1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 塩化水銀(II) (Mercury dichloride) | ||
製品コード | 23B5579 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 乾電池、塩化ビニル等の合成触媒、防腐剤、殺菌剤、分析試薬 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 | |||
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分2A | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 | |||
皮膚刺激 | ||||
強い眼刺激 | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
遺伝性疾患のおそれの疑い | ||||
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ | ||||
臓器の障害(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系) | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管) | ||||
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 | ||||
口をすすぐこと。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
漏出物を回収すること。 | ||||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 塩化水銀(II) | ||
別名 | 塩化第二水銀、昇汞、Mercuric chloride、Mercury(II) dichloride、Mercury perchloride | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | HgCl2 (271.52) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7487-94-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (1)-226 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (1)-226 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし。 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。半座位。 | ||
医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けんで洗うこと。 | ||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
医師の診断、手当てを受けること。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
口をすすぐこと。 | |||
水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状 | 吸入 :咳、咽頭痛、灼熱感、息切れ。 | ||
皮膚 : 吸収される可能性あり!発赤、痛み、水疱、皮膚熱傷。 | |||
眼 : 痛み、発赤、かすみ眼、重度の熱傷。 | |||
経口摂取 : 胃痙攣、腹痛、灼熱感、金属味、下痢、吐き気、咽頭痛、嘔吐、ショックまたは虚脱。 | |||
気道を刺激する。眼、皮膚に対して腐食性を示す。経口摂取すると、腐食性を示す。胃腸管、腎臓に影響を与え、組織障害、腎不全、虚脱となることがあり、場合によっては死に至る。医学的な経過観察が必要である。 | |||
反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがある。中枢神経系、末梢神経系、腎臓に影響を与え、運動失調、感覚や記憶障害、疲労、筋力低下、腎臓障害を生じることがある。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | この製品自体は燃焼しない。 | ||
周辺の火災時:適切な消火薬剤を使用する。 | |||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 当該製品は、不燃性でありそれ自身は燃えないが、加熱されると分解して火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | ||
当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、ハロゲン酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスク、個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣など)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
漏出物を回収すること。 | |||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出したものをすくいとり、または掃き集めて紙袋またはドラムなどに回収する。安全な場所に移す。 | ||
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。 | |||
粉塵が飛散しないようにして取り除く。 | |||
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
下水に流してはならない。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
あらゆる接触を避ける! | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
局所排気または呼吸用保護具。 | |||
20℃ではほとんど気化しない。しかし拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 | |||
暴露の程度によっては、定期検診が必要である。 | |||
水生生物に対して毒性が非常に強い。 | |||
食物連鎖において、とくに水生生物で生物濃縮が起こる。 | |||
水生環境中で長期にわたる影響を及ぼすことがある。 | |||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
食品や飼料、軽金属類から離しておく。 | |||
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | |||
消火により生じる流出物を収容するための容器。 | |||
容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 0.025mg/m3 (無機水銀) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2010年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2011年版) | TWA:0.025mg/m3 Skin;BEI(無機水銀) | ||
STEL:− | |||
設備対策 | 蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器用保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護手袋、保護衣(個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣)、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 結晶、顆粒または粉末(Merck (14th, 2006)) | ||
色 | 白色(Merck (14th, 2006)) | ||
臭い | 無臭(HSDB (2010)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | 3.2 for 0.2 molar aq soln.(Merck (14th, 2006)) | ||
融点・凝固点 | 276℃(ICSC (2003)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 302℃(ICSC (2003)) | ||
引火点 | データなし。 | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 10.8mmHg (25℃)(SRC Phys Prop (Access on Oct. 2011)) | ||
蒸気密度 | 9.8 (HSDB (2010)) | ||
密度 | 5.6g/cm3(20℃) (HSDB (2010)) | ||
溶解度 | 水:7.4g/100mL(20℃) (ICSC (2003)) | ||
メタノール、アセトン、エチル酢酸に可溶、二硫化炭素に微溶。(Merck (14th, 2006)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | log P= -0.22 (SRC Phys Prop (Access on Oct. 2011)) | ||
自然発火温度 | データなし。 | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし。 | ||
安定性 | 情報なし。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると分解して、有毒なフューム(水銀、塩素フューム)を生じる。軽金属と反応する。 | ||
避けるべき条件 | データなし。 | ||
混触危険物質 | 軽金属類 | ||
危険有害な分解生成物 | 水銀、塩素ヒューム(加熱分解時) | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値は25.9-77.7 mg Hg/kg (塩化第二水銀として:35.1〜105 mg/kg)(ATSDR (1999))および37 mg/kg (JECFA 1155 (2011))である。GHS分類:区分2 | ||
経皮 | データ不足。なお、ラットLD50値は41 mg/kg (RTECS (2011))との報告があるが、詳細不明である。GHS分類:分類できない | ||
吸入:ガス | GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | 本物質は本来皮膚および粘膜に対する刺激物である(ATSDR (1999))との記載がある。GHS分類:区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 本物質は本来粘膜に対する刺激物である(ATSDR (1999))との記載がある。なお、眼に対し腐食性がある(HSDB (2010))との記載もある。GHS分類:区分2A | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | 日本産業衛生学会が水銀ないしその化合物を感作性物質「皮膚 第1群」に分類(産衛誌 53巻 (2011))している。また、日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会も当該物質を皮膚感作性物質にリストアップ(日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会 (2008))している。GHS分類:区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | マウスの経口投与による骨髄を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性結果(DFGMAK Doc.15 (2001)、IARC 58 (1993))がある。なお、別にマウスに腹腔内投与によるin vivo染色体異常試験で陰性の報告(DFGMAK Doc.15 (2001))もある。また、マウスを用いた複数の優性致死試験で弱陽性が報告されているが、試験法等に問題があり、いずれも生殖細胞変異原性を示す証拠とは考えられない(DFGMAK Doc.15 (2001))と述べられているため分類根拠としなかった。一方、in vitro試験では、エームス試験で陰性(DFGMAK Doc.15 (2001)、NTP DB (Access on Sep. 2011))が報告されているが、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(IARC 58 (1993))、ヒトのリンパ球を用いた染色体異常試験および小核試験で陽性(DFGMAK Doc.15 (2001))と複数のin vitro 変異原性試験で陽性結果が得られている。GHS分類:区分2 | ||
発がん性 | 金属水銀及び無機水銀化合物として、IARCの発がん性評価でグループ3 (IARC 58 (1993))、ACGIHではA4(ACGIH (2001))に分類されていることから、「分類できない」とした。また、EPAではC (IRIS (2002))に分類されている。なお、ラットおよびマウスを用いた2年間経口投与試験において、ラットでは雄に前胃の扁平上皮乳頭腫の発生率増加と甲状腺の濾胞細胞腺腫とがんの発生率の僅かな増加、雌で前胃の扁平上皮細胞乳頭腫の発生、マウスでは雄に尿細管腫瘍の発生が報告され、ラット雄では発がん性の証拠がある程度得られたと結論されている(NTP TR 408 (1993))。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ラットに経口投与による二世代生殖試験のF0世代で、受胎率の有意、かつ用量依存的な低下と全投与群で着床率の低下(JECFA 1155 (2011))、雌ラットに交配60日前から経口投与した試験では着床率の僅かな減少とともに着床損失率の増加(JECFA 1155 (2011))、さらに雄マウスに45日間経口投与後、一般毒性の発現がみられない用量(1.25 mg/kg)で対照群の雌との交尾成立が0%まで低下した(JECFA 1155 (2011))。一方、ヒトでは妊娠中絶を目的として本物質を経口摂取した妊婦が13日後に流産を起こした(ATSDR (1999))と報告されている。以上より、一般毒性の発現ない用量でも生殖への悪影響が報告されている。GHS分類:区分1B | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 無機水銀化合物の経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、および重度の胃腸障害である(CICAD 50 (2003))と記載されている。ヒトで本物質を単回経口摂取後の中毒例が18件(死亡例9件を含む)報告され、最も共通の所見は軽度の胃炎〜重度の壊死性粘膜潰瘍に見られた胃腸の病変と腎不全に至った腎臓の病変である(EHC 118 (1991))との報告がある。GHS分類:区分1(腎臓、消化管) また、自殺企図で塩化第二水銀を摂取した男性において、P波の消失、QRS 部分の延長、T波の増高による心電図異常(CICAD 50 (2003))が報告されている。GHS分類:区分1(心血管系) 一方、塩化水銀の摂取により黄疸、肝酵素の上昇と剖検で肝腫大を認めた35歳の男性、および粉末塩化第二水銀の摂取で、肝腫大が観察された19ヵ月の男児の症例報告(CICAD 50 (2003))がある。GHS分類:区分1(肝臓) これらの症例報告においては、35歳の男性では重度の肺水腫がみられ、19ヵ月の男児には細かいラ音が検出されている。GHS分類:区分1(呼吸器) さらに、35歳男性は霧視、複視、死亡前の繰り返しの痙攣、剖検で後頭葉と小脳に膿瘍が認められ(ATSDR (1999))たこと、また、塩化第二水銀含有液剤で洗浄したオムツを使用した幼児で、易刺激性、いらだち、不眠などが報告されている(CICAD 50 (2003))GHS分類:区分1(神経系) 以上より、本項の分類は区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系)となる。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 金属水銀または無機水銀化合物の毒性における主要な標的臓器は腎臓と中枢神経系であり、高濃度のばく露では、呼吸器、心血管系、消化管にも影響が現れる(ATSDR (1999))と記載されている。神経系に関しては、職業ばく露では精神性興奮を生じさせ、ばく露の継続により手の細かい振戦を発症し、水銀ばく露作業者における神経伝達速度の低下は立証されている(EHC(J) 118 (1997))との報告がある。腎臓に関しては、無機2価水銀塩の摂取による重要な臓器は腎臓であり、職業ばく露では腎炎の発症の報告もある(EHC(J) 118 (1997))。動物試験では本物質を用いたラットの26週間反復経口投与(用量:1.25〜5 mg/kg/day)で慢性腎症の程度増強、マウス(用量:5〜20 mg/kg/day)では尿細管上皮の細胞質空胞化が見られた(NTP TR 408 (1993))との報告がある。また、無機水銀化合物への経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、重度の胃腸障害とされており(CICAD 50 (2003))、本物質のばく露の場合、潰瘍性の胃腸炎の発症が見らる(EHC(J) 118 (1997))との記載がある。GHS分類:区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1.8-4.3μg/L(EHC86, 1989)(塩化水銀(II)濃度換算値:2.4-5.8μg/L)から、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
水生環境有害性(長期間) | 金属であり水中の挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.003 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 1624 | |||
国連品名 | 塩化第二水銀 | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒劇法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 154 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 作業環境評価基準 | |||
特定化学物質第2類物質、管理第2類物質 | ||||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||||
毒物及び劇物取締法 | 毒物 | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
消防法 | 毒物類・毒物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 | |||
航空法 | 個品運送P | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |