| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | フッ素 | ||
| 化学品の英語名称 | Fluorine | ||
| 製品コード | R06-C-149-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | フッ素化合物原料,有機化合物フッ素化剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成29年度(2017年度)、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 物理化学的危険性 | 酸化性ガス | 区分1 | |
| 高圧ガス | 圧縮ガス | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (吸入: ガス) | 区分1 | |
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器、肝臓、腎臓) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(骨、歯、呼吸器、生殖器(男性)) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成29年度(2017年度)、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 環境に対する有害性 | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
|---|---|---|---|
| 危険有害性情報 | 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ 吸入すると生命に危険 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 強い眼刺激 呼吸器、肝臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による骨、歯、呼吸器、生殖器(男性)の障害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 衣類及び他の可燃物から遠ざけること。 バルブ及び付属品にはグリース及び油を使用しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
| 応急措置 | 火災の場合:安全に対処できるならば漏えい(洩)を止めること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
| 保管 | 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | フッ素 | ||
| 慣用名又は別名 | 二フッ素 | ||
| 英語名 | Fluorine | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | F2 (38) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 7782-41-4 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | - | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 半座位。呼吸が止まっている場合は、呼吸補助具(蘇生バッグなど)や口鼻蘇生法で人工呼吸を行う。口対口蘇生法は緊急事態の場合にのみ行う。医師に連絡すること。 医師の診察/手当てを受けること。 被害者が症状を感じない場合でも、運動を絶対に避ける。被害者を横たわった状態または半座位で搬送する。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 吐き出された空気を吸い込まないように注意する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 自分自身を保護しながら、被害者を危険源から遠ざける。 濃縮ガス/液化ガスに触れた後: 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 直ちに皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで少なくとも10~20分間洗浄する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 できればコンタクトレンズをはずして数分間多量の水で洗い流す。 以上、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 意識がある場合は、コップ1~2杯の水を飲ませる。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 眼、皮膚、気道への重度の刺激と腐食、肺への深刻な損傷の危険性。 液体は、凍傷を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 慢性: 上記と同じ 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 不燃性であるが、酸化作用がある。 火災の場合は、ガスボンベの存在について消防士に報告する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 圧力が上昇し、加熱時に破裂するリスクがある。 水は非常に有毒な水溶液を形成する可能性がある。水が下水道や水道に流れ込まないようにする。 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 すべての点火源を遮断します。 十分な換気を提供する。 影響を受ける周囲に警告する。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 放出されたガスの濃度を監視する。 下水道、地下室、またはガスの蓄積が危険な可能性のあるその他の場所に侵入しないようにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | ガスは、密閉されたシステム内で、厳密に制御された条件下で取り扱うこと。できれば、恒久的に密閉されたシステム(溶接パイプなど)で使用する。 ガス設備に安全弁を提供する。 シリンダーとレギュレーターの間にクロスパージアセンブリを取り付けることを推奨する。 使用前と使用後は定期的にガスシステム全体に漏れがないか確認する。 大気へのガス漏れを避ける。 過剰な圧力は、適切なスクラバーシステムを介して排出する必要がある。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 安全な距離でラインの遮断が必要。 シリンダー、プラントの部品、機器の部品を油脂などの有機汚染を避けること。 適した材料: シリンダーおよび弁: 鋼、鉄、ステンレス鋼、焼戻しされた合金鋼、モネル、ニッケル 不適当な材料: アルミニウム、アルミ合金、銅、銅合金、真鍮 フッ素はフッ化水素に加水分解する。 湿度が高いため、ほとんどの材料で強い腐食や水素脆化のリスクがある。 シールの場合: 許可されているもの以外の非金属材料は使用しない。 PTFE、PCTFE、その他の完全フッ素化合成物など、フッ素に特に適した材料のみを使用する。 ほとんどの非金属材料は、フッ素と接触すると発火する可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 火災の場合:安全に対処できるならば漏えい(洩)を止めること。 圧力補償のポイントまで圧力容器を空にしない。空の容器と混同を避けるために、空の容器に印を付ける。 危険区域から立ち退く。 専門家に相談する。 個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣を着用すること。 換気すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | リークテストの定期点検が必要。 少なくとも半年ごとにホースを確認する。 容器のバルブ接続部を清潔に保ち、不純物、特に油や水がないようにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 バルブ及び付属品にはグリース及び油を使用しないこと。 衣類及び他の可燃物から遠ざけること。 ばく露を避ける。 作業エリアにシリンダーを保管しない。 容器を引っ張る、転がす、押す、落とすことによる機械的損傷から保護する。 ガスボンベの輸送には、常にガスボンベトロリーまたはその他の適切な機器を使用する。 エレベーターでの人と一緒の移動はしない。 輸送するときは、保護キャップとブラインドナットをしっかりとねじ込む。 バルブ保護キャップやバルブ保護リングでガスボンベを持ち上げない。 ボンベの交換時は、充填されたボンベと空のボンベの漏れ防止クロージャーを常に検査する。 シリンダーの転倒を防ぐ。 ボンベはベンチやボンベスタンドに置き、使用時以外はバルブ保護キャップを外さない。 圧力サージを避けるためにバルブをゆっくりと開き、無理に開かない。 使用後や排水後はバルブを閉める。 容器がシステムから分離されたらすぐに、キャップまたはナットとバルブ保護キャップを交換する。 ガスを容器に逆流させない。 ガス容器への水やその他の液体の逆流を避ける。 別の容器にガスを移さない。 容器内の圧力を上げるために炎や電気ヒーターを使用しない。 電気器具は、腐食のリスクが高いため、定期的に点検する。 直火やその他の熱源から遠ざけること。 禁煙。 作業エリアでの溶接はしないこと。 水、可燃性物質または還元剤との接触禁止。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 可燃性物質 自然発火性物質 水と接触した場合、可燃性ガスを放出する物質 酸化性物質 有機過酸化物および自己反応性物質 有毒、または慢性的に作用する物質 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 ガス容器や圧力容器を取り扱うときは喫煙しない。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣服はすぐに着替え、水に入れて再度使用し、清掃後に医師に相談する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。容器を密閉しておくこと。 容器は日光から遮断し、50℃未満で換気の良い場所で保管すること。 建物内にある場合、耐火設備を使用する。 容器は直立させて保管し、転倒を防ぐ。 バルブ保護ケージを設けるか、バルブ保護キャップを取り付ける必要がある。 保管されているシリンダーを定期的にチェックして、漏れがある場合保管条件を修正する。 可燃性ガスやその他の可燃性物質に近づけない。 容器は、火災の危険がなく、熱源や発火源から離れた場所に保管する。 腐食を加速する条件下で容器を保管しない。 避難経路、作業室、またはそれらに直接近い場所に保管しない。 保管室での充填およびデキャンテーション禁止。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 道路法、高圧ガス保安法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 0.1 ppm, 0.16 mg/m3 (as F) TLV-C: 0.5 ppm, 0.78 mg/m3 (as F) | |||
| 設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 作業エリアで非常に良好な換気を提供する。 ガスは空気より重いため、床の適切な換気も確保する必要がある。 ガスの侵入からダクトと下水道を保護する。 ガスの危険性を検出および報告するための機器(アラームトリガー付きガス検知器)を設置する。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を着用すること。 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 危険区域からの脱出を可能にするために、常に呼吸保護具(エスケープフィルター)を携帯することをお勧めします。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 圧縮ガスボンベを取り扱うときは、作業用手袋を着用する必要がある。 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。 次の材料は保護手袋に適している: ポリクロロプレン - CR、フルオロカーボンゴム - FKM 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 緊急時の使用のために、適切な耐薬品性防護服を容易に利用できるようにする。 身体の保護リスクに応じて、適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 気体 | ||
| 色 | 淡黄色~淡緑黄色 | ||
| 臭い | 鋭い刺激臭 | ||
| 融点/凝固点 | -219.67 ℃ (三重点) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | -188.13 ℃ (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 可燃性 | 不燃性 (他の物質の燃焼を助長) (ICSC (2001)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | 0.0218 mPa・s 気体 (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 溶解度 | 水:分解する (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | 0.000005 mmHg (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.667 g/cm3 (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) 1.587 g/cm3 (15℃、1気圧) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | 1.695 (Air=1) (HSDB in PubChem(2024)) 1.3 (空気=1) (ICSC (2001)) | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 酸化性ガス。酸化作用がある。最も強力な酸化剤。 物質自体は燃焼しないが、可燃性物質と接触すると火災のリスクが高まり、既存の火災を大幅に悪化させる可能性がある。 多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。 可燃性物質や還元性物質と反応する。アンモニア、金属、酸化剤および他の多くの物質と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と激しく反応する。水と激しく反応して、有毒で腐食性の蒸気(オゾン、フッ化水素)を発生する。アンモニア、金属、酸化剤他多数の物質と激しく反応して、火災及び爆発の危険をもたらす。 | ||
| 避けるべき条件 | 発火源(火気、加熱、高温、静電気、火花など)に近づけないこと。 容器に衝撃を与えないこと。 | ||
| 混触危険物質 | 水、可燃性物質、還元性物質 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 水と 激しく反応する。有毒で腐食性のオゾンおよびフッ化水素の蒸気を生じる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | GHSの定義におけるガスである。 | |||
| 経皮 | GHSの定義におけるガスである。 | |||
| 吸入: ガス | ラットの1時間吸入ばく露試験のLC50値として、185 ppm (4時間換算値: 92.5 ppm) (ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分1とした。 | |||
| 吸入: 蒸気 | GHSの定義におけるガスである。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | GHSの定義におけるガスである。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)~(3)より区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)本物質は水と激しく反応し、フッ化水素溶液を生じる (ACGIH (2019))。 (2)本物質をウサギの剃毛した背部皮膚に0.2~0.6秒間ばく露した結果、0.2秒のばく露では周囲を紅斑で囲まれた虚血の区域を生じ、痂皮形成の後、脱落し正常な皮膚に回復した(ATSDR (2003)、ACGIH (2019)、Patty 6th. (2012))。 (3)フッ素ガスの皮膚へのばく露は熱火傷を引き起こすのに対して、フッ化水素は火傷と深部壊死を生じる(EHC 36 (1984))。 【参考データ等】 (4)成人ボランティア5人に顔マスクを介して本物質を最大100 ppmの濃度で吸入ばく露した試験では、100 ppmで皮膚の軽度刺激と不快感を生じた(US AEGL (2010)、ATSDR (2003)、ACGIH (2019))。別の研究でも経皮ばく露では本物質の100~200 ppmの濃度で皮膚刺激を示唆する結果の報告がある(US AEGL (2010))。 (5)EUではSkin Corr. 1Aに分類されている(CLP分類 (Accessed Nov. 2024))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ヒトの眼に対して、本物質濃度67~100 ppmで強い眼刺激性 (very irritating) を示したとの記載、本物質濃度100 ppm (155 mg/m3) で著しい (marked) 刺激性を示したとの記載 (PATTY (6th, 2012))、本物質は強度の眼刺激性を示すとの記載 (ACGIH (7th, 2001)) から、区分2Aとした。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。 なお、食品安全委員会はフッ素の遺伝毒性について、哺乳類培養細胞を用いたin vitro試験では弱い陽性結果が得られているが、in vivoのDNA損傷試験では総合的に判断して陰性であり、生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと考えられるとしている (食品安全委員会清涼飲料水評価書 (2012))。 | |||
| 発がん性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 生殖毒性 | データ不足のため分類できない。なお、ラットに本物質を18 ppmで5週間吸入ばく露した結果、精巣の変性がみられたとの報告 (ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012)) があり、旧分類ではこれを根拠に区分2とされたが、特定標的臓器 (反復暴露) の項の分類に利用すべき情報であると判断し、採用しなかった。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトでは、高濃度の本物質の吸入ばく露により、発熱、咳、胸の圧迫感、ラ音、チアノーゼを生じる場合があるとの報告があり、これらの症状は遅延性肺水腫の発症を示すものであると記載されている (EHC 36 (1984))。実験動物ではラット及びマウスの5~60分の単回吸入ばく露試験において、肺のび漫性のうっ血、呼吸困難、刺激性、肺胞壊死を生じるとの報告、マウスの5~60分の単回吸入ばく露試験において肝臓では凝固壊死、門脈周囲の出血、び漫性の混濁腫脹、腎臓では腎皮質の局所性凝固壊死、皮質及び髄質の局所性リンパ球浸潤が認められたとの報告がある (以上ATSDR (2003))。これらの実験動物に対する影響は、60分のばく露ではLC50値以下の50~116 ppm (4時間換算値: 25~58 ppm) 付近で認められ、区分1の用量に相当する。したがって、区分1 (呼吸器、肝臓、腎臓) とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ヒトについては、本物質に関する情報はないが、無機のフッ化物の職業ばく露によるフッ素沈着症に関連する骨の病変の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、フッ化物は有益あるいは有害な歯科的及び骨格的影響の両方がヒトにおいて観察されている。 フッ化物は齲蝕の有病率を低下させることが示されており、特定の条件下では、骨粗鬆症の治療に使用されている。 しかしながら、過剰のフッ化物はまた、歯科的フッ素症をもたらし、高齢者又は骨格フッ素症における骨折の有病率の増加をもたらし得るとの記載がある (ATSDR (2003))。 実験動物については、ラット、ウサギ、イヌを用いた5週間吸入毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である2 ppm (90日換算: 0.7 ppm) 以上でラットでは影響がみられず、ウサギでは軽度の気管支の炎症、イヌでは肺の出血、水腫、18 ppm (90日換算: 6 ppm) でラットでは重度の肺刺激性、精巣の変性、ウサギでは肺の出血がみられている (ATSDR (2003))。 以上より、区分1 (骨、歯、呼吸器、生殖器 (男性)) とした。 なお、ヒトへのフッ化物の影響を分類根拠としたことから旧分類と分類結果が異なった。 | |||
| 誤えん有害性* | GHSの定義におけるガスである。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | データなし | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | データなし | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | データなし | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 1045 | |||
| 品名(国連輸送名) | フッ素、圧縮されているもの | |||
| 国連分類 | 2.3 | |||
| 副次危険 | 5.1, 8 | |||
| 容器等級 | - | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法に従う | |||
| 陸上規制情報 | 道路法、高圧ガス保安法の規定に従う | |||
| 特別な安全上の対策 | 道路法、高圧ガス保安法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 124 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【487 弗素及びその水溶性無機化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【29 弗素及びその水溶性無機化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【487 弗素及びその水溶性無機化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【29 弗素及びその水溶性無機化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 【弗素及びその無機化合物】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【12 フッ素及びその化合物】 | |||
| 大気汚染防止法 | 有害物質 (法第2条第1項3、施行令第1条) 【3 弗素、弗化水素及び弗化珪素】 | |||
| 水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条) 【25 ふつ素及びその化合物】 | |||
| 土壌汚染対策法 | 第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【22 ふっ素及びその化合物】 | |||
| 船舶安全法 | 高圧ガス(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 輸送禁止(施行規則第194条) | |||
| 港則法 | その他の危険物・高圧ガス(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
| 高圧ガス保安法 | 圧縮ガス(法第2条1) 毒性ガス(一般高圧ガス保安規則第2条2) | |||
| 下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【26 ふっ素及びその化合物】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ-タシ-ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||