1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | エタンチオール(別名:エチルメルカプタン) | ||
化学品の英語名称 | Etanethiol (Ethyl mercaptan) | ||
製品コード | R04-C-051-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 燃料用ガス,特にLPGの付臭剤として使用 農薬,医薬,ゴム薬原料の合成及びエチルチオグループの製造に応用 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分1 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 極めて引火性の高い液体及び蒸気 飲み込んだ場合や吸入した場合は有害 眼刺激 中枢神経系の障害 呼吸器への刺激のおそれ 眠気またはめまいのおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | エタンチオール | ||
慣用名又は別名 | エチルメルカプタン | ||
英語名 | Etanethiol Ethyl mercaptan | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C2H6S (62.13) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 75-08-1 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-460 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させ、新鮮な空気を十分に吸引させる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。呼吸停止の場合は、人工呼吸を行う(可能であれば、呼吸器を使用する;いかなる場合でも負傷者の呼気を吸入してはならない)。医師を事故現場に呼び、診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水で10〜20分間洗浄する。医師の診察を受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続ける。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。負傷者に意識がある場合は、コップ1杯の水(約200ml)を飲ませる。可能であれば、大さじ3杯の炭をコップ1杯の水に混ぜて飲ませる。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:吐き気・嘔吐、気道への刺激、高濃度ばく露後、呼吸器障害、肺損傷、吸収性毒性作用の急速な発現 。 皮膚:ほとんどがわずかな刺激(おそらく灼熱作用/痛み、発赤、炎症)、広範な汚染後は吸収性毒性作用の可能性。 眼:灼熱感、痛み、発赤、炎症;おそらく急速に回復する。 経口摂取:おそらく嘔吐/胃腸障害および吸収性毒性作用の可能性(中毒例の報告はない)。 吸収:頭痛、吐き気、腹痛、嘔吐、下痢。高濃度の曝露後、おそらくめまい、意識不明/昏睡、無呼吸、痙攣、呼吸麻痺の危険が急速に生じる。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(硫黄酸化物)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。バックファイヤーに注意する。防爆型機器を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を断つ。周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた液体を吸収剤(例:珪藻土、バーミキュライト、砂)で吸収し、規則に従って廃棄する。火花の出ない器具を使用する。 その後、換気し、漏出した場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。容器を接地しアースを取る。飛沫を避ける。圧縮空気で輸送してはならない。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。使用時は十分な換気をすること。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉して室温の乾燥した換気の良い場所に保管する。着火源、熱源、強酸化剤、強酸から離しておく。 以上、GESTIS、ICSC、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.5 ppm、1 mg/m3 | |||
設備対策 | 作業場所の換気を良くする。ガスは空気より重いので床面での十分な換気も必要である。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。床に排水溝を設けないこと。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出、ばく露限界値を超える場合)には、呼吸保護具を着用する。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”は、物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | エプロンまたは白衣を着用する。耐火性/帯電防止性のある保護衣を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 刺激臭 | ||
融点/凝固点 | -148 ℃(GESTIS(2022)) -144.4 ℃(ICSC(2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 35 ℃(GESTIS(2022),ICSC(2018)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.8〜18 vol.%(GESTIS(2022)) 2.8〜18.2 vol.%(ICSC(2018)) | ||
引火点 | -45 ℃ (Closed cup)(GESTIS(2022)) -48.3 ℃(ICSC(2018)) | ||
自然発火点 | 295 ℃ (GESTIS(2022)) 299 ℃(ICSC(2018)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 15 g/L(25℃)(GESTIS(2022)) 水: 0.68 g/100 mL(20℃)(ICSC(2018)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow: 1.5(ICSC(2018)) | ||
蒸気圧 | 576 hPa(20℃)(GESTIS(2022)) 58.9 kPa(20℃)(ICSC(2018)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.84 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)) 0.839 (ICSC(2018)) | ||
相対ガス密度 | 2.11 (GESTIS(2022)) 2.14 (ICSC(2018)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解する。 硫化水素およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 本物質は、弱酸。 酸化剤と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 強酸と反応する。 硫化水素およびイオウ酸化物の有毒なガスを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、爆発性混合気の形成。 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、強酸 | ||
危険有害な分解生成物 | 硫化水素、イオウ酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットのLD50値として、682 mg/kg との報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) に基づき、区分4とした。 | |||
経皮 | ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (SIDS (2012)、PATTY (6th, 2012))、ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (DFGOT vol. 21 (2005)) に基づき、区分外とした。新たな情報源 (SIDS (2012)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) を追加し、区分を見直した。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義における液体である。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 (1)より、区分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(5.23×106 ppm)より低いため、蒸気と判断し、ppmVを単位とする基準値より判断した。新たな情報源が追加されたことから急性毒性(吸入)を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLC50:4,420 ppm(DFG MAK (2005)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)、SIDS Dossier (2010)、US AEGL (2013)) 【参考データ等】 (2)ラットのLC50:>1.93 mg/L(760 ppm)(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (3)ラットのLC50:>2.52 mg/L(991 ppm)(SIDS Dossier (2010)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (4)マウスのLC50:2,770 ppm(DFG MAK (2005)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)、SIDS Dossier (2010)、US AEGL (2013)) | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギに本物質を4時間適用した試験において、中等度 (スコア2) の紅斑がみられ、わずかな刺激性がみとめられたとの報告がある (SIDS (2012)、(PATTY (6th, 2012))。また、ラットを用いた試験において、刺激や皮膚の退色がみられたがやがて回復したとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。以上の結果から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。ガイダンスの改訂により区分を変更した。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いたドレイズ試験において軽度の刺激性の報告がある (SIDS (2012)、(PATTY (6th, 2012))。以上の結果から、区分2Bとした。List3の情報 (RTECS) を削除し、区分をみなおした。 | |||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性 (SIDS (2012))、マウスリンフォーマ試験でequivocal (どちらともいえない) 又はambiguous (あいまいな結果) (SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) の報告がある。 | |||
発がん性 | データ不足のため分類できない。 | |||
生殖毒性 | データ不足のため分類できない。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトにおいては、吸入経路でのボランテイアのばく露研究及びばく露事故の報告から、4 ppm、3時間のばく露で、嘔吐、頭痛、疲労、口と鼻の粘膜の刺激 (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2004)、DFGOT vol. 21 (2005))、また他に脱力感、疲労、協調運動障害、めまい、振戦、意識消失、上気道粘膜刺激 (HSDB (Access on June 2014)) が報告されている。 ラットの吸入経路では、991 ppm、4時間のばく露で、一過性の色素涙、鼻汁、呼吸困難、ラットの2,600-5,125 ppm、4時間のばく露で、鼻粘膜の刺激、呼吸率増加、不穏、協調運動障害、歩行異常、筋力低下、骨格筋の麻痺、チアノーゼ及び鎮静、死亡 (以上、SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005))、ラットの33,000 ppm、15分間ばく露で正向反射の消失 (PATTY (6th, 2012))、経口経路では、ラットの210-3,360 mg/kgの投与で、鎮静 (用量は不記載) (SIDS (2012)) の報告がある。また、HSDB (Access on June 2014) には、本物質はラット、マウスに麻酔作用を示し、呼吸率低下、チアノーゼ、中枢神経系の抑制(筋力低下、協調運動障害、昏睡) 及び死亡の記載がある。 以上より、本物質は中枢神経系、気道刺激性及び麻酔作用を有し、ヒトへの影響に加えラットの吸入、経口経路での影響はいずれも区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。したがって、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ヒトではボランティアに3時間ばく露で、本物質10 mg/m3 (4 ppm) を5-10日間、吸入ばく露した結果、嗅覚の鈍麻 (臭気閾値の上昇)、苦味や甘味物質への味覚の変化、吐き気、口唇、口、鼻の粘膜への刺激を生じたとの記述 (ACGIH (7th, 2001; 2004)、DFGOT vol. 21 (2005)、SIDS (2012)) があるが、いずれの所見も本物質の粘膜刺激性又は気道刺激性によるものと考えられた。 実験動物については、ラット、マウス、ウサギに反復吸入ばく露した試験データがある (ACGIH (7th, 2001; 2004)、DFGOT vol. 21 (2005)、SIDS (2012)) が、詳細な記述がなく、いずれも信頼性が低い (invalid) とのSIDSでの信頼性評価 (SIDS (2012)) より、分類に適したデータはないと考えられた。 以上より、吸入経路では明確な標的臓器は特定できず、かつ他経路での毒性情報がない。よって、データ不足のため分類できないとした。 | |||
誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.077 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度=0%(既存点検, 2002))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.009 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度=0%(既存点検, 2002))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 2.2 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998、SIDS, 2010)であることから、区分2となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2363 | |||
品名(国連輸送名) | エチルメルカプタン | |||
国連分類 | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | T | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 129 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)、リスクアセスメント対象物(法第57の3) 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和4年度までの対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 特殊引火物 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
大気汚染防止法 | 特定物質 (法第17条第1項、施行令第10条) | |||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 急性毒性(吸入:蒸気)項目を見直した。 |