1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | ペンタクロロエタン (Pentachloroethane) | ||
製品コード | H25-B-010(20A2005) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 溶剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | ||||
健康に対する有害性 | 特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分3(麻酔作用) | ||
分類実施日 | H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 警告 | |||
危険有害性情報 | 眠気又はめまいのおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 | |||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ペンタクロロエタン | ||
別名 | 2,2‐ジクロロ‐1,1,1‐トリクロロエタン (2,2-Dichloro-1,1,1-trichloroethane) 、エタンペンタクロリド (Ethanepentachloride)、ペンタリン (Pentalin) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C2HCl5(202.294) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 76-01-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-57 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 既存 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 水と石鹸で洗うこと。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:錯乱、咳、めまい、頭痛、吐き気、咽頭痛、嘔吐。(急性症状) 皮膚:皮膚の乾燥。(急性症状) 皮膚の脱脂(長期または反復ばく露の影響) 眼:発赤、痛み。(急性症状) 経口摂取:腹痛、下痢。(急性症状) 最も重要な兆候及び症状:情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水 | ||
特有の危険有害性 | 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 関係者以外の立入りを禁止する。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 回収・中和:不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 封じ込め及び浄化方法・機材:排水溝、下水溝、地下室、あるいは閉鎖場所への流入を防ぐこと。 危険でなければ漏れを止める。 二次災害の防止策:すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 局所排気・全体換気:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 飲み込みを避けること。 皮膚との接触を避けること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 環境への放出を避けること。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 技術的対策:特別に技術的対策は必要としない。 保管条件:施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。 容器を密閉して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2013年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2013年版) | 未設定 | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | クロロホルムに似た臭気 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -28.78℃:HSDB(2013) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 162℃:HSDB(2013) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 不燃性:ICSC(2002) | ||
蒸気圧 | 3.50 mm Hg at 25℃:HSDB(2013) | ||
蒸気密度 | 7.0 (空気= 1):HSDB(2013) | ||
比重(相対密度) | 1.6796 at 20 ℃/4 ℃:HSDB(2013) | ||
溶解度 | 水:4.90X10+2 mg/L (25 ℃):HSDB(2013) 有機:エタノール、エーテルに溶ける:HSDB(2013) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 3.22:HSDB(2013) | ||
自然発火温度 | 不燃性:ICSC(2002) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 2.49X10-3 Pa-sec at 20 ℃:HSDB(2013) |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
危険有害反応可能性 | 水分や空気が除外されていると100℃以上でも安定である。 <Ullumanns(E) (2003) > この物質の蒸気は空気より重い。 加熱すると分解し、有毒で腐食性のヒューム(塩化水素、ホスゲンなど)を生じる。 強塩基、金属粉末、ナトリウム-カリウム合金と激しく反応し、爆発や中毒の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | ミストの発生 | ||
混触危険物質 | 強塩基、金属粉末、ナトリウム-カリウム合金 | ||
危険有害な分解生成物 | 有毒で腐食性のヒューム(塩化水素、ホスゲンなど) |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた単回投与試験の1,000 mg/kgで死亡はなく、また、14日間反復投与試験の1,000 mg/kg で初回投与後24時間以内に雌雄共5匹中3匹死亡の報告がある (NTP TR232 (1983))。 | ||
経皮 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | データ不足のため分類できない。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | データ不足のため分類できない。 | ||
呼吸器感作性 | 呼吸器感作性: データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 皮膚感作性: データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoではマウス骨髄細胞の染色体異常試験、小核試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性の結果がある (NTP TR232 (1983))。一方、in vitroでは、細菌を用いる復帰突然変異試験で陰性 (IARC 71 (1999)、NTP TR232 (1983))、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験で陰性 (IARC 71 (1999)、NTP TR232 (1983)) 及び陽性 (IARC 71 (1999))、マウスリンフォーマ試験で陽性 (IARC 71 (1999)、NTP TR232 (1983)) の報告がある。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 | ||
発がん性 | IARCでグループ3に分類されている (IARC 71 (1999)) ので分類できないとした。なお、ラット及びマウスを用いた2年間経口投与による発がん性試験の結果、ラットでは腫瘍発生頻度の増加はみられなかったが、マウスで肝細胞癌の発生頻度の有意な増加が報告されている (NTP TR232 (1983))。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 | ||
生殖毒性 | データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトでペンタクロロエタンは蒸気ばく露により軽度の麻酔作用をもたらし (NTP TR232 (1983))、また、起こり得る症状として嗜眠状態、目眩、意識消失などが記述されている (PATTY (6th, 2012)) ことから区分3 (麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ラット及びマウスを用い13週間 (ラット: 5-250 mg/kg/day、マウス: 5-500 mg/kg/day) あるいは2年間 (ラット: 75-150 mg/kg/day、マウス: 250-500 mg/kg/day) 反復経口投与した試験 (非腫瘍性変化としては2年間反復経口投与した試験 (NTP TR232 (1983)) において、雄ラットで腎臓の慢性びまん性腎炎の発生頻度の有意かつ用量依存的な増加が「区分2」のガイダンス値の範囲内でみられたが、他には重大な所見は記述されていない。別の試験では、この腎臓の病変も、ペンタクロロエタン投与によりα2u-グロブリン硝子滴の増加が認められたラットの雄のみで報告されている (IARC 71 (1999))。これらの結果から、雄ラットに特有の現象でヒトには当てはまらないと考えられ、結局のところ重大な反復投与毒性はみられなかった。しかし、対象とした試験が発がん性試験、あるいはその用量設定のための予備試験であることから、反復投与毒性の評価のための試験としては適切、かつ十分でないことから「区分外」とは言い難く「分類できない」とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC=0.39mg/L(AQUIRE,2008)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1669 | |||
国連品名 | Pentachloroethane | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | ||||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規制に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規制に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 151 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
海洋汚染防止法 | 個品運送P 有害液体物質 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
港則法 | 毒物類・毒物 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |