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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
硫酸第一スズ
作成日 2008年12月05日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称硫酸第一スズ (Tin sulphate)
製品コードR01-B-047
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限染色助剤、酸性スズメッキ (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分3 (気道刺激性)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分1 (肺)
区分2 (肝臓、血液系)
分類実施日
(環境有害性)
H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示腐食性感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報皮膚刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
重篤な眼の損傷
呼吸器への刺激のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による肺の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、血液系の障害のおそれ
注意書き
 安全対策容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名硫酸第一スズ
別名硫酸スズ(II)
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)H2O4S.Sn (214.77)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号7488-55-3
官報公示整理番号
(化審法)
1-538
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時は医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪い時は医師の診察/手当てを受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤情報なし
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性情報なし
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護情報なし

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること (毒劇物)。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
安全な容器包装材料消防法で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)TLV-TWA: 2 mg/m3 (Inhalable fraction of the aerosol) (Tin, and inorganic compounds, excluding Tin hydride, as Sn)
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具緊急時には呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色 (GESTIS (Access on July 2019))
臭いデータなし
融点/凝固点378℃ (分解) (CRC (98th, 2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性不燃性 (GESTIS (Access on July 2019))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度378℃ (CRC (98th, 2017))
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度水:18.8 g/100 mL (CRC (98th, 2017))
n-オクタノール/水分配係数該当しない
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度データなし
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。
新たな情報源の使用により、旧分類より区分を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:2,207 mg/kg (REACH登録情報 (Access on September 2019))
経皮【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1) より区分1に該当せず、(2) より区分2とした。なお、新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) OECD TG 431に準拠し、人工皮膚モデルを用いたin vitro皮膚腐食性試験において3分、60分ばく露後、細胞生存率はそれぞれ95%、79%であった (REACH登録情報 (Access on September 2019))。
(2) 無機スズ化合物は眼と皮膚を刺激する (HSDB (Access on August 2019))。

【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。なお、新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の2.5%溶液のpHは2以下と記載されている (REACH登録情報 (Access on September 2019))。
(2) 無機スズ化合物は眼と皮膚を刺激する (HSDB (Access on August 2019))。

【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 2価のスズ化合物はヒトパッチテストで陽性と報告されている (REACH登録情報 (Access on September 2019))。

【参考データ等】
(2) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
本物質自体の情報はないが、(1) より、可溶性第一スズ化合物の情報に基づく分類が可能と判断し、(2)、(3) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。


【根拠データ】
(1) 本物質は無機スズ化合物であり水によく溶ける (溶解度188 g/L) との記載がある (CRC (98th, 2017))。
(2) 可溶性第一スズ化合物のin vivo試験では、塩化第一スズ (CAS番号 7772-99-8) 及びフッ化第一スズ (CAS番号 7783-47-3) のマウス小核試験で陰性の報告がある (CICAD 65 (2008))。
(3) 可溶性第一スズ化合物のin vitro試験では、塩化第一スズ及びフッ化第一スズを用いた細菌の復帰突然変異試験、塩化第一スズを用いた哺乳類細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (CICAD 65 (2008))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 限定的ではあるが入手できるスズ化合物の実験動物試験では、金属スズ、塩化スズ (II)、あるいは少数の他のスズ化合物の発がん性は証明されていない (CICAD 65 (2005))。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 無機スズ化合物の生殖・発生毒性に関しては、限定的なデータしか確認されていない。ラットに、3 世代にわたるスズの混餌投与、もしくは妊娠中を通して混餌投与したいくつかのスズ化合物では、有害影響はみられなかった。同様に、妊娠中のラット・マウス・ハムスターへの塩化スズ (II) の反復強制経口投与でも、胎児への有害影響はみられなかった (CICAD 65 (2005))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分3 (気道刺激性) とした。


【根拠データ】
(1) 本物質は無機スズ化合物であり水によく溶ける (溶解度188 g/L) との記載がある (CRC (98th, 2017))。
(2) 無機スズ化合物は鼻と喉を刺激する可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on August 2019))。
(3) 本物質の2.5%溶液のpHは2以下と記載されている (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1) より、金属スズ及び無機スズ化合物の吸入ばく露によりヒトの肺への影響が考えられ、(2) より、ラットへの経口投与により区分2の範囲で肝臓、血液系への影響がみられていることから、区分1 (肺)、区分2 (肝臓、血液系) とした。

【根拠データ】
(1) ACGIHでは、スズ肺症を防止するため、金属スズ、スズ酸化物及び無機スズ化合物 (水酸化スズ及インジウムスズ酸化物を除く) に対する作業環境許容濃度 (吸引性 (inharable) 粒子状物質としてTLV-TWA = 2 mg/m3) を勧告している (ACGIH (7th, 2019))。
(2) ラットの4週間混餌投与試験において、83 mg/kg/day (90日換算: 26 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上でヘモグロビン、ヘマトクリット値の減少、275 mg/kg/day (90日換算: 86 mg/kg/day、区分2の範囲) で肝臓重量減少、肝細胞の均質化、胆管増生がみられた (ATSDR (2005)、CICAD 65 (2005)、EHC 15 (1980)、de Groot et al. (1973))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)データがなく分類できない。
水生環境有害性 (長期間)データがなく分類できない。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報毒物及び劇物取締法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策毒物及び劇物取締法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【322 すず及びその化合物】
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【322 すず及びその化合物】
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)【69 無機錫塩類】
消防法貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2−18・平元省令2号第2条)【37 硫酸第一すず】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用