1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ホスフィン | ||
化学品の英語名称 | Phosphine | ||
製品コード | R04-C-062-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 半導体用ガス、半導体中不純物拡散用ガス、農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
物理化学的危険性 | 可燃性ガス | 区分1 | |
高圧ガス | 高圧液化ガス | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分1 | |
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、心血管系、呼吸器、消化管) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 極めて可燃性の高いガス 吸入すると生命に危険 中枢神経系、心血管系、呼吸器、消化管の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
応急措置 | 漏えい(洩)ガス火災の場合:漏えいが安全に停止されない限り消火しないこと。 漏えいした場合、着火源を除去すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | ホスフィン | ||
慣用名又は別名 | リン化水素 | ||
英語名 | Phosphine Hydrogen phosphide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | H3P (34.0) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | なし | ||
CAS番号 | 7803-51-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 1-1204 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 1-(3)-258 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は人工呼吸を行う。心停止の場合は直ちに胸骨圧迫を行い、可能であればAEDを使用する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水で十分に浄する。医師の診察を受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
飲み込んだ場合 | この経路は考えられない。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:軽・中程度の場合;咳(一部潜伏あり)、胸痛、息切れ、頭痛、神経障害、脱力感、腹痛、吐き気・嘔吐、下痢、トランスアミナーゼ上昇を伴う肝障害。重篤な場合;追加で肺水腫、ARDS、意識混濁〜昏睡、痙攣、頻脈、低血圧、ショック、心室性不整脈、心停止、代謝性アシドーシス、低血糖、腎不全。 皮膚:低温の液化ガスによる凍傷。 眼:低温の液化ガスによる凍傷。 吸収:吸入と同じ。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 二酸化炭素、棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(リン酸化物、リン酸)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 火災の場合、消防士にガスボンベがあることを知らせること。危険な圧力容器は、保護された位置から水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し、破裂、爆発の危険がある。着火源となるものを遮断する。供給源を遮断するのが不可能で、かつ周辺に危険が及ばなければ、燃え尽きるにまかせる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を断つ。十分な換気を行う。周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは適切な保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 放出されたガスの濃度を監視する。漏出したガスを霧状の水または微細な噴霧でたたき出す。ガスに接触した機器や漏出した場所の周辺を多量の水で洗い流す。屋外にガスが放出された場合は、風上で待機する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 作業場所にガスボンベを保管しない。ガスボンベに機械的ダメージを与えない。ガスボンベの運搬には必ず専用台車または他の適切な装置を使用する。人と一緒にエレベーターで運搬しない。ボンベ交換の際は、必ず充填済みボンベと空ボンベの漏れ止めを点検すること。容器内の圧力を上げるために炎や電気ヒーターを使用しない。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GESTIS参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 禁煙。ガスを吸入しない。汚染された衣類は直ちに交換し、着火源から遠ざけること。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉して50℃以下の換気の良い場所に保管すること。容器を直立させて保管し、転倒を防止する。バルブ保護ケージを設けるか、バルブ保護キャップを装着する。保管されているボンベを定期的に点検し、漏れがないか、また、正しい保管状態を保つ。容器は火災の危険のない場所で、熱及び発火源から離して保管する。日光に当たらないようにする。可燃性物質、酸化性ガス、その他酸化剤から離しておく。 以上、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 毒劇法、高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 最大許容濃度:0.3 ppm、 0.42 mg/m3 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.05 ppm、TLV-C: 0.15 ppm | |||
設備対策 | 作業場所に十分な換気装置を設置する。警報機付きガス検知器を設ける。洗眼の設備を設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出、ばく露限界値を超える場合)には、呼吸保護具を着用する。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”は、物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | ガスボンベを取り扱う際は、必ず作業手袋を着用する。物質と接触する恐れがある場合は、耐薬品性の保護手袋が必要である。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。移し替えや接続、取り外しの際は、バスケットゴーグルと顔面保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。緊急時に備えて、適切な耐化学薬品性の保護衣を準備しておくこと。ガスボンベを取り扱う場合は、安全長靴を使用すること。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 気体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 魚臭またはニンニク臭 | ||
融点/凝固点 | -133.8 ℃(GESTIS(2022)) -133 ℃(ICSC(2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | -87.8 ℃(GESTIS(2022)) -87.7 ℃(ICSC(2018)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 1.6〜ca. 100 vol.%(GESTIS(2022),ICSC(2018)) | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | ca. 100 ℃(GESTIS(2022)) 38 ℃(ICSC(2018)) | ||
分解温度 | >= 〜375 (℃) GESTIS(2022) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 330 mg/L(20℃)(GESTIS(2022)) 水: 26 ml/100ml(17℃)(ICSC(2018)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | 34.6 bar(20℃)(GESTIS(2022)) 3488 kPa(20℃)(ICSC(2018)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 14294 kg/m3(15℃)(GESTIS(2022)) 0.8 (ICSC(2018)) 1.53 kg/m3(気体)(ICSC(2018)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 引火性がきわめて高い。 空気に触れると、自然発火することがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 気体/空気の混合気体は、爆発性である。加熱や燃焼により、分解する。 リン酸化物などの有毒なフュームを生じる。 空気、酸素、塩素酸化物などの酸化剤、窒素酸化物、金属硝酸塩、ハロゲンおよび他の多くの物質と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 多くの金属を侵す。 | ||
避けるべき条件 | 加圧、加熱、裸火、火花 | ||
混触危険物質 | 酸素、塩素酸化物などの酸化剤、窒素酸化物、金属硝酸塩、ハロゲン | ||
危険有害な分解生成物 | 水素、リン酸化物、リン |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
経皮 | 【分類根拠】 GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間) : 11 ppm (ACGIH (7th, 2018)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1998)、HSDB (Access on September 2019)) (2) ラットのLC50 (4時間) : 15 mg/m3 (10.8 ppm) (EHC 73 (1988)) (3) ラットのLC50 (4時間) : 28〜33.3 ppm (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1998)) (4) ラットのLC50 (4時間) :57 ppm (49〜66 ppm) (HSDB (Access on September 2019)) | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、新たな知見を収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。 【参考データ等】 (1)本物質に職業ばく露された4人全員が反応性気道機能低下症を生じ、うち3人は皮膚と粘膜刺激を生じ、頭痛を含めた神経障害をきたしたとの報告がある(ACGIH (2018))。 (2)本物質ガスにより眼と皮膚に重度の刺激性を生じた例はみられなかった。しかし、高圧ガス容器から放出された低温の本物質と接触した場合、眼と皮膚局所の重度の損傷を生じるリスクがあるとの報告がある(GESTIS (Accessed Oct. 2022))。 (3)EUではSkin Corr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、吸入ばく露によるマウス及びラットの染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験及びマウスの優性致死試験、小核試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2018)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1998))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、ヒトリンパ球で染色体異常の報告がある (ACGIH (7th, 2018)、REACH登録情報 (Access on November 2019))。 【参考データ等】 (3) 本物質にばく露した農作業従事者で染色体異常がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2018))。 (4) 本物質の燻蒸作業に平均11.6年 (1.5〜32年) 従事した労働者31人のコホート研究では、小核頻度、尿変異原性に有意な影響は見られなかった (IRIS (1995)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1998))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1) の既存分類結果からガイダンスに従い分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2018))、EPAでD (IRIS (1995)) に分類されている。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より、発生影響はみられていない。しかし、性機能・生殖能に関するデータがないことからデータ不足で分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 妊娠ラットの妊娠6〜15日に吸入ばく露した発生毒性試験で、発生影響はみられていない (IRIS (1995)、ACGIH (7th, 2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3) のヒトの情報から、区分1 (中枢神経系、心血管系、呼吸器、消化管) とした。(4) の実験動物の情報も、中枢神経系と呼吸器への影響を支持するものである。なお、旧分類は肝腫大を根拠として肝臓も標的臓器に含めていたが、根拠情報を精査した結果、本物質が原因の可能性がある症例との記載で詳細不明であるため、分類根拠としては不採用とした。したがって、分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) 本物質の主要な標的臓器として、呼吸器系 (咳、喉の痛み、呼吸困難、肺水腫等) と中枢神経系 (頭痛、めまい、振戦、歩行異常、痙攣、昏睡等) との記載がある ((IPCS, PIM 865 (1997))。 (2) 本物質の吸入ばく露により中毒症状を生じたヒト59例のうち26例が死亡し、主な症状として、呼吸器系症状 (息切れ、呼吸困難、胸の圧迫感、横隔膜痛、咳等)、消化器系症状 (腹痛、吐き気、嘔吐、下痢)、頭痛、知覚異常、複視、振戦、黄疸がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2018))。 (3) りん化アルミニウム (CAS番号 20859-73-8) と水を反応させて生じる本物質を使用して燻蒸消毒を行なった穀物輸送船で発生した中毒例 (成人29名、小児2名) では、呼吸器系、中枢神経系、消化器系の症状に加えて、生存例の小児1例で心電図異常と心筋由来クレアチンホスホキナーゼ (CPK) 活性増加、死亡例の小児1例で肺水腫、局所性心筋壊死、僧帽弁・大動脈弁炎症が認められたとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1998)、ACGIH (7th, 2018))。 (4) ラットの4時間吸入ばく露試験において、LC50値は11 ppmであり、耳の充血、流涎、流涙、洗面動作 (face-pawing)、呼吸困難などの気道刺激性を示す症状がみられたとの報告がある ((ACGIH (7th, 2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 ヒトへの急性影響に関する情報は多数報告されているが、反復ばく露による症例等の報告はない。(1)〜(3) より、実験動物において反復投与が可能な濃度での吸入ばく露試験で明らかな影響がみられていないことから、分類できないとした。 【参考データ等】 (1) ラットに104週間吸入ばく露した結果、3 ppmまでの濃度で体重、摂餌量、血液学的検査、臨床検査、尿検査、剖検、臓器重量について投与に関連する影響はみられなかった (ACGIH (7th, 2018))。 (2) 実験動物は5 ppmの濃度で2ヵ月間 (4時間/日) のばく露には耐えられたが、10 ppmの濃度では7回のばく露で死亡がみられた (ACGIH (7th, 2018))。 (3) ラットに0.37、1、3 ppmの濃度で13週間吸入ばく露した結果、1 ppm以上で体重増加抑制、摂餌量減少、 3 ppmで赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値のわずかな減少 (5%) がみられた (ACGIH (7th, 2018))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 GHSの定義におけるガスである。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データ不足のため分類できない。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2199 | |||
品名(国連輸送名) | ホスフィン(リン化水素) | |||
国連分類 | 2.3 | |||
副次危険 | 2.1 | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 119 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)、リスクアセスメント対象物(法第57の3) 危険物・可燃性のガス(施行令別表第1第5号) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【ホスフィン(頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状又は気道・肺障害)】 | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) | |||
消防法 | 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10五別表1−8・平元省令2号第1条)【りん化水素及びこれを含有する製剤】 | |||
大気汚染防止法 | 特定物質 (法第17条第1項、施行令第10条) | |||
水質汚濁防止法 | 生活環境汚染項目(法第2条、施行令第3条、排水基準を定める省令第1条別表第2) | |||
船舶安全法 | 高圧ガス(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 高圧ガス(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・高圧ガス(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
道路法 | 車両の通行の禁止(施行令第19条の12、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第1) | |||
高圧ガス保安法 | 液化ガス(法第2条3) 可燃性ガス(一般高圧ガス保安規則第2条1) 毒性ガス(一般高圧ガス保安規則第2条2) 特定高圧ガス(法第24条の2・施行令第7条、一般高圧ガス保安規則第2条3) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 皮膚腐食性/刺激性項目を見直した。 |