1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 臭素酸ナトリウム (Sodium bromate) | ||
製品コード | H29-B-062 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 医薬部外品添加物(パーマネントウェーブ用剤)、試薬 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 酸化性固体 | 区分2 | ||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、腎臓、血液系) 区分3 (麻酔作用) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH21.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | - | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 火災助長のおそれ:酸化性物質 皮膚刺激 強い眼刺激 眠気又はめまいのおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれの疑い 神経系、腎臓、血液系の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 衣類及び他の可燃物から遠ざけること。 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 臭素酸ナトリウム | ||
別名 | トリオキシド臭素酸ナトリウム | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | BrHO3.Na (150.9) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7789-38-0 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-115 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、咽頭痛、「経口摂取」参照 眼:発赤、痛み 経口摂取:腹痛、下痢、嗜眠、息苦しさ、吐き気、嘔吐、難聴、意識喪失 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 大量の水 | ||
使ってはならない消火剤 | 粉末消火剤、泡消火剤 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。 熱又は不純物の混入により爆発するおそれがある。 可燃物(木、紙、油、布等)を発火させるおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(有毒粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 おがくず他可燃性吸収剤に吸収させてはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 衣類及び他の可燃物から遠ざけること。 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 汚染された衣服は(火災の危険があるため)、多量の水ですすぎ洗いする。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 可燃性物質、還元性物質から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2017年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 局所排気又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全ゴーグル、又は粉末の場合には、呼吸用保護具と眼用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色立方体結晶 (HSDB (2017)) | ||
臭い | 無臭 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 水溶液は中性である (HSDB (2017)) | ||
融点・凝固点 | 381℃で酸素の発生とともに分解する (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 381℃(分解する) (ホンメル (1991)) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 不燃性 (ICSC (J) (2006)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 4.19E-18 mmHg (25℃) [換算値 5.58527E-16 Pa (25℃)] (SRC PhysProp (2017)) | ||
蒸気密度 | 情報なし | ||
比重(相対密度) | 3.3 (危険物ハザードデータブック (2007)) | ||
溶解度 | 水:36.4 (g/100g水) (20℃) (HSDB (2017)) エタノールに不溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | -7.18 (SRC PhysProp (2017)) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、有毒で腐食性のヒューム(臭化水素など)を生じる。強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質、燃料、金属粉末、油脂、イオウ含有化合物と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 可燃性物質及び還元剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトにおいて本物質は皮膚刺激性を有するとの記述 (HSDB (Access on June 2017))、及び臭素又は臭素酸塩は長期の接触でウサギの表皮に熱傷を起こすが数日で回復するとの記述 (PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトにおいて本物質は眼刺激性があるとの記述 (HSDB (Access on June 2017))、及び臭素又は臭素酸塩は、ウサギの眼に対して中等度の刺激性及び軽度の角膜損傷を引き起こすが数日で回復するとの記述 (PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 本物質に関しては、in vivoでマウスの骨髄細胞、末梢血を用いた小核試験で陽性 (NTP DB (Access on July 2017)、NTP GMM 6 (2007)、HSDB (Access on June 2017))、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on June 2017))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 本物質を遺伝子改変マウス (Tg. ACマウス) 雌雄に最大256 mg/kg/day を最長39週間経皮適用した試験、及び2系統の遺伝子改変マウス (p53欠失マウス、又はTg. ACマウス) 雌雄に最高800 mg/L の濃度 (65〜152 mg/kg/day相当) で最長43週間飲水投与した試験のいずれにおいても、腫瘍発生の増加はなく、発がん性の証拠は示されなかった (NTP GMM 6 (2007))。一方、臭素酸カリウム (CAS番号 7758-01-2) を通常の試験動物に投与した発がん性試験報告があり、臭素酸塩として本項分類に利用可能と考えた。すなわち、雄マウスに臭素酸カリウムを2年間飲水投与した試験では、低用量で腎細胞腺腫及びがん発生頻度に有意な増加がみられたが、中用量以上では有意な増加は示されなかった (IARC 73 (1999))。しかし、雄ラットに臭素酸カリウムを2年間飲水投与した2つの試験のうち、1試験では尿細管腺腫及び腺がん、甲状腺濾胞細胞腫瘍、及び腹膜中皮腫の発生頻度に有意な増加が、他1試験では精巣鞘膜中皮腫、腎細胞腫瘍、甲状腺濾胞細胞腺腫及びがんの発生頻度に有意な増加が認められた (IARC 73 (1999))。既存分類ではIARCが臭素酸カリウムに対してグループ2Bに (IARC 73 (1999))、EUが臭素酸カリウムに対して Carc. 1B に (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))、EPA が臭素酸塩 (CAS番号 15541-45-4) に対して B2 (Probably human carcinogen) に分類している (IRIS (2001))。 | ||
以上、本物質自体のデータとしては遺伝子改変マウスで発がん性がみられていないが、臭素酸カリウムについては雄ラットでのみ発がん性が認められた。臭素酸カリウム又は臭素酸塩についての EU と EPA の既存分類結果からは区分1Bとなるが、遺伝子改変マウスを用いた本物質の経口及び経皮投与試験、及び通常マウスを用いた臭素酸カリウムの経口投与試験のいずれも陰性であり、IARCが臭素酸カリウムに対しグループ2Bとしていることを踏まえ、本項は区分2が妥当と判断した。 | |||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない 雄ラットに本物質 25〜250 ppm を35日間飲水投与後に2群の雌ラットと交配させ、雌ラットの1群には交配から妊娠初期まで、他の1群には妊娠6日から分娩まで本物質を雄と同濃度で飲水投与した生殖発生毒性スクリーニング試験において、雌の生殖能への影響は認められなかった。雄では高用量群 (250 ppm) でみられた唯一の影響は精巣上体精子数の減少 (これのみでは分類根拠とならない) であった (IARC 73 (1999)、食品安全委員会化学物質・汚染物質評価書 (2008))。本試験はスクリーニング試験であり、この結果のみで区分外とはできず、これ以外に分類に利用可能なデータはないため、分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、腎臓、血液系)、区分3 (麻酔作用) ヒトでは事故又は自殺企図による本物質の経口摂取による中毒例が4例報告されている (HSDB (Access on June, 2017)、PATTY (6th, 2012))。症状としては重度の腎不全、聴覚喪失、貧血、末梢神経障害が認められたと報告されている (HSDB (Access on June, 2017)、PATTY (6th, 2012))。また、臭素酸塩 (臭素酸カリウム (CAS番号 7758-01-2) 又は本物質) の経口摂取によるヒトでの中毒症状として、上記の症状に加えて、胃腸に対する刺激性影響として嘔吐、腹痛、下痢、中枢神経系の影響として嗜眠、低血圧、緊張低下及び反射消失がみられたとの記載がある (EHC 216 (2000)、IRIS (2001))。以上より区分1 (神経系、腎臓、血液系)、区分3 (麻酔作用) とした。 なお、本物質か臭素酸カリウムか明記されていないため根拠としなかったが、実験動物では、臭素酸塩のラット、マウス、ハムスターへの単回経口投与により、区分2範囲の280〜495 mg/kg付近の用量で、運動失調、頻脈、体温低下、下痢、流涙、立毛が認められ、剖検で胃の出血、肺のうっ血、近位尿細管上皮の壊死を含む腎尿細管の損傷が認められたとの報告がある (EHC 216 (2000))。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 分類できない ヒトに関する情報はない。 実験動物については、2系統の遺伝子改変マウス (p53欠失マウス、又はTg. ACマウス) を用いた試験があり系統により違いがみられている。Tg. ACマウスでは、27週間飲水投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である80 mg/L (雄: 13 mg/kg/day、雌: 15 mg/kg/day) 以上で腎症、400 mg/L (雄: 63 mg/kg/day、雌: 72 mg/kg/day) 以上でヘマトクリット値・ヘモグロビン濃度・赤血球数の減少、平均赤血球ヘモグロビン量・濃度の減少、網状赤血球数の増加、甲状腺の濾胞細胞過形成、甲状腺の濾胞分泌減少、甲状腺のリンパ球浸潤、尿細管の過形成がみられ、43週間飲水投与毒性試験 (血液学的検査は未実施) において区分2のガイダンス値の範囲内では甲状腺への影響がみられている。また、26週間経皮投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である64 mg/kg/day以上で甲状腺の濾胞細胞過形成、平均赤血球ヘモグロビン濃度の減少、128 mg/kg/day以上で腎症、甲状腺の濾胞分泌減少、ヘマトクリット値・ヘモグロビン濃度・平均赤血球ヘモグロビン量の減少、網状赤血球数増加、脾臓の造血細胞増殖がみられ、39週間経皮投与毒性試験 (血液学的検査は未実施) において区分2のガイダンス値の範囲内では甲状腺への影響がみられている。一方、p53欠失マウスでは27週間あるいは43週間飲水投与毒性試験においては、試験の最高用量であり区分2のガイダンス値の範囲内あるいは上限近傍である800 mg/L (27週間試験 (雄: 74 mg/kg/day、雌: 136 mg/kg/day)、43週間試験 (雄: 65 mg/kg/day、雌: 107 mg/kg/day)) において体重の低値以外に影響は認められていない (NTP GMM 6 (2007))。 | ||
本物質と同様、臭素酸塩である臭素酸カリウムの情報として、雌雄ラットを用いた13週間飲水投与試験では600 ppm (臭素酸として63 mg/kg/day) の雌雄でAST・ALT・乳酸脱水素酵素、アルカリ性ホスファターゼ、尿素窒素の増加、雄で近位尿細管の好酸性小滴がみられている (IRIS (2001)、EHC 216 (2000))。雄ラット及び雄マウスを用いた100週間飲水投与試験において、雄ラットにおいて臭素酸として6.1 mg /kg/day以上で尿路上皮の過形成がみられ、用量の記載はないが尿細管上皮の好酸性小滴、腎乳頭の鉱質沈着がみられている 。マウスについては、最高用量の59.6 mg/kg/dayで摂水量減少がみられた以外に影響はみられていない (IRIS (2001))。このほか、ラットに臭素酸ナトリウム (雄のみ)、臭素酸カリウム(雌雄)、臭化カリウム (雄のみ) を飲水投与して腎臓の蛋白滴の蓄積をα2u-グロブリンの免疫組織学的染色により評価した試験において、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム投与の雄で腎臓に蛋白滴がみられ、α2uグロブリンであることが確認されている (IARC 73 (1999))。 以上、本物質については2系統の遺伝子改変マウスを用いた試験があるが、系統により違いがみられること、臭素酸カリウムについては主に雄ラット特有の腎症がみられ、マウスでは明確な臓器毒性がみられていない。したがって、分類できないとした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | データなし。 | ||
水生環境有害性(長期間) | データなし。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1494 | |||
国連品名 | SODIUM BROMATE | |||
国連危険有害性クラス | 5.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 141 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
消防法 | 第1類酸化性固体、臭素酸塩類(法第2条第7項危険物別表第1・第1類) | |||
港則法 | その他の危険物・酸化性物質類(酸化性物質)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
航空法 | 酸化性物質類・酸化性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 酸化性物質類・酸化性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
水質汚濁防止法 | 指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |