| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 二亜硫酸ナトリウム | ||
| 化学品の英語名称 | Disodium disulphite | ||
| 製品コード | R06-C-144-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 還元剤,染色・なっ染・漂白剤,脱塩素剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成25年度(2013年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 皮膚感作性 | 区分1 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成25年度(2013年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 重篤な眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 呼吸器への刺激のおそれ 水生生物に有害 長期継続的影響によって水生生物に有害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 二亜硫酸ナトリウム | ||
| 慣用名又は別名 | 亜硫酸水素ナトリウム 二亜硫酸ナトリウム ピロ亜硫酸ナトリウム | ||
| 英語名 | Disodium disulphite | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | H2O5S2.2Na (190) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 7681-57-4 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 第八改正日本薬局方 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 医師に連絡すること。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。呼吸が止まっている場合は、呼吸補助具(蘇生バッグなど)や口鼻蘇生法で人工呼吸を行う。口対口蘇生法は緊急事態の場合にのみ行う。以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | できるだけ早く: 障害のない眼を保護しながら、流水で10分間、患部の眼を広く広げたまぶたですすぐこと。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 意識がある場合は、コップ1~2杯の水を飲ませる。 無理に吐かせないこと。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 本物質は、眼を重度に刺激する。 本物質は、皮膚、気道および胃腸管を刺激する。 ばく露すると、感受性の高い人では喘息様反応やじんま疹を引き起こすことがある。 慢性: 反復または長期の吸入により喘息様症状を引き起こすことがある。皮膚に影響を与えることがある。 以上、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 周囲の火災に含まれると、有害物質(硫黄酸化物、金属酸化物、ヒューム)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 不燃性である。消火対策は、周囲の状況に合わせて選択すること。 周囲火災の場合: 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 個人用保護具:空気中濃度に応じた酸性ガスおよび蒸気用フィルター付マスク 影響を受ける周囲に警告すること。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 その後、周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 可能であれば、閉じた装置を使用すること。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | リサイクルの方法がない場合は、それぞれの国および地域の規制に従って廃棄する必要がある。 少量の物質の収集: 次亜塩素酸ナトリウム溶液に攪拌しながら供給し、必要に応じて数日間反応させる。一部の物質は激しく反応する場合があるので注意。遊離した有毒ガスまたは可燃性ガスを排出する可能性がある。過剰な酸化剤は、チオ硫酸ナトリウムで破壊される。 塩溶液の収集容器に入れるか、pH値を6~8に調整するか、有毒な無機残留物や重金属塩とその溶液の収集容器に入れる。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 こぼれた物質を密閉式容器内に収集する。 液体を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 残留分を多量の水で洗い流す。 地域規則に従って保管・処理する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 粉じんの形成を避けること。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する必要がある。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開けたままにしないこと。 補充、移し替え、または開放使用のためには、十分な換気を確保する必要がある。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんが舞い上がるのを避けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 自然発火性物質 水と接触した可燃性ガスを放出する物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しないこと。 酸または強酸化剤との接触禁止。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 衛生対策 | 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。眼に入った場合は、影響を受けた眼を洗い流す。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 室温での保管を推奨する。 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 5 mg/m3 | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 作業エリアの換気を良好に保つこと。 作業場での洗浄設備を設置する。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 次の材料は保護手袋に適している(透過時間>= 8時間): ポリクロロプレン - CR (0.5 mm)、ニトリルゴム/ニトリルラテックス - NBR (0.35 mm)、ブチルゴム - ブチル (0.5 mm)、フルオロカーボンゴム - FKM (0.4 mm) 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 無色~白色 | ||
| 臭い | 硫黄様の刺激臭 | ||
| 融点/凝固点 | > 302 ℉ (HSDB in PubChem(2024)) 150 ℃ (二酸化硫黄に分解) (SIAR (2001)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | 不燃性 (ICSC (2022)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | > 150 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | 4.5 (20℃、50g/L) (GESTIS (2024)) 3.5~5.0 (50 g/L、20℃) (SIAR (2001)) | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:65 g/100 mL (20℃) よく溶ける (ICSC (2022)) エタノール:可溶 (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | LogKow:-3.7 (25℃) (SIAR (2001)) | ||
| 蒸気圧 | データなし | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.4 g/cm3 (25℃/4℃) (HSDB in PubChem (2024)) 2.358 g/cm3 (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 不燃性である。他の使用する物質に応じて、火災および爆発防止対策を選択すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 不燃性物質。 この物質は、酸化剤、亜硝酸ナトリウム(溶液)、酸、二酸化硫黄と危険な反応を示す可能性がある。 火災の危険を生じる。加熱や酸との接触により、分解する。 硫黄酸化物を生じる。 本物質は、強還元剤。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 酸または酸化剤と接触すると、火災および爆発の危険性がある。 以上、ICSC参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 分解生成物:二酸化硫黄 周囲の火災に含まれると、有害物質(硫黄酸化物、金属酸化物、ヒューム)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットのLD50値として1,540 mg/kg(SIDS(2001)、(EPA Pesticides(2007))に基づき区分4とした。なお、他にLD50値として1,131mg/kg(EPA Pesticides(2007))、 2,480 mg/kg(SIDS(2001))がある。 | |||
| 経皮 | ラットのLD50値> 2,000 mg/kg(EPA Pesticides(2007))に基づき、区分に該当しないとした。今回の調査で入手したEPA Pesticides(2007)のデータに基づき、区分を見直した。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | GHSの定義における固体である。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | データ不足のため分類できない。本物質は、ウサギを用いた試験で刺激性はない(SIDS(2001)、IUCLID(2000))。一方、ヒトにおける十分な情報は認められない。さらに、ACGIH(7th, 2001)の要約には、本物質が皮膚刺激性であることを推奨できる十分なデータはない、と記載されている。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | SIDS(2001)ではウサギを用いた眼刺激性/腐食性試験(OECD TG 405準拠)において、「刺激性。眼に重篤な損傷の危険性」との結果から、「眼刺激性物質である」と結論している。また、本物質は、EU DSD分類において「Xi: R41」、EU CLP分類において「Eye Dam. 1 H318」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。旧分類の分類根拠に使用していたデータ「ECETOC TR 66 」は、記載が辿れなかった。新しく得られた情報に基づき分類を見直した。 | |||
| 呼吸器感作性 | 【分類根拠】 (1)~(5)より、本物質による職業性喘息の報告があるが、免疫学的病因は明らかでなく、本物質の刺激性による影響も考えられることから分類できない。なお、情報源のデータを精査し、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)本物質を写真現像の定着剤として扱っている37歳女性放射線技師の職業性喘息と本物質の関連性が疑われたため、本患者と9人の対照者に対してチャレンジテストを実施したところ、本患者及び対照者1人で陽性反応を示したことから、本物質と職業性喘息との間には疫学的証拠が確認されたとの報告がある(Eur Respir J. 25(2), 386-388(2008))。 (2)本物質を薬剤として使用するクリーニング店従業員に職業性喘息が発生したとの報告がある(ACGIH(7th, 2001))。 (3)本物質を保存料として使用した食用酢を摂取した67歳女性に重篤な喘息が引き起こされたとの報告がある(ACGIH(7th, 2001))。 (4)本物質はヒトにおいて呼吸器感作性を引き起こす可能性は低いものの、高感受性集団には喘息症状を発生させる可能性があるとされている(SIAR(2001)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 (5)本物質の職業性ばく露によるアレルギー性接触皮膚炎、喘息の症例報告があり、通常の労働の場で発症し得るとされている(労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会報告(2013))。 【参考データ等】 (6)本物質はヒトにおいて掻痒、掻痒を伴う喘息、浮腫、鼻炎、鼻詰まりが報告されているが、それらの免疫学的病因は明らかではないとの指摘もある(SIAR(2001)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 (7)本物質は、トロール漁船の乗組員1人とエビ加工業者2人の職業性気道疾患(刺激性喘息、職業性喘息、基礎喘息を伴う声帯機能障害)との関連性があるとの報告があるが、本物質が水と接触することにより発生した二酸化硫黄の影響の可能性も示唆されている(Occup Med. 58(8), 545-550(2008))。 (8)亜硫酸による疾病の発症機序として、好酸球のペルオキシダーゼ(EPO)が喘息、アレルギー性炎症性傷害、発がんに寄与する細胞毒性オキシダントの生成を触媒し、EPOが亜硫酸塩を酸化して最終的に硫酸アニオンラジカルを生成し、タンパク質にラジカル付加することで、好酸球による炎症性傷害により組織傷害が促進されるとの報告がある(労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会第4回資料(2012))。 (9)本物質は、労働基準法施行規則35条別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病として、皮膚障害又は気道障害が記載されている (平成二十五年厚生労働省告示第三百十六号)。 | |||
| 皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)~(4)より、本物質はヒトにおいて感作性を示す知見があることから、区分1とした。なお、本物質は、労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会報告(2013)では、職業性ばく露によるアレルギー性接触皮膚炎、喘息の症例報告があり、通常の労働の場で発症し得るとされている。新たな情報が得られたため、旧区分から区分を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質を保存液として使っていたレストランで保存液に漬けたジャガイモを装着感の悪いビニール製手袋を着けてスライス作業していた50歳女性に皮膚炎が発生したことからパッチテストを行ったところ、陽性反応を示した。そこで、同一レストランで他業務に就いたところ皮膚炎はゆっくりと回復したとの報告がある(Contact Dermatitis. 61(4), 244-245(2009))。 (2)1,751人の患者を対象としたパッチテストでは、71人が陽性反応を示し、うち33人が本物質との関連性を特定され、38人は関連性が不明であったとの報告がある(HSDB(2011))。 (3)陽性のパッチテストとアレルギー性接触皮膚炎が少数例で観察されたとの報告がある(SIAR(2001))。 (4)980人の湿疹患者に対するパッチテストにおいて、14人が陽性反応を示したとの報告がある。なお、当該結果はNICNASの承認基準(2005)における皮膚感作性の基準を満たしていないともされている(NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 【参考データ等】 (5)本物質は、平成25年厚生労働省告示第316号において、労働基準法施行規則別表第一の二第四号1の厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)に「二亜硫酸ナトリウム」として指定されており、本物質にさらされる業務による、特定の症状又は障害を主たる症状又は障害とする疾病(皮膚障害又は気道障害)が、業務上の疾病として定められている。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、ラットの優性致死試験、マウス及びハムスターの小核試験、ラット、マウス、チャイニーズハムスターの染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である(SIDS(2001)、HSDB(Access on September 2013))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、陽性の結果が混在する(SIDS(2001)、HSDB(Access on September 2013))。 | |||
| 発がん性 | ACGIH(1995)でA4と評価されている。また、IARC 54(1992)は二亜硫酸塩としてGroup 3と評価している。分類ガイダンスに従い、区分を変更した。 | |||
| 生殖毒性 | ラットの多世代試験(ACGIH(7th, 2001)、IARC 54(1992)、SIDS(2001))、ラット、ウサギの発生毒性試験(SIDS(2001))において生殖毒性、発生毒性がみられないことから区分に該当しないとした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトにおいて、喉の炎症を引き起こすとの記載(HSDB(Access on September 2013))やマウスにおいて上部呼吸器への刺激がみられた(ACGIH(7th, 2001))ことから区分3(気道刺激性)とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | データ不足のため分類できない。なお、喘息の事例は呼吸器感作性に対する事例として記載し、反復ばく露による影響には含めないこととしたため、旧分類とは分類結果が変わった。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 藻類(Scenedesmus subspicatus)による72時間EC50=48.1 mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分3とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物で、水中での挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC > 10 mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分に該当しないとなる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物で、水中での挙動が不明であり、藻類(Scenedesmus subspicatus)による72時間EC50=48.1 mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分3となる。 以上の結果を比較し、区分3とした。 | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A~C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 該当しない | |||
| 品名(国連輸送名) | 該当しない | |||
| 国連分類 | 該当しない | |||
| 副次危険 | 該当しない | |||
| 容器等級 | 該当しない | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 該当しない | |||
| 航空規制情報 | 該当しない | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | - | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【412 二亜硫酸ナトリウム】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【1458 二亜硫酸ナトリウム】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【412 二亜硫酸ナトリウム】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 【1458 二亜硫酸ナトリウム】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 【二亜硫酸ナトリウム】 | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 【二亜硫酸ナトリウム】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【36 ナトリウム及びその化合物】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ-タシ-ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||