化学品の名称 | イソホロン | ||
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化学品の英語名称 | 1,5,5-Trimethylcyclohexen-3-one | ||
製品コード | R05-B-021-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 塗料・農薬原料,溶剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(経皮) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | ||
発がん性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性、麻酔作用) | ||
分類実施日 (環境有害性) | R1.3.29、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | ![]() ![]() | ||
注意喚起語 | 警告 | ||
危険有害性情報 | 可燃性液体 飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有害 眼刺激 発がんのおそれの疑い 呼吸器への刺激のおそれ 眠気またはめまいのおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | イソホロン | ||
慣用名又は別名 | 1,5,5-トリメチル-1-シクロヘキセン-3-オン 3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン α-イソホロン | ||
英語名 | 1,5,5-Trimethylcyclohexen-3-one 1,1,3-Trimethyl-3-cyclohexene-5-one 1,5,5-trimethyl-1-cyclohexen-3-one | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H14O (138) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
CAS番号 | 78-59-1 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-2381, 3-2389 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は、口鼻蘇生法を行う。それが不可能な場合は、口対口蘇生法を行う。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水と石けんで十分に洗浄する。その後、ポリエチレングリコール 400 と交互に水で数分間すすぎ最後に石鹸と水で洗う。医師の診察を受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。その後も洗浄を続けること。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、ICSC参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。コップ一杯の水(約200mL)か活性炭懸濁水 を飲ませる。無理に吐かせない。食用油、ひまし油、牛乳またはアルコールは使用しない。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:灼熱感、咽頭痛、咳、めまい、頭痛、吐き気、息切れ。 皮膚:顕著ではない。 眼:充血。 痛み。 かすみ眼。 経口摂取:腹痛、灼熱感、咽頭痛、咳、めまい、 頭痛、吐き気、息切れ。 吸収:昏睡、虚脱→昏睡→中枢性心血管麻痺。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素、泡消火薬剤。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具(空気中濃度に応じた有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク)を着用する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。使用時は十分な換気をすること。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉し、室温で保管すること。強酸化剤、強塩基およびアミンから離しておく。 以上、GHS分類結果、GESTIS、ICSC参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | 5 ppm | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | TLV-C: 5 ppm(A3) | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付ける。床排水溝がある場合はトラップを設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 必要に応じて保護手袋を着用する。ブチルゴムが適している。天然ゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、フッ素ゴム、PVCは適さない。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | 必要に応じてサイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | ペパーミント類似臭 | ||
融点/凝固点 | -8 ℃(GESTIS(2023)) -8.1 ℃(Howard (1997)、CRC (2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 213~215 ℃(760mmHg)(HSDB in PubChem (2023)) 215.3 ℃(Merck (2013)) 215.2 ℃(化学薬品の混触危険ハンドブック (1997)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2000)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 0.87 (50)~3.8 (220) vol% (g/m3)(GESTIS(2023)) 0.8~3.8 vol%(ICSC(2000)) | ||
引火点 | 84 ℃(開放式)(Merck (2013)) 82 ℃(密閉式)(GESTIS (2023)) 84~96 ℃(Chapman (1995)) | ||
自然発火点 | 460 ℃(GESTIS(2023)) 460~462 ℃(Chapman (1995)) 470 ℃(Ullmann (2011)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 12 wt%(20℃)(Ullmann (2011)) エーテル、アセトン、アルコール: (可溶)(HSDB in PuHSDB in PubChem (2023)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 1.67(ICSC(2021)) log Kow: 1.7(HSDB in PubChem (2023)) | ||
蒸気圧 | 40 Pa(20℃)(ICSC(2021)) 0.438 mmHg(25℃)(HSDB in PubChem (2023)) 1 mbar(38℃)(Hommel (1996)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.92 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023)) 0.9255 g/cm3(20.5/4℃)(HODOC (1989)) 0.919~0.927 (HSDB in PubChem (2023)) | ||
相対ガス密度 | 4.77 (空気=1)(Hommel (1996)) 4.8 (空気=1)(ICSC (2021)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 酸、塩基、還元剤と反応する。 強酸化剤、強塩基、アミンと反応する。 | ||
危険有害反応可能性 | アルデヒド、HNO3、HNO3 + H2O2、HClO4と激しく反応し、爆発性の過酸化物を生成する。 | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、強塩基、アミン | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)~(6)より、有害性の高い区分を採用し区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,500 mg/kg(EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010)) (2)ラットのLD50:1,870 mg/kg(MOE 初期評価 (2011)) (3)ラットのLD50:2,100 mg/kg(EU REACH CoRAP (2022)) (4)ラット(雌)のLD50:2,100 mg/kg(ACGIH (2001)) (5)ラット(雄)のLD50:2,700 mg/kg(ACGIH (2001)) (6)ラットのLD50:3,450 mg/kg(EU REACH CoRAP (2022)、ATSDR (2018)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:1,200 mg/kg(ATSDR (2018)、EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010)) (2)ウサギのLD50:1,390 mg/kg(ACGIH (2001)、NTP TR291 (1986)) (3)ラットのLD50:1,700 mg/kg(AICIS IMAP (2013)、EU REACH CoRAP (2022)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しないとした(国連分類基準の区分5)。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度(3.27 mg/L)より高いため、ミストと判断した。なお、新たなガイダンスに基づき、分類結果を変更した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):7,000 mg/m3(7.0 mg/L) (EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010)、AICIS IMAP (2013)、環境省 初期評価 (2011)、ATSDR (2018)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分3)。なお、JIS Z 7252:2019に従い、分類結果を変更した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、半閉塞、4時間適用)において、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2018)、SIDS SIAP (2003))。 (2)本物質はウサギの皮膚に無刺激か、軽微な刺激性を有するとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2Bとした。なお、なお、用いる知見を精査し、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験において、顕著な刺激性がみられ、7日後にも症状は一部残り、14日以内に完全に回復した(角膜混濁スコア:14/80、虹彩炎スコア:0/10、結膜発赤スコア:6/20)AOIが20(15~30で区分2B)との報告がある(AICIS IMAP(2013))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(原液0.1 mL、結膜嚢に適用、14日観察)において、刺激性がみられ、7日間で回復しなかったが14日間で(角膜混濁スコア:0.9、虹彩炎スコア:0.17、結膜発赤スコア:2.06、結膜浮腫スコア:1.06)AOIが26(15~30で区分2B)との報告がある(Canada CMP Screening Assessment(2010)、REACH登録情報(Accessed July 2023))。 【参考データ等】 (3)ボランティア12人に本物質を約144 mg/m3の濃度で15分間ばく露させたところ、眼、鼻及び喉への刺激影響が報告されたとの報告がある(環境省初期評価(2011)、AICIS IMAP(2013)、EU REACH CoRAP(2022)、Canada CMP(2010)、ACGIH(2001))。 (4)EU CLPではEye Irrit. 2に分類されている。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:10%溶液)において、惹起終了24及び48時間後の陽性率はいずれも0%(0/20例)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2023)、Canada CMP (2010))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄を用いた単回腹腔内投与(500 mg/kg)、又は2日間強制経口投与(最大900 mg/kg、24時間間隔)による小核試験、及びマウスの骨髄を用いた腹腔内投与(最大500 mg/kg)による染色体異常試験と染色分体交換試験では、いずれも陰性であった(EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010)、NTP CEBS (Accessed July 2023))。また、ラットあるいはマウスへの標識体の強制経口投与によるDNA結合性試験では、肝臓、腎臓、包皮腺において陰性であった(EU REACH CoRAP (2022)、Canada CMP Screening Assessment (2010)、AICIS IMAP (2013))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験で陰性であった。マウスリンフォーマ試験および染色体異常試験では相反する結果が得られたが、陽性結果は細胞毒性濃度でみられた(EU REACH CoRAP (2022)、AICIS IMAP (2013)、Canada CMP (2010))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)~(5)より、実験動物2種で複数部位に良性及び悪性腫瘍が認められたが、腫瘍の発生増加が雄動物のみで雌動物には腫瘍の発生増加がみられないこと、(3)では試験実施施設(NTP)は雄ラットがある程度の証拠、雄マウスが不確実な証拠と結論していることから、区分1に分類するには不十分と判断し、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2年間(103週間)強制経口投与(250、500 mg/kg/day、5日間/週)による発がん性試験において、雄では高用量群で腎臓の尿細管腺腫と尿細管がん(対照群、低及び高用量各群の発生頻度:0/50、3/50、3/50)、及び包皮腺のがん(同0/50、0/50、5/50)の発生頻度の増加傾向及び高用量群における有意な増加が認められた。一方、雌では発がん性の証拠は認められなかった(IARC 130 (2022)、EU REACH CoRAP (2022)、NTP TR291 (1986)、MOE 初期評価 (2011))。 (2)マウスを用いた2年間(103週間)強制経口投与(250、500 mg/kg/day、5日間/週)による発がん性試験において、雄の高用量群では肝細胞腺腫と肝細胞がん(組合せ)(対照群、低及び高用量各群の発生頻度:18/48、18/50、29/50)、及び外皮系(皮膚、皮下組織)の間葉系腫瘍(線維腫/線維肉腫/神経線維肉腫/肉腫(組合せ):同6/48、8/50、14/50)の発生頻度の増加傾向及び高用量群での有意な増加が認められた。また、雄の低用量群では悪性リンパ腫(7/48、18/50、5/50)の発生頻度の有意な増加がみられた。一方、雌では発がん性の証拠は認められなかった(IARC 130 (2022)、EU REACH CoRAP (2022)、NTP TR291 (1986)、MOE 初期評価 (2011))。 (3)(1)及び(2)の試験結果から、試験実施施設(NTP)は雄ラットがある程度の証拠、雄マウスが不確実な証拠と結論している(NTP TR291 (1986))。 (4)(1)の雄ラットでみられた腎臓尿細管の腫瘍は雄ラットに特異的なα2μ-グロブリンの蓄積によるもので、ヒトには当てはまらないとする見解が多くの評価書にみられる(ATSDR (2018)、AICIS IMAP (2013)、Canada CMP (2010)、IRIS (1992))。また、包皮腺のがんについても、α2u-グロブリン蓄積に関連性の変化である可能性が示唆された(ATSDR (2018)、Canada CMP (2010))。 (5)IARCは本物質による腎臓腫瘍誘発の機序が雄ラットにおけるα2u-グロブリンに関連した機序を介して作動すると結論づけるためには、既知見だけでは不十分でIARCが以前に設定した7つの基準を満たしていないと指摘した(IARC 130 (2022)、EU REACH CoRAP (2022))。 【参考データ等】 (6)ヒトでは本物質ばく露と中枢神経系腫瘍との関連を調査した研究において、累積ばく露のカテゴリーによっては腫瘍リスク(オッズ比)の若干の上昇がみられたが、いずれも統計的に有意な増加ではなかった。本研究ではばく露例数、特に高度のばく露例数が少なく、作業場で使用される他の溶剤との共ばく露の可能性もあり、本物質ばく露と発がんリスクとの関連について結論を導けない(IARC 130 (2020))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による拡張一世代生殖毒性試験(OECD TG443、GLP、65~600 mg/kg/day)において、中用量(200 mg/kg/day)以上でF1雄、高用量(600 mg/kg/day)でF0及びF1雄に体重低値がみられ、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺に所見がみられたが、いずれもヒト健康影響評価の上で問題とすべき有害性所見とは考えられず、雌親動物は高用量まで全身毒性影響はみられなかったとの報告がある。また、親動物のF0及びF1雌雄各群において、生殖指標に影響はみられなかったとの報告がある。F1及びF2児動物には、高用量で生後に低体重、離乳後に膣開口の遅延がみられたが、膣開口時の体重が低値であること、膣開口日と角化細胞出現日との差に投与の影響がないことから、特異的な影響ではなく、単純に低体重(成長遅延)による影響と考えられたとの報告がある。また、F1児動物に発達神経毒性は高用量群までみられなかったとの報告がある。(REACH登録情報 (Accessed July 2023))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による生殖毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP、100~750 mg/kg/day)において、P0親動物では低用量(100 mg/kg/day)以上で流涎、中用量(300 mg/kg/day)以上で自発運動低下及び尿の変色、高用量(1,000/750 mg/kg/day(毒性症状のため早期に用量を低減))の雌雄に体重/体重増加量の減少がみられたが、生殖能への有害影響は高用量までみられなかったとの報告がある。また、F1児動物には高用量の雌雄で哺育1日~14日まで低体重がみられたとの報告がある。本試験は拡張一世代生殖毒性試験(EOGRTS)の用量設定のための予備試験として実施された(EU REACH CoRAP (2022)、REACH登録情報 (Accessed July 2023))。 (3)ラットを用いた吸入ばく露による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、17~150 ppm)において、高用量(150 ppm)の母動物では不安定姿勢(11/25例)、膣出血(最大13例)、体重及び摂餌量の低下がいずれも一過性にみられたとの報告がある。中用量(53 ppm)以上で、着床後胚/胎児損失の増加(9.37%、15.82% vs 対照群6.13%)がみられたが、統計的に有意な変化ではなかったとの報告がある。一方、胎児には全ばく露群で低体重がみられたが、催奇形性はみられなかったとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022))。 【参考データ等】 (4)ラット及びマウスを用いた吸入ばく露による発生毒性試験の予備試験(50~150 ppm)において、母動物に体重低値がみられた高用量(150 ppm)で胎児の少数例に外脳症がみられ、催奇形性が疑われたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022)、ATSDR (2018)、Canada CMP (2010))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。 【根拠データ】 (1)男女のボランティア12 人に10、25 ppm(57、約144 mg/m3)を15 分間吸入ばく露させた結果、10 ppm では大多数に不快感がなく、25 ppm では眼、鼻、喉への刺激がみられたとの報告がある(MOE 初期評価 (2011)、AICIS IMAP (2013)、Canda CMP Screening Assessment (2010)、EU REACH CoRAP (2022)、ACGIH (2001))。 (2)ボランティア11~12 人に40、85、200、400 ppm を数分間吸入ばく露させた結果、眼、鼻、喉の刺激症状がみられ、200 ppm 以上では数人に吐き気や頭痛、眩暈、脱力感、酩酊感、窒息感の訴えもみられたとの報告がある(MOE 初期評価 (2011)、Canda CMP Screening Assessment (2010)、ACGIH (2001))。 【参考データ等】 (3)(1)、(2)でみられる眼、鼻、喉の刺激症状及び昏睡、疲労感、倦怠感の所見に基づき、TLV-Ceilingを5ppm(28 mg/m3)と設定している(ACGIH (2001))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)~(3)より、経口経路では区分に該当しない。経皮及び吸入経路では、(4)、(5)より、区分に該当しない範囲の用量においても局所刺激以外に標的臓器毒性はみられていない。よって、区分に該当しないとした。なお、新たな情報に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラット及びマウスを用いた13週間反復経口投与試験(GLP、5日/週)において、ラットの試験では1,000 mg/kg/day(90日換算:722 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で雌に死亡(1/10例)、雌雄に機敏性低下、嗜眠がみられ、マウスの試験では1,000 mg/kg/day(90日換算:722 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で雌に死亡(3/10例)がみられたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022)、MOE 初期評価 (2011)、Canada CMP (2010))。 (2)ラットを用いた90日間混餌投与試験(7日/週)において、3,000 ppm(雄/雌:233.8/311.8 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で、雄に体重増抑制のみがみられたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022)、AICIS IMAP (2013)、MOE 初期評価 (2011))。 (3)イヌを用いた90日間カプセル経口投与試験(7日/週)では、75 mg/kg/day(区分2の範囲)以上で軟便がみられた以外に異常はみられず、NOAELは150 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)と確定されたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2022)、MOE 初期評価 (2011)、Canada CMP (2010))。 (4)ラットを用いた8週間反復経皮投与試験(7日/週)において、658 mg/kg/day(90日換算:409 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で、雌に体重増加抑制と雌雄に回復性の皮膚刺激性(紅斑・痂皮)がみられたとの報告がある(Canada CMP (2010)、EU REACH CoRAP (2022)、MOE 初期評価 (2011))。 (5)ラットを用いた4ヵ月間又は6ヵ月間反復吸入ばく露試験(蒸気、6時間/日、5日/週)において、2,873 mg/m3(500 ppm、ガイダンス換算:2.87 mg/L、区分に該当しない範囲)で、眼と鼻の刺激がみられ、雄2/10例、雌1/10例が死亡したが、その他に異常はみられなかったとの報告がある(Canada CMP (2010)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (2001))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 藻類(ムレミカズキモ)72時間EC50 (生長速度)= 230 mg/L(環境省生態影響試験: 2018)、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害) = 117 mg/L(WHO/IPCS EHC: 1995)、魚類(メダカ)96時間LC50 >100 mg/L (環境省生態影響試験: 2018)であることから、区分に該当しない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性がないが(難分解性、BODによる分解度: 1.5%(化審法DB: 1975))、魚類(ファッドヘッドミノー)の32日間NOEC(体重)= 4.15 mg/L(EPA AQUIRE: 2018、Lemke,A.E. (1983))であることから、区分に該当しない。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A~C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 利用可能な情報なし | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
大気汚染防止法 | 揮発性有機化合物(法第2条第4項)(環境省から都道府県への通達) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)【イソホロン】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針-容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ-タシ-ト作成指針」 | ||||
修正履歴 | ||||
R6.3.29:
・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 ・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。 |