1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | トリブロモメタン (Tribromomethane) | ||
製品コード | H29-B-065 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 難燃剤、ゲージ液、地質分析、重液選鉱、試薬 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
発がん性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (肝臓) 区分2 (中枢神経系) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 皮膚刺激 眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 中枢神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系の障害のおそれ 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | トリブロモメタン | ||
別名 | ブロモホルム 三臭化メタン | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | CHBr3 (252.73) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 75-25-2 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-40 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。吐かせない。気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、その他(「経口摂取」参照) 皮膚:発赤(「経口摂取」参照) 眼:催涙性、痛み 経口摂取:頭痛、めまい、嗜眠 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 粉末消火剤、二酸化炭素、散水、一般の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(自給式呼吸器付完全保護衣等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 換気する。 漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器にできる限り集める。 残留液を砂又は不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。 この物質を環境中に放出してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 あらゆる接触を避ける。 飛散しないようにする。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 強塩基、酸化剤、金属類及び食品や飼料から離しておく。 暗所に保管する。 床面に沿って換気する。 安定化した状態でのみ貯蔵する。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 1 ppm、10.3 mg/m3 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 0.5 ppm、5.2 mg/m3 | ||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 換気、局所排気又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全眼鏡又は眼用保護具を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色から黄色の液体[注:47°F以下で固体] (HSDB (2017)) | ||
臭い | クロロホルムに類似 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 水中:検出:0.3 mg/kg 空気中:4.80×108 分子/cm3 (HSDB (2017)) | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | 8.69℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 149.1℃ (HSDB (2017)) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 該当しない | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 5.4 mmHg (25℃) [換算値 719 Pa (25℃)] (HSDB (2017)) | ||
蒸気密度 | 8.7 (空気= 1) (HSDB (2017)) | ||
比重(相対密度) | 2.9 (ICSC (J) (2009)) | ||
溶解度 | 水:3,100 mg/L (25℃) (HSDB (2017)) エタノール、エーテルと混和、ベンゼン、リグロイン、クロロホルムに可溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 2.40 (HSDB (2017)) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 0.74 mm2/s (15℃) (ICSC (J) (2009)) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると分解し、臭化水素を含む有毒で腐食性のヒュームを生じる。酸化剤や塩基と激しく反応する。粉末金属と反応し火災や爆発の危険をもたらす。ある種のプラスチック、ゴム、被覆剤を侵す。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、塩基、粉末金属 | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱すると分解し、臭化水素を含む有毒で腐食性のヒュームを生じる。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、933 mg/kg (雌雄) (DFGOT vol. 7 (1996)、ATSDR (2005)、NITE有害性評価書 (2008))、1,147 mg/kg (雌)、1,388 mg/kg (雄) (DFGOT vol. 7 (1996)、ATSDR (2005))、2,040 mg/kg (雄)、2,440 mg/kg (雌) (NITE有害性評価書 (2008)) との5件の報告があり、3件が区分4、2件が区分外 (国連分類基準の区分5) に該当する。件数の多い区分を採用し、区分4とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトに対して皮膚への刺激がみられるとの記述 (NITE初期リスク評価書 (2007)) 、及びウサギを用いた皮膚刺激性試験において中等度の刺激性を示すとの記述 (PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2B ウサギを用いた眼刺激性試験で、中等度の眼刺激性を示したが1〜2日で回復したとの記述 (PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2007)) から、区分2Bとした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果、ラットの肝臓、腎臓を用いたDNA損傷試験で陰性、ラットの肝臓を用いた不定期DNA合成試験で陰性である (NITE有害性評価書 (2008)、IARC 71 (1999)、ACGIH (7th, 2015)、ATSDR (2005)、DFGOT vol. 7 (1996))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (NITE有害性評価書 (2008)、IARC 71 (1999)、ACGIH (7th, 2015)、ATSDR (2005)、DFGOT vol. 7 (1996)、PATTY (6th, 2012)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1997))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 ラット及びマウスに2年間強制経口投与した発がん性試験において、マウスには腫瘍発生頻度の増加はみられなかったが、ラットでは大腸 (結腸・直腸) に腺腫様ポリープ又は腺がんが投与群の雄で3/50例 (6%) に、雌で9/50例 (18%) に認められた (大腸腫瘍の背景頻度は0.2%以下)。NTPは本物質投与による発がん性は雄ラットである程度の証拠、雌ラットで明らかな証拠があると結論した (NTP TR350 (1989))。既存分類としてはIARCが実験動物での発がん性の証拠は限定的としてグループ3に分類した (IARC 71 (1991)) のに対し、EPAは実験動物では発がん性の十分な証拠があるとして、B2 (Probably human carcinogen) に分類した (IRIS (1993)) 。また、ACGIHはラットの投与群における大腸の腺腫様ポリープ及び腺がん発生頻度の有意な増加を根拠にA3に分類している (ACGIH (7th, 2015))。 以上、実験動物1種での陽性結果であること、及び最新のACGIHの分類結果に基づき、本項は区分2が妥当と判断した。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 マウスを用いた強制経口投与による連続交配試験において、F1世代では一般毒性影響 (体重増加抑制 (雄)、腎臓重量減少及び肝臓重量増加 (雌雄)) がみられた 200 mg/kg/day で、生殖能への影響はなかったものの、F1児動物に生存率低下がみられた (DFGOT vol. 7 (1993)、PATTY (6th, 2012)、IRIS (1993)、NITE初期リスク評価書 (2007))。また、妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に強制経口投与した2つの発生毒性試験のうち、1つは200 mg/kg/day までの用量で母動物毒性はなく、胎児にも軽微な影響 (骨格変異) がみられただけであった (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻:暫定的有害性評価シート (2004)、DFGOT vol. 7 (1996)、ATSDR (2005)) が、他の1試験では母動物への200 mg/kg/day 投与で全同腹児吸収 (Full-litter resorption) がみられた (食品安全委員会清涼飲料評価書 (2009)、NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告がある。 以上、マウスの連続交配試験において親動物への一般毒性用量で児動物に生存率低下がみられたこと、及び妊娠ラットを用いた発生毒性試験において母動物毒性が不明な状況で全同腹児吸収がみられたことから、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) ヒトでは本物質の吸入ばく露により、気道、咽頭、喉頭の刺激及び流涙、流涎を生じるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、誤飲により昏睡と反射消失を伴う中枢神経系抑制がみられ、低用量では倦怠感、頭痛、めまいが認められたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、NITE有害性評価書 (2008))。実験動物ではラットの単回経口投与試験で、立毛、鎮静、筋弛緩、運動失調、虚脱がみられ、剖検では肝臓にうっ血と肥大、腎臓にうっ血、肥大、限局性間質性腎炎及び線維症が認められたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2008))。また、マウスの単回経口投与試験で、致死量の投与直後に中枢神経系の抑制 (運動失調、鎮静、麻痺) がみられ、剖検では肝臓の脂肪浸潤、腎臓の退色、脳、肺、副腎の出血が認められたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2008))。以上の情報を総合して、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (肝臓) 、区分2 (中枢神経系) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた13週間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である12 mg/kg/day (90日換算: 8.7 mg/kg/day) 以上で肝細胞の空胞化、区分2のガイダンス値の範囲内である100 mg/kg/day (90日換算: 72.2 mg/kg/day) 以上で嗜眠がみられたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2008)、環境省リスク評価第3巻:暫定的有害性評価シート (2004)、PATTY (6th, 2012)、NTP TR350 (1989))。このほか、13週間以上の複数の反復経口投与試験 (マウスの13週間試験、マウス、ラットの103週間試験) において主に肝臓に区分2のガイダンス値の範囲内で影響が報告されている (NITE有害性評価書 (2008)、環境省リスク評価第3巻:暫定的有害性評価シート (2004)、PATTY (6th, 2012)、NTP TR350 (1989))。また、マウスを用いた14日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である145 mg/kg/day (90日換算: 22.6 mg/kg/day) 以上で肝臓の限局性炎症と肝細胞の有糸分裂像増加、腎臓の尿細管上皮の過形成、糸球体の変性がみられ、別のマウスを用いた14日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である600 mg/kg/day (90日換算: 93.3 mg/kg/day) 以上で嗜眠、運動失調、死亡がみられ、ラットを用いた14日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である400 mg/kg/day (90日換算: 62.2 mg/kg/day) 以上で体重増加抑制、甲状腺肥大、嗜眠、運動失調、死亡がみられている (NITE有害性評価書 (2008)、NTP TR350 (1989))。 | ||
以上より、主に肝臓へ影響がみられ、中枢神経系への影響も示唆されることから区分1 (肝臓)、 区分2 (中枢神経系) とした。 なお、マウスを用いた14日間経口投与毒性試験においてみられた腎臓への影響、ラットを用いた14日間経口投与毒性試験においてみられた甲状腺への影響は、13週間以上の複数の反復経口投与試験では、ガイダンス値の範囲内においてみられていないことから分類根拠としなかった。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類 (シープスヘッドミノー)の96時間LC50 = 7,100 μg/L (環境省リスク評価第2巻 (2003))他から、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの (BCF = 21 (既存化学物質安全性点検データ))急速分解性がない (直接測定 (GC)による分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ)))ことから、区分2とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2515 | |||
国連品名 | BROMOFORM | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | イエローカード携行が望ましい。 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 159 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項) 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) | |||
労働安全衛生法 | 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第2種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2) | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |