1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | メタクリル酸メチル (Methyl methacrylate) | ||
製品コード | H29-B-034 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 成型用アクリル樹脂合成原料(建築材料,照明器具,歯科材料,化粧品原料等)、塗料樹脂合成原料(自動車用塗料,家電用塗料,建築用塗料等)、透明ABS樹脂合成原料、紙・樹脂の改質剤合成原料、繊維処理剤合成原料、ポリメタクリル酸メチルシート(水族館浴槽用等の大型プラスチックガラス)製造用、アクリル樹脂・塗料・接着剤原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | |||
呼吸器感作性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) 区分3 (麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分3 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 強い眼刺激 吸入すると有害 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ 眠気又はめまいのおそれ 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、呼吸器の障害 水生生物に有害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | |||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | メタクリル酸メチル | ||
別名 | 2-メチルアクリル酸メチル メタクリル酸メチル 2-メチルプロペン酸メチル | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C5H8O2 (100.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 80-62-6 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-1036 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。多量の水を飲ませる。医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、息切れ、咽頭痛 皮膚:発赤、痛み 眼:発赤、痛み 経口摂取:吐き気、嘔吐、腹痛 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | きわめて燃えやすい。熱、火花、火炎で容易に発火する。 蒸気は空気と爆発性混合気を生成する。 蒸気が発火源まで達し、発火するおそれがある。 熱せられたり火災に巻き込まれると、爆発的に重合するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性、毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:消火の効果がないおそれがある場合は散水を行う。 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(化学保護衣、有機ガス及び蒸気用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。下水に流してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器に出来る限り集める。 残留液を砂又は不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。 下水に流してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 充填、取り出し、取扱い時に圧縮空気を使用してはならない。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 耐火設備で保管する。 強酸化剤、強塩基、強酸から離しておく。 安定化した状態でのみ貯蔵する。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 2 ppm、8.3 mg/m3 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 50 ppm、205 mg/m3 TLV-STEL: 100 ppm、410 mg/m3 (DSEN) | ||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全ゴーグル、又は呼吸用保護具と眼用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色の揮発性液体 (HSDB (2017)) | ||
臭い | 果物臭 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 0.21 ppm (HSDB (2017)) | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -47.55℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 100.5℃ (HSDB (2017)) | ||
引火点 | 10℃(o.c.) (NFPA (14th, 2010)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 3.1 (酢酸ブチル= 1) (HSDB (2017)) | ||
燃焼性(固体、気体) | 該当しない | ||
燃焼又は爆発範囲 | 下限:1.7%、上限:8.2% (NFPA (14th, 2010)) | ||
蒸気圧 | 3.9 kPa (20℃) (ICSC (J) (2003)) | ||
蒸気密度 | 3.45(空気= 1) (HSDB (2017)) | ||
比重(相対密度) | 0.94 (20℃/4℃の水) (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2012)) | ||
溶解度 | 水:1.57×104 mg/L (20℃) (HSDB (2017)) エタノール、エチルエーテル、アセトンと混和、クロロホルムに可溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 1.38 (HSDB (2017)) | ||
自然発火温度 | 435℃ (HSDB (2017)) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 重合反応を起こす可能性がある。 | ||
危険有害反応可能性 | 光や重合触媒、強力な酸化剤の下で加温や加熱により重合する可能性があり、火災や爆発の危険を伴う。強酸、強塩基と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 光、高温、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、強塩基、強酸 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、7,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2015))、7,900 mg/kg、8,500 mg/kg、9,400 mg/kg (以上ECETOC JACC30 (1995)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分外 ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg (EU-RAR (2002)) との報告に基づき、 区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 区分4 ラットの4時間吸入試験のLC50値として、7,093 ppm (ECETOC JACC30 (1995)、EU-RAR (2002)、ACGIH (7th, 2015)) との報告に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (38,614 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 本物質を5%含むパラフィン又はオリ−ブ油を適用したボランティア試験で、20名中18名に紅斑又は湿疹性皮膚炎を認めたなど、ヒトにおける皮膚刺激性を示す複数の事例報告 (EU-RAR (2002)) がある。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において本物質を4時間適用後、72時間以内の紅斑と浮腫のスコアはそれぞれ2〜2.5、1.5〜1であり、7日後の紅斑と浮腫のスコアはそれぞれ2、0.5であった (EU-RAR (2002))。よって、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質は、Skin Irrit. 2に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は 眼刺激性 | GHS分類: 区分2 ウサギを用いた眼刺激性試験において、虹彩及び角膜には影響はなく結膜にグレード2の発赤が24時間後に認められたとの報告 (EU-RAR (2002)) や、流涙・充血・結膜などへの刺激性がみられたとする報告 (ACGIH (7th, 2015)) がある。詳細なデータがないことから細区分はできない。従って、区分2とした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 区分1 日本産業衛生学会の既存分類 (感作性物質気道第2群) から、区分1とした (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2012)) 。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 区分1 モルモットを用いた感作性試験で陽性との報告 (EU-RAR (2002))、及び日本産業衛生学会の既存分類 (感作性物質皮膚第2群) (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2012)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質は、Skin Sens. 1に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性、陰性の結果である (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2015)、DFGOT vol. 26 (2010)、EU-RAR (2002)、SIDS (2002)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2012)、CICAD 4 (1998)、環境省リスク評価第11巻 (2013)、IRIS Tox. Review (1998))。しかし、in vivo染色体異常試験の陽性結果は信頼性に乏しいと評価されている (EU-RAR (2002)、SIDS (2002))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、小核試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性であるが、これらの陽性結果は細胞毒性が出現した高用量での結果や用量依存性が認められない結果であり、in vitroでの陽性判断は妥当ではないとされている (EU-RAR (2002)、SIDS (2002))。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない アクリルシートの製造を行う米国の工場労働者を対象とした疫学研究において結腸がんによる死亡率の有意な増加がみられたが、労働者は本物質以外にもエチルアクリラートや揮発性の副生成物によるばく露を受けていたとの報告がある。しかし、本物質の製造を行う米国の工場労働者を対象とした疫学研究ではそのような影響はみられなかったとの報告もある (IARC 60 (1994)、DFGOT vol. 26 (2010)、ACGIH (7th, 2015))。一方、実験動物ではラットを用いた2年間飲水投与試験で投与による腫瘍発生頻度の増加はみられなかった (IARC 60 (1994))。また、ラット及びマウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験においてもラット、マウスともに発がん性の証拠は示されなかった (NTP TR314 (1986)、IARC 60 (1994))。IARCは本物質の発がん性に関して、ヒトでの証拠は不十分で、かつ実験動物では発がん性がないことを示唆する証拠があるとして、グループ3に分類した (IARC 60 (1994))。この他、既存分類としてEPAがNL (Not Likely to be carcinogenic to humans) に (IRIS (1998))、ACGIHがA4に分類している (ACGIH (7th, 2015))。 以上、IARCとACGIHの発がん性分類結果に基づき、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない 妊娠ラット、又は妊娠マウスの器官形成期に吸入ばく露した発生毒性試験の殆どは胎児への影響はないか、又は軽微な影響 (胎児体重の低下) だけであった (DFGOT vol. 26 (2010)、ACGIH (7th, 2015))。うち、ラットの1試験では1,000 ppm で早期/後期吸収胚の増加がみられたが、本試験は試験プロトコールの不備、記述不十分などの理由でEUにおけるリスク評価には利用できないと判断された (DFGOT vol. 26 (2010))。また、ラットの催奇形性試験での母体毒性 (死亡、体重減少等) が発現する用量で、胎児毒性 (早期胎児死亡、頭尻長の減少、血腫の発生) がみられたとの試験報告があるが、用量 (110,000 mg/m3 (26,180 ppm)) が高すぎて評価に有用ではないと指摘されており (DFGOT vol. 26 (2010))、分類に利用するのは適切でないと考えた。以上、吸入経路では発生影響はほぼ軽微と考えられるが、生殖能・性機能への影響評価に関する情報がなく、データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) ヒトではボランティアに本物質48〜480 ppmを吸入ばく露した試験で、20〜90分後に気道の刺激、脱力、発熱、めまい、吐き気、頭痛、眠気がみられたとの報告がある (ECETOC JACC30 (1995)、EU-RAR (2002)、NITE初期リスク評価書 (2008))。実験動物では、ラットにおいて、区分1相当の100 ppm、2時間 (4時間換算値: 70.7 ppm) の吸入ばく露で肺胞間のうっ血、出血、肺血管拡張、肺水腫が認められたとの報告がある (EU-RAR (2002))。以上より区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、呼吸器) ヒトについて、結膜炎、萎縮性鼻炎、喉頭炎、咳の発生率と軽度の気道閉塞の増加、自律神経障害、神経衰弱、頭痛、眩暈、神経過敏、集中力散漫、記憶力の低下、高血圧、低血圧の報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013))。 実験動物については、区分2のガイダンス値の範囲内で影響はみられていない。ラットを用いた強制経口投与による21日間反復投与毒性試験において区分2のガイダンス値を超える500 mg/kg/day (117 mg/kg/day) で神経系への影響 (自発運動・学習能低下、攻撃性増加、脳橋から延髄、海馬の生体アミン量増加、大脳皮質・線条体のノルアドレナリン増加、線条体のドーパミン減少、視床下部のセロトニン増加) がみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013))。 しかし、この試験の最低用量であることからこの用量未満での影響が不明である。また、ラット、マウスを用いた2年間吸入毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲を超える用量で鼻腔の炎症、嗅上皮の変性等がみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008))。しかし、この試験の最低用量であることからこの用量未満での影響が不明である。 以上、ヒトにおいて神経系、呼吸器に対する影響が認められていることから、区分1 (神経系、呼吸器) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類 (オオミジンコ)の48時間EC50 = 69 mg/L (EU-RAR (2002))他から、区分3とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり (BODによる分解度:94.3%(既存化学物質安全性点検データ))かつ生物蓄積性が低いと推定される (log Pow = 1.38 (PHYSPROP Database (2005)))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1247 | |||
国連品名 | METHYL METHACRYLATE MONOMER, STABILIZED | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当する(Y) | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 129P (P: 爆発的な重合を起こすおそれ) | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) | |||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
大気汚染防止法 | 揮発性有機化合物(法第2条第4項)(環境省から都道府県への通達) 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) | |||
労働基準法 | 感作性を有するもの(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号、平8労基局長通達、基発第182号) 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |