1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | アクリルアミド | ||
化学品の英語名称 | Acrylamide | ||
製品コード | R03-S-001-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 紙力増強剤・凝集剤重合原料、繊維加工剤、接着剤性能向上加工剤、化粧品原料、アクリル系熱硬化性塗料合成原料/凝集剤・土壌改良剤・紙力増強剤・接着剤原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | |
急性毒性(経皮) | 区分3 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分1B | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(神経系、眼、血液系、生殖器(男性)) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 | |
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有毒 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれ 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、眼、血液系、生殖器(男性)の障害 水生生物に有害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | アクリルアミド | ||
慣用名又は別名 | 2−プロペンアミド プロパ−2−エンアミド | ||
英語名 | Acrylamide 2-Propene amide Prop-2-enamide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C3H5NO (71.08) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 79-06-1 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-1014 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。P312 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳。咽頭痛。脱力感。 皮膚: 吸収される可能性あり。発赤。痛み。 眼:充血。痛み。 経口摂取:腹痛。脱力感。「注」参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 大量の経口摂取によってのみ、重度の中毒になると思われる。 曝露の程度によっては、定期検診を勧める。 長期曝露により、皮膚剥離、発疹、にきびのような皮膚炎を起こすことがある。 末梢神経系の損傷は、不安定歩行、発語障害、チクチクする感覚、協調運動失調、手の震えや四肢のしびれのような可逆的な影響が起こる場合がある。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火剤、散水 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(窒素酸化物、アンモニア、一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 容器内に水を入れてはいけない。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 製造者により特に推奨された耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。 すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。 乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。 容器内に水をいれてはいけない。 専門家に相談する。 こぼれた物質を、ふた付きの密閉式容器内に掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管・処理する。 粉じんの発生を避ける。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 呼吸器用保護具を着用すること。 裸火禁止。 粉じんの堆積を防ぐ。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 強塩基および強酸化剤から離しておく。 冷所。 暗所に保管。 密封。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 0.1 mg/m3 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 許容濃度: 0.1 mg/m3(皮) | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.03 mg/m3(IFV ;Inhalable fraction and vapor)(Skin) | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 不浸透性手袋の使用を検討すること。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 | ||
臭い | 無臭 | ||
融点/凝固点 | 84.5 ℃(ICSC(2013)、PubChem(2022)) 84〜86 ℃(GESTIS(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 125 ℃(33.3 hPa)(GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) 192.60 ℃(760 mmHg)(PubChem(2022)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2013)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 138 ℃(Closed cup)(ICSC(2013)、GESTIS(2022)) | ||
自然発火点 | 424 ℃(ICSC(2013)、GESTIS(2022)) 240 ℃(PubChem(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) | ||
分解温度 | 175〜300 ℃(GESTIS(2022)) | ||
pH | 5.0〜7.0(GESTIS(2022)) 5.0〜6.5(PubChem(2022)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 204 g/100 ml(易溶)(ICSC(2013)) 水: 2040 g/l(25℃)(GESTIS(2022)) エタノール、エチルエーテル、アセトンに可溶(PubChem(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: -0.78(ICSC(2013)、GESTIS(2022)) Log Kow: -0.67(PubChem(2022)) | ||
蒸気圧 | 0.9 Pa(25℃)(ICSC(2013)) 0.007 mm Hg(68°F)(PubChem(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.13 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)、ICSC(2013)) 1.122 (30℃/4℃)(PubChem(2022)) | ||
相対ガス密度 | 2.45 (空気=1)(ICSC(2013)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 推奨される保管条件下で安定。 | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。85℃以上の加熱、あるいは光、および酸化剤の影響下で激しく重合する。強塩基および強酸化剤と反応する。燃焼すると分解する。窒素酸化物を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 熱、光 | ||
混触危険物質 | 強塩基、酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットのLD50値として、124 mg/kg (EHC 49 (1985))、175 mg/kg (EU-RAR (2002))、180 mg/kg (ATSDR (2012))、203 mg/kg (EU-RAR (2002))、294 mg/kg、316 mg/kg、413 mg/kg (以上ATSDR (2012)) の7件のデータが報告されている。うち5件が区分3、2件が区分4に該当する。件数が多く、かつ有害性の高い区分を採用し、区分3とした。 | |||
経皮 | ラットのLD50値として、252 mg/kg (ATSDR (2012)) 及び400 mg/kg (EHC 49 (1985)) の2件のデータが報告されており、いずれも区分3に該当する。ウサギのLD50値として、941 mg/kg (ATSDR (2012)) 及び1,148 mg/kg (EU-RAR (2002)) の2件のデータが報告されており、1件が区分3、1件が区分4に該当する。件数が多く、かつ有害性の高い区分を採用し、区分3とした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | |||
吸入: 蒸気 | GHSの定義における固体である。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ヒトへの事例 (EU-RAR (2002)、ACGIH (7th, 2005)) 及びウサギを用いた皮膚刺激性試験 (EU-RAR (2002)) から、軽度の刺激性を有すると考えられるため、区分に該当しない (国連分類基準の区分3) とした。なお、EU CLP分類において本物質は、Skin Irrit. 2に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜混濁、結膜の発赤、結膜浮腫がみられ、21日間の観察期間で消失したとの報告 (EU-RAR (2002)) から、区分2Aとした。なお、EU CLP分類において本物質は、Eye Irrit. 2に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 | |||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | ヒトでの本物質に起因する接触性皮膚炎の複数の報告 (ACGIH (7th, 2005))、モルモットを用いた2例の皮膚感作性試験が陽性であるとの報告 (EU-RAR (2002)) がある。上記の報告と日本産業衛生学会で感作性物質 皮膚第2群に分類されていることに基づき区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質は、Skin Sens. 1に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 | |||
生殖細胞変異原性 | In vivoでは、ラット・マウスの優性致死試験、マウスの生殖細胞を用いた相互転座試験、特定座位試験、染色体異常試験及び小核試験、ラット・マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験及び小核試験、トランスジェニックラット・マウスの遺伝子突然変異試験等で陽性の結果が存在する (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験で陽性の結果がある (NITE初期リスク評価書 (2007))。また、EU-RAR (2002) やDFGOT vol. 25 (2009) においても、本物質にはin vivoで体細胞及び生殖細胞に明らかに遺伝毒性があり、さらに、実験動物でin vivo経世代突然変異を誘発するとしている。以上より、ガイダンスに従い区分1Bとした。 | |||
発がん性 | ヒトでの発がん性の証拠は極めて限定的である。実験動物ではラットに長期間飲水投与した2つの試験で、雌雄に甲状腺の濾胞上皮細胞腺腫又はがんの合計頻度の増加、雄に陰嚢の中皮腫、雌に乳腺の線維腺腫がみられた。その他、マウスのイニシエーション・プロモーション試験でも皮膚腫瘍の増加が報告されているなど、実験動物での発がん性の証拠は十分にある (NTP RoC (14th, 2016)、IRIS (2010))。既存分類ではIARCでグループ2Aに (IARC 60 (1994))、EPAでLに (IRIS (2010))、NTPでRに (NTP RoC (14th, 2016))、ACGIHでA3に (ACGIH (7th, 2005))、日本産業衛生学会で第2群Aに (産衛学会許容濃度の勧告 (2016))、EUでCarc 1Bに (ECHA CL Inventory (Access on May 2016)) 分類されている。 以上、国際機関による発がん性の既存分類はACGIH以外はすべて区分1Bに該当するため、本項は区分1Bとした。 | |||
生殖毒性 | 雄ラットに本物質を10週間又は6ヵ月間強制経口投与後、無処置雌と交配させた優性致死試験において、前者では5.0 mg/kg/dayで着床後胚損失の増加、後者では6 mg/kg/dayで死胚数の増加がみられた (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2014)、DFGOT vol. 25 (2009))。また、雄マウスに4週間飲水投与、又は雄ラットに5日間強制経口投与又は10週間飲水投与後に無処置雌と交配させた試験で、妊娠率 (授精率) の低下がみられ、マウス、ラットの飲水投与試験では精子数の減少も検出された (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2005)、DFGOT vol. 25 (2009))。一方、妊娠マウス又は妊娠ラットの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験では、母動物毒性 (体重増加抑制) 発現用量でラットでは胎児に異常はなく、マウスでは胎児体重の低下と過剰肋骨の増加がみられたのみであった (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2005)、DFGOT vol. 25 (2009))。しかしながら、妊娠ラットの器官形成期から生後10日まで強制経口投与した発生毒性試験では、母動物に体重増加抑制、神経症状がみられる用量で、児動物の生後死亡増加がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2005)、DFGOT vol. 25 (2009))。既存分類では、日本産業衛生学会が生殖毒性第2群に (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2014))、EUが Repr. 2に分類している (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 以上、本物質は優性致死試験陽性で、かつ雄動物に対し一般毒性影響がない、又は不明瞭な用量で妊孕性の低下 (授精率低下) を生じたことから、区分1Bとするのが妥当と判断した。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトでは自殺企図により本物質約18 gを経口摂取した女性 (体重48 kg、推定摂取量375 mg/kg) が、幻覚、血圧低下、消化管出血、末梢神経障害、肝障害及びそれらに起因する発作を示し、末梢神経ニューロパチーが服用後2ヵ月経過時にも認められたとの症例報告が1例ある (EU-RAR (2002)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2012))。 実験動物では、ラットの単回経口投与試験において区分1相当の250 mg/kgで、協調運動障害、後肢筋肉機能障害、反射亢進、持続性及び間代性痙攣、振戦が認められたとの報告がある (EU-RAR (2002)、NITE初期リスク評価書 (2007)、食品安全委員会評価書 (2016))。また、ウサギの単回経皮投与試験において、区分1〜2相当の784〜1,568 mg/kgで、振戦と協調運動障害が認められたとの報告がある (ATSDR (2012))。 以上の情報から、本物質は神経系を標的臓器とすると考えられる。ヒトでの情報は症例1例のみであるため分類根拠としなかったが、実験動物に対する影響が区分1相当の用量で認められていることから、区分1 (神経系) とした。 なお、マウスの単回経口投与試験において、区分1相当の100〜150 mg/kgで、投与後1日目から生存動物の精巣で精細胞核の空胞化と腫大が認められたが、7〜10日目には回復したとの報告がある (IRIS Tox Review (2010)、EU-RAR (2002))。旧分類はこの情報に基づいて精巣も標的臓器としていたが、回復性の影響であるため標的臓器から除外した。したがって分類結果を変更した。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ヒトについては、職業ばく露の影響として、多発性神経炎等の慢性神経障害や接触性皮膚炎が指摘されている (環境省リスク評価第1巻 (2002))。また、汚染された井戸水からの摂取の例では歩行障害、記憶障害、幻覚、言語障害、四肢のしびれ感、手足の異常発汗、味覚異常等が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007))。 実験動物については、ラットを用いた飲水投与による90日間反復投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲である1 mg/kg/day以上で末梢神経の微小変化 (電顕で軸索鞘の陥入)、5 mg/kg/day以上で末梢神経損傷 (軸索変性及び脱髄)、区分2のガイダンス値の範囲である20 mg/kg/dayでつま先変形、後肢の虚弱、共同運動障害、脊髄損傷、骨格筋萎縮、精巣萎縮、赤血球パラメーター (赤血球数・ヘマトクリット値・ヘモグロビン濃度) 低下の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、IRIS Tox. Review (2010))。NTPの一連の試験のうちラットを用いた飲水投与による90日間反復投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である50 ppm (ガイダンス値換算: 6.25 mg/kg/day) 以上で精巣の精上皮細胞の変性、区分2のガイダンス値の範囲内である100 ppm (ガイダンス値換算: 12.5 mg/kg/day) 以上で後肢麻痺、250 ppm (ガイダンス値換算: 31.25 mg/kg/day) で坐骨神経の軸索変性・シュワン細胞の変性及び腰部脊髄軸索の変性、後肢骨格筋萎縮、膀胱の拡張、脾臓のヘモジデリン沈着、骨髄中の赤血球前駆体増加がみられ、ラットを用いた混餌による90日間反復投与毒性試験においては、区分1のガイダンス値の範囲内である7.4 mg/kg餌 (ガイダンス値換算: 0.37 mg/kg/day) 以上で精巣の精上皮細胞の変性、74 mg/kg餌 (ガイダンス値換算: 3.7 mg/kg/day) 以上で坐骨神経の軸索変性・シュワン細胞の変性、185 mg/kg餌 (ガイダンス値換算: 9.25 mg/kg/day) で後肢麻痺、腰部脊髄軸索の変性、後肢骨格筋萎縮、膀胱の拡張、脾臓のヘモジデリン沈着、精巣の精細胞の変性がみられ、ラットを用いた飲水投与による2年間発がん性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である12.5 ppm (雄: 0.66 mg/kg/day、雌: 0.88 mg/kg/day) 以上で包皮腺の管の拡張、25 ppm (雄: 1.32 mg/kg/day、雌: 1.84 mg/kg/day) 以上で網膜の変性、骨髄の過形成、50 ppm (雄: 2.71 mg/kg/day、雌: 4.02 mg/kg/day) で坐骨神経の軸索変性、副腎皮質の肥大・細胞質空胞化、脾臓の造血細胞増殖がみられている (NTP TR575 (2012))。NTPの試験はマウスについても実施されており、飲水あるいは混餌による90日間投与試験ではラット同様に神経系、雄性生殖器に対する影響が認められているが、区分2のガイダンス値の範囲内でありラットの方が強い影響がみられている。このほか、サルを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である10 mg/kg/dayでミエリン変性に基づく末梢神経の軸索変性、視索線維の軸索変性がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007))。 以上のように、神経系、眼、雄性生殖器、血液系への影響がみられ、神経系への影響と関連したと考えられる筋肉の萎縮等がみられている。旧分類では眼及び血液系については標的臓器に分類されていなかったが、眼に対する影響は視索線維の軸索変性以外にも網膜の変性がみられていることから標的臓器とし、血液系については、赤血球パラメーター低下の報告の他、血液学的検査は実施されていないがNTPの試験において脾臓のヘモジデリン沈着、骨髄の赤血球前駆体増加の報告があることから標的臓器とした。 したがって、区分1 (神経系、眼、血液系、生殖器 (男性)) とした。 | |||
誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 藻類(Selenastrum capricornutum) 72時間EC50(生長阻害) = 33.8 mg/L(NITE 初期リスク評価書:2007, NICNAS PEC:2002)であることから、区分3とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性があり(良分解性、BODによる平均分解度:70%(化審法DB:1999))、蓄積性がなく(LogKow:-1.65(環境省環境リスク評価(第1巻):2002))、甲殻類(アミ)の28日間NOEC(生存率)= 2.04 mg/L (OECD SIDS:2001, NITE 初期リスク評価書:2007)、藻類(Selenastrum capricornutum)の72時間NOEC(生長阻害)= 16 mg/L(OECD SIDS:2001, NICNAS PEC:2002, EU RAR:2002, NITE 初期リスク評価書:2007)であることから、区分に該当しないとした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2074 | |||
品名(国連輸送名) | アクリルアミド(固体) | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 79-06-1 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 153P | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質、特定第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、3号 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) | |||
消防法 | 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2−18・平元省令2号第2条) | |||
水道法 | 水質基準(平15省令101号) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
水質汚濁防止法 | 指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |