1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | りん酸ジメチル=1-メトキシカルボニル-1-プロペン-2-イル (別名: メビンホス) (Mevinphos) | ||
製品コード | R02-B-056 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | 自己反応性化学品 | タイプG | |
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分1 | |
急性毒性 (経皮) | 区分1 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分1 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 吸入すると生命に危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。直ちに医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | りん酸ジメチル=1-メトキシカルボニル-1-プロペン-2-イル | ||
別名 | メビンホス | ||
3-[(ジメトキシホスフィニル)オキシ]-2-ブテン酸メチル | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C7H13O6P (224.15) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7786-34-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 直ちに医師に連絡すること。 汚染された衣服を脱がせる。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 | ||
眼に入った場合 | 多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰、かすみ眼、発汗、吐き気、嘔吐、下痢、胃痙攣、めまい、痙攣、意識喪失。 皮膚:吸収される可能性あり!他の症状については、「吸入」参照。 眼: かすみ眼。 経口摂取: 「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 粉末消火薬剤、水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 下水に流してはならない。 漏れた液を、密閉式の容器に集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 国内法を調べること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 食品や飼料および強酸化剤から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 消火により生じる流出物を収容するための用意をする。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | TLV-TWA: 0.01 mg/m3 (Inhalable fraction and vapor) (Skin; BEIC) | |||
設備対策 | 適切な局所排気装置・換気装置等を使用する。 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器を使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは保護眼鏡を使用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣 (化学防護服) を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色〜黄色 | ||
臭い | 弱い臭い | ||
融点/凝固点 | 6.9℃ (trans)、21℃ (cis) (ICSC (2008)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 106〜107.5℃ (1mmHg) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (2008)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 175℃ (TAG OPEN CUP) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 300℃ (ICSC (2008)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 6.0E+005 mg/L (HSDB (Access on May 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 0.13 (HSDB (Access on May 2020)) | ||
蒸気圧 | 1.28E-004 mmHg (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.25 (水=1) (ICSC (2008)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解する。 リン酸およびリン酸化物を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 強酸化剤と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 鉄、ステンレス鋼、真鍮、ある種のプラスチック、ゴムおよび被覆剤を侵す。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | リン酸およびリン酸化物を含む、有毒で腐食性のフューム |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(7) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 2.2 mg/kg (JMPR (1997)) (2) ラットのLD50: 雌: 2.2 mg/kg、雄: 4.1 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) (3) ラットのLD50: 雌: 2.3 mg/kg、雄: 3.5 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) (4) ラットのLD50: 3〜12 mg/kg (EHC 63 (1986)) (5) ラットのLD50: 雌: 3.4 mg/kg、雄: 6.1 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)) (6) ラットのLD50: 雌: 3.7 mg/kg、雄: 6.1 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) (7) ラットのLD50: 雌: 6.0 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(8) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 1〜90 mg/kg (EHC 63 (1986)) (2) ラットのLD50: 4 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)) (3) ラットのLD50: 雌: 4.2 mg/kg、雄: 4.7 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)、食安委 農薬評価書 (2013)) (4) ラットのLD50: > 20 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) (5) ウサギのLD50: 16〜34 mg/kg (EHC 63 (1986)) (6) ウサギのLD50: 雄: 33.8 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)) (7) ウサギのLD50: 雄: 51 mg/kg、雌: 60 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013) (8) ウサギのLD50: 雄: 57 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分1とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.002 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (1時間): 0.0098 mg/L (4時間換算値: 0.0025 mg/L) (ACGIH (7th, 2003)) (2) ラットのLC50 (1時間): 雌: 14 ppm (4時間換算値: 0.033 mg/L) (HSDB (Access on May 2020)) (3) ラットのLC50 (1時間): 0.132 mg/L (4時間換算値: 0.033 mg/L) (GESTIS (Access on May 2020)) (4) 本物質の蒸気圧: 0.000128 mmHg (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.002 mg/L) 【参考データ等】 (5) ラットのLC50: 雌: 7.3 mg/L、雄: 12 mg/L: 3時間で全ての動物が死亡 (食安委 農薬評価書 (2013)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、5/6例に軽度の紅斑、全例に浮腫が認められたが、ほとんどの反応は72時間後までに消失した (JMPR (1996))。 (2) ウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験が実施され、眼粘膜及び皮膚に対して軽度の刺激が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 皮膚刺激性試験において、72時間以内に回復する可逆性の反応がみられたという報告と反応がみられなかったという報告がある (GESTIS (Access on May 2020))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験で、一過性軽度の眼刺激性が認められた (JMPR (1996))。 (2) NZW ウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験が実施され、眼粘膜及び皮膚に対して軽度の刺激が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 本物質のウサギの眼に対する刺激性は軽微である (GESTIS (Access on May 2020))。 (4) 本物質は眼刺激物としては知られていない (HSDB (Access on May 2020))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) モルモットに本物質 (純度 93.6%) を適用した皮膚感作性試験 において陰性と報告されている (JMPR (1996))。 (2) 本物質はモルモットに対して感作性を示さなかった (食安委 農薬評価書 (2013)、GESTIS (Access on May 2020))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスを用いた優性致死試験及びマウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験において陰性の報告がある (JMPR (1996)、食安委 農薬評価書 (2013))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いた突然変異試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性、ラット初代培養肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (JMPR (1996)、食安委 農薬評価書 (2013)、ACGIH (7th, 2003))。 (3) 食安委農薬評価書において「生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられた」との記載がある (食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)〜(3) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2003))、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on July 2020):2000年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間強制経口投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雌で肝細胞腫瘍の発生に有意な用量相関が認められたが、発生頻度は低く発生率は背景データの範囲内であったことから、本物質投与に発がん性を示す証拠はないとした (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、本物質の投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より、親動物に脳アセチルコリンエステラーゼ (AChE) 活性低下、体重増加抑制、神経系への影響等がみられ、雄親動物に交尾率及び授精率低下、雌親動物に黄体数減少がみられた。生殖毒性が親動物毒性の二次的影響とは実証されないため区分2とした。なお、新たな情報源を用いたことにより、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、0.5 mg/kg/day群のP親動物の雌雄で脳AChE活性低下、雌で運動失調、振戦、縮瞳、流涎、F1親動物の雌雄で成長抑制、体重増加抑制、脳AChE活性低下、雄で精巣及び精巣上体絶対重量低下、交尾率及び授精率低下、雌で卵巣相対重量低下、黄体数減少がみられている。児動物では、0.5 mg/kg/day群のF1世代の雌雄で体重増加抑制、脳AChE活性低下、F2世代の雄で成長抑制がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。なお、本評価書には、「精巣及び精巣上体絶対重量の低下では体重増加抑制に関連していることが示唆され、交尾率及び授精率が対照群より低下し、精巣重量の低下と関連していると考えられた。」と記載されている。 【参考データ等】 (2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (流涎、振戦、死亡 (死亡率: 29.2%)) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2013))。 (3) 雌ウサギの妊娠7〜19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (1/20)、補正体重減少、赤血球AChE活性低下) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2) より、ヒトにおいて神経系への影響、(3) より、実験動物においても区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質への中毒の前兆症状として、頭痛、かすみ目、脱力感、さしこみ (cramps)、下痢、胸の痛みや締め付け感などがある。重度のばく露の症状には、発汗、縮瞳、流涎、流涙、呼吸困難、痙攣などがある (ACGIH (7th, 2001)、ACGIH (7th, 2003))。 (2) 農園や温室における作業従事者で急性の中毒例があり、症状として、眼精疲労、頭痛、視覚障害、めまい、吐き気、嘔吐、脱力感、胸の痛みや息切れ、皮膚の炎症、そう痒炎、眼瞼の攣縮、腕の攣縮、過度の発汗、下痢、腹痛、流涎が報告されている。推定摂取量約0.1 mg/kgの中毒例では、吐き気や嘔吐といった中毒の初期症状が摂取後1〜2時間以内に現れたとの報告がある。また、本物質200 mLを意図的に摂取した37歳女性で、意識不明、縮瞳、大量の発汗と流涎、急性膵臓炎を伴う重篤な中毒が報告されている (ACGIH (7th, 2003))。 (3) ラットの経口投与試験では、2 mg/kg (区分1の範囲) で流涙、流涎、運動障害、歩行異常、間代性痙攣、強直性痙攣、振戦、異常行動及び反射異常がみられ、脳幹、大脳皮質、海馬、嗅部でアセチルコリンエステラーゼ活性阻害もみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2) より、ヒトにおいて神経系への影響がみられるとの情報があり、(3)、(4) より、実験動物においても区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質の主な慢性影響として、コリンエステラーゼ (ChE) 活性の阻害による末梢神経系及び中枢神経系の用量依存的な機能障害がある。ただし、その程度は急性影響よりも減弱される (GESTIS (Access on May 2020))。 (2) 5名/群のボランティアに本物質を30日間カプセルで経口投与した結果、1.5 mg/人/日以上で赤血球ChE活性の20%以上の低下がみられたとの報告がある (JMPR (1972))。 (3) ラットの90日間強制経口投与試験では、0.56 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で縮瞳、流涎、眼漏及び振戦、脳ChE活性低下がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (1996))。 (4) ラットの13週間混餌投与試験では、10 ppm (ガイダンス換算値: 0.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で血漿、赤血球、脳内ChE活性の低下、250 ppm (ガイダンス換算値: 12.5 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上でヘモグロビン値減少、血中尿素値上昇がみられたとの報告がある (JMPR (1972))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 甲殻類 (ヨコエビ科) の96時間LC50 = 2.8 μg/L (HSDB (2004)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 0.13 (PHYSPROP Database (2005))) 、急速分解性が不明であることから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3018 | |||
国連品名 | ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, LIQUID, TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【624 りん酸ジメチル=1−メトキシカルボニル−1−プロペン−2−イル】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【624 りん酸ジメチル=1−メトキシカルボニル−1−プロペン−2−イル】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)【5 第三石油類水溶性液体】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 殺虫殺菌剤(有機リン系)(液体)(毒性のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)【【国連番号】3018 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |