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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
1,2-ジクロロプロパン
作成日 2002年3月12日
改訂日 2013年10月1日
改訂日 2014年11月1日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称1,2-ジクロロプロパン
化学品の英語名称1,2-Dichloropropane
製品コードR05-B-002-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限樹脂の溶剤,有機合成薬品原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性引火性液体区分2
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(吸入:蒸気)区分3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
皮膚感作性区分1A
生殖細胞変異原性区分2
発がん性区分1A
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1(血液系、肝臓、腎臓)、区分3(麻酔作用)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(血液系、肝臓、腎臓)、区分2(呼吸器)
分類実施日
(環境有害性)
H19.3.30、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分3
水生環境有害性 長期(慢性)区分3
GHSラベル要素
絵表示炎どくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性の高い液体及び蒸気
飲み込むと有害
吸入すると有毒
強い眼刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
血液系、肝臓、腎臓の障害
眠気またはめまいのおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓、腎臓の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害のおそれ
水生生物に有害
長期継続的影響によって水生生物に有害
注意書き
 安全対策熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
吸入した場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
 保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名1,2−ジクロロプロパン
慣用名又は別名ジクロロプロパン
二塩化プロピレン
塩化プロピレン
1,2−DCP
英語名1,2-Dichloropropane
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C3H6Cl2 (113)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号78-87-5
官報公示整理番号(化審法)2-81
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は、口鼻蘇生法を行う。それが不可能な場合は、口対口蘇生法を行う。心停止(反応がなく呼吸が正常でない)の場合は、直ちに胸骨圧迫を行う。AED(自動体外式除細動器)があれば使用する。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。直ちに皮膚に付着した部分を水と石けんで丁寧に洗浄する。医師の診察/手当を受けること。
以上、GESTIS参照。
眼に入った場合多量の流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。その後も洗浄を続けること。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、ICSC参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。嘔吐させないこと。食用油、ひまし油、牛乳またはアルコールは使用しない。直ちに医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、咽頭痛、頭痛、嗜眠、めまい、軽度の刺激。
皮膚:発赤、痛み、皮膚の乾燥、弱い刺激。
眼:充血、痛み、灼熱感、極端な場合は角膜損傷。
経口摂取:吐き気、頭痛、嗜眠、腹痛、嘔吐、下痢。
吸収:胃腸障害、中枢神経症状 (中毒、運動失調、めまい、高用量により引き起こされる急速な意識喪失/昏睡、せん妄)、心血管反応(ショック、不整脈)、呼吸機能障害、代謝性アシドーシスのリスク、肝臓および腎臓の機能不全/損傷、播種性血管内凝固症候群、溶血性貧血。
以上、GESTIS、ICSC参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素。
以上、GESTIS、ICSC参照。
使ってはならない消火剤棒状注水
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(塩化水素、ホスゲン、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。バックファイヤーに注意する。防爆機器を使用する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。圧縮空気で輸送してはならない。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。休憩前に着替えが必要になる場合がある。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所に保管すること。熱を避けること。
以上、GESTIS参照。
安全な容器包装材料国連輸送法規、消防法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度1 ppm
濃度基準値
八時間濃度基準値
短時間濃度基準値
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)許容濃度: 1 ppm、4.6 mg/m3
ACGIH(2023年版)TLV-TWA: 10 ppm(DSEN; A4)
設備対策作業場所には換気設備を設置する。蒸気/空気の混合物は空気より重いので床面での十分な換気も必要である。排出された空気は作業場所に戻さない。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。床に排水溝を設けないこと。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
−防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
−濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
−作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣または化学防護服を着用する。耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体
無色
臭い特徴的な臭い
融点/凝固点-100 ℃(ICSC(2015))
-100.4 ℃(OECD(2005))
-100.53 ℃(CRC(2018))
沸点、初留点及び沸騰範囲96 ℃(ICSC(2015))
96.4 ℃(OECD(2005))
96.8 ℃(SAX(2000))
可燃性高引火性(ICSC(2015))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点16 ℃(密閉式)(ICSC(2015))
21 ℃(開放式)(OECD(2005))
15 ℃(密閉式)(GESTIS(2023))
自然発火点557 ℃(ICSC(2015))
555 ℃(GESTIS(2023))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 0.26 wt%(20℃)(Lewis(2001))
水:(微溶)(Merck(2013))
アルコール、エーテル、ベンゼン、クロロホルム:(可溶)(HODOC(1989))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 2.00((1.99-2.28))(OECD(2005))
log Kow: 2.02(計算値)(ICSC(2015))
蒸気圧27.9 kPa(20℃)(ICSC(2015))
66.2 (66.17-71.98) hPa(20℃)(OECD(2005))
51/83.7/132 hPa(20℃/30℃/40℃)(GESTIS(2023))
密度及び/又は相対密度1.156 g/cm3(20℃)(CRC(2018))
1.1558 g/cm3(20℃)(Lange(2017))
1.16 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023))
相対ガス密度3.9 (空気=1)(ICSC(2015))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性強酸化剤、アルカリ/アルカリ土類金属、アルカリアミドと激しく反応する。
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件火気、加熱、高温、静電気、火花、爆発性混合気の形成
混触危険物質以下のものと接触すると爆発の危険性がある。
レアメタル粉、酸素含有量の高い物質
危険有害な分解生成物熱分解により、塩化水素、ホスゲンおよびダイオキシン類を生成する。

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(5)より、有害性の高い区分を採用し、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:487 mg/kg(ATSDR (2021)、ACGIH (2014)、厚労省 リスク評価書 (2013))
(2)ラットのLD50:1,600 mg/kg(ATSDR (2021))
(3)ラットのLD50:1,900 mg/kg(ATSDR (2021))
(4)ラットのLD50:2,000 mg/kg(ATSDR (2021)、ACGIH (2014))
(5)ラットのLD50:2,200 mg/kg(SIAR (2005)、AICIS IMAP (2017))
経皮【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50:10,200 (10,100) mg/kg(ATSDR (2021)、AICIS IMAP (2017)、ACGIH (2014)、厚労省 リスク評価書 (2013)、SIAR (2005)、DFG MAK (1998))

【参考データ等】
(2)ラットのLD50:> 2,340 mg/kg(ACGIH (2014))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分3とした。なお、被験空気は飽和蒸気圧濃度(50.459 ppm)の90%を下回り、ミストをほとんど含まない蒸気と考えられるため、ppmVを単位とする基準値を適用した。新たな知見を用いて、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):2,000 ppm(SIAR (2005)、AICIS IMAP (2017))
(2)ラットのLC50(8時間):2,000 ppm (4時間換算:2,828 ppm)(ATSDR (2021))
(3)ラットのLC50(8時間):3,000 ppm (4時間換算:4,243 ppm)(ACGIH (2014)、産衛学会 許容濃度提案理由書 (2013)、厚労省 リスク評価書 (2013)、NITE 初期リスク評価書 (2005))
(4)ラットのLC50(7時間):> 2,200 ppm(4時間換算:> 2,910 ppm)(SIAR (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013))
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分3)。なお、新たな知見を用いて、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、半閉塞、4時間適用、8日観察)において、軽微な刺激性がみられた(紅斑・痂皮スコア:1.7/1.3/1.3、浮腫スコア:0.7/0.3/0.3)との報告がある(SIAR (2005)、AICIS IMAP (2017); 厚労省 リスク評価書 (2013); REACH登録情報)。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験において、適用24時間後に顕著な発赤、浮腫、角膜混濁がみられたが、8日以内に回復したとの報告がある(SIAR (2005)、REACH登録情報(Accessed Nov. 2023))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度の刺激性がみられたとの報告がある(NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013))。

【参考データ等】
(3)ウサギを用いた眼刺激性試験において、軽微な刺激性がみられた(スケール2/10)との報告がある(SIAR (2005)、DFG MAK (1998))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分1Aとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)本物質を含む混合溶剤(10-40%)に4年間作業中にばく露し皮膚炎を認めた10名の塗装工および金属加工作業員への2%パッチテストの結果、全員に陽性反応を示したなど、本物質のヒトへの感作能を支持する複数の報告がある(厚労省 リスク評価書 (2013)、産衛学会 許容濃度提案理由書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、MOE 初期評価 (2004)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、SIAR (2005))。
(2)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験において、皮膚感作性がみられたとの報告がある(ATSDR (2021)、ACGIH (2014))。
(3)日本産業衛生学会では感作性物質皮膚第2群に分類されている。

【参考データ等】
(4)マウス(n=6)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、5、20、80%溶液に対し刺激指数(SI値)は1.0、1.3、0.8、EC3値は算出できなかった(区分に該当しないに相当)との報告がある(SIAR (2005)、AICIS IMAP (2017)、REACH登録情報(Accessed Nov. 2023))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分2とした。なお、新たな情報源に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウスの肝臓を標的とした反復吸入ばく露(150〜600 ppm、6週間)によるアルカリコメットアッセイで陽性(用量依存的な肝臓のDNA傷害性)、2日間吸入ばく露(100〜400 ppm)したマウスの肝臓でDNA傷害性(γ-H2AX陽性細胞)陽性の報告がある。一方、ラットを用いた優性致死試験(14週間飲水投与、最大162 mg/kg/day)、マウスの赤血球及び網状赤血球を用いた小核試験(6週間吸入ばく露、最大600 ppm)、マウスの赤血球を用いたpig A遺伝子突然変異試験(6週間吸入ばく露、最大600 ppm)、遺伝子改変(gpt Delta C57BL)マウスを用いた遺伝子突然変異試験(4週間吸入ばく露、最大300 ppm)などで、陰性の報告がある(ATSDR (2021)、AICIS IMAP (2017)、IARC 110 (2016))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、及びほ乳類培養細胞(マウスリンパ腫細胞、CHO細胞)を用いた遺伝子突然変異試験で陽性又は陰性、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある(ATSDR (2021)、IARC 110 (2016))。
(3)利用可能な証拠からは、本物質は強い変異原性物質ではないと示唆される。しかし、本物質はDNAと直接的に相互作用する証拠があり、ある条件下ではDNA傷害性と染色体の変化を引き起こすことが可能になる(ATSDR (2021))。これに先立ち、IARCは本物質の発がん性の作用機序として、非遺伝毒性による作用機序は特定できず、遺伝毒性についてある程度の証拠のあることから、発がん性の作用機序としての証拠の強さは中程度であるとした(IARC 110 (2016))。
(4)日本の印刷会社の作業者で本物質及び/又はジクロロメタンばく露により胆管がん(胆管上皮内腫瘍及び胆管内乳頭腫瘍)を発症した症例の胆管がん周囲の前がん病変部で遺伝子傷害の発生頻度の増加を認めたとの報告がある(ATSDR (2021))。
発がん性【分類根拠】
(1)〜(6)により、ヒトで発がん性の十分な証拠が認められたことから、区分1Aとした。

【根拠データ】
(1)印刷工場に1年以上勤務した作業者62人のうち、少なくとも11人が肝内・肝外胆管がんを発症し、うち6人が死亡した。本物質の推定ばく露濃度は100〜670 ppmばく露期間は7〜17年であった。うち、10人はジクロロメタンにもばく露されている(推定ばく露濃度:80〜540 ppm、ばく露期間:1〜13年)。また、他の事業場で胆管がんを発症した2例の報告、及び異なる3つの事業場で胆管がんを発症した計6例の報告において、多くが本物質以外にジクロロメタン、塩素系化合物にも共ばく露されているものの、全員が本物質に最も高濃度にばく露されていることから、胆管がん発症に本物質が重要な役割を果たしていると報告されている(産衛学会 発がん分類暫定物質の提案理由 (2014))
(2)ラット又はマウスに103週間強制経口投与した試験で、雄マウスの高用量(250 mg/kg)、及び雌マウスの低及び高用量(125、250 mg/kg)群に肝細胞腺腫と肝細胞がんの合計頻度の有意な増加がみられている(NTP TR263 (1986))。
(3)ラット、マウスに6時間/日、5日/週、104週間吸入ばく露した試験において、ラットでは500 ppmで雌雄ともに鼻腔扁平上皮乳頭腫の発生率増加、マウスでは200 ppm で、ハーダー腺の腺腫の発生率増加(雄)及び細気管支肺胞上皮腺腫と細気管支肺胞上皮がんの合計頻度の増加(雌)がみられた(厚労省委託がん原性試験結果(2005))。
(4)IARCは日本の印刷工場での胆管がん発症例の報告を分析し、本物質はヒトで発がん性の十分な証拠があると結論した(IARC 110 (2017))。
(5)国内外の分類機関による既存分類では、IARCがグループ1(IARC 110 (2017))、EU CLPがCarc. 1B(EU CLP)、日本産業衛生学会が第1群(産衛学会 許容濃度提案理由 (2017))に分類している。また、ACGIHはA4に分類している(ACGIH (7th, 2014))。
(6)本物質は、労働基準法施行規則第35条(別表第1の2)に基づき、本物質にさらされる業務による胆管がんは業務上疾病の対象であり、また、労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(3)より、母動物に重篤な一般毒性がみられない用量で頭蓋骨の骨化遅延や排卵の減少がみられたとの報告がある。また、(4)より、ヒトの疫学知見で血液毒性(子宮出血等)がみられたとの報告があり、(5)より、ATSDRはヒトの疫学知見及び動物試験の結果から、ヒトの潜在的な健康障害の一つとして発生影響(骨化遅延)が考えられると結論付けている。以上より、総合的に判断して、区分2とした。

【根拠データ】
(1)妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(EPAガイドライン、GLP、10〜125 mg/kg/day)において、母動物に自発運動減少、筋緊張低下、流涙、流涎、体重増加抑制、摂餌量及び摂水量減少がみられた高用量(125 mg/kg/day)群で、頭蓋骨の骨化遅延がみられたとの報告がある(SIAR (2005)、MOE 初期評価 (2004)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
(2)妊娠ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(EPAガイドライン、GLP、15〜150 mg/kg/day)において、母動物に体重増加抑制及び血液影響(赤血球数/ヘモグロビン/ヘマトクリットの減少、白血球数/血小板数の増加)がみられた高用量(150 mg/kg/day)群で、頭蓋骨の骨化遅延がみられたとの報告がある(SIAR (2005)、MOE 初期評価 (2004)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
(3)未経産雌ラットを用いた3週間吸入ばく露試験(50〜200 ppm)において、中用量(100 ppm)以上で性周期の長さの増加、高用量(200 ppm)で排卵の減少がみられたが、体重には影響がみられなかったとの報告がある(ATSDR (2021))。
(4)ヒトの生殖系への影響の報告は、本物質を98%含む染み抜き剤を吸入ばく露した女性が嘔吐、腹痛、広範囲のうっ血、血尿とともに子宮出血(不正出血)により入院したとの症例報告に限られる(産衛学会 許容濃度提案理由書 (2013)、ATSDR (2021))。
(5)ATSDRによる最新のハザード評価では、ヒトの疫学報告と動物試験結果から、ヒトの潜在的な健康障害と考えられる標的臓器毒性の1つに発生影響(骨化遅延)を挙げた(ATSDR (2021))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(5)より、区分1(血液系、肝臓、腎臓)、区分3(麻酔作用)とした。新たな情報源に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)本物質を含む工業用洗浄剤を誤飲(経口摂取)、吸入又は主に経皮経路によりばく露し急性中毒を生じた症例報告から、様々な程度の肝傷害(肝細胞の壊死、線維化)、血清トランスアミナーゼの増加、溶血性貧血、血管内凝固(DIC)が被験者で報告されている(SIAR (2005)、AICIS IMAP (2017)、産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、MOE 初期評価 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2013))。
(2)(1)の症例報告のうち、いくつかの症例では肝機能低下とともに腎機能の低下がみられ、急性腎不全に至る症例の報告もある(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、MOE 初期評価 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2013))。
(3)実験動物の経口投与による急性影響として、流涎、流涙、呼吸困難、運動性低下、昏睡、胃腸の出血、溶血性貧血、肝臓及び腎臓の障害がみられたとの報告がある(NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013))。
(4)実験動物の吸入ばく露による急性毒性の主な影響は、肝臓及び腎臓への障害で、肝臓に小葉中心性肝細胞壊死や脂肪変性、腎尿細管上皮の脂肪沈着などがみられたとの報告がある(NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013))。
(5)本物質は実験動物で吸入及び経口経路を介した高用量ばく露で中枢神経(CNS)抑制を生じる。ラット、マウス、モルモットに7時間吸入ばく露した場合、1,000 ppm以上で軽度のCNS抑制(嗜眠、倦怠感、協調運動能低下)、2,200 ppmで粗大運動の協調性欠如及び衰弱がみられた。マウス及びラットに本物質6時間ばく露後に、ラットでは1,500 ppmで麻酔作用、マウスでは500 ppm以上で嗜眠、1,500 ppmでCNS抑制がみられた。ラットに100 mg/kg/day以上を1〜10日間強制経口投与後に用量相関的なCNS抑制が認められ、低用量では一過性影響であったが、500 mg/kg/dayでは持続性で重度の抑制がみられた(ATSDR (2021))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)より、ヒトの疫学知見から血液系、肝臓、腎臓が標的臓器と考えられる。また、(3)〜(7)の動物試験結果と(2)のヒトの疫学知見と動物試験結果からヒトの標的臓器を明示したATSDRの分析結果を踏まえて、区分1(血液系、肝臓、腎臓)、区分2(呼吸器)とした。

【根拠データ】
(1)ヒトの疫学知見において、本物質の吸入ばく露により、嘔吐、腹痛、血尿等の症状がみられ、慢性的な吸入ばく露では、溶血性貧血、肝臓及び腎臓の機能障害が生じるとの報告がある(NITE 初期リスク評価書 (2005))。
(2)ATSDRはヒトの疫学報告と動物試験結果から、潜在的なヒトの健康障害と考えられる標的臓器毒性として、上気道影響(吸入ばく露時:動物試験による嗅上皮・呼吸上皮の組織変化等)、血液影響、肝臓影響、中枢神経抑制、発生影響(骨化遅延)が該当するとした。また、ヒトの症例報告では、高用量の経口投与後に腎不全がみられたとの報告がある(ATSDR (2021))。
(3)ラット及びマウスを用いた13週間吸入ばく露試験(蒸気、6時間/日、5日/週、GLP)において、ラットでは125 ppm(ガイダンス換算:0.58 mg/L、区分2の範囲)以上で鼻腔の組織変化(呼吸上皮の過形成、嗅上皮の萎縮等)、250 ppm以上(ガイダンス換算:1.16 mg/L、区分に該当しない範囲)で脾臓にヘモジデリン沈着がみられ、500 ppm(ガイダンス換算:2.31 mg/L、区分に該当しない範囲)以上で貧血、骨髄(造血亢進)、脾臓(髄外造血)、肝臓(小葉中心性肝細胞腫脹、壊死)、副腎(脂肪変性)などがみられたとの報告がある。マウスでは50 ppm(ガイダンス換算:0.23 mg/L、区分2の範囲)以上で貧血傾向がみられ、300 ppm(ガイダンス換算:1.39 mg/L、区分に該当しない範囲)以上で肝臓、脾臓、骨髄、鼻腔にラットと同様の病理組織所見がみられ、その他心臓(すり硝子状変化)、胃(前胃の過形成)にも組織変化がみられたとの報告がある(厚労省がん原性試験結果 (2003)、厚労省リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
(4)ラット及びマウスを用いた2年間(104週間)吸入ばく露試験(蒸気、6時間/日、5日/週、GLP)において、ラットでは80及び200 ppm(ガイダンス換算:0.37及び0.92 mg/L、区分2の範囲)で鼻腔(呼吸上皮の炎症、扁平上皮化生、移行上皮過形成、嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生など)のみに影響がみられたとの報告がある。マウスでは32 ppm(ガイダンス換算:0.15 mg/L、区分1の範囲)で腎臓(雄のみ:尿細管の好塩基性化、鉱質沈着)、80及び200 ppm(ガイダンス換算:0.37及び0.92 mg/L、区分2の範囲)で鼻腔(嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生、粘膜下腺の呼吸上皮化生)、血液影響(赤血球パラメータの変動)がみられたとの報告がある(厚労省がん原性試験結果 (2006)、厚労省 リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
(5)ラットを用いた4週間強制経口投与試験(5日/週)において、10 mg/kg/day(90日換算:2.2 mg/kg/day、区分1の範囲)以上で肝臓影響(異型核分裂と結節を伴う過形成、壊死)がみられたとの報告がある(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013)、DFG MAK (1998))。
(6)雄ラットを用いた13週間強制経口投与試験(5日/週)において、100 mg/kg/day(ガイダンス換算:71 mg/kg/day、区分2の範囲)で溶血性貧血と脾臓のヘモジデリン沈着がみられたとの報告がある(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013)、DFG MAK (1998)、MOE 初期評価 (2004)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
(7)ラット及びマウスを用いた14日間強制経口投与試験(7日/週)、13週間、103週間強制経口投与試験(5日/週)において、区分2までの用量範囲で明確な特定標的臓器毒性は検出されなかったとの報告がある(NTP TR263 (1986)、産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013)、DFG MAK (1998)、MOE 初期評価 (2004)、NITE 初期リスク評価書 (2005)、厚労省 リスク評価書 (2013)、AICIS IMAP (2017)、ATSDR (2021))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(ネコゼミジンコ属)の48時間EC50=13600μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)他から、区分3とした。
水生環境有害性 長期(慢性)急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=6.9(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1279
品名(国連輸送名)1,2−ジクロロプロパン
国連分類3
副次危険-
容器等級U
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質利用可能な情報なし
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*130
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法特定化学物質第2類物質(施行令別表第3第2号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号)
特定化学物質第2類物質、特別有機溶剤等(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号、第3の2号、第3の3号)
特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条3)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項)
特殊健康診断対象物質・過去取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第2項)【1,2−ジクロロプロパン】
作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
作業場内表示義務(法第101条の4)
労働基準法がん原性化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第7号)【1,2−ジクロロプロパン】
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)特定第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)
毒物及び劇物取締法-
消防法第4類 引火性液体 第一石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)
水質汚濁防止法指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3)
海洋汚染防止法有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)【1,2―ジクロロプロパン】
船舶安全法引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・引火性液体類(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。