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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
4,4’-スルホニルジフェノール(別名:ビスフェノールS)
作成日 2023年3月31日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称4,4’-スルホニルジフェノール(別名:ビスフェノールS)
化学品の英語名称4,4'-Sulfonyldiphenol
製品コードR04-A-003-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限染色助剤,難燃剤,写真用カプラー原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性生殖毒性区分1B
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2(全身毒性)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2(消化管)
分類実施日
(環境有害性)
-
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
全身の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による消化管の障害のおそれ
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
 応急措置ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名4,4’-スルホニルジフェノール
慣用名又は別名ビスフェノールS
英語名4,4'-Sulfonyldiphenol
Bisphenol S
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C12H10O4S (250.27)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号80-09-1
官報公示整理番号(化審法)3-2169
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照。
皮膚に付着した場合医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照。
眼に入った場合医師に連絡すること。
以上、GHS分類結果参照。
飲み込んだ場合気分が悪い時は、医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤棒状注水
以上、GESTIS参照。
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材粉じんが発生しないように回収する。その後、換気し漏出個所を洗浄する。
以上、GESTIS参照。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項容器を開けたままにしない。粉じんの発生を避ける。使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。必要量以上を作業場に持ち込まない。
以上、GESTIS、GHS分類結果参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管する。容器を密閉し、室温の乾燥した場所に保管すること。
以上、GESTIS、GHS分類結果参照。
安全な容器包装材料破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2022年版)未設定
ACGIH(2022年版)未設定
設備対策作業場所には適切な局所排気装置等を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。
作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
以上、GESTIS参照。
手の保護具保護手袋を着用する。ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリ塩化ビニルが適している。
以上、GESTIS参照。
眼の保護具サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体(GHS判定)
白、仄かにベイジュ
臭いデータなし
融点/凝固点>247〜℃ (Lewis(2001))
245〜247 ℃(GESTIS(2022))
240〜241 ℃(Chapman(1995))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性可燃性物質、引火しづらい(GESTIS(2022))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度160〜240 ℃(240℃前後で反応が始まる。分解は延引するがより低い温度(160℃)でも起きる。)(Bretherick(1999))
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: (不溶)(HODOC(1989))
水: 715 mg/L (20℃)(GESTIS(2022))
不溶(HSDB in PubChem)
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 1.65(推定値)(HSDB in PubChem(2022))
蒸気圧4.7X10-10 mmHg(25℃、推定値)(HSDB in PubChem(2022))
密度及び/又は相対密度1.3663 g/mL(15℃)(Lange(2017))
1.4 g/cm3(GESTIS(2022))
1.3663 g/mL(15℃)(HODOC(1989))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性火災の場合、有害物質が放出される可能性があります。硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素
避けるべき条件情報なし
混触危険物質強酸化剤
危険有害な分解生成物硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(GLP)(厚生労働省 既存点検結果 (不明)、SIAR (2013))
(2)ラット(雄)のLD50:2,830 mg/kg(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))
(3)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(OECD TG 401)(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))
経皮【分類根拠】
(1)より、区分を特定できず、分類できない。

【参考データ等】
(1)モルモットのLD50:> 1,000 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、閉塞、4時間適用、72時間観察)において、皮膚刺激性影響はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(SIDS Dossier 2013)、SIAR (2013) 、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

【参考データ等】
(2)EpiDermSCTを用いたin vitro 皮膚腐食性試験(OECD TG 431、GLP)において、T=3分 細胞生存率R=105%、T=60分 細胞生存率R=105%(非腐食性物質に相当)との報告がある(SIDS Dossier (2013) 、SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、7日間観察)において、みられた影響は7日以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/1、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:1.3/1.3/2、結膜浮腫スコア:1.3/1.3/1.3)との報告がある(SIAR (2013) 、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は1.39(5%)、1.90(10%)及び1.68(25%)であったとの報告がある(SIDS Dossier (2013)、SIAR (2013) 、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2)より、染色体異常はin vivoでは生じないと判断されることから、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、ラットの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474、GLP:2回(24時間間隔)強制経口投与、最大2,000 mg/kg)で陰性(厚労省既存点検結果 (2010)、SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015))、及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474、GLP:単回強制経口投与、最大2,000 mg/kg)で陰性(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015))との報告がある。
(2)In vitroでは、5菌株の細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG471、GLP)で陰性(厚労省既存点検結果 (1999)、SIAR (2013))、その他5つの試験で陰性(SIAR (2013) 、AICIS IMAP (2015))、2種のほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、マウスリンパ腫細胞L5178株)を用いた遺伝子突然変異試験で陰性(S9+/-)(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報)、チャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験で連続処理(24時間)条件下で細胞毒性がみられる高濃度で弱い染色体異常がみられたとの報告(厚労省既存点検結果 (1999)、SIAR (2013))、CHO細胞を用いた染色体異常試験でも細胞毒性のない濃度で用量依存性のある染色体異常がみられたとの報告がある(SIAR (2013)、REACH登録情報)。
発がん性データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による拡張一世代生殖毒性試験(OECD TG443、GLP、20〜180 mg/kg/day)において、一般毒性影響としてF0親動物の雄に盲腸肥大、腎肥大(重量増加)、雌に肝臓相対重量増加のみがみられた最高用量(180 mg/kg/day)で、F0雌に性周期の延長、着床部位数の減少、着床後胚損失の増加、総出産児数の減少及び死産児の増加がみられたとの報告がある。また、F1雌に一般毒性影響がみられなかった最高用量において、性周期の延長、着床部位数の減少、着床後胚損失の増加、及びF2出産児数の減少がみられ、F1雄には最高用量で乳腺の萎縮がみられたとの報告がある。(EU CLP CLH (2020)、REACH登録情報 (2022))。
(2)(1)の拡張一世代生殖毒性試験のための強制経口投与による用量設定予備試験(OECD TG422類似、GLP、30〜300 mg/kg/day)において、親動物に一般毒性影響(雌雄:流涎、体重低値、雄:盲腸拡張、腎臓肥大・重量増加、肝臓肥大・重量増加等)がみられた高用量(300 mg/kg/day)群で、雌に性周期の延長、着床部位数の低値、着床後胚損失率の高値及び出産児数の減少がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2020)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
(3)ラットを用いた強制経口投与による生殖毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP、10〜300 mg/kg/day)において、雌雄親動物に一般毒性影響(体重増加抑制、摂餌量減少、盲腸膨満等)がみられる用量(300 mg/kg/day)で、母動物に性周期の延長、不整性周期動物の増加、着床数の低値傾向、着床率の減少、受胎率の減少傾向が、児動物には総出産児数、出産生存児数及び生後4日の生児数に低値傾向がみられたとの報告がある(厚労省既存点検結果 (2000)、SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、EU CLP CLH (2020))。

【参考データ等】
(4)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、30〜300 mg/kg/day)において、母動物に流涎がみられる最高用量(300 mg/kg/day)で胎児に軽微な発生影響(骨格変異)がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2020)、AICIS IMAP (2015))。
(5)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2022))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)より、区分2の用量範囲で標的臓器が特定できない影響がみられることから、区分2(全身毒性)とした。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)を用いた単回経口投与試験において、1,500及び2,000 mg/kg(区分2の範囲)で1/10例及び2/10例が死亡し、全身症状として排尿増加、流涎、鎮静、呼吸困難、側臥/腹臥位等がみられたとの報告がある(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

【参考データ等】
(2)ラットを用いた単回経口投与試験(GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で異常はみられなかったとの報告がある(厚生労働省 既存点検結果 (不明)、SIAR (2013))。
(3)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401)において、5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で呼吸困難、眼球突出、被毛粗剛、円背姿勢がみられたが、死亡例は生じなかったとの報告がある(SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2の用量範囲で消化管への影響がみられることから、区分2(消化管)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与試験(GLP)において、200 mg/kg/day(90日換算値:62.2 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で消化管影響(盲腸の粘膜の過形成及び粘膜上皮の単細胞壊死)、尿蛋白陽性例数の増加、腎臓重量の増加(雄)がみられ、1,000 mg/kg/day(90日換算値:311 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で血液影響(赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの減少)、肝臓影響(重量増加・小葉中心性肝細胞肥大・髄外造血)、脾臓影響(髄外造血)、副腎影響(重量増加・皮質束状帯細胞肥大)、大腿骨影響(造血亢進)がみられたとの報告がある(厚生労働省 既存点検結果 (1998)、SIAR (2013)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による生殖毒性スクリーニング試験(OECD TG 421、GLP、投与期間:交配14日前から計45日間(雄)、交配14日前から哺育3日までの計40〜46日間(雌))において、60 mg/kg/day(90日換算値:26.6〜30.7 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で消化管影響(盲腸の膨満・粘膜上皮のび漫性増生)がみられ、300 mg/kg/day(90日換算値:133〜153 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で肝臓影響(小葉中心性肝細胞肥大、重量増加(雄))がみられたとの報告がある(厚生労働省 既存点検結果 (2000)、SIAR (2013))。

【参考データ等】
(3)ラットを用いた強制経口投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG 408、GLP)において、100 mg/kg/day(区分2の範囲)以上で有害影響はみられず、300 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)以上で、雌に肝臓・血液影響、雄に全身症状(軟便・糞の退色・流涎)・乳腺・盲腸への影響等がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
誤えん有害性*データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)-
水生環境有害性 長期(慢性)-
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号-
品名(国連輸送名)-
国連分類-
副次危険-
容器等級-
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法該当しない
水道法有害物質(法第4条第2項)【フェノール類】
水質基準(平15省令101号)【フェノール類】
水質汚濁防止法指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3)
下水道法水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【フェノール類】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」