1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | アクリル酸(Acrylic acid) | ||
製品コード | H26-B-001(製品コードなし) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ブタジエン、酢酸ビニルなどほかのモノマーと共重合させたものは、不織布バインダー、フロッキー加工用バインダー、繊維の改質剤などとして使用される。またポリアクリル酸塩類は高吸水性樹脂、増粘剤、凝集剤の用途がある |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性 (経皮) | 区分3 | |||
急性毒性 (吸入:蒸気) | 区分3 | |||
急性毒性 (吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | |||
皮膚腐食性及び刺激性 | 区分1A | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1 (呼吸器、腎臓)、 区分2 (肝臓) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (呼吸器) | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込むと有害 皮膚に接触すると有毒 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 重篤な眼の損傷 吸入すると有毒 呼吸器、腎臓の障害 肝臓の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | アクリル酸(Acrylic acid) | ||
別名 | 2−プロペン酸, Acroleic acid, Ethylene carboxylic acid, Propene acid, Propenoic acid, Vinylformic acid | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C3H4O2 (72.06) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 79-10-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-984 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。 直ちに医師に連絡すること。 皮膚を速やかに洗浄すること。 多量の水と石鹸で洗うこと。 皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 | ||
眼に入った場合 | 直ちに医師に連絡すること。 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入した場合:咳、咽頭痛、息切れ、灼熱感、息苦しさ、腐食性、肺水腫の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。 皮膚に付着した場合:吸収される可能性あり。発赤、水疱、痛み。 眼に入った場合:発赤、痛み、重度の熱傷、視力喪失 飲み込んだ場合:灼熱感、脱力感、胃痙攣、下痢、ショック、腐食性、意識喪失 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水、耐アルコール性泡消火剤 大火災:散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。 火災に巻き込まれると、爆発的に重合するおそれがある。 屋内、屋外又は下水溝で蒸気爆発の危険がある。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器内に水を入れてはいけない。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 大火災の場合、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合には、その場所から避難し、燃焼させておく。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 風上に留まる。 低地から離れる。 密閉された場所に立入る前に換気する。 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。 少量の場合、吸収したものを集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。 大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ないおそれがある。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。 接触、吸入又は飲み込まないこと。 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
接触回避 | 「10.安定性及び反応性」を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 技術的対策:保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。 保管条件: 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。 酸化剤から離して保管する。 容器は直射日光や火気を避けること。 容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA 2ppm | ||
設備対策 | 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 完全密閉系及び完全密閉装置でのみ取り扱うこと。 気中濃度を推奨された管理濃度・許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。 高熱工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 防じんマスク、簡易防じんマスク 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 二トリルゴム及び塩ビは適切な保護材料ではない。ネオプレンが推奨される。 飛沫を浴びる可能性のある時は、全身の化学用保護衣(耐酸スーツ等)を着用する。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 化学飛沫用のゴーグル及び適切な顔面保護具を着用すること。 安全眼鏡を着用すること。撥ね飛び又は噴霧によって眼及び顔面接触が起こりうる時は、包括的な化学スプラッシュゴーグル、及び顔面シールドを着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣、顔面用の保護具を着用すること。 一切の接触を防止するにはネオプレン製の、手袋、エプロン、ブーツ、又は全体スーツ等の不浸透性の防具を適宜着用すること。 しぶきの可能性がある場合は、全面耐薬品性防護服(例えば、酸スーツ)及びブーツが必要である。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体: ICSC(1999) | ||
色 | 無色: ICSC(1999) | ||
臭い | 特徴的な臭気 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | 14℃(融点):ICSC(2014) 12.5℃:HSDB(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 141℃(沸点) | ||
引火点 | 54℃(密閉式):ICSC(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 該当しない | ||
燃焼又は爆発範囲 | 下限 2.4vol% 上限 8vol%: NFPA(13th,2002) | ||
蒸気圧 | 3.97mmHg(25℃) [換算値 529Pa(25℃)] :HSDB(2005) | ||
蒸気密度 | 2.48(空気=1):計算値 | ||
比重(相対密度) | 1.0511(20℃/4℃): HSDB(2005) | ||
溶解度 | 水:混和する 1kg/L(25℃):HSDB(2005) 有機溶媒: アセトンに>10%溶解; ベンゼンに溶解; クロロホルムと混和:HSDB(2005) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logKow=0.35(測定値): SRC:KowWin(2005) | ||
自然発火温度 | 360℃:ICSC(2014)、438℃:HSDB(2014) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 1.25mPa・s(20℃)(粘性率): IUCLID(2000) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 酸素濃度が低いと抑制剤の効果が減じられ危険な重合状態になることがある。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱あるいは光、酸素、過酸化物のような酸化剤他活性剤(酸、鉄塩)の影響下で容易に重合し、火災又は爆発の危険を伴う。 強塩基やアミンと激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱あるいは光、酸素。 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、強塩基、アミン類、鉄塩。 銅、ニッケル、鉄等の金属を侵すので接触を避ける。 | ||
危険有害な分解生成物 | 燃焼した時、有害ガス(一酸化炭素、二酸化炭素)を発生する。 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットの経口LD50値として、33.5-3,200 mg/kgの範囲で複数の報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 191 (1997)、IARC 19 (1979)、ECETOC JACC (1995)) がある。分類ガイダンスに基づき、最も多くのデータ (340 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、EHC 191 (1997)、ECETOC JACC (1995)、IARC 19 (1979))、1,250 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、ECETOC JACC (1995))、1,337 mg/kg (環境省リスク評価第10巻 (2012))、1,350 mg/kg (EHC 191 (1997)、EU-RAR (2003)、ECETOC JACC (1995))、1,500 mg/kg (ECETOC JACC (1995)) が該当する区分4とした。 | ||
経皮 | ラットの経皮LD50値として、300-600 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))、ウサギの経皮LD50値として、280 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、294 mg/kg (環境省リスク評価第10巻 (2012))、295 mg/kg (IARC 19 (1979)、EHC 191 (1997)、ECETOC JACC (1995))、300 mg/kg (EU-RAR (2003))、640 mg/kg (EHC 191 (1997)、EU-RAR (2003)、ECETOC JACC (1995))、640 mg/kg (環境省リスク評価第10巻 (2012))、750 mg/kg (IARC 19 (1979)、EHC 191 (1997)、ECETOC JACC (1995))、950 mg/kg (IARC 19 (1979)、EHC 191 (1997))、295-950 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告に基づき、区分3とした。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットの4時間吸入LC50値として、3.6 mg/L (1,221 ppm) (EHC 191 (1997)、NITE初期リスク評価書 (2008)、IARC 19 (1979)、EU-RAR (2003)、ECETOC JACC (1995)、PATTY (6th, 2012)、> 5.1 mg/L (> 1,740 ppm) (EHC 191 (1997)、NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2003)、ECETOC JACC (1995)、14.4 mg/L (4,522 ppm) (PATTY (6th, 2012)) の3件の報告がある。区分3と区分4とにそれぞれ1件づつ該当し、1件は区分を特定できないデータであるため、LC50値の最小値が該当する区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (5,222 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | エアロゾルを用いたラットのLC50値として、11,100 mg/m3 (1時間 (4時間換算値:2.75mg/L))、26,000 mg/m3 (0.5時間 (4時間換算値:3.25mg/L))、7,500 mg/m3 (2時間 (4時間換算値:3.75mg/L)) (EHC 191 (1997)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告に基づき、区分4とした。なお、上述の1時間、0.5時間、2時間ばく露における各LC50値をエアロゾル (ミスト) として4時間換算値に換算すると、飽和蒸気圧濃度 (15.4 mg/L) より低くなり、蒸気相当となるが、エアロゾルでの試験との記載 (EHC 191 (1997)) に基づき、mg/L を単位とする粉じん及びミストの基準値を適用した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギに本物質の原液を3分間半閉塞適用した皮膚刺激性試験 (OECD TG準拠) において、表層壊死、軽度の浮腫及び変色が認められ、病理組織学的検査では適用部位で深部に至る限局性壊死、壊死部での表皮付属器消失、病巣周囲の中等度表皮過形成及びびまん性炎症反応が認められた (EU-RAR (2002)) との報告がある。また、ウサギに本物質の原液を1分間適用した結果、腐食反応を示した (EU-RAR (2002)、ECETOC JACC (1995)) との報告がある。さらに、ヒトにおいて1967-1992 年の間に2 人の作業員は皮膚の腐食のため入院が必要であった (EU-RAR (2002))。以上の結果から区分1Aとした。なお、本物質は、EU DSD分類において「C; R35」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1A H314」に分類されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた眼刺激性試験において、原液の適用により強い刺激性を示し、投与後20日後に眼瞼の瘢痕、角膜混濁が持続することが報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、EHC 191 (1997)、EU-RAR (2002))。また、ヒトに対しても、眼刺激性を示すとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分1とした。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | ヒトにおいて、1989年以来アクリル酸の工業製品を用いた450人以上の労働者に感作性症状が認められていないという報告 (EU-RAR (2002)) がある。また、実験動物では陽性と陰性両方の結果がある。モルモットを用いた修正スプリットアジュバント試験において、皮膚反応は0/10匹であり陰性を示した (NITE初期リスク評価書 (2008)、EHC 191 (1997)、EU-RAR (2002))。モルモットを用いた修正スプリットアジュバント試験では、精製したアクリル酸は陰性であったが、市販のアクリル酸では陽性を示した (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2002))。なお、EU-RAR (2002) やSIAP (2001) ではアクリル酸に含まれる不純物や重合阻害剤が皮膚感作性を示すが、精製されたアクリル酸では皮膚感作性を示さないとしている (EU-RAR (2002)、SIAP (2001))。以上の結果から、アクリル酸自体は皮膚感作性を持たないと判断し区分外とした。 | ||
生殖細胞変異原性 | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoではマウスの優性致死試験及びラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性結果が得られている (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、EU-RAR (2003))。In vitroでは細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験 (HGPRT遺伝子座) で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2003)) が、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験では陽性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2003))。また、仔ウシ胸腺DNAの付加体形成試験で陽性 (環境省リスク評価第10巻 (2012))、ラット肝臓初代培養細胞の不定期DNA合成試験、シリアンハムスター胚細胞 (SHE) の不定期DNA合成試験及び小核試験では陰性 (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、EU-RAR (2003)) である。 | ||
発がん性 | IARCでグループ3 (IARC 71 (1999))、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されていることから「分類できない」とした。なお、ラットの2年間 (104 週間) 吸入がん原性試験、マウスの2年間 (104 週間) 吸入がん原性試験 (いずれも、厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2014)) でいずれもがん原性は認められていない。また、SIAP (2001)、EU-RAR (2003) で、「本物質はラットの経口投与及びマウスの経皮適用による発がん性の証拠はない。また、ヒトばく露と関連した発がん性データはない」と報告されている。ガイダンスの改訂により区分を修正した。 | ||
生殖毒性 | ラットを用いた経口経路 (飲水) での2世代生殖毒試験において、生殖能に影響はみられていないが、親動物に一般毒性 (体重増加抑制、摂水量の低下、腺胃粘膜の軽度な浮腫を伴った前胃境界縁の軽度な角化亢進) がみられる用量で児動物の体重増加抑制、発育分化遅延 (耳管開通遅延、眼瞼開裂遅延) がみられた (EU-RAR (2002))。 催奇形性試験としては、ラットを用いた吸入経路の試験において、母動物毒性がみられる用量で胎児体重の低値がみられた (NITE初期リスク評価書 (2008))。なお、同一文献を引用した環境省リスク評価第10巻 (2012) には、「吸収胚と死亡胎児の増加」の記載があったが、原著 (Saillenfait et al., 1999) には吸収胚と死亡胎児の増加には群間で差がみられないとして影響を否定していた。また、ウサギを用いた吸入経路の試験では、母動物毒性がみられる用量で児の発生に影響がみられなかった (EU-RAR (2002))。いずれにおいても、催奇形性はみられていない。 上記のとおり、母動物に影響がみられる用量で児に影響が認められたが、発育分化の遅延、胎児体重の低値は発生指標のわずかな変化に該当することから、分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ラットに、経口経路で肝細胞の変性及び壊死 (NITE初期リスク評価書 (2008)、EHC 191 (1997))、嗜眠 (EU-RAR (2002))、吸入経路で呼吸器への刺激による鼻周囲の湿潤、痂皮形成、腹式呼吸、呼吸困難、嗜眠、刺激への無反応、気管支粘膜の強い刺激性及び重度の炎症、気管支腔内への滲出物、肺胞腔内のマクロファージ、肺実質内での限局性炎症、肺出血、肺水腫、腎臓のうっ血、肝細胞及び腎尿細管の変性 (NITE初期リスク評価書 (2008)、EU-RAR (2002)、EHC 191 (1997)、ECETOC JACC (1995)、ACGIH (7th, 2001))、ウサギに経皮経路で無気力、努力性呼吸、全身症状の低下、剖検結果で肺水腫 (EU-RAR (2002))、呼吸困難 (ECETOC JACC (1995)) がそれぞれ報告されている。 なお、呼吸器、腎臓に対する影響は区分1に、肝臓への影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、区分1 (呼吸器、腎臓)、区分2 (肝臓) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、EU-RAR (2002)、ACGIH (7th, 2001) にラットに90日間飲水投与した試験報告が3件あり、うち1報において区分2の上限の用量 (2,000 ppm: 100 mg/kg/day相当) で、雄にのみ体重増加抑制がみられたとの記述があるが、標的臓器は特定できない。他の2報告は区分2を超える用量で、腎臓、消化管、肝臓への影響がみられており、すなわち、経口経路では本物質は区分外相当である。 一方、吸入経路では、上記情報源に加えて、厚労省委託がん原性試験報告 (Access on June 2014) より、本物質蒸気をマウス及びラットに90日間又は2年間吸入ばく露した複数の試験において、区分1の濃度 (2-40 ppm: 0.0059-0.118 mg/L/6hr/day) から鼻腔の組織変化 (嗅上皮の変性、萎縮、呼吸上皮化生、呼吸上皮の扁平上皮化生、嗅神経線維束の萎縮、鼻咽頭のエオジン好性変化など) が認められたとの記述より、区分1 (呼吸器) に分類した。なお、マウスの90日間吸入ばく露試験では、区分1の濃度からヘモグロビン濃度の減少がみられ、血液系への影響が示唆されたものの、他のマウス及びラットの試験では一貫した全身性影響は認められておらず、本物質ばく露による有害性影響は鼻腔への局所影響に限定されると考えられた。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 藻類(セネデスムス)の72時間ErC50=0.13mg/L(EHC191、1997)他から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり(BODによる分解度:67.8%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.35(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 特別管理産業廃棄物のため、廃棄においては特に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の特別管理産業廃棄物処理基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2218 | |||
国連品名 | ACRYLIC ACID, STABILIZED | |||
国連危険有害性クラス | 8 | |||
副次危険 | 3 | |||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 毒劇法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。 危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 他の危険物や燃えやすい危険物に上積みしない。 他の危険物のそばに積載しない。 重量物を上積みしない。 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 該当しない |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 優先評価化学物質 | |||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物 | |||
化学物質排出把握管理促進法 | 第1種指定化学物質 | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体 | |||
航空法 | 腐食性物質 | |||
船舶安全法 | 腐食性物質 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |