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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
1,1−ジクロロエチレン
作成日 2017年03月17日
改訂日 2021年03月12日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称1,1−ジクロロエチレン
化学品の英語名称Ethene, 1,1-dichloro-
製品コードR05-C-008-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限包装フィルム,紙やプラスチックフィルム類のコーティング剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版 (Ver2.1))を使用  ※一部、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
物理化学的危険性引火性液体区分1
自己反応性化学品タイプG
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(吸入:蒸気)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
生殖細胞変異原性区分2
発がん性区分1B
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1 (呼吸器、肝臓、腎臓)、区分3 (麻酔作用)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1 (血液、呼吸器、肝臓、腎臓、生殖器(男性))
分類実施日
(環境有害性)
R3.3.31、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分2
水生環境有害性 長期(慢性)区分3
GHSラベル要素
絵表示炎感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報極めて引火性の高い液体及び蒸気
飲み込んだ場合や吸入した場合は有害
強い眼刺激
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
呼吸器、肝臓、腎臓の障害
眠気またはめまいのおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による血液、呼吸器、肝臓、腎臓、生殖器(男性)の障害
水生生物に毒性
長期継続的影響によって水生生物に有害
注意書き
 安全対策熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
 保管換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名1,1−ジクロロエチレン
慣用名又は別名ビニリデンクロライド
ビリニデンクロライド
二塩化ビニリデン
塩化ビニリデン
塩化ビニリデン(モノマ−)
英語名Ethene, 1,1-dichloro-
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C2H2Cl2 (97)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号75-35-4
官報公示整理番号(化審法)2-103
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は、口鼻蘇生法を行う。それが不可能な場合は、口対口蘇生法を行う。心停止(反応がなく呼吸が正常でない)の場合は、直ちに胸骨圧迫を行う。AED(自動体外式除細動器)があれば使用する。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水で少なくとも10〜20分間洗浄する。
以上、GESTIS参照。
眼に入った場合多量の流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS、ICSC参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。嘔吐させないこと。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS、ICSC参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、めまい、嗜眠、意識喪失、上気道の刺激、重度の肺損傷のリスク 。
皮膚:弱い刺激。
眼:充血、灼熱感、流涙、液体と接触すると角膜の濁りが生じる可能性。
経口摂取:粘膜の灼熱感、胃腸障害 (吐き気、げっぷ、気分が悪い)。
吸収:高用量へのばく露は、麻薬作用(頭痛、吐き気、めまい、振戦、意識を失うまでの眠気などの症状を含む)および心血管反応(アドレナリンに対する心臓の感作による不整脈)のリスク。 低用量のばく露でも、肝臓や腎臓に顕著な機能障害や損傷が生じる可能性。
以上、GESTIS、ICSC参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素、泡消火薬剤。
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤棒状注水
以上、GESTIS参照。
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(塩化水素、ホスゲン、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。バックファイヤーに注意する。防爆機器を使用する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。圧縮空気で輸送してはならない。不活性ガスでパージできる設備を設ける。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。
環境への放出を避けること。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストを吸入しないこと。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。休憩前に着替えが必要になる場合がある。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管すること。推奨保管温度: 2 〜 8℃。光、空気/酸素および熱を避けること。
以上、GESTIS参照。
安全な容器包装材料国連輸送法規、消防法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度
濃度基準値
八時間濃度基準値5 mg/m3
短時間濃度基準値
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)
ACGIH(2023年版)TLV-TWA: 5 ppm(A4)
設備対策作業場所には換気設備を設置する。蒸気/空気の混合物は空気より重いので床面での十分な換気も必要である。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付ける。。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。床に排水溝を設けないこと。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
−防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
−濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
−作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
手の保護具必要に応じて保護手袋を着用する。フッ素ゴムが適している。天然ゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、PVC、PE/EVAL/PE(多層)は適さない。
以上、GESTIS参照。
眼の保護具必要に応じてサイドガード付きの保護眼鏡を着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて適切な保護衣または化学防護服を着用する。耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体
無色
臭い特徴的な臭気
融点/凝固点-122 ℃(GESTIS(2023), ICSC(2021))
沸点、初留点及び沸騰範囲32 ℃(GESTIS(2023), ICSC(2021))
可燃性引火性がきわめて高い。(ICSC(2021))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点-25 ℃(密閉式)(GESTIS(2023), ICSC(2021))
自然発火点530 ℃ (GESTIS(2023), ICSC(2021))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 3.4 g/l(25℃)(GESTIS(2023))
水: 0.25 g/100 ml(25℃)(非常に溶けにくい)(ICSC(2021))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 2.13(GESTIS(2023))
log Pow: 2.41(ICSC(2021))
蒸気圧660 hPa(20℃)(GESTIS(2023))
66.5 kPa(20℃)(ICSC(2021))
密度及び/又は相対密度1.25 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023))
1.2 (ICSC(2021))
相対ガス密度3.35 (GESTIS(2023))
3.3 (ICSC(2021))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性爆発性過酸化物を生成しやすい。 加熱または酸素、日光、銅、アルミニウムの影響下で、 容易に重合する。 火災または爆発の危険を生 じる。 加熱すると 炎と接触すると爆発することがある。 燃焼すると、分解する。 塩化水素 ホスゲン有毒で腐食性のフュームを生じる。 酸化剤と 激しく反応する。
危険有害反応可能性蒸気は空気より重く、地面に沿って移動して、遠距離発火の可能性がある。 蒸気は抑制されておらず、重合して排気孔を塞ぐことがある。
避けるべき条件火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。
混触危険物質銅、アルミニウム
危険有害な分解生成物塩化水素 ホスゲン 有毒で皮膚への腐食性のフューム

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分4とした。なお、新たに情報を収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ラット(雌)のLD50:1,500 mg/kg(ATSDR (2022) 、食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、CICAD 51 (2003)、EPA Tox. Review (2012))
(2)ラットのLD50:1,510 mg/kg(ATSDR (2022)、CLH Report (2022))
(3)ラット(雄)のLD50:1,550 mg/kg(食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、CICAD 51 (2003)、EPA Tox. Review (2012))
(4)ラット(雄)のLD50:1,800 mg/kg(ATSDR (2022) 、食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、CICAD 51 (2003)、EPA Tox. Review (2012))

【参考データ等】
(5)マウス(雄)のLD50:217 mg/kg(ATSDR (2022) 、CLH Report (2022)、食安委 清涼飲料水評価書 (2007) 、NITE 初期リスク評価書 (2007)、CICAD 51 (2003) 、EPA Tox. Review (2002))
(6)マウス(雌)のLD50:194 mg/kg(ATSDR (2022) 、CLH Report (2022)、食安委 清涼飲料水評価書 (2007) 、NITE 初期リスク評価書 (2007)、CICAD 51 (2003) 、EPA Tox. Review (2002))
(7)マウス(雄)のLD50:100~500 mg/kgの間(CLH Report (2022)、NTP TR228 (1982))
(8)マウス(雌)のLD50:365 mg/kg(CLH Report (2022)、NTP TR228 (1982))
(9)マウスはラットより本物質の急性毒性に対し感受性が高いとの報告がある(CICAD 51 (2003)、NITE 初期リスク評価書 (2007)、食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、AICIS IMAP (2016))。
(10)EUでは、マウスのデータが用いられ区分3に分類されている(CLH Report (2022))。
経皮【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
(1)〜(5)より、総合的に判断し区分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(591,149 ppm)より低いため、蒸気と判断し、ppmVを単位とする基準値より判断した。なお、新たに情報を収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)のLC50(4時間、絶食):1.63 mg/L (408 ppm)(CLH Report (2022)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(2)ラット(雌)のLC50(4時間、絶食):26 mg/L (6,500 ppm)(CLH Report (2022)、AICIS IMAP (2015)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(3)ラット(雄)のLC50(4時間、給餌):28.35 mg/L (7,088 ppm)(CLH Report (2022)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(4)ラット(雌)のLC50(4時間、給餌):40.78 mg/L (10,195 ppm)(CLH Report (2022)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(5)ラット(雄)のLC50(4時間、給餌):25.4 mg/L (6,350 ppm)(CLH Report (2022)、CICAD 51 (2003)、EPA Tox Review (2002)、DFG MAK (1997)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))

【参考データ等】
(6)マウス(雄)のLC50(4時間、絶食):0.2 mg/L (50 ppm)(CLH Report (2022)、ATSDR (2022)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR582 (2015)、EPA Tox Review (2002)、 REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(7)マウス(雌)のLC50(4時間、絶食):0.5 mg/L (125 ppm)(CLH Report (2022)、ATSDR (2022)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR582 (2015)、EPA Tox Review (2002)、 REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(8)マウス(雄)のLC50(4時間、給餌):0.46 mg/L (115 ppm)(CLH Report (2022)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(9)マウス(雌)のLC50(4時間、給餌):0.82 mg/L (205 ppm)(CLH Report (2022)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))
(10)EUでは、区分1に分類されている(CLH Report (2022))。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(4) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒト及び動物に適用すると皮膚刺激性を生じるが、その刺激はすぐに消失する。この刺激性は製品に含まれるp-ヒドロキシアニソールの影響の可能性がある (ATSDR (2019)、NITE 初期リスク評価書 (2007)、NTP TR582 (2015)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 100 (1990)、GESTIS (Accessed May 2020)、HSDB in PubChem (May 2020))。
(2) 人工皮膚モデル (EST-1000) を用いたin vitro皮膚腐食性試験において3分、60分ばく露後、生存率はそれぞれ79%、53%であり、腐食性は否定された (AICIS IMAP (2016))。
(3) 本物質はEU Method B.40に準拠したin vitro皮膚腐食性試験 (経皮電気抵抗試験、TER) で腐食性は否定された (REACH登録情報 (Accessed June 2020))。
(4) 人工皮膚モデル (EpiSkin) を用いたin vitro皮膚刺激性試験において、15分ばく露後の細胞生存率は96.6%であり、刺激性物質ではないと判定されている (AICIS IMAP (2016))。

【参考データ等】
(5) 本物質は眼、皮膚、気道を刺激する (MOE 初期評価第14巻 (2016)、CICAD 51 (2003)、GESTIS (Accessed May 2020))。
(6) 本物質は眼及び皮膚に対して中等度の刺激性を有する (MAK (DFG) vol.8 (1997))。
(7) 本物質は腐食性物質ではないが、皮膚刺激性は有する (AICIS IMAP (2016))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。新しいデータ (1)、(2) が得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質は眼、皮膚、気道を刺激する (MOE 初期評価第14巻 (2016)、CICAD 51 (2003)、GESTIS (Accessed May 2020)。
(2) 本物質は眼及び皮膚に対して中等度の刺激性を有する (MAK (DFG) vol.8 (1997))。

【参考データ等】
(3) OECD TG 437に準拠し、ウシ角膜を用いたin vitro眼損傷性試験 (BCOP) において、平均刺激性スコア (IVIS) は43.9であり、中等度の眼刺激性物質と判定された (AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed June 2020))。
(4) 本物質はヒト及び動物に適用すると眼刺激性を生じるが、その刺激はすぐに消失する。この刺激性は製品に含まれるp-ヒドロキシアニソールの影響の可能性がある (ATSDR (2019)、NITE 初期リスク評価書 (2007)、NTP TR582 (2015)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 100 (1990)、GESTIS (Accessed May 2020)、HSDB in PubChem (May 2020))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において、陰性と判定された (AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed June 2020))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)より、in vivo変異原性試験結果は陰性であるが、(2)、(3)より、複数の指標のin vitro変異原性試験の陽性結果に裏付けられたin vivo遺伝毒性試験(コメットアッセイ)の陽性結果に基づき、区分2とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、3つの小核試験(マウスの骨髄細胞を用いた経口投与、マウスの末梢血赤血球を用いた吸入ばく露、妊娠マウスを介した胎児の肝臓及び血液を用いた経胎盤ばく露による3試験)、雄マウス及び雄ラットを用いた吸入ばく露による2つの優性致死試験、ラットの末梢血赤血球を用いた吸入ばく露による染色体異常試験の結果はいずれも陰性であった(CLH Report (2022)、IARC 119 (2019)、ATSDR (2022))。
(2)ラットの肺、肝臓、腎臓、骨髄を標的とした吸入ばく露(25〜6,350 ppm、3日間、4時間/日)によるコメットアッセイでは、肺、肝臓及び腎臓でDNA損傷の有意な増加が認められたのに対し、骨髄細胞ではDNA損傷は認められなかったと報告がある(CLH Report (2022))。この他、マウス及びラットの肝臓及び腎臓を用いた吸入ばく露によるDNA損傷試験では、マウスの腎臓で弱陽性の結果であった(CLH Report (2022)、ATSDR (2022))。
(3)In vitroでは、複数の細菌復帰突然変異試験で、代謝活性化系の添加試験系で陽性、L5178Y細胞を用いたマウスリンフォーマ試験及びチャイニーズハムスター肺由来線維芽(CHL)細胞を用いた染色体異常試験でも代謝活性化系を添加した試験系で陽性の結果が得られている(CLH Report (2022)、IARC 119 (2019)、ATSDR (2022))。
発がん性【分類根拠】
(1)〜(5)より、実験動物2種の吸入及び経口経路試験において、複数の部位に悪性腫瘍を含む腫瘍の発生増加が認められていることから区分1Bとした。なお、用いる知見を精査し、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた105週間吸入ばく露(蒸気:25〜100 ppm、6時間/日、5日/週)による発がん性試験において、雄では悪性中皮腫の有意な正の傾向及び低用量から全ばく露群で発生頻度の有意増加、鼻腔呼吸上皮腺腫の有意な正の傾向が認められた。雌では甲状腺C細胞腺腫及びC細胞の腺腫とがん(組合せ)の有意な正の傾向、甲状腺C細胞の腺腫(高用量群)、C細胞がん(低用量)、C細胞の腺腫とがん(組合せ)(低及び高用量)の発生頻度の有意な増加、単核細胞白血病の有意な正の傾向と高用量群での有意な発生頻度増加が認められた(IARC 119 (2019)、CLH Report (2022)、NTP TR582 (2015))。
(2)マウスを用いた105週間吸入ばく露(蒸気:6.25〜25 ppm、6時間/日、5日/週)による発がん性試験において、雄では腎尿細管腺腫、尿細管がん、及び尿細管の腺腫とがん(組合せ)に有意な正の傾向と全ばく露群における有意な発生頻度の増加が認められた。雌では肝細胞腺腫、肝細胞がん及び同腺腫とがん(組合せ)に有意な正の傾向と高用量群(腺腫とがんの組合せは中用量以上の群)での有意な発生頻度の増加が認められた。雌ではさらに、肝臓の血管肉腫、血管系の血管肉腫、血管腫と血管肉腫(組合せ)、肺の細気管支-肺胞がんに有意な正の傾向がみられ、肝臓の血管肉腫及び血管腫と血管肉腫(組合せ)では高用量群で、肺の細気管支-肺胞がんでは中用量群のみで各々の発生頻度に有意な増加が認められた(IARC 119 (2019)、CLH Report (2022)、NTP TR582 (2015))。
(3)ラットを用いた104週間強制経口投与(1、5 mg/kg/day、5日/週)による発がん性試験において、雄では副腎の褐色細胞腫(高用量群で発生頻度増加)、膵島細胞の腺腫とがん(組合せ)、皮膚の皮下線維腫に有意な正の傾向がみられた。雌では下垂体腺腫に有意な正の傾向と高用量群での発生頻度に有意な増加が認められた(IARC 119 (2019)、CLH Report (2022)、NTP TR228 (1982))。
(4)マウスを用いた104週間強制経口投与(2、10 mg/kg/day、5日/週)による発がん性試験において、雄では有意な正の傾向、又は発生頻度に有意な増加を示す腫瘍は認められなかった。雌では低用量群で悪性リンパ腫、リンパ腫又は白血病の発生頻度に有意な増加がみられた(IARC 119 (2019)、CLH Report (2022)、NTP TR228 (1982))。
(5)上記の他、マウスを用いた52週間吸入ばく露(121週で屠殺)による発がん性試験で、肺腺腫、腎臓(雄)、乳腺(雌)、ラットを用いた18ヵ月間吸入ばく露による発がん性試験で乳腺の腺がんが認められたなど多くの報告がある(IARC 119 (2019)、CLH Report (2022))。

【参考データ等】
(6)国内外の評価機関による既存分類結果では、IARCでグループ2B(IARC 119 (2019))、EPAでS(吸入経路)又はI(経口経路)(IRIS (2002))、ACGIHでA4(ACGIH (2001))、日本産業衛生学会で2B(産衛学会許容濃度の勧告等 (2022))、DFGでカテゴリー3(List of MAK and BAT values (2022))に分類されている。一方、EUではCarc. 1Bに分類される予定である(EU CLP CLH (2022))。なお、少なくともEPAとACGIHの分類はNTP (2015) の吸入発がん性試験結果を含めない古い分類評価である。
(7)IARCの専門家の中には、本物質と既知ヒト発がん物質の塩化ビニル(CAS登録番号:9002-86-2)とは化学構造、代謝、発がんの組織などに類似点がみられることから、グループ2Aへの分類が妥当とする少数意見もあった(IARC 119 (2019))。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 雌ラットの妊娠6〜15日に吸入ばく露 (7時間/日) した発生毒性試験において、母動物毒性 (記載なし) がみられる用量で、胎児に波状肋骨、頭蓋骨骨化遅延がみられている (NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(2) 雌ウサギの妊娠6〜19日に吸入ばく露 (7時間/日) した発生毒性試験において、母動物毒性 (記載なし) がみられる用量で、吸収胎児、骨格変異増加がみられている (NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(3) 雌マウスの妊娠6〜16日に吸入ばく露 (22〜23時間/日) した発生毒性試験において、母動物毒性がみられない用量で胎児に骨化遅延がみられている (NITE 初期リスク評価書 (2007)、CICAD 51 (2003))。

【参考データ等】
(4) 雌ラットの妊娠6〜19日に吸入ばく露 (22〜23時間/日) した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、死亡 (2/18例)) がみられる用量で胎児に側脳室性水頭症、胸骨分節の骨化遅延がみられている (NITE 初期リスク評価書 (2007)、CICAD 51 (2003))。CICAD 51 (2003) は、この試験は厳しい母体毒性のため、発生毒性の評価には有用ではないとしている。
(5) ラットを用いた飲水投与による3世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (肝臓のごく軽度の肝細胞脂肪変性等) 用量においても、生殖毒性はみられていない (食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、CICAD 51 (2003)、NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(6) 雌ラットの妊娠6〜15日に飲水投与した発生毒性試験において、母動物毒性、胎児に対する影響は認められていない (食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、CICAD 51 (2003)、NITE 初期リスク評価書 (2007))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(2)〜(4) より、区分1 (呼吸器、肝臓、腎臓)、(1) より区分3(麻酔作用) とした。なお、旧分類で特定標的臓器として神経系が含まれていたが、根拠と考えられる (6) については本物質そのものの毒性影響ではないことから根拠から除外し、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ヒトでは本物質の急性吸入ばく露により、中枢神経系の抑制ないし興奮症状を示し、重篤な場合は意識不明になることが報告されている (NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(2) ラットを用いた複数の単回強制経口投与試験が実施されており、肝臓に対する影響として25 mg/kg (区分1の範囲) 以上で毛細胆管の障害、50 mg/kg (区分1の範囲) 以上でAST及びALTの増加、200 mg/kg (区分1の範囲) 以上で尿素窒素 (BUN) の増加がみられている。腎臓に対する影響として、400 mg/kg (区分2の範囲) でクレアチニンの増加と組織変化 (尿細管上皮の空胞化・色素沈着・壊死、尿細管拡張) がみられている (NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(3) マウスを用いた複数の単回強制経口投与試験では、腎臓に対する影響として200 mg/kg (区分1の範囲) で投与後8 時間以内に近位尿細管の障害が約半数の動物で認められ、呼吸器に対する影響として200 mg/kg (区分1の範囲) で肺水腫と出血、及び24 時間以内にクララ細胞の壊死と剥離が認められた (NITE 初期リスク評価書 (2007))。
(4) ラットを用いた単回吸入毒性試験 (4時間ばく露) において、200〜250 ppm (800〜1,000 mg/m3) (区分1の範囲) で血清ソルビトールデヒドロゲナーゼとオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ活性の増加、及び肝細胞の小葉中心性壊死が認められている (NITE 初期リスク評価書 (2007))。

【参考データ等】
(5) 経口投与、吸入ばく露後の急性毒性の標的臓器は、肝臓、腎臓、肺のクララ細胞である。肝臓における作用には、血清中の肝臓酵素値の上昇、毛細胆管破裂、細胞質空胞変性、出血性壊死などの重度の病理組織学的損傷、本物質の共有結合の増加、ならびにGSHの減少などがあることが報告されている (CICAD 51 (2003)、食安委 清涼飲料水評価書 (2007))。
(6) 本物質共重合体の水分散液輸送に使用していたタンクを清掃中に持続性の脳神経障害を発症した2症例では、三叉神経への影響が最も強く現れ、後頭耳介神経や頸部皮神経、咀嚼筋、眼筋、舌下神経にも影響がみられた。なお、清掃時に用いた石鹸と本物質が反応して生成したジクロロアセチレンが原因物質として考えられている (MOE 初期評価第14巻 (2016))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)〜(4) より、区分1 (血液、呼吸器、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトについては、6年以下のばく露期間で作業していた重合工場作業者27/46人 (59%) に肝機能障害が認められたとの報告がある (NITE 初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (1994))。
(2) ラットを用いた飲水投与による2年間反復投与毒性試験において、50 ppm (雄:7 mg/kg/day、雌:9 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌、200 ppm (雄: 20 mg/kg/day、雌: 30 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で小葉中心性肝細胞脂肪変性、肝細胞腫脹がみられている (食安委 清涼飲料水評価書 (2007)、NITE 初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (1994))。
(3) ラットを用いた14週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において6.25〜50 ppm (ガイダンス値換算: 0.017〜0.132 mg/L、区分1の範囲) で呼吸器への影響 (嗅上皮の萎縮・鉱質沈着・壊死、鼻甲介の萎縮等)、肝臓への影響 (小葉中心性細胞質変性、細胞質空胞化等)、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.26 mg/L、区分2の範囲) で上記に加えさらに精巣への影響 (精子の運動性低下、精子数減少) がみられている (NTP TR582 (2015))。
(4) マウスを用いた14週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、25〜50 ppm (ガイダンス値換算: 0.017〜0.132 mg/L、区分1の範囲) で血液への影響 (赤血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値の減少)、呼吸器への影響 (喉頭の呼吸上皮の扁平上皮化生)、精巣への影響 (精巣上体尾部精子数減少)、腎臓への影響 (腎症、尿細管壊死・タンパク円柱)、100 ppm (ガイダンス値換算: 0.26 mg/L、区分2の範囲) で上記に加えさらに肝臓への影響 (肝臓の壊死・小葉中心性肝細胞肥大) がみられている (NTP TR582 (2015))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)より、動粘性率は20℃で0.27 mm2/secと算出され、40℃の動粘性率が14 mm2/s以下であるが、その他の情報は得られなかった。

【参考データ】
(1)動粘性率が20℃で0.27 mm2/s(20℃での粘性率0.33 mPa・s(HSDB in PubChem (Accessed April 2020)) と密度(比重)1.21 g/cm3 (HSDB in PubChem (Accessed April 2020)) から算出)である。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)藻類(クラミドモナス)72時間EbC50 = 9.12 mg/L(MOE初期評価第14巻, 2016、CICAD 51, 2003)であることから、区分2とした。なお、分類に用いた藻類のデータはバイオマス法によるものであるが、甲殻類、魚類のいずれのデータよりも小さい値が報告されており、より厳しい区分となることから、本データを採用して分類を行った。
水生環境有害性 長期(慢性)慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(OECD TG301D における4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 1991))、藻類(セネデスムス)の96時間EC10 = 240 mg/L(CICAD 51, 2003)から、区分に該当しない。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(Closed bottle法でのBODによる4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 1991))、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 11.6 mg/L(CICAD 51, 2003)から、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報特別管理産業廃棄物に該当する。
特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1303
品名(国連輸送名)塩化ビニリデン(安定剤入りのもの)
国連分類3
副次危険-
容器等級T
海洋汚染物質該当
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質利用可能な情報なし
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*130P
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
作業場内表示義務(法第101条の4)
がん原性物質(労働安全衛生規則第577条の2第3項)(作業記録等の30年保存対象物質)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
毒物及び劇物取締法-
消防法第4類 引火性液体 特殊引火物(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、施行令第2条)
土壌汚染対策法第1種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)
下水道法水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【1,1−ジクロロエチレン】
海洋汚染防止法有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)【塩化ビニリデン】
廃棄物の処理及び清掃に関する法律特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)【1,1−ジクロロエチレン】
船舶安全法引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・引火性液体類(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について「急性毒性(経口)(区分の変更なし)、急性毒性(吸入)(区分の変更なし)、生殖細胞変異原性(区分に該当しない→区分2)、発がん性(区分2→区分1B)」のみ見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。