縮、気管支分泌物、吐き気、脱力及び麻痺を引き起こす。さらに、呼吸抑制及び循環不全を引き起こす可能性がある。呼吸停止、窒息、心不全などにより死に至る (MAK (DFG) vol.19 (2003))。 |
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は有機リン系農薬である。有機リン系農薬の主な毒性作用機序はエステラーゼ酵素活性、特にコリンエステラーゼ (ChE) 阻害である (HSDB (Access on 2020))。 (2) 男性5名に0.75 mg/dayから開始して異なる用量を30日間カプセル投与した結果、7.124 mg/day (体重70 kg換算: 0.10 mg/kg/day) の用量で血漿ChEが25日までに40%、赤血球ChEは16%阻害されたとの報告がある (ACGIH (7th, 2002))。 (3) ラットに本物質の構成成分の1つであるジメトン-S (CAS番号 126-75-0) を48%含有した餌0.05〜2.6 mg/kg/dayを11〜16週間投与した結果、0.05 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で血漿中、赤血球中、脳中ChEの活性阻害がみられたと報告されている (ACGIH (7th, 2002)、MAK (DFG) vol.19 (2003)、JMPR (1965))。 (4) ラットに本物質を90日間にわたって65回経口投与した結果、0.9 mg/kg/day (90日換算: 0.65 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で興奮性亢進および振戦がみられ、1.89 mg/kg/day (90日換算: 1.26 mg/kg/day、区分1の範囲)) 以上で1例が死亡した (同上)。 (5) イヌに本物質を24週間混餌投与した結果、0.047 mg/kg/day (区分1の範囲) で血漿ChE活性阻害が、0.149 mg/kg/day (区分1の範囲) で赤血球ChE活性阻害がみられた (同上)。 | |||
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 甲殻類 (ミジンコ) の48時間EC50 = 14.0 μg/L (AQUIRE (2003)) 他から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 3.21 (PHYSPROP Database (2005))) 、急速分解性が不明であることから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3017 | |||
国連品名 | ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, LIQUID, TOXIC, FLAMMABLE, flash point not less than 23 ℃ | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | 3 | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 131 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【344 チオりん酸O,O−ジエチル−エチルチオエチル】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【344 チオりん酸O,O−ジエチル−エチルチオエチル】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3017 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性かつ引火性のもの)(引火点が23℃以上60℃以下のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性かつ引火性のもの)(引火点が23℃以上60℃以下のもの)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |