1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ホルムアミド | ||
化学品の英語名称 | Formamide | ||
製品コード | R03-B-003-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機合成薬品および溶剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 | ||
物理化学的危険性 | 金属腐食性化学品 | 区分1 | |
健康に対する有害性 | 発がん性 | 区分2 | |
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(麻酔作用) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(雄性生殖器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 金属腐食のおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 眠気またはめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による雄性生殖器の障害のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 他の容器に移し替えないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 物的被害を防止するためにも流出したものを吸収すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 耐腐食性/耐腐食性内張りのある・・・容器に保管すること。 注)”…”は、製造業者、供給者が指定する条件を記入してください。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | ホルムアミド | ||
慣用名又は別名 | ギ酸アミド メタンアミド | ||
英語名 | Formamide Carbamaldehyde Methanamide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | CH3NO (45.04) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 75-12-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-681 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 情報なし | ||
眼に入った場合 | 情報なし | ||
飲み込んだ場合 | 情報なし | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:嗜眠。頭痛。吐き気。下痢。 皮膚:発赤。 眼:充血。 経口摂取:嗜眠。頭痛。吐き気。下痢。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火剤、散水 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(アンモニア、シアン化水素、窒素酸化物、一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 容器内に水を入れてはいけない。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。 すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 適切な防護衣を着けていないときは、破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 漏出物が地面や河川や下水に流出することを避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。 乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。 容器内に水をいれてはいけない。 漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。 地域規則に従って、保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 他の容器に移し替えないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 裸火禁止。 ミストの発生を防ぐこと。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 耐腐食性/耐腐食性内張りのある・・・容器に保管すること。 注)”…”は、製造業者、供給者が指定する条件を記入してください。 酸化剤、酸および塩基から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | アルミニウム、真鍮、銅、鉄、鉛製の容器は使用不可。 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 1 ppm(Skin) | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を着用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した有機ガス用吸収缶を使用する -作業者が粉塵に暴露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色〜黄色 | ||
臭い | アンモニア臭 | ||
融点/凝固点 | 2 ℃(GESTIS(2021)) 2.55 ℃(PubChem(2021)) 2.5 ℃(ICSC(2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 210 ℃(GESTIS(2021)) 210.5 ℃(760 mm Hgにおいて)(PubChem(2021)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2018)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.7〜19.0 vol.%(GESTIS(2021)) | ||
引火点 | 152 ℃(Closed cup)(GESTIS(2021)) 120 ℃(Closed cup)(ICSC(2018)) 310 °F(OPEN CUP)(PubChem(2021)) | ||
自然発火点 | >500 ℃(ICSC(2018)) | ||
分解温度 | 180 ℃(GESTIS(2021)、ICSC(2018)) 210 ℃(ICSC(2018)) | ||
pH | 8〜1 ((20 °C 200 g/L)(GESTIS(2021)) 7.1 (0.5 molar aqueous soln)(PubChem(2021)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 1.0X10+6 mg/l(25℃)(PubChem(2021)) 水に完全に混合する(GESTIS(2021)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: -1.51(GESTIS(2021)、PubChem(2021)、ICSC(2018)) | ||
蒸気圧 | 0.08 hPa (20℃)(GESTIS(2021)、ICSC(2018)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.13 g/cm3(20℃)(GESTIS(2021)) 1.1334 (20℃/4℃)(PubChem(2021)) | ||
相対ガス密度 | 1.56 (同じ温度と圧力での乾燥空気に対する密度の比率)(GESTIS(2021)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。吸湿性。アンモニアおよびシアン化水素などの、有毒で腐食性のガスを生じる。 酸化剤、酸および塩基と反応する。火災や中毒の危険を生じる。アルミニウム、真鍮、銅、鉄、鉛およびある種のプラスチックを侵す。 | ||
避けるべき条件 | 熱 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、酸、塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | アンモニア、シアン化水素など |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:3,200 mg/kg(SIAR (2007)) (2)ラットのLD50:5,325 mg/kg(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)) (3)ラットのLD50:6,000 mg/kg(DFG MAK (2013)、ACGIH (8th, 2020)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 13,500 mg/kg(DFG MAK (2013)、Health Canada Screening Assessment (2009)) (2)ウサギのLD50:> 6,000 mg/kg(DFG MAK (2013)、ACGIH (8th, 2020)) (3)ウサギのLDLo:17,000 mg/kg(DFG MAK (2013)、ACGIH (8th, 2020)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度(0.15 mg/L)より高いため、ミストと判断した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 21 mg/L(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)) (2)ラットのLC50(8時間):> 3,900 ppm(4時間換算値:> 5,515 ppm(14.4 mg/L))(ACGIH (8th, 2020)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、ガイダンスに従い、区分に該当しない(国連分類基準の区分3)とした。 【根拠データ】 (1)本物質は皮膚と眼に対して軽度の刺激性を示したとの報告がある(DFG MAK (2013))。 【参考データ等】 (2)ウサギ(n = 2)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、20時間適用、5日観察)において、処置開始24時間後に顕著な紅斑、同24及び48時間後に軽度の紅斑が各1例みられた。紅斑は5日後に消失し、処置部位に痂皮がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG405相当、原液0.1 mL、96時間観察)において、24/48/72時間の全体の平均スコアは結膜発赤が1.91、浮腫0.44、角膜混濁0.17であり、本物質はウサギの眼に軽微な刺激性を示すとの報告がある(SIAR (2007)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(1)〜(3)の知見は試験方法等の詳細が不明であり、分類には用いなかった。 【参考データ等】 (1)モルモットの皮膚に適用した本物質の接触皮膚炎誘発ポテンシャルは軽度であった(ACGIH (8th, 2020))。 (2)モルモットを用いた試験において一過性の軽微な皮膚刺激性がみられたが、速やかに消失し、アレルギー性の皮膚感作性は全くみられなかった(ACGIH (8th, 2020))。 (3)モルモットを用いた試験においてアレルギー性皮膚反応を生じなかった(DFG MAK (2013))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)のin vivo小核試験の知見は反復経口投与で陰性、単回腹腔内投与で陽性と相反しており、それぞれの試験の制約からヒト暴露経路の経口投与における小核誘発性は不明確であり、データ不足で分類できないとした。 【参考データ等】 (1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験(腹腔内投与)で陰性、マウスの末梢血赤血球を用いた小核試験(13週間経口投与)で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(単回腹腔内投与)で陽性の結果であった(SIAR (2007) 、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2013))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異原性試験で陰性の報告がある(SIAR (2007) 、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (8th, 2020))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 ヒトの発がん性に関する情報はない。(1)のACGIHの分類結果、ならびに(2)、(3)より、動物種1種(マウス)で雄に発がん性の明らかな証拠(肝臓の血管肉腫)、雌に不確かな証拠(肝細胞腺腫肝細胞がんの組合せ)が認められたことから、区分2とした。なお、新たな情報源を用いて分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)国外の評価機関による既存分類結果として、ACGIHではA3に分類している(ACGIH (8th, 2020))。 (2)ラットを用いた2年間強制経口投与(5日/週)による発がん性試験(20〜80 mg/kg/day)では、雌雄とも発がん性の証拠は認められなかった(NTP TR541 (2008)、SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、AICIS IMAP (2013)、AICIS IMAP (2016)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。 (3)マウスを用いた2年間強制経口投与(5日/週)による発がん性試験(20〜80 mg/kg/day)において、雄では肝臓における血管肉腫の用量相関的な増加及び中用量(40 mg/kg/day)以上で発生頻度に有意な増加が認められ、発がん性の明らかな証拠とされた。雌では高用量(80 mg/kg/day)で肝細胞腺腫又は肝細胞がん(組合せ)の頻度に有意な増加が認められたが、背景データ(発生頻度)の範囲内で不確かな(equivocal)証拠とされた(NTP TR541 (2008)、SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、AICIS IMAP (2013)、AICIS IMAP (2016)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)より、親動物の一般毒性用量で本物質の受胎能・性機能への有害影響がみられた。また(2)〜(6)より、本物質は経口及び経皮経路において、母動物への一般毒性影響が明確でない用量においても、胚/胎児毒性(致死的影響)、催奇形性(口蓋裂、外脳症)など重篤な発生毒性を生じることが示唆されていることから、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた飲水投与(100〜750 ppm)による連続交配(RACB)試験において、F0及びF1雌雄親動物に体重の低値/体重増加抑制・摂水量の減少など一般毒性発現用量(高用量:750 ppm)において、F0では同腹児数の軽度減少/同腹生存児数の減少、初回分娩の遅延、5日目の交配において受胎率の低下がみられた。投与群と対照群との交差交配試験の結果、750 ppm投与群の雌と対照群雄との交配による受胎率低下が顕著にみられた。F1の交配成績でも受胎率低下、生存児数の減少、分娩の遅延、性周期の延長、発情期の短縮傾向/発情休止期の延長傾向等がみられたとの報告がある(SIAR (2007) 、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013) 、ACGIH (8th, 2020))。 (2)雌マウスの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験では、最高用量(396 mg/kg/day)群では母動物毒性が著しく途中で投与が中断されたが、その下の用量(198 mg/kg/day)では母動物に重大な影響はみられないが、胎児には着床後胚/胎児死亡の増加、生存児の奇形発生増加がみられた。主な奇形は頭蓋(外脳症・前蝶形骨形成不全・短顎症・口蓋裂)、肋骨(癒合肋骨)、脊髄(椎体の裂及び低形成)であったとの報告がある(SIDS Dossier (2007)、SIAR (2007)、DFG MAK (2013))。 (3)妊娠マウスに対して、妊娠6日から14日のいずれか1日に強制経口投与した試験では、母動物毒性が明瞭でない高用量(991 mg/kg)を妊娠8日、9日及び10日に投与した場合の生存胎児に占める奇形児の発生率はそれぞれ58、68及び13%であったとの報告がある(SIDS Dossier (2007)、SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013))。 (4)ラット及びウサギの妊娠動物を用いた経口投与による多数の発生毒性試験において、両者ともに母動物の著しい毒性用量で奇形発生を含む発生毒性がみられたとの報告がある(SIAR (2007)、AICIS IMAP (2013))。 (5)雌ラットの妊娠9日、10+11日、11+12日、又は12+13日に本物質600 mg/kgを経皮投与した試験では、胎児の5〜13%に胎児毒性がみられ、妊娠12+13日に投与した母動物からの胎児4/60例に異常(皮下出血)がみられ、本物質は極めて弱い胎児毒性を示すと判断された(SIDS Dossier (2007)、SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、ACGIH (8th, 2020))。 (6)雌マウスの妊娠11日に本物質113 mg(0.1 mL)を1回又は2回経皮投与した試験では、1回投与で胚/胎児死亡率が50%、生存胎児の50%に奇形(口蓋裂)がみられた。2回投与では胚/胎児死亡率が80%に増加し、1回投与時と同様の奇形に加え無肢症もみられた(SIDS Dossier (2007)、SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、ACGIH (8th, 2020))。 【参考データ等】 (7)EU CLPではRepr. 1Bに分類している(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、区分3(麻酔作用)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ミスト、4時間)において、14〜21 mg/L(区分に該当しない範囲)で嗜眠、円背姿勢、透明又は赤色の眼分泌物、赤色鼻汁、部分閉眼、下痢、下腹部褐色汚染がみられ、ばく露後8日目には症状がほぼ消失したとの報告がある(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、AICIS IMAP (2013))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401)において、3.626 mg/kg(区分に該当しない範囲)で一般状態悪化、不規則呼吸、アパシー及び摂餌量低下がみられ、剖検では異常はみられなかったとの報告がある(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009))。 (3)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ミスト、6時間)において、3,900 ppm(4時間換算値:5,515 ppm(14.4 mg/L)、区分に該当しない範囲)で症状はみられなかったとの報告がある(ACGIH (8th, 2020))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分2の用量範囲で精巣への影響がみられることから区分2(雄性生殖器)とした。(1)でみられる副腎影響(皮質の壊死)は、他の長期試験で症状がみられないため、分類に採用しなかった。なお新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による4週間反復経口投与試験(5日/週)において、113及び340 mg/kg/day(90日換算:25.1及び76.5 mg/kg/day、区分2の範囲)で血液系(赤血球数・ヘマトクリット値の増加、血小板数の減少、凝固時間の延長)、副腎(萎縮、赤褐色化、皮質の壊死、血管拡張)、腎臓(萎縮、灰白色ないし白色放射状線状斑)、精巣(萎縮、変性)への影響がみられたとの報告がある(SIAR (2007)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2013))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による14週間反復経口投与試験(5日/週)において、40及び80 mg/kg/day(90日換算:31及び62 mg/kg/day、区分2の範囲)で血液系(赤血球の増加、MCVの増加、分葉核好中球の増加等)、雌の性周期(発情期の延長・発情休止期の短縮)への影響がみられ、160 mg/kg/day(90日換算:114 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で精巣毒性(精細管胚上皮の変性)がみられたとの報告がある(SIAR (2007)、NTP TR541 (2008) 、Health Canada Screening Assessment (2009)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。 (3)ラット及びマウスを用いた強制経口投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、80 mg/kg/day(区分2の範囲)でラットに骨髄の過形成、マウスに精巣動脈と精巣鞘膜の石灰化及び脾臓の造血細胞増殖がみられたとの報告がある(NTP TR541 (2008) 、AICIS IMAP (2016)、ACGIH (8th, 2020))。 (4)ラットを用いた2つの90日間反復経皮投与試験において、300 mg/kg/day(90日換算:217 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で血液影響(赤血球数・ヘモグロビンの増加)がみられたとの報告がある(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。 (5)ラット(雄)を用いた2週間反復吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、500 ppm(0.93 mg/L、90日換算:0.10 mg/L、区分2の範囲)以上で血小板数の減少がみられ、1,500 ppm(2.8 mg/L、90日換算:0.31 mg/L、区分に該当しない範囲)で腎臓影響(変性、壊死)、精巣の変性等がみられたとの報告がある(SIAR (2007)、Health Canada Screening Assessment (2009)、DFG MAK (2013)、AICIS IMAP (2013)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Sep. 2021))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間 ErC50 > 1000 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間 EC50 > 500 mg/L (SIDS, 2013)、魚類(メダカ)の96時間 LC50 > 100 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)から区分に該当しないとした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(OECD TG301Aにもとづいて実施された分解性試験の28日後のDOCによる分解度:99%(SIDS, 2013)が、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC > 10 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分に該当しないとなる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性毒性が区分に該当しない相当であり、難水溶性ではない(水溶解度=100,000 mg/L、PHYSPROP Database 2009)ことから、区分に該当しないとなる。 以上の結果から、区分に該当しないとした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1760 | |||
品名(国連輸送名) | その他の腐食性物質(液体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 8 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | T/U/V | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)(令和5年度以降の対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |