1.化学品及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | N,N'-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)マンガンとN,N'-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛の錯化合物(別名:マンゼブ) | ||
化学品の英語名称 | Manganese ethylenebis(dithiocarbamate)(polymeric)complex with zinc salt | ||
製品コード | R03-C-057-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(神経系、甲状腺、肝、副腎) | ||
分類実施日 (環境有害性) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、甲状腺、肝、副腎の障害のおそれ 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | N,N'-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)マンガンとN,N'-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛の錯化合物 | ||
慣用名又は別名 | マンゼブ | ||
英語名 | Mancozeb Manganese ethylenebis(dithiocarbamate)(polymeric)complex with zinc salt Manganese, [[2-[(dithiocarboxy)amino]ethyl]carbamodithioato(2-)-kappaS,kappaS']-, mixt. with [[2-[(dithiocarboxy)amino]ethyl]carbamodithioato(2-)-kappaS,kappaS']zinc | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C8H12MnN4S8Zn (541.03) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 8018-01-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-1841 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 情報なし | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳。咽頭痛。 皮膚:発赤。 眼:充血。痛み。 経口摂取:下痢。 吐き気。 嘔吐。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水、一般の泡消火剤 大火災:散水、水噴霧、通常の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(窒素酸化物、硫黄酸化物、金属ヒューム、一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 必要に応じて適切な保護服または適切な化学防護服を着用すること。 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 粉じんの発生を防止する。 アスベスト粉じんの吸入をしない。こぼれたものはプラスチックシートなどで覆い、広がりを最小限に抑える。専門家の監督下を除き清掃や廃棄は行わない。 少量の乾燥固体の漏れ 漏洩物は清浄なシャベルを用いて、清浄な乾燥した容器に入れ、ゆるく覆いをして漏洩場所から移動する。 少量漏洩 砂、その他の不燃性の吸収剤を用いて集め、容器に入れて後で廃棄する。 大量漏洩 液体の漏洩物の前方にせきを作り、後で廃棄する。 こぼれた粉末はプラスチックシートで覆い、あるいは飛散しないようにする。 排水溝、下水溝、地下室や閉鎖場所への流入を防ぐ。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 裸火禁止。 粉じんの堆積を防ぐ。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 酸離しておく。 乾燥。 換気のよい部屋に保管。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 0.05 mg/m3 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH(2022年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 帯灰黄色 | ||
臭い | 硫黄臭 | ||
融点/凝固点 | 加熱分解する(GESTIS(2022)) 172 ℃(分解温度)(PubChem(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2003)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 138 ℃(Open cup)(ICSC(2003)) ca.138 ℃(GESTIS(2022)) 137.8 ℃(Open cup)(PubChem(2022)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 192〜194 ℃(GESTIS(2022)) 150〜172 ℃(PubChem(2022)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水に溶けない(ICSC(2003)) 水: 0.006 mg/l(25℃)(GESTIS(2022)) 水: 6.2 ppm(pH 7.5、 25℃) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 1.33(ICSC(2003)、PubChem(2022)) | ||
蒸気圧 | 20℃(ほとんどない)(ICSC(2003)) 9.8X10-8 mm Hg(25℃)(PubChem(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.92 (水=1)(ICSC(2003)) 1.92 g/cm3(GESTIS(2022)) 1.99 g/mL(20℃)(PubChem(2022)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の乾燥保管条件下で安定。 | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。加熱や酸および水分との接触により分解する。イオウ酸化物、窒素酸化物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化水素、硫化炭素、エチレンチウラムスルフィド、エチレンビスイソチオシアナート、エチレン尿素、2-メルカプトイミダゾリンなどの有毒で刺激性のフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 熱、酸、水 | ||
混触危険物質 | 酸 | ||
危険有害な分解生成物 | イオウ酸化物、窒素酸化物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化水素、硫化炭素、エチレンチウラムスルフィド、エチレンビスイソチオシアナート、エチレン尿素、2-メルカプトイミダゾリンなど |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラット経口投与でのLD50>5000mg/kg(農薬登録申請資料(1993))に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
経皮 | ラット経皮投与でのLD50>5000mg/kg(農薬登録申請資料(1987))に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義による固体であるためガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。 | |||
吸入: 蒸気 | データなし。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | ラット吸入暴露での試験において、最高用量の5.08mg/Lで死亡例なし(農薬登録申請資料(1993))に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギによる皮膚腐食性試験において、投与直後に赤斑が見られたが72時間での評点が0とのデータ(農薬登録申請資料(1987))に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギでの試験において、7日以内に回復する軽度の眼刺激性がみられた(農薬登録申請資料(1993))とのデータに基づき、区分2Bとした。 | |||
呼吸器感作性 | データなし。 | |||
皮膚感作性 | モルモットでのビューラー法およびMaximization法での感作性試験で陽性とのデータ(農薬登録申請資料(1987、1993))に基づき、区分1とした。 | |||
生殖細胞変異原性 | in vitroでの復帰変異試験、染色体異常試験、DNA修復試験、マウスでのin vivo小核試験、ラットでのin vivo染色異常試験の何れの試験においても陰性(農薬登録申請資料(1987、1993))であることから、区分に該当しないとした。 | |||
発がん性 | ラット24ヶ月およびマウス18ヶ月での発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がなかったとのデータ(農薬登録申請資料(1993))に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、母動物に一般毒性影響がみられる用量で奇形の発生増加がみられている。また(2)〜(4)より、本物質の主代謝物(エチレンチオ尿素)についても、ラットの発生毒性試験において奇形の発生増加がみられたことから、(1)の本物質による児への影響は母動物への影響による二次的影響とはみなせない。よって区分1Bとした。旧分類からECHA CLPの分類が追加されたため、生殖毒性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(EPA OPPTS 870.3700準拠、2〜512 mg/kg/day、妊娠6〜15日)において、母動物には128 mg/kg/day以上で体重増加抑制及び摂餌量減少がみられ、最高用量(512 mg/kg/day)では全身症状(嗜眠、被毛粗剛、下痢、軟便、膣からの血様分泌物等)をきたした3/22例を切迫と殺したが、残りの生存例(6/19例)に全胚吸収がみられた。最高用量群の胎児には生存胎児数減少、胎児体重の減少、奇形の発生頻度増加(髄膜脳瘤/外脳症、脳室拡張、口蓋裂、曲尾/短尾)がみられたとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (2)本物質の主代謝物であるエチレンチオ尿素(ETU、CAS番号 96-45-7)を被験物質としたラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、2.5〜30 mg/kg/day、妊娠6〜19日)では、最高用量(30 mg/kg/day)まで母動物毒性は認められなかったが、胎児には15 mg/kg/dayで奇形(水頭症)が2/24例に、最高用量(30 mg/kg/day)では低体重及び奇形(尾の奇形、髄膜瘤、水頭腫、回転異常肋骨、肋骨の過伸展、肋骨及び椎骨異常)がみられたとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (3)エチレンチオ尿素(ETU、CAS番号 96-45-7)は母動物毒性のない用量でラットに奇形を生じる発生毒性物質である(EU CLP分類結果結果:Repr. 1B)。実験動物では本物質の約7%がETUに変換される。本物質のラットでみられる(主に頭部と頸の)奇形は主代謝物であるETUによることを示唆する証拠として、ETUを用いたラットの発生毒性試験(血漿中ETUレベルの測定を含む)の結果、ラットで本物質により誘発される胎児の奇形発生はETUが催奇形性発現用量に達するまで産生されたことによることが証明されたとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (4)ETUは本邦では区分1Bに分類されている(政府によるGHS分類結果: 平成25年度分類)。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP、30〜1,200 ppm(〜約70 mg/kg/day))において、P1及びP2(F0及びF1)親動物には120 ppm以上の雌雄に腎臓(近位尿細管腔内褐色球状色素)、P2雄に肝臓相対重量の増加、1,200 ppmではP1及びP2雌雄に甲状腺(ろ胞細胞のび漫性・結節性過形成、濾胞細胞腺腫(雄のみ)、下垂体(前葉の細胞肥大・空胞化)への影響等全身毒性影響がみられたが、P1、P2両世代に生殖毒性影響はみられなかった。F1、F2児動物にも投与に関連した発生影響はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。 (6)雌ラットを用いた妊娠6〜15日に強制経口投与(10〜360 mg/kg/day)された発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、母動物に死亡(1/25例)、体重増加抑制及び摂餌量減少、よろめき歩行、後肢の軽度麻痺(5/25例)がみられる高用量(360 mg/kg/day)で、胎児に間後頭骨(interparietal bone)の不完全骨化、胸椎中心の骨化不全、大泉門(large anterior fontanelle)の頻度増加がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。 (7)雌ラットを用いた妊娠6〜15日に強制経口投与(10〜500 mg/kg/day)された発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、最高用量まで母動物毒性はみられなかったが、胎児には中用量(225 mg/kg/day)以上で肺(うっ血/充血)、肝臓(うっ血/斑)、腎臓(斑状うっ血/うっ血)の肉眼変化とダンベル型胸椎中心がみられたとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (8)妊娠ウサギを用いた強制経口投与による2つの発生毒性試験(10〜80 mg/kg/day(妊娠7〜19日)、5〜100 mg/kg/day(妊娠6〜18日))では、母動物毒性(死亡(2/20例)、体重増加抑制及び摂餌量減少)がみられた最高用量において、発生影響(流産、着床後胚死亡の増加)がみられたとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (9)妊娠ラットを用いた混餌投与による2つの発達神経毒性試験(5〜60 mg/kg/day(妊娠6日〜生後21又は28日)、 5〜30 mg/kg/day(妊娠6日〜生後21日))では、母動物に体重増加抑制及び甲状腺影響(ろ胞細胞肥大)がみられる最高用量まで、発達神経毒性はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2019))。 (10)EUでは本物質はRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果結果 (Accessed Nov. 2021))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ラットおよびマウスでの試験において、区分2に相当するガイダンス値の範囲において標的臓器を特定できる症状が報告されていない(農薬登録申請資料(1993))ため、分類できないとした。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 動物試験において、髄鞘の空砲化、髄鞘の貪食、シュワン細胞増殖、甲状腺の重量の増加、甲状腺濾胞上皮増殖、肝細胞肥大、下垂体前葉塩基性細胞肥大、副腎皮質球状層細胞肥大等の報告がある(農薬登録申請資料(1993、2004))ことから神経系、甲状腺、肝、副腎が標的と考えられた。これらの影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(神経系、甲状腺、肝、副腎)とした。 | |||
誤えん有害性* | データなし。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.073mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.33(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2210 | |||
品名(国連輸送名) | マンネブ | |||
国連分類 | 4.2 | |||
副次危険 | 4.3 | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 135 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、5号) 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質、優先取組物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
水質汚濁防止法 | 生活環境汚染項目(法第2条、施行令第3条、排水基準を定める省令第1条別表第2) | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) | |||
船舶安全法 | 可燃性物質類・自然発火性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 可燃性物質類・自然発火性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・可燃性物質類(自然発火性物質)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |