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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
ジブチルスズ=ジラウラート
作成日 2013年2月15日
改訂日 2022年03月15日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称ジブチルスズ=ジラウラート
化学品の英語名称Dibutyltin dilaurate
製品コードR03-C-020-MHLW
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限反応用触媒、塩ビ安定剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分3
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)区分2
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2A
生殖細胞変異原性区分2
生殖毒性区分1B
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(肝臓)
分類実施日
(環境有害性)
ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分1
水生環境有害性 長期(慢性)区分1
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
吸入すると生命に危険
皮膚刺激
強い眼刺激
遺伝性疾患のおそれの疑い
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。
 応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
口をすすぐこと。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名ジブチルスズ=ジラウラート
慣用名又は別名ジブチルビス[(1−オキソドデシル)オキシ]スズ
英語名Dibutyltin dilaurate
Stannane, dibutylbis[(1-oxododecyl)oxy]-
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C32H64O4Sn (631.55)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号77-58-7
官報公示整理番号(化審法)2-2330
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状皮膚:発赤。吸収される可能性あり。
眼:充血。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火剤、散水
使ってはならない消火剤棒状注水
火災時の特有の危険有害性可燃性。
火災の場合、有害物質(金属ヒューム、一酸化炭素)が放出される可能性がある。
特有の消火方法安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。
消火水をせき止め、後で廃棄する。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。
安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。
火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。
密閉型防護服を着用する。
防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置適切な呼吸器用保護具を着用する。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。
すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。
必要により、風下に適切な隔離距離をとる。
環境に対する注意事項環境汚染を引き起こすおそれがある。
この物質を環境中に放出してはならない。
漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ、漏れを止める。
排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。
乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
容器内に水をいれてはいけない。
漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。
こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。
湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。
残留分を、注意深く集める。
地域規則に従って保管・処理する。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
安全取扱注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
裸火禁止。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
安全な容器包装材料消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2021年版)未設定
ACGIH(2022年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
作業場では全体換気を行う。
設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。
保護具
呼吸用保護具作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色〜黄色
臭い脂肪酸臭
融点/凝固点22〜24 ℃(ICSC(2018))
25〜27 ℃(GESTIS(2022))
72〜75 °F(PubChem(2022))
沸点、初留点及び沸騰範囲205 ℃(1.3 kPa)(ICSC(2018))
>250 ℃(GESTIS(2022))
可燃性可燃性(ICSC(2018))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点191 ℃(ICSC(2018))
149 ℃(GESTIS(2022))
455 °F(Open cup)(PubChem(2022))
自然発火点>200 ℃(GESTIS(2022))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水に溶けない(ICSC(2018))
水: <0.1 g/l(20℃)(GESTIS(2022))
エタノール、エーテル、ベンゼン、アセトンに易溶(危険物災害等支援システム(2022))
n-オクタノール/水分配係数Log Kow: 4.44(ICSC(2018))
Log Kow: 3.12(GESTIS(2022))
蒸気圧ほとんどない(ICSC(2018))
<0.1 hPa(20℃)(GESTIS(2022))
密度及び/又は相対密度1.05 g/cm3(20℃)(ICSC(2018)、GESTIS(2022))
1.066 (68 °F)(PubChem(2022))
1.03〜1.06 (25℃)(危険物災害等支援システム(2022))
相対ガス密度21.8 (空気=1)(PubChem(2022))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性可燃性。低揮発性。加熱や燃焼により分解する。有毒で刺激性のフュームを生じる。
避けるべき条件
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値として3件のデータ[175 mg/kg(環境省リスク評価 第8巻(2010))、45 mg/kg、243 mg/kg(以上2件 EHC 15(1980))]が報告され、内1件が区分2、2件が区分3に該当することから、該当数の多い区分3とした。

なお、健康有害性に関しては、加水分解生成物の「ID427 ジブチルスズオキサイド(CAS 番号 818-08-6)」も参照のこと。
経皮ウサギのLD50値は >2000 mg/kg(環境省リスク評価第8巻(2010))に基づき、JIS分類基準区分に該当しない(国連分類基準の区分5または区分に該当しないに相当)とした。
吸入: ガスGHSの定義における固体である。
吸入: 蒸気データなし。
吸入: 粉じん及びミストマウスの2時間ばく露によるLC50値は0.15 mg/L(4時間換算値:0.075 mg/L)(環境省リスク評価 第8巻(2010))に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.0008 mg/L)より高いので、ミストまたは粉塵による試験とみなした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ウサギの皮膚に500 mgを24時間適用した試験で、中等度の刺激(moderate irritation)との結果(HSDB(2010))に基づき区分2とした。なお、List 3の情報として、ウサギの皮膚に500 mg適用したドレイズ試験で、刺激性は重度(severe)との記載(RTECS(2011):元文献 National Technical Information Service.: OTS0555424)がある。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ヒトで眼を刺激し、眼に入ると発赤を生じるとの記載(環境省リスク評価 第8巻(2010))に加え、ウサギの眼に100 mgを適用した試験で、中等度の刺激(moderate irritation)との結果(HSDB(2010))に基づき、区分2Aとした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性データなし。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)〜(5)より、本物質の胃内加水分解物のジブチルスズジクロリドの知見を考慮し、区分2とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類からEU CLPでGHS区分2に分類されたため、生殖細胞変異原性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、ラットの大脳皮質細胞を用いた7週間反復経口投与コメットアッセイ試験において、陽性の報告がある(CLH Report (2014)、ECHA RAC Opinion (2015))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた4つの復帰突然変異試験結果は全て陰性であった(CLH Report (2014)、ECHA RAC Opinion (2015)、MOE初期評価 (2018))。
(3)本物質の胃内加水分解物であるジブチルスズジクロリド(DBTC、CAS番号 683-18-1)についてin vivoでは、マウスの骨髄を用いた2つのin vivo小核試験(OECD TG 474、GLP)において陽性及び陰性の報告があるが、いずれも却下する理由がなく、陽性結果を採用した(CLH Report (2014)、ECHA RAC Opinion (2015))。
(4)DBTCについてin vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験では陽性及び陰性の結果が、また、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験では陽性の結果が得られている(CLH Report (2014))。
(5)EUは本物質について、in vitro実験より酸性の胃内で加水分解されDBTCとなることが示唆されたことから、経口経路でのばく露ではDBTCのデータも考慮し、Muta. 2(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021))に分類している(CLH Report (2014)、ECHA RAC Opinion (2015))。

【参考データ等】
(6)本物質の代謝物質であるDBTCに関して、現行分類は、本邦では区分2(政府によるGHS分類結果:2016年分類)、EUではMuta. 2(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021))に分類している。
発がん性データなし。なお、有機スズ化合物はACGIH(2001)の発がん性評価でA4に分類されている。
生殖毒性ラットの妊娠8日目に本物質51 mg/kgを経口投与した試験で、母動物の体重、生存、ならびに生存胎仔数への影響はみられなかったが、胎仔で下顎裂、下唇裂、舌小帯短縮や舌裂、脳ヘルニアなどの外表系奇形、下顎骨固定不全、頭蓋骨形成不全、癒合肋骨等の骨格系奇形の有意な増加が認められた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。以上より、親動物での一般毒性が現われていない用量で催奇形性が示されたことから、区分1Bとした。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)データなし。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)雄ラットの15日間反復経口投与試験(0、17.5 mg/kg/day)で、17.5 mg/kg/day群で20%の動物が死亡し、肝ミクロソーム酵素活性の低下やヘムオキシゲナーゼ活性の有意な上昇、および肝細胞の変性がみられた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。また、ウサギの6週間反復経口投与試験(0、15、25、40 mg/kg/day)では、25 mg/kg/day以上の群の全数、15 mg/kg/day群の1/3匹が死亡し、25 mg/kg/day群でLDH の上昇、25 mg/kg/day以上の群でGOT、トリグリセライド、総コレステロールの上昇、40 mg/kg/day群でGPTの上昇がみられた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。以上より、ラットではガイダンス値区分1に相当する17.5 mg/kg/day(90日換算:2.92 mg/kg/day)で肝細胞のミクロソーム酵素活性の変化および肝細胞の変性、ウサギではガイダンス値区分2に相当する25 mg/kg/day(90日換算:11.5 mg/kg/day)以上、または40 mg/kg/day(90日換算:18.5 mg/kg/day)群で、肝機能の悪化を示すGOT、GPT、LDHなどの上昇が認められたことから、区分1(肝臓)とした。
誤えん有害性*データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(オオミジンコ)による48時間LC50=0.66mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。
水生環境有害性 長期(慢性)信頼性のある慢性毒性データは得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BOD:50%(既存点検, 1985))、急性毒性区分1であることから区分1とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号2788/3146
品名(国連輸送名)有機スズ化合物(液体)、n.o.s./有機スズ化合物(固体)、n.o.s.
国連分類6.1/6.1
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*153
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
毒物及び劇物取締法該当しない
消防法第4類 引火性液体 第四石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)
海洋汚染防止法個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)
船舶安全法毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」