| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 塩化第二水銀 | ||
| 化学品の英語名称 | Mercury dichloride | ||
| 製品コード | R06-C-140-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | マンガン電池,塩化ビニル製造用触媒,分析用試薬(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成23年度(2011年度)、ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分2 | |
| 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
| 皮膚感作性 | 区分1 | ||
| 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
| 生殖毒性 | 区分1B | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系) | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成23年度(2011年度)、ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚刺激 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 塩化第二水銀 | ||
| 慣用名又は別名 | 昇こう | ||
| 英語名 | Mercury dichloride | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | Cl2Hg (272) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 7487-94-7 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 1-226 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。医師に連絡すること。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 呼吸困難のため、できるだけ早く病院への搬送を手配し、被害者を半座位にする。 中毒の症状は、一定期間遅れて現れることがある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 直ちに皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで少なくとも10〜20分間洗浄する。 医師の診察/手当てを受けること。 全身的な影響は、遅延後に現れることもある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 障害のない眼を保護しながら、流水で10分間、患部の眼を広げすすぐ。 眼の刺激が続く場合は医師の診察/手当てを受けること。 搬送中は、生理食塩水、または水ですすぎ続ける。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぎ、液体を吐き出す。意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 無理に吐かせないこと。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 粘膜や皮膚への腐食効果。皮膚を感作する可能性、濃度の吸入後エアロゾル:粘膜への重度の刺激から肺の損傷まで、胃腸障害、腎臓の急性損傷、心臓/循環器系の障害。 組織損傷、腎不全、虚脱および死に至ることがある。医学的な経過観察が必要である。 慢性: 接触性皮膚炎、胃腸障害、腎臓の損傷までの機能変化。中枢神経系、末梢神経系に影響を与えることがある。 運動失調、感覚および記憶障害、振戦、筋力低下を生じることがある。 男性生殖能に影響を与えことがある。 ヒトの生殖細胞に、遺伝子損傷を引き起こすことがある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 周囲の火災に含まれると、有害物質(塩化水素、水銀蒸気、 水銀酸化物)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 不燃性である。他の使用する物質に応じて、火災および爆発防止対策を選択する。 周囲火災の場合: 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 流出水が排水システムに入らないようにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 影響を受ける周囲に警告する。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗う。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 物質の放出を防ぐことができない場合は、出口で吸引する必要がある。 水銀化合物の気化と昇華を最小限に抑えるには、作業エリアとプラントセクションの温度を低く保つ必要がある。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 不適切な材料: 銅、アルミニウム、亜鉛、亜鉛合金、軽金属、錫、銀、金、およびそれらの合金。 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 少量の物質の収集: 廃棄物を流し台やゴミ箱に入れたり置いたりしない。 収集容器にはラベルを貼付すること。容器は換気の良い場所に保管すること。 専門家に相談する。 個人用保護具:完全保護衣 この物質を環境中に放出してはならない こぼれた物質を密閉式容器内に収集する。 残留分を、注意深く集める 地域規則に従って保管・処理する 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 毎日掃除する。 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 粉じんの形成を避ける。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する必要がある。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 清潔な作業場所の維持に注意する。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開いたままにしない。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用する。 こぼれないようにする。 ラベルの付いた容器にのみ注入する。 粉じんが舞い上がるのを避ける。 壊れやすい容器で輸送する場合は、適切な外部容器を使用する。 電気器具は、腐食のリスクが高いため、定期的に点検する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス 可燃性液体 可燃性固体 自然発火性物質 水と接触した場合、可燃性ガスを放出する物質 強酸化性物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 作業エリアでの飲食禁止。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 眼に入った場合は、影響を受けた眼を洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 必要に応じて、休憩前に着替える。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意する。 使用後は手を洗うこと。 定期的に口と歯をきれいにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 食品や飼料、アルミニウム、銅、鉄および亜鉛から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 消火により生じる流出物を収容するための用意 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 元の容器でのみ貯蔵する。 食品容器は使用しない。 容器にラベルを貼付すること。 できれば、ガラス容器ではなく、壊れにくい容器を使用する。 物質は光に敏感なため、遮光する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 道路法、毒劇法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | Hgとして 0.025 mg/m3 | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | 0.025 mg/m3 (as Hg - Inorganic forms including metallic mercury) (Mercury, all forms except alkyl) (Skin) | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 作業エリアは、可能であれば物理的に分離する必要がある。 床には床の排水口があってはならない。 作業場での洗浄設備が必要。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 物質を大量に取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認する。手袋は取り外す前に十分に清掃し、換気の良い場所に保管する必要がある。 布製または革製の手袋は不適切である。 以下の情報は、物質の飽和水溶液に有効である。 次の材料は保護手袋に適している(透過時間>= 8時間): 天然ゴム/天然ラテックス-NR(0.5 mm)(非粉末およびアレルゲンフリー製品を使用)、ポリクロロプレン-CR(0.5 mm)、ニトリルゴム/ニトリルラテックス-NBR(0.35 mm)、ブチルゴム-ブチル(0.5 mm)、フッ素炭素ゴム-FKM(0.4 mm)、ポリ塩化ビニル-PVC(0.5 mm) 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、適切な不浸透性の防護服または適切な不浸透性の化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 白色 | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 277 ℃ (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 304 ℃ 約300℃で昇華 (ホンメル(1991)) | ||
| 可燃性 | 不燃性 (ICSC (2014)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | 3.2(15 g/L) (GESTIS (2024)) | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:69 g/L (20℃) (ICSC (2014)) アルコール:33 g/100 cc (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:0.22 (HSDB in PubChem(2024)) log Pow:0.1 (ICSC (2014)) | ||
| 蒸気圧 | 1 mmHg (136.2℃) (HSDB in PubChem(2024)) 0.1 Pa (20℃) (ICSC (2014)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 5.44 (水=1、20℃) (ホンメル(1991)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 加熱や光の影響下で、分解する。有毒な水銀および塩素のフュームを生じる。アルミニウム、銅、鉄、亜鉛などの金属と反応する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 危険な反応をする可能性がある物質: アルミニウム 加熱により分解する 以上、GESTIS参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 接触して爆発する危険性: 塩化ヒドラジン+アルカリ、アルカリ金属/衝撃 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 分解生成物:銀を微細に分散させた亜硝酸ガス塩化水素、塩素、水銀(I)、塩化水銀、その他の有毒化合物、それらの一部は昇華性 周囲の火災に含まれると、有害物質(塩化水素、水銀蒸気、 水銀酸化物)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットのLD50値は25.9-77.7 mg Hg/kg(塩化第二水銀として:35.1〜105 mg/kg)(ATSDR(1999))および37 mg/kg(JECFA 1155(2011))に基づき、区分2とした。 | |||
| 経皮 | データ不足。なお、List 3のデータとしてラットLD50値は41 mg/kg(RTECS(2011))との報告があるが、詳細不明である。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データなし。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より区分2とした。 【根拠データ】 (1)水銀元素蒸気又は無機水銀への吸入、経口又は経皮ばく露により、紅斑性及び掻痒性皮疹を生じる。水銀ばく露による他の皮膚反応として、重度の発汗及び/又は典型的には肢端疼痛症を伴う手のひらと足底の皮膚の発赤及び/又は皮膚がむけることがある(CICAD 50 (2003))。 (2)本物質は基本的に皮膚及び粘膜刺激物質であり、速やかに吸収される(ATSDR(1999)、NTP TR408 (1993))。 (3)高濃度の溶液との経皮接触では化学火傷を生じると考えられる(GESTIS (Accessed Oct. 2024))。 【参考データ等】 (4)EUではSkin Corr. 1Bに分類されている(CLP分類 (Accessed Oct. 2024))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 本物質は本来粘膜に対する刺激物である(ATSDR(1999))との記載に基づき区分2Aとした。なお、眼に対し腐食性がある(HSDB(2010))との記載もある。 | |||
| 呼吸器感作性 | データなし。 | |||
| 皮膚感作性 | 日本産業衛生学会が水銀ないしその化合物を感作性物質「皮膚 第1群」に分類(産衛誌 53巻(2011))していることから、区分1とした。また、日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会も当該物質を皮膚感作性物質にリストアップ(日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会(2008))している。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | マウスの経口投与による骨髄を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性結果(DFGMAK Doc.15(2001)、IARC 58(1993))に基づき、区分2とした。なお、別にマウスに腹腔内投与によるin vivo染色体異常試験で陰性の報告(DFGMAK Doc.15(2001))もある。また、マウスを用いた複数の優性致死試験で弱陽性が報告されているが、試験法等に問題があり、いずれも生殖細胞変異原性を示す証拠とは考えられない(DFGMAK Doc.15(2001))と述べられているため分類根拠としなかった。一方、in vitro試験では、エームス試験で陰性(DFGMAK Doc.15(2001)、NTP DB(Access on Sep. 2011))が報告されているが、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(IARC 58(1993))、ヒトのリンパ球を用いた染色体異常試験および小核試験で陽性(DFGMAK Doc.15(2001))と複数のin vitro 変異原性試験で陽性結果が得られている。 | |||
| 発がん性 | 金属水銀及び無機水銀化合物として、IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 58(1993))、ACGIHではA4(ACGIH(2001))に分類されていることから、「分類できない」とした。また、EPAではC(IRIS(2002))に分類されている。なお、ラットおよびマウスを用いた2年間経口投与試験において、ラットでは雄に前胃の扁平上皮乳頭腫の発生率増加と甲状腺の濾胞細胞腺腫とがんの発生率の僅かな増加、雌で前胃の扁平上皮細胞乳頭腫の発生、マウスでは雄に尿細管腫瘍の発生が報告され、ラット雄では発がん性の証拠がある程度得られたと結論されている(NTP TR 408(1993))。 | |||
| 生殖毒性 | ラットに経口投与による二世代生殖試験のF0世代で、受胎率の有意、かつ用量依存的な低下と全投与群で着床率の低下(JECFA 1155(2011))、雌ラットに交配60日前から経口投与した試験では着床率の僅かな減少とともに着床損失率の増加(JECFA 1155(2011))、さらに雄マウスに45日間経口投与後、一般毒性の発現がみられない用量(1.25 mg/kg)で対照群の雌との交尾成立が0%まで低下した(JECFA 1155(2011))。一方、ヒトでは妊娠中絶を目的として本物質を経口摂取した妊婦が13日後に流産を起こした(ATSDR(1999))と報告されている。以上より、一般毒性の発現ない用量でも生殖への悪影響が報告されていることから区分1Bとした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 無機水銀化合物の経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、および重度の胃腸障害である(CICAD 50(2003))と記載されている。ヒトで本物質を単回経口摂取後の中毒例が18件(死亡例9件を含む)報告され、最も共通の所見は軽度の胃炎〜重度の壊死性粘膜潰瘍に見られた胃腸の病変と腎不全に至った腎臓の病変である(EHC 118(1991))との報告に基づき、区分1(腎臓、消化管)とし、また、自殺企図で塩化第二水銀を摂取した男性において、P波の消失、QRS 部分の延長、T波の増高による心電図異常(CICAD 50(2003))が報告されており、区分1(心血管系)とした。一方、塩化水銀の摂取により黄疸、肝酵素の上昇と剖検で肝腫大を認めた35歳の男性、および粉末塩化第二水銀の摂取で、肝腫大が観察された19ヵ月の男児の症例報告(CICAD 50(2003))に基づき、区分1(肝臓)とした。これらの症例報告においては、35歳の男性では重度の肺水腫がみられ、19ヵ月の男児には細かいラ音が検出されており、区分1(呼吸器)とした。さらに、35歳男性は霧視、複視、死亡前の繰り返しの痙攣、剖検で後頭葉と小脳に膿瘍が認められ(ATSDR(1999))たこと、また、塩化第二水銀含有液剤で洗浄したオムツを使用した幼児で、易刺激性、いらだち、不眠などが報告されている(CICAD 50(2003))ことから、区分1(神経系)とした。以上より、本項の分類は区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系)となる。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 金属水銀または無機水銀化合物の毒性における主要な標的臓器は腎臓と中枢神経系であり、高濃度のばく露では、呼吸器、心血管系、消化管にも影響が現れる(ATSDR(1999))と記載されている。神経系に関しては、職業ばく露では精神性興奮を生じさせ、ばく露の継続により手の細かい振戦を発症し、水銀ばく露作業者における神経伝達速度の低下は立証されている(EHC(J)118(1997))との報告がある。腎臓に関しては、無機2価水銀塩の摂取による重要な臓器は腎臓であり、職業ばく露では腎炎の発症の報告もある(EHC(J)118(1997))。動物試験では本物質を用いたラットの26週間反復経口投与(用量:1.25〜5 mg/kg/day)で慢性腎症の程度増強、マウス(用量:5〜20 mg/kg/day)では尿細管上皮の細胞質空胞化が見られた(NTP TR 408(1993))との報告がある。また、無機水銀化合物への経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、重度の胃腸障害とされており(CICAD 50(2003))、本物質のばく露の場合、潰瘍性の胃腸炎の発症が見らる(EHC(J)118(1997))との記載がある。以上から本項の分類は区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管)とした。 | |||
| 誤えん有害性* | データなし。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1.8-4.3μg/L(EHC86, 1989)(塩化水銀(II)濃度換算値:2.4-5.8μg/L)から、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 金属であり水中の挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.003 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:中濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 1624 | |||
| 品名(国連輸送名) | 塩化第二水銀 | |||
| 国連分類 | 6.1 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | II | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法に従う | |||
| 陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う | |||
| 特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
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| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質(施行令別表第3第2号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号) 【22 水銀及びその無機化合物】 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、5号) 【22 水銀及びその無機化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【315 水銀及びその無機化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降)【14 水銀及びその無機化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【315 水銀及びその無機化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降)【14 水銀及びその無機化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項) 【3 水銀及びその無機化合物】 作業環境評価基準(法第65条の2第2項) 【20 水銀及びその無機化合物】 | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 【水銀及びその化合物】 女性労働基準規則の対象物質(女性労働基準規則第2条の18・第3条) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) 【272 水銀及びその化合物】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) 【17 水銀化合物及びこれを含有する製剤】 | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【38 塩化物イオン】 【4 水銀及びその化合物】 | |||
| 大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質、優先取組物質(中央環境審議会第9次答申)【11 水銀及びその化合物】 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) 【108 水銀及びその化合物】 | |||
| 水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条) 【7 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物】 | |||
| 土壌汚染対策法 | 第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【13 水銀及びその化合物】 | |||
| 廃棄物処理法 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4) | |||
| 船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
| 下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【7 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||