1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)=ペルオキシド | ||
化学品の英語名称 | Bis(1-methyl-1-phenylethyl) peroxide; Dicumyl peroxide | ||
製品コード | R03-C-027-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機過酸化物(重合触媒) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
物理化学的危険性 | 有機過酸化物 | タイプF | |
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(鼻粘膜) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 熱すると火災のおそれ 眼刺激 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器への刺激のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による鼻粘膜の障害 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 他の容器に移し替えないこと。 涼しいところに置くこと。 容器を接地しアースをとること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 日光から遮断すること。 ・・・℃以下の温度で保管すること。 注)”…”は、製造業者、供給者が指定する温度を記入してください。 隔離して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)=ペルオキシド | ||
慣用名又は別名 | 2−フェニル−2−[(2−フェニルプロパン−2−イル)ペルオキシ]プロパン ビス(α,α−ジメチルベンジル)=ペルオキシド | ||
英語名 | Bis(1-methyl-1-phenylethyl) peroxide; Dicumyl peroxide 2-Phenyl-2-[(2-phenylpropan-2-yl)peroxy]propane Bis(alpha,alpha-dimethylbenzyl)peroxide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C18H22O2 (270.37) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 80-43-3 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-1086 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 情報なし | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 情報なし | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳。咽頭痛。 皮膚:発赤。 眼:充血。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災:散水、水噴霧、粉末消火剤、二酸化炭素、一般の泡消火剤 大火災:散水、水噴霧 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 積荷が熱にさらされているときは、その積荷や車輌を移動しない。 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 大火災の場合は、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合にはその場所から避難し、燃えるままにしておく。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から離隔離する。 適切な防護衣を着用していないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 散水して湿った状態を保つ。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 風下に適切な初期避難距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 少量の漏れの場合、湿った不活性な不燃材料で処理し、清浄な帯電防止器具を用いてプラスチック容器に入れて、ゆるく覆いをして後で廃棄する。 大量の漏れの場合、水で湿らせてせき止め、後で廃棄する。 排水溝、下水溝、地下室や閉鎖場所への流入を防ぐ。 専門家の指示がないときは、漏洩物を取り除いたり、廃棄してはいけない。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 周囲を十分な強度を有する防護壁などで囲むか、または防爆式の構造とするとともに、常時労働者が就業する場所から十分な距離をおくこと。 できるかぎり遠隔操作による自動制御方式を採用し、かつ、制御室は、有機過酸化物による爆発のおそれがある化学設備から十分な距離をおくか、またはその周囲を十分な強度を有する防護壁で囲むこと。 異常が生じた場合に自動的に作動する緊急冷却装置、緊急排出装置、反応急停止装置などの安全装置を設けること。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 他の容器に移し替えないこと。 涼しいところに置くこと。 容器を接地しアースをとること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 金属片、強酸、有機物などの有機過酸化物と反応し、またはその分解を促進するような異物が混入しないようにすること。 取り扱う器具や容器は、木製、プラスチック製などの軟質性のものを用いるとともに、その使用にあたっては、摩擦や衝撃をあたえないこと。 器具や容器は、専用のものとし、かつ、常に清浄に保つこと。 できるかぎり不活性な炭化水素系の溶媒、ジメチルフタレート、ジブチルフタレートなどの可塑剤、水などで希釈して取り扱うこと。 事業場内における停滞量は、必要最小限にとどめること。 取り扱う場所は、水洗による掃除をしやすい構造とするとともに、常に清浄に保つこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 日光から遮断すること。 ・・・℃以下の温度で保管すること。 注)”…”は、製造業者、供給者が指定する温度を記入してください。 隔離して保管すること。 貯蔵する場所は、冷暗所とすること。 貯蔵する容器は、転倒または落下しないように保持すること。 貯蔵設備の周囲は、十分な強度を有する防護壁などで囲むこと。 できるかぎり、専用の貯蔵設備に貯蔵すること。 可燃性物質、還元剤、強酸化剤、強酸、塩基および重金属から離しておく。 不活性ガス中に保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH(2022年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は密閉系とし局所排気装置を用いる。 粉じんが発生する場合は、機器類は防爆構造、設備は静電気対策が必要になる場合がある。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄色〜白色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 39 ℃(ICSC(1999)、GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) 40 ℃(PubChem(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 加熱分解する(GESTIS(2022)) 396 ℃(PubChem(2022)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(1999)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 71 ℃(Closed cup)(ICSC(1999)) 160 °F(Closed cup)(PubChem(2022)) | ||
自然発火点 | 380 ℃(IUCLID(2000)) | ||
分解温度 | 130 ℃(ICSC(1999)、PubChem(2022)) >70 ℃(GESTIS(2022)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水に溶けない(ICSC(1999)) 水: 0.4〜2 mg/l(20℃)(GESTIS(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 5.5(ICSC(1999)、PubChem(2022)) | ||
蒸気圧 | 7.5X10-6 mm Hg(25℃、推定値)(PubChem(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.0 g/cm3(ICSC(1999)) 1.107 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)) 1.02 (PubChem(2022)) | ||
相対ガス密度 | 9.3 (空気=1)(ICSC(1999)、PubChem(2022)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 推奨される保管条件下で安定。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると急速に分解する。光の影響下で急速に分解する。火災や爆発の危険を生じる。酸、塩基、還元剤および重金属と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 熱、光 | ||
混触危険物質 | 酸、塩基、還元剤、重金属 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg(厚労省報告(Access on September 2008))から、区分に該当しないとした。 | |||
経皮 | データがないので分類できない。 | |||
吸入: ガス | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 | |||
吸入: 蒸気 | データがないので分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 固体なので粉塵基準を適用する。ラットの6時間LCLo値>0.09 mg/L(4時間換算値>0.14 mg/L)(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))から、区分を特定できないので分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ヒトのパッチテストについて、「slight」な刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述、200人のボランティアに対するパッチテストで「slight」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述がある。またラットに対して「mild」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述があり、国連GHS皮膚刺激性区分3に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分に該当しないとした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギに対する「mild」な眼刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述と、「50%溶液の滴下でmildな結膜炎を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述から、区分2Bとした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。 | |||
呼吸器感作性 | データがないので分類できない。 | |||
皮膚感作性 | ヒトについては、「200人のボランティアに対するパッチテストでslightな刺激性を示したが、皮膚感作性は示さなかった」(PATTY(5th, 2001))旨の記述がある。また、動物数は不明だがモルモットを用いた皮内注入試験について「感作性なし」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。以上から、区分に該当しないとした。 | |||
生殖細胞変異原性 | in vitro変異原性試験(細菌を用いた復帰変異試験(OECD TG 471、GLP)、チャイニーズハムスター培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験(OECD TG 473、GLP))でともに「陰性」(厚労省報告(Access on September 2008))だが、in vivo試験のデータがないので分類できない。 | |||
発がん性 | 主要な国際的評価機関による評価がなされていないので、分類できない。List1の情報源にデータはない。 なお、HSDB(2002)には、「マウス経皮投与試験により種ーの有機過酸化物の腫瘍プロモーション活性を比較したところ、本物質は中程度」である旨の記述がある。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、ECHA RAC(欧州化学品庁リスク評価委員会)の見解を支持し、区分1Bとした。新たな情報源を利用し分類した。旧分類からEU CLPの分類が追加されたため、生殖毒性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠5〜19日)において、母動物に死亡(1/24例)、臨床症状(流涎、立毛等)、摂餌量減少及び体重増加抑制がみられる高用量(450 mg/kg/day)群で、着床後胚/胎児死亡の増加、胎児体重の低値、外表奇形(前肢・後肢の異常回転)・骨格奇形(肩甲骨・鎖骨・上腕骨・橈骨・尺骨の短小及び/又は湾曲)の頻度増加がみられた。中用量(150 mg/kg/day)群でも母動物に流涎、摂餌量減少及び体重増加抑制、胎児に骨格奇形(肩甲骨の短小及び/又は湾曲)を有する胎児がみられたとの報告がある(CLH Report (2014)、ECHA RAC(Background Doc.)(2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 (2)欧州化学品庁リスク評価委員会(ECHA RAC)は(1)の高用量群における母動物からの胎児死亡の状況を個体別に調べた結果、臨床症状・剖検所見に異常のみられない母動物5例に計20/65例の子宮内死亡が認められ、着床後死亡及び子宮内死亡率の増加は母動物毒性とは必ずしも相関がないことを示したとの報告がある(ECHA RAC (2015))。 (3)(1)の結果から、提案者らは本物質の生殖分類としてCategory 2への分類を提案したが、ECHAのRACは(2)と(1)で母動物毒性が重篤でない中用量から骨格奇形がみられたことから、子宮内死亡の増加と骨格奇形の発生増加を重視しRepr. 1Bが妥当との見解を表明した(ECHA RAC (2015))。 【参考データ等】 (4)カナダのスクリーニング評価では、(1)より母動物毒性が明らかな最高用量(450 mg/kg/day)群で、胎児に着床後死亡の増加、骨格奇形の増加がみられたことから、母動物毒性と胎児の発生影響のLOAEL/NOAELはいずれも450/150 mg/kg/dayと判断された(Canada CMP Screening Assessment (2019))。 (5)EU CLP分類(Accessed Oct. 2021)はRepr. 1Bである。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ラットを用いた単回経口投与試験で「影響なし」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述がある。一方、ICSC(1999)の短期暴露の影響の項には「気道を刺激する」との記述があるので、区分3(気道刺激性)とした。この他、ウサギ鼻孔への滴下試験で、「暴露1時間以内では鼻粘膜のslightな炎症を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、規格外の試験方法による影響なので採用しない。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ヒトについて、18人の作業者の本物質への暴露影響として「鼻粘膜の変化」(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))の記述がある。動物について、ラットを用いた28日間反復経口投与試験(Guideline for 28-Day Repeated Dose Toxicity Test in Mammalian Species(Chemical Substances Control Law of Japan)、GLP)で「肝細胞の肥大と変性」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述があるが、変性の詳細に関する記述はない。モルモットを用いた反復吸入暴露試験で「鼻粘膜の化生と線毛の消失」(DFGOT vol.3(1992))との記述動物に対する鼻粘膜への影響は区分1のガイダンス値の範囲内で見られたが、肝臓への影響は区分2のガイダンス値の範囲外で見られた。以上より、区分1(鼻粘膜)とした。 | |||
誤えん有害性* | データがないので分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.26 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)から区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性;4週間標準法でBODによる分解度:0%(既存点検, 1985))ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 有機過酸化物を廃棄する場合は、安全な場所で少しずつ焼却する。分解液を使用して分解させるなどの安全な方法によること。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3110 | |||
品名(国連輸送名) | 有機過酸化物タイプF(固体) | |||
国連分類 | 5.2 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | U | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 145 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・発火性の物(施行令別表第1第2号) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)( 令和4年度までの対象) 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)(令和5年度以降の対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第5類 第一種自己反応性物質(法第2条第7項危険物別表第1・第5類)【有機過酸化物】 | |||
船舶安全法 | 酸化性物質類・有機過酸化物(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 酸化性物質類・有機過酸化物(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・有機過酸化物による爆発災害の防止について(昭46.6.25 基発第455号) |