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安全データシート
スルフリルクロライド
作成日 2014年3月31日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称スルフリルクロライド (Sulfuryl chloride)
製品コードH25-A-052
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限クロロ化剤,酸無水物製造脱水剤(無水酢酸用),スルフォン化剤,溶剤,触媒

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性急性毒性(吸入:蒸気)区分2
皮膚腐食性及び皮膚刺激性区分1
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1(呼吸器)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分1(呼吸器)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)分類実施中
水生環境有害性 (長期間)分類実施中
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示腐食性どくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
重篤な眼の損傷
吸入すると生命に危険
呼吸器の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害
注意書き
安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い
応急措置飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
直ちに医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名スルフリルクロライド
別名硫黄(VI)ジクロリドジオキシド(Sulfur(VI) dichloride dioxide)
ジクロロスルホン(Dichloro sulfone)
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)Cl2O2S(134.964)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号7791-25-5
官報公示整理番号(化審法)(1)-246
官報公示整理番号(安衛法)既存
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
直ちに医師に連絡すること。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
直ちに医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護被災者が(有害)物質を飲み込んだり、吸入したときは口対口法を用いてはいけない;逆流防止のバルブがついたポケットマスクや他の適当な医療用呼吸器を用いて人工呼吸を行う。
漏洩物に触れた時は、直ちに流水で皮膚あるいは眼を最低15分間洗浄する。
医師に対する特別な注意事項肺水腫の症状は2-3時間経過するまで現れない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
ばく露の程度によっては、定期健診が必要である。

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
立ち入る前に、密閉された場所を換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材回収・中和:少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。後で廃棄処理する。
不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
残留分をアルカリ性物質(石灰、砕いた石灰岩、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰など)で注意深く中和し、大量の水で洗い流す。
封じ込め及び浄化方法・機材:残留分をアルカリ性物質(石灰、砕いた石灰岩、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰など)で注意深く中和し、大量の水で洗い流す。
少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で覆い更にプラスチックシートで飛散を防止し、雨に濡らさない。
除去後、汚染現場を水で完全に洗浄する。
二次災害の防止策:すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。
容器内に水を入れてはいけない。
漏洩物と水とを接触させてはいけない。また容器内に水を入れてはいけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策技術的対策:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項安全取扱い注意事項:他の容器に移し替えなこと。
皮膚と接触しないこと。
飲み込まないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
粉じんまたはミストを吸入しないこと。
眼に入れないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避『10.安定性及び反応性』を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件技術的対策:耐腐食性の内張りがされているもので、適切な容器で貯蔵すること。
保管条件:耐腐食性、耐腐食性内張りのあるもの、又は適切な材料の容器で保管すること。
容器を密閉して換気の良いところで直射日光を避け乾燥した冷所に保存すること。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料情報なし

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2013年度版)未設定
ACGIH(2013年版)未設定
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
特別な換気要求事項はない。
保護具
呼吸用保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
無色
臭い刺激臭
臭いのしきい(閾)値情報なし
pH強酸性:GESTIS(2013)
融点・凝固点-54.1℃:HSDB(2013)
沸点、初留点及び沸騰範囲69.3℃:HSDB(2013)
引火点不燃性:ICSC(1998)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)情報なし
燃焼又は爆発範囲情報なし
蒸気圧14.8kPa(20℃):ICSC(1998)
蒸気密度4.65(Air=1):ICSC(1998)
比重(相対密度)1.67 g/cm3(20 ℃):SIDS(2005)
溶解度水:遅い分解:GESTIS(2013)
有機:ベンゼン、トルエン、エーテル、氷酢酸、及び他の有機溶媒と混和:HSDB(2013)
n-オクタノール/水分配係数情報なし
自然発火温度不燃性:ICSC(1998)
分解温度>100℃:GESTIS(2013)
粘度(粘性率)0.918 mPa-s(0 ℃):HSDB(2013)

10.安定性及び反応性
反応性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。
化学的安定性水を加えると分解し、硫酸及び塩酸になる。
危険有害反応可能性水との接触により分解する。水の存在下、多くの金属を腐食する。
避けるべき条件水との接触。
混触危険物質水、アルコール、金属粉末等
危険有害な分解生成物硫酸、塩酸

11.有害性情報
急性毒性
経口データ不足のため分類できない。
経皮データ不足のため分類できない。
吸入:ガスGHSの定義における液体である。
吸入:蒸気ラットのLC50値 (4時間) として、 878 mg/m3 (=159 ppmV) (SIDS (2005)) の報告に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (146,100 ppmV) の90%より低く、蒸気による試験との記載があることから、ミストがほとんど混在しないものとして ppmVを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性SIDS (2005) では、「本物質は、その化学的性状と加水分解物の情報に基づき、皮膚に腐食性を示すと結論する」と記載されている。さらに、本物質は、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性SIDS (2005) では、「本物質は、その化学的性状と加水分解物の情報に基づき、眼に腐食性を示すと結論する」と記載されている。またHSDB (Access on October 2013) には本物質の蒸気が眼に強い刺激を示すと記載されている。以上の情報に基づき、区分1とした。
呼吸器感作性呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。
皮膚感作性皮膚感作性:データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。本物質に関するin vivoデータはない。in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性であり、その他のin vitroデータはない。本物質は、加水分解物により塩酸及び硫酸が生じる。pHの低下は、染色体異常やDNA損傷を引き起こすことが知られている。本物質が体内に入り、分解により生成した酸は、pHの低下を引き起こし、ばく露の局所部位に細胞毒性や刺激/腐食作用、染色体異常やDNA損傷を引き起こす可能性があるが、pHの変化が全身的に生じ、本物質のばく露を受けた部位から遠隔に位置する組織や器官にまで影響を与えるとは考えられない (SIDS (2005))。また、刺激性を与えないような低濃度での塩酸アニオンや硫酸アニオンに変異原性はない。以上より、in vivo及びin vitro試験データは不足しているものの、上記のような本物質の特性からみれば、本物質に遺伝毒性がないという評価の障害とはならない (SIDS (2005))。
発がん性本物質の発がん性試験のデータはない (SIDS (2005))。なお、本物質の加水分解物である塩酸及び硫酸は、実験動物への生涯ばく露でも腫瘍発生頻度の明らかな増加を示さない (SIDS (2005))。一方、ヒトにおいては、硫酸を含む無機強酸のミストへのばく露と喉頭がんの頻度増加に関係があるとする疫学研究があり、IARC (1992) では硫酸を含む無機強酸ミストへの職業ばく露はヒトに対し発がん性がある (グループ1) としている。本物質に直接関連した発がん性情報がないため、分類できないとした。
生殖毒性データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)ヒトにおいて当該物質ばく露による気道刺激、肺の浮腫が報告されている (SIDS (2005)) 。またラットに本物質蒸気を吸入ばく露した試験において区分1の範囲内 (0.04-1.5 mg/L) で鼻からの赤色滲出液、体重減少などが報告されている。以上の結果から、区分1 (呼吸器) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)ラットに本物質蒸気を14日間吸入ばく露した試験では、区分1のガイダンス値範囲内の濃度 (110 mg/m3 (90日換算値: 0.012 mg/L/6 hr/day)) で死亡 (雄2/10例)、壊死性気管支肺炎、化膿性鼻炎、胸腺の萎縮がみられた (SIDS (2005)、IUCLID (2000)、HSDB (Access on October 2013))。死亡及び胸腺の萎縮は呼吸器への重篤な影響によるものと考えられ、区分1 (呼吸器) に分類した。
吸引性呼吸器有害性データ不足のため分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)分類実施中
水生環境有害性(長期間)分類実施中
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制
国連番号1834
国連品名SULPHURYLCHLORIDE
国連危険有害性クラス6.1
副次危険8
容器等級J
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
陸上規制情報道路法の規制に従う。
特別安全対策輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
移送時にイエローカードの保持がある。
緊急時応急措置指針番号137

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
航空法輸送禁止
船舶安全法毒物類・毒物
港則法その他の危険物・毒物類
道路法車両の通行の制限

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。