1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 過塩素酸 | ||
製品コード | H30-B-029-MHLW | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 分析用試薬,有機合成原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 酸化性液体 | 区分1(濃度が50質量%を超え72質量%以下のもの) | ||
金属腐食性物質 | 区分1 | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
発がん性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(甲状腺) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | - | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 火災又は爆発のおそれ;強酸化性物質 金属腐食のおそれ 飲み込むと有害 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 重篤な眼の損傷 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 呼吸器への刺激のおそれ 長期にわたる又は反復ばく露による甲状腺の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 可燃物と混合を回避するために予防策を取ること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 防火服/防炎服/耐火服を着用すること。 他の容器に移し替えないこと。 取扱い後は...よく洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
応急措置 | 衣類にかかった場合:服を脱ぐ前に、直ちに汚染された衣類及び皮膚を多量の水で洗うこと。 大火災の場合で大量にある場合:区域より退避させ、爆発の危険性に応じ、離れた距離から消火すること。 火災の場合:消火するために...を使用すること。 物的被害を防止するためにも流出したものを吸収すること。 飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。 気分が悪いときは、医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 | |||
保管 | 耐腐食性/耐腐食性内張りのある...容器に保管すること。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 過塩素酸 | ||
別名 | Hydronium perchlorate | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | ClHO4 (-) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 7601-90-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-221 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | - |
4.応急措置 | 「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。 | ||
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吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 「注」参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。 吐かせない。 医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 咽頭痛。 灼熱感。 咳。 息苦しさ。症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。 発赤。 痛み。 重度の皮膚熱傷。 充血。 痛み。 視力喪失。 重度の熱傷。 咽頭痛。 腹痛。 灼熱感。 下痢。ショック/虚脱。 嘔吐。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 周辺の火災時:大量の水、水噴霧。 火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 安全な場所から消火作業を行う。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | ・危険区域から立ち退く。 ・専門家に相談する。 ・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣 ・おがくずや、可燃性吸収剤に吸収させてはならない ・液体を、砂または不活性吸収剤に吸収させる ・地域規則に従って保管・処理する ・残留分を、で注意深く中和する ・下水に流してはならない | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 情報なし | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | ・耐火設備 ・「化学的危険性」参照 ・密封 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | ・特殊材料 ・破損しない包装 ・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる | ||
安全な容器包装材料 | 換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。 適切な制御装置を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2019年度版) | 未設定 | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 保護手袋。 保護衣。 | ||
手の保護具 | 呼吸用保護具と併用して、顔面 シールドまたは眼用保護具を着用する。 | ||
眼の保護具 | 保護手袋。 保護衣。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | ・他の目的用に設計されたドラフト内で過塩素酸を使用してはならない ・肺水腫の症状は、2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である ・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する ・汚染された衣服は、火災の危険があるため、多量の水ですすぎ洗いする ・この物質中に水を注いではならない。溶解または希釈する時は、必ず水の中にこの物質をゆっくり加えること |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 無臭〜刺激臭あり | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -112 ℃(50%-72%水溶液)(ホンメル (1996)、混触危険ハンドブック (1997)、道路輸送危険物のデータシート (1996)、GESTIS (Accessed 2018)、ICSC (2000)、Merck (2006)、SAX'S (2000)、化学物質安全性データブック (1997)、ウルマン、危険物データブック) -102 ℃(無水) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 19 ℃(50%-72%水溶液)(GESTIS (Accessed 2018)、ICSC (2000)) 203 ℃(70-72%水溶液)(ホンメル (1996)) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 71 Pa(20 ℃、50%-72%水溶液)(GESTIS (Accessed 2018)) 1.546 kPa(0 ℃、無水)(ウルマン) 3.913 kPa(20 ℃、無水)(ウルマン) | ||
蒸気密度 | 約3.5(50%-72%水溶液)(GESTIS (Accessed 2018)、ICSC (2000)、道路輸送危険物のデータシート (1996)) | ||
比重(相対密度) | 1.76(50%-72%水溶液。(約20℃)/4℃)(道路輸送危険物のデータシート (1996)、ICSC (2000)) | ||
溶解度 | 水: (混和する。50%-72%水溶液) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 情報なし | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 19 ℃(50%-72%水溶液)(ICSC (2000)) | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 加熱すると、爆発することがある。 加熱すると、分解する。 有毒で腐食性のフュームを生じる。 本物質は、強酸化剤。 可燃性物質や還元性物質、有機物および強塩基と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 多くの金属を侵す。 引火性/爆発性ガス(水素-ICSC 0001 参照)を生じる。 濃度が72%を超えると不安定であり、乾燥状態または乾燥させると、衝撃や振動により爆発することがある。紙などの可燃性物質と混合すると、室温で自然発火することがある。 | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)のデータは区分3〜区分4に該当する。また(2)のデータは区分4に該当する。よって最も件数の多い区分を採用し、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50(OECD TG423、GLP):200〜2,000 mg/kgの間(200 mg/kgにおいて死亡例なし、2,000 mg/kgの用量で全数死亡)(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)) (2)ラットのLD50:1,100 mg/kg (環境省リスク評価第9巻(2011)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質には腐食性があり、皮膚に付くと発赤、痛み、重度の皮膚熱傷を生じるとの報告がある(環境省リスク評価第9巻(2011)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。 【参考データ等】 (2)既存分類ではEUがSkin Corr. 1Aに分類しているが、根拠は不明である。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質には腐食性があり、眼に入ると発赤、痛み、永久的な視力喪失、重度の熱傷を生じるとの報告がある(環境省リスク評価第9巻(2011)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。 (2)本物質は皮膚腐食性/刺激性で区分1と分類されている。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、本物質のアンモニウム塩をラット及びマウスに経口投与、又はマウスに腹腔内投与した小核試験の結果はいずれも陰性であった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、マウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝子変異試験で陰性の結果が得られている(環境省リスク評価第9巻(2011))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 (1)〜(3)の試験報告について、本物質の発がん性に関する動物試験は1用量のみ、例数が少ない、病理組織学的評価に制限があるなど、いずれも限定的な知見ではあるが、全体として本物質の長期投与により甲状腺腫瘍の発生増加が生じることを示すには十分な証拠があると考えられる。(4)の状況も考慮して総合的に判断し、区分2とした。 【根拠データ】 (1)本物質のK塩を雄ラットに10,000 ppmの濃度で2年間飲水投与した結果、投与群では甲状腺の良性腫瘍が4/11例にみられたのに対し、対照群の腫瘍発生率は0/20例であった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (2)本物質のNa塩を雌マウスに12,000 ppmの濃度で46週間飲水投与した試験では、投与群で半数が死亡し、生存例の5/6例に甲状腺濾胞細胞がんがみられたが、対照群には腫瘍発生はみられなかった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (3)本物質のK塩を雄ラットに1,000 ppmで19週間飲水投与した群と、イニシエーターとしてビス(2-ヒドロキシプロピル)ニトロソアミン(DHPN)を前処置後に同様に本物質K塩を飲水投与した群を比べると、前者では甲状腺に腫瘍発生はみられなかったが、後者では甲状腺の腺腫及びがんの発生率はいずれも100%(20/20例)であった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (4)国内外の分類機関による既存分類結果はない。 【参考データ等】 (5)ヒトでは、職業ばく露や飲み水からの本物質ばく露と、がん死亡率又はがん発生率との明確な関連性を示した報告はない(環境省リスク評価第9巻(2011))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)の結果より、30 mg/kg/dayまでの用量では親動物・児動物に甲状腺影響が明確であったが、親動物の生殖・性機能への影響、胎児・出生児の発生・生後発達への影響は認められていない。一方で、胎児、出生児では母体への低用量投与から、本物質又は塩素が次世代の甲状腺に対し有害影響を及ぼすことが示され、親動物の一般毒性用量で次世代への影響が認められたため、区分2とした。 【根拠データ】 (1)雌雄ラットに交配10週前から本物質のアンモニウム塩を飲水投与し、交配・妊娠及び授乳期間を通して投与した試験で、F1には0.3 mg/kg/dayから甲状腺の重量増加及び甲状腺組織の肥大及び過形成、高用量(30 mg/kg/day)では血清中甲状腺関連ホルモン(TSH, T3, T4)の変化がみられたが、親動物の生殖能及び児の発生・発達指標への影響はみられなかった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (2)母ラットに交配2週間前から本物質アンモニウム塩を飲水投与し、未処置の雄と交配させ、妊娠21日まで投与を継続した試験では、母動物に0.01 mg/kg/day以上で血清TSH、T4の減少、30 mg/kg/dayで甲状腺の重量増加及び組織変化(コロイドの減少、肥大、過形成)、血清T3の減少、胎児にも0.01及び1 mg/kg/dayで甲状腺関連所見(血清T3減少、TSH増加、コロイド減少)、30 mg/kg/dayで胎児数の減少及び骨化遅延がみられた(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (3)母ラットに交配2週間前から本物質アンモニウム塩を飲水投与し、未処置雄と交配し妊娠・分娩させ一部は妊娠21日の屠殺時まで、残りは授乳10日まで投与を継続した試験において、母動物の生殖影響、胎児の発生影響、児動物の生後発達への有害影響はみられず、上記試験と同様に母動物、胎児、出生児に甲状腺影響(重量増加、組織変化、関連ホルモン変動)が認められた(環境省リスク評価第9巻(2011))。 【参考データ等】 (4)母ラットに本物質アンモニウム塩を授乳10日まで飲水投与し、出生児について授乳期の自発運動量への影響、及び脳と全般的な行動発達への影響を調べたが、母親への30 mg/kg/dayまでの用量投与で児の明確な神経行動学的影響は検出されなかった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)のデータより、区分3(気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)本物質蒸気は眼、皮膚、気道に対して激しい腐食性を示し、蒸気やミストを吸入すると肺水腫を起こすことがある(環境省リスク評価第9巻(2011))。 【参考データ等】 (2)実験動物ではマウスへの単回経口投与によるLD50は400 mg/kg/dayで、症状は激しい不穏、呼吸困難、チアノーゼ、痙攣であったとの報告がある(GESTIS(Accessed Oct. 2018)) 。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 【分類根拠】 反復ばく露による甲状腺影響が(1)のヒトで限定的な知見として、また(2)の動物試験結果から区分1の用量範囲で明瞭に認められたことから、区分1(甲状腺)とした。 【根拠データ】 (1)ボランティアを対象とした試験としては、本物質のアンモニウム塩やK塩を投与して甲状腺のヨウ素摂取率の低下を認めた報告がある。一方、K塩を最大3 mg/day で6ヵ月間経口投与したが、甲状腺機能や甲状腺ヨウ素摂取率に影響はなかったとの報告もある。(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (2)実験動物ではラットに本物質のアンモニウム塩を0.01〜10 mg/kg/dayで90日間飲水投与した結果、0.01 mg/kg/day以上で血清T3及びT4の用量相関的な減少(雌雄)、0.1 mg/kg/day以上で血清TSHの増加(雄)がみられたが、甲状腺への有害影響としては区分1の範囲の10 mg/kg/day(本物質換算:8.6 mg/kg/day)で絶対・相対重量の増加(雌雄)、小型濾胞形成やコロイドの減少を伴った濾胞細胞の過形成(雌雄:7/10〜9/10)が認められた(環境省リスク評価第9巻(2011))。 【参考データ等】 (3)本物質のK塩を1,000〜20,000 ppmの濃度で6週間〜12ヵ月間飲水投与した3つの試験報告やマウスの飲水投与試験報告があるが、いずれも甲状腺影響のみを検出した試験報告である(環境省リスク評価第9巻(2011))。 (4)カリフォルニア州で飲料水中の本物質濃度と新生児の先天性甲状腺機能低下症、甲状腺刺激ホルモン(TSH)高値との発症率を調べたが、出生状況を適切にマッチングさせた対照群との間に差異はみられなかった(環境省リスク評価第9巻(2011))。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | データなし。 | ||
水生環境有害性(長期間) | データなし。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 該当しない | |||
国連品名 | 該当しない | |||
国連危険有害性クラス | 該当しない | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | 該当しない | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、火薬類取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
消防法 | 第6類、酸化性液体、過塩素酸 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |