1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 二クロム酸カリウム (Potassium bichromate) | ||
製品コード | H26-B-140 ( 20B0262) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 情報なし |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 分類できない | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | ||
急性毒性(経皮) | 区分3 | |||
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
呼吸器感作性 | 区分1 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分1B | |||
発がん性 | 区分1A | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (呼吸器) | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると有毒 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると生命に危険 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれ 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 二クロム酸カリウム (Potassium bichromate) | ||
別名 | 重クロム酸カリウム (Potassium dichromate) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | Cr2K2O7(294.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7778-50-9 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (1)-278 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (1)-278 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 直ちに医師に連絡すること。 吸入した場合、被災者を空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石鹸で洗うこと。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。 直ちに医師に連絡すること。 皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 医師に連絡すること。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:灼熱感、咽頭痛、咳、喘鳴、息苦しさ。 皮膚:発赤、痛み、皮膚熱傷。 眼:発赤、痛み、かすみ眼、重度の熱傷。 経口摂取:吐き気、嘔吐、腹痛、灼熱感、下痢、ショック・虚脱。 | ||
応急措置をする者の保護 | 漏洩物に触れた時は、直ちに流水で皮膚あるいは眼を最低15分間洗浄する。被災者が(有害)物質を飲み込んだり、吸入したときは口対口法を用いてはいけない;逆流防止のバルブがついたポケットマスクや他の適当な医療用呼吸器を用いて人工呼吸を行う。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 喘息の症状は2-3時間経過するまで現れない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤(水素化炭酸塩を除く)、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 炭酸ガス、水素化炭酸塩の粉末消火剤 | ||
特有の危険有害性 | 火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。 強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と反応する。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 密閉された場所は換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。 水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。 可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。 プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に使用説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 飲み込まないこと。 粉じん、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。 眼に入れないこと。 皮膚と接触しないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 技術的対策:情報なし 保管条件:容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 容器を密閉して換気の良いところで保管すること。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 0.05mg/m3(クロムとして) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 0.05 mg/m3 (クロムとして、6価クロム化合物)、0.01 mg/m3 (クロムとして、ある種の6価クロム化合物) | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA 0.05 mg/m3 (クロムとして、水溶性クロム(VI)化合物) | ||
設備対策 | 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 特別な換気要求事項はない。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体(結晶) | ||
色 | 橙〜赤色 | ||
臭い | 情報なし | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 4.04(1%水溶液)、3.57(10%水溶液): Merck(13th,2001) | ||
融点・凝固点 | 398℃: HSDB(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 500℃以下で分解: GESTIS(2014) | ||
引火点 | 不燃性: ICSC (2013) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 不燃性: ICSC (2013) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 不燃性: ICSC (2013) | ||
蒸気圧 | 情報なし | ||
蒸気密度 | 10.14(空気=1): 計算値 | ||
比重(相対密度) | 2.676g/cm3 (25℃,4℃) : Merck(13th,2001) | ||
溶解度 | 水:12g/100ml (20℃) : ICSC (2013) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 情報なし | ||
自然発火温度 | 不燃性: ICSC (2013) | ||
分解温度 | 500℃以下で分解: GESTIS(2014) | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と反応する。水溶液は弱酸である。 | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 可燃物。還元性物質。 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として、17 mg/kg (雌)、26 mg/kg (雄) (ATSDR (2012))、48 mg/kg (雌)、74 mg/kg (雄) (EU-RAR (2005))、149 mg/kg (雌)、177 mg/kg (雄) (EHC 61 (1988)) の6データの報告がある。区分2と区分3とに、それぞれ3件づつ該当するので、LD50値の最小値が該当する区分2とした。新たな情報源 (ATSDR (2012)) を追加し、区分を見直した。 | ||
経皮 | ウサギのLD50値として、403 mg/kg (雄) (ATSDR (2012))、1,150mg/kg (EU-RAR (2005)) の2データの報告がある。それぞれ区分3と区分4とに該当するので、LD50値の小さい方が該当する区分3とした。新たな情報源 (ATSDR (2012)) を追加し、区分を見直した。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | ラットのLC50値 (4時間) として、0.029 mg/L (雌)、0.035 mg/L (雄) (ATSDR (2012))、0.099mg/L (EU-RAR (2005)) の3データの報告がある。2件が区分1、1件が区分2に該当するので、最も多くのデータが該当する区分1とした。蒸気圧データがなく、飽和蒸気圧濃度が不明であるが、エアロゾルとの記載および固体であることに基づき、粉じんの基準値を用いた。新たな情報源 (ATSDR (2012)) を追加し、区分を見直した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギに本物質を4時間適用した結果、グレード3以下の紅斑と浮腫がみられたが、反応は6日後にもみられたとの報告や (EU-RAR (2005))、モルモットを用いた皮膚刺激性試験結果、刺激反応 (sores) がみられたとの報告がある (EU-RAR (2005))。また本物質の0.5%溶液をヒトに適用した結果、軽度の刺激性がみられたとの報告がある (EU-RAR (2005))。 職業ばく露の報告で本物質を含む6価クロム化合物のばく露により潰瘍や瘢痕がみられたとの報告がある (ATSDR (2012))。また、具体的な試験報告ではないが、本物質を含む6価のクロム化合物について、腐食性を持つとの記載が多くある (EU-RAR (2005)、DFGOT vol. 3 (1992)、産業衛生学会 許容濃度の提案理由書 (1989))。以上の結果から区分1と判断した。本物質はEU DSD分類で「C; R34」、EUCLP分類で「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 本物質の結晶又は水滴が眼に混入したヒトの事故例で水疱形成がみられたとの報告があるが回復性については不明である (ATSDR (2012))。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性の分類で区分1とされている。以上の結果から区分1と判断した。 | ||
呼吸器感作性 | 日本産業衛生学会はクロム化合物として気道感作性物質「第2群」に分類している。この既存分類は本物質を明示していないものの、許容濃度の提案理由書 (1989) には、6価のクロム化合物は2価や3価のものより毒性が強いとの記載がある。また、クロム化合物は喘息を引き起こすとの記載がある (ATSDR (2012)、EU-RAR (2005))。以上から区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R42」、EU CLP分類で「Resp. Sens. 1 H334」に分類されている。 | ||
皮膚感作性 | ヒトのパッチテストにおいて本物質の適用により陽性反応の報告がある (ATSDR (2012))。また、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において、陽性反応がみられたとの報告がある (EU-RAR (2005))。本物質を含むクロム化合物は、日本産業衛生学会で皮膚感作性物質「第1群」に分類されている (日本産業衛生学会許容濃度の勧告 (2014))。この既存分類は本物質を明示していないものの、許容濃度の提案理由書 (1989) には、6価のクロム化合物は2価や3価のものより毒性が強いとの記載がある。以上から区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R43」、EU CLP分類で「Skin Sens. 1 H317」に分類されている。 | ||
生殖細胞変異原性 | In vivoでは、マウスの優性致死試験で陽性、陰性、マウス精母細胞の染色体異常試験で陽性、マウススポット試験、マウス、ハムスターの小核試験、マウス骨髄細胞の染色体異常試験、マウス肝細胞及び骨髄細胞の遺伝子突然変異試験、マウス白血球、肝臓、腎臓、脾臓、肺、脳の各細胞を用いたDNA損傷試験でいずれも陽性である (ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013)、IARC 49 (1990))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、ヒトリンパ球のDNA損傷試験でいずれも陽性である (ATSDR (2012)、EHC 61 (1988)、IARC 49 (1990)、NTP DB (Access on December 2014))。以上の知見及び本物質は水溶性Cr (VI)のため、区分1Bとした。 | ||
発がん性 | IARCでグループ1 (クロム (VI) として) (IARC (1990))、ACGIHでA1 (クロムVI化合物として) (ACGIH (2001))、NTPでK (6価クロム化合物として) (NTP RoC (2013))、日本産業衛生学会で1 (クロム化合物 (6価) として) (日本産業衛生学会 (1989)) であることから、区分1Aとした。なお、EUでは2 (EU (Access on Dec. 2014)) となっている。 | ||
生殖毒性 | 妊娠マウスを用いた経口経路 (飲水) での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量で生殖・発生に影響 (着床前および着床後胚損失の増加、同腹児数の減少、皮下出血、骨化遅延、尾曲がり、頭臀長減少、胎児体重減少等) がみられた (CICAD 78 (2013)、ATSDR (2012)、EU-RAR No. 53 (2005))。 また、マウスあるいはラットを用い経口投与後に交配した生殖・発生毒性試験において、母動物にわずかな影響 (体重増加抑制) がみられる用量で生殖・発生に影響 (黄体数減少、着床前および着床後胚損失の増加、同腹児数の減少、皮下出血、骨化遅延、尾曲がり、頭でん長減少、胎児体重減少等) がみられた (許容濃度の暫定値 (2014) の提案理由、CICAD 78 (2013)、ATSDR (2012)、EU-RAR (2005))。したがって、区分1Bとした。 このほか、産業衛生学会では許容濃度の勧告 (2014) において、クロムおよびクロム化合物を生殖毒性第3群 (暫定) (区分2相当) に分類している。しかし、許容濃度の勧告の分類は暫定期間中であるので採用しなかった。 また、EU CLP分類では「Repr. 1B H360FD 」、EU DSD分類では「Repr. Cat. 2; R60-61」に分類されている。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質は気道刺激性がある (EU-RAR (2005)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013))。 ヒトにおいては、吸入ばく露では、他の6価クロム化合物で気道の炎症、鼻、胸の痛み、咳、呼吸困難、チアノーゼが報告されている (EU-RAR (2005))。 経口経路では、本物質の摂取事故や自殺例など多数の事例報告がある。すなわち、本物質の腐食性による口、喉、胃、十二指腸など消化管の灼熱感、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、消化管の潰瘍・出血、中枢神経症状として痙攣、昏迷、瞳孔散大、剖検で脳の肥大、脳浮腫、呼吸器への影響として肺のうっ血、呼吸不全、心血管系への影響として血圧低下、心拍数低下、血液系への影響として血液凝固阻害、白血球増加、血管内溶血、肝臓への影響として肝臓肥大、肝細胞壊死、急性肝炎、腎臓への影響として蛋白尿、乏尿、血尿、無尿、水分過剰を呈する急性腎不全の症状、腎臓の肥大、浮腫、腎尿細管壊死が報告されている (EU-RAR (2005)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013)、DFGOT vol. 3 (1992)、EHC 61 (1988))。また、経皮経路においても、肝臓及び腎臓の障害が報告されている (EU-RAR (2005))。 実験動物では、本物質のラットへの0.029-0.045 mg/L吸入ばく露で呼吸困難、0.099 mg/Lで気道炎症、肺水腫、気管上皮壊死、ラットへの48 mg/kg経口投与で胃腸管粘膜の腐食、肺うっ血、他の6価クロム化合物ではラットで活動低下、流涙、散瞳、下痢の報告がある (EU-RAR (2005)、ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013))。実験動物の症状は区分1の範囲の用量でみられた。 消化管の所見については、局所刺激の影響として採用しなかった。 以上より、本物質は中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓に影響を与えることから、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 本物質を含め、クロム酸又は二クロム酸のナトリウム塩又はカリウム塩のダスト、或いは水溶液を介して6価の水溶性クロムに反復吸入ばく露されたヒトで生じる主な毒性影響は呼吸器への影響で、鼻中隔の潰瘍及び穿孔、気道の炎症、肺気腫、肺の線維化、慢性閉塞性気管支肺症などである (EU-RAR (2005)、CICAD 78 (2013)) との記述がある。 一方、実験動物では本物質をラット、又はマウスに9週間混餌投与した試験では、飼料中最高濃度の400 ppm まで明確な毒性影響はみらなかった (EU-RAR (2005)) と報告されたが、区分2のガイダンス価範囲内の用量 (ガイダンス値換算: 16.6-19.4 mg/kg/day相当 (ラット)、63.7-94.8 mg/kg/day相当 (マウス)) までの結果で、区分2上限値での毒性影響の有無は不明である。この他、本物質による反復ばく露試験報告はないが、二クロム酸ナトリウム・二水和物をラット、又はマウスに90日間飲水投与した試験において、ラットでは区分1相当量 (1.7 mg Cr/kg/日: 8.57 mg当該物質/kg/日相当) で小球性低色素性貧血、マウスでは区分2相当量 (3.1-5.2 mg Cr/kg/日: 15.6-26.2 mg当該物質/kg/day相当) で、ヘモグロビン濃度及びMCV値の減少など血液系への影響が、別のラット90日間飲水投与試験で、区分2に該当する40-60 mg/kg/日投与群で、精巣毒性 (重量減少、生殖細胞の減少又は変性、精細管の変性様変化) がみられた (CICAD 78 (2013)) との報告があるが、ヒトでの6価クロムによる反復ばく露影響として、血液系、精巣への影響の有無は確定しておらず (ATSDR (2012)、CICAD (2013))、これらを標的臓器とするには証拠が不十分と判断した。 以上、ヒトの知見を基に区分1 (呼吸器) とした。なお、旧分類はEHCを情報源として、肝臓を標的臓器としたが、根拠データをATSDR (2012) と照合した結果、本物質を誤嚥又は自殺目的で大量摂取した中毒事故による急性肝障害の事例と考えられた。また、最新の評価書 (ATSDR (2012)、CICAD (2013)) からは、ヒトでの6価クロム反復ばく露による標的臓器は呼吸器、皮膚 (腐食性・感作性) 以外は未だ確定的なものはないことが窺われた。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(タマミジンコ)の48時間EC50=0.0225mg/L(ECETOC TR91、2003)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3288 | |||
国連品名 | TOXIC SOLID, INORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 毒劇法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 重量物を上積みしない。 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 151 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質 作業環境評価基準 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 特定化学物質特別管理物質 | |||
化学物質排出把握管理促進法 | 第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質 | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物 | |||
消防法 | 第1類酸化性固体、重クロム酸塩類 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
労働基準法 | 疾病化学物質 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |