1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 銀(ナノ粒子以外) | ||
化学品の英語名称 | Silver | ||
製品コード | R04-C-003-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 写真感光用硝酸銀原料,電気接点材料・メッキ用極板・貨幣・装飾品・農薬(殺菌剤)原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(眼)、区分1(呼吸器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による眼の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
応急措置 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 銀 | ||
慣用名又は別名 | 情報なし | ||
英語名 | Silver | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | Ag (107.87) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7440-22-4 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を石鹸と多量の水で十分に洗浄する。粒子が皮膚に擦り込まれないように注意する。医師の診察を受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続けること。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:吸入:咳、咽頭痛。蒸気/ヒュームまたは非常に微細な金属粉への大量のばく露は、まれに肺水腫の発症を引き起こす。 皮膚:粉じんによる物理的な刺激。 眼:充血、痛み。粉じんによる物理的な刺激。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 金属火災用消火薬剤 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 自給式呼吸器を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 防じんマスクを着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 粉じんが発生しないように回収する。その後、換気し漏出個所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。粉じんの発生を避ける。使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。使用時は十分な換気をすること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。粉じんは吸入しないようにする。汚染された作業衣は作業場から出さないこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉して涼しくて乾燥した換気の良い場所に保管する。内容物を不活性ガス下で保管する。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 許容濃度: 0.01 mg/m3(銀及び銀化合物(Agとして)) | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.1 mg/m3(銀及びその粉じん及びヒュームとして) | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出、ばく露限界値を超える場合)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | エプロンまたは白衣を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 銀色 | ||
臭い | 無臭 | ||
融点/凝固点 | 961.9 ℃(GESTIS(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 2212 ℃(GESTIS(2022)) | ||
可燃性 | 微粉化された銀は可燃性を有することがある。バルク形状のものは不燃性。(ICSC(2021)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: (不溶)(GESTIS(2022)) 水: <0.01 g/100 mL(ICSC(2018)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 10.49 g/cm3(15℃)(GESTIS(2022)) 10.5 (ICSC(2018)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取り扱い条件下では安定である | ||
危険有害反応可能性 | 粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉じん爆発の可能性がある。(ICSC) 接触すると爆発の可能性がある物質がある(アセチレン化合物、アンモニア化合物、アジリジン、アジ化臭素、1-ブロモ-3-プロピン、エタノール+硝酸、エチレンヒドロキシパーオキサイド、エチレンオキサイド、シュウ酸、過ギ酸、モノ過硫酸) 接触すると非常に激しく反応する物質がある(ハロゲン、硝酸、過酸化水素、三フッ化塩素、ヨードホルム、オゾニド、濃硫酸、亜鉛)(GESTIS) | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラット LD50:>5000mg/kg(HSDB(2003))の記載より区分外とした。 | |||
経皮 | ラット LD50:>2000mg/kg(HSDB(2003))の記載より区分外とした。 | |||
吸入: ガス | GHS定義による固体。 | |||
吸入: 蒸気 | データがなく分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データがなく分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギによる試験でSlightly irritating(IUCLID(2000))の記載により区分外とした。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギの試験で軽度の刺激性、48時間で回復している(IUCLID(2000))の記載より区分2Bとした。 | |||
呼吸器感作性 | データがない。 | |||
皮膚感作性 | 粉体のばく露でアレルギー性の接触皮膚炎を起こす(ACGIH(2001))、銀を含有する装身具への接触によりアレルギー反応を生じた(PATTY(5th, 2001))の記載より区分1とした。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。CLHでは変異原性について区分2が提案されたことから見直しを行った。銀ナノ粒子についていくつかの試験結果が得られているが、銀イオンに対する直接的評価への利用は困難と判断された。そのため、区分の変更はない(2022年度)。 【参考データ等】 (1)銀粒子(平均粒子径:10-20 μm)について、in vitro試験では代謝活性化系(S9)添加の有無にかかわらずネズミチフス菌で遺伝子突然変異、チャイニーズハムスター肺細胞(CHL)で染色体異常はみられなかったと報告されている(MOE 初期評価 (2018))。 (2)EUはナノ粒子からも銀イオンを放出するだろうという整理のもとナノ銀のデータを基に銀(塊、粉体)をMuta. 2に分類提案している(CLH Report (2020))。 (3)銀ナノ粒子(粒子径:52.7〜70.99 nm (平均60 nm))について、in vivoでラットを用いた経口投与による小核試験(OECD TG474、最大1,000 mg/kg/day)では弱陽性と報告されている。一方、銀ナノ粒子(粒子径:1.98〜64.9 nm)について、ラットを用いた90日間吸入ばく露による小核試験(OECD TG474、最大515 μg/m3)の結果は陰性と判断されたと報告されている(CLH Report (2020))。 (4)銀ナノ粒子(粒子径:5〜150 nm(平均33.6 nm(単量体と凝集体含む))について、in vivoでは、マウスを用いた強制経口投与によるDNA損傷試験の結果、胎児では骨髄における非可逆性の染色体損傷に加えて、骨髄の単核細胞と末梢血中白血球におけるDNA二重鎖切断の顕著な増加がみられた(CLH Report (2020))。 (5)銀ナノ粒子(詳細不明)について、in vivoでは、ラットの赤血球を用いた小核試験(OECD TG475、単回腹腔内投与、最大80 mg/kg)で、陽性(構造異常(主に染色分体切断)の頻度増加)と報告されている(CLH Report (2020))。 (6)銀ナノ粒子(粒子径:20 nm又は200 nm)について、in vivoでは、ラットの赤血球を用いた小核試験(単回静脈内投与、5及び10 mg/kg(20 nm)、5 mg/kg (200 nm))では、いずれのナノ粒子も赤血球で陽性と報告されている(CLH Report (2020))。 (7)銀ナノ粒子(15〜100 nm PVP被覆、10〜80 nm シリコン被覆)について、in vivoでは、マウスの肝臓を標的とした静脈内投与によるコメット試験では標準的な試験法では陰性、酵素処理した変法(hOCG1)では肝臓で酸化的DNA損傷の有意な誘導がみられた(CLH Report (2020))。 (8)(3)〜(7)のほか、銀ナノ粒子について、in vivoでは、小核試験で陰性2件、染色体異常試験で陽性1件、ほ乳類を用いたコメット試験3報告のうち陽性2件、陽性疑い1件がそれぞれ報告されている(CLH Report (2020))。 | |||
発がん性 | ラットに粉末を筋肉内注射した試験で発がん性は認められなかった(PATTY(5th, 2001))、及びヒトにたいしての発がん性の証拠はない(PATTY(5th, 2001)、(HSDB(2003))との記載あるが、IARC等の分類評価機関の情報はなく分類できないとした。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2)の水溶性銀化合物を用いた試験結果より、銀イオンが親動物に大きな負担がない用量で受胎能低下、胚/胎児死亡増加、内臓の形態異常が生じる報告があり、区分1Bとした。なお新たな情報源を利用し生殖毒性項目を見直した(2022年度)。 【根拠データ】 (1)酢酸銀(CAS登録番号:563-63-3)について、ラットを用いた飲水投与による一世代生殖毒性試験において、雌雄親動物には摂水量の減少がみられた高用量(40 mg/kg/day:26 mg Ag/kg/day)群で受胎率の低下がみられた。摂水量の減少は嗜好性(味覚忌避)によるものと解され、全身毒性を反映したものではない。児動物には中用量群で出生児生率の低下と低体重、高用量群では妊娠期から授乳期早期の死亡例が多く生存児数の減少が明らかであった。親動物には剖検時に銀の沈着が様々な組織にみられたが、全体として雌雄親動物に投与による明白な毒性は認められていない。以上、親動物に毒性影響がないか僅かな影響の用量で、受胎率の低下、出生時の生存児数減少、出生後の新生児生存率の低下がみられたとの報告がある(EFSA (2016)、CLH Report (2020))。 (2)塩化銀(CAS登録番号:7783-90-6)について、ラットを用いた混餌投与による発生毒性試験(妊娠1〜20日)では、250 mg/kg/day(188 mg Ag/kg/day)で、着床後胚死亡の増加(36% vs 対照群9.6%)、内臓異常(水腎症、潜伏睾丸)を有する胎児数の高値、新生児の全例死亡(24時間以内)がみられた。しかし、塩化銀を妊娠7〜15日に同様に混餌投与した場合には、これらの発生影響はみられなかった。これに対する説明として、銀は銅がセルロプラスミン(銅輸送タンパク)に結合するのを阻害し、胎児による銅、鉄などの利用を低下させることにより、発生毒性を生じるという仮説である。妊娠期間に銀によるセルロプラスミン阻害の期間が長いほど発生影響が出やすいということで説明が可能とされている。ヒトでもセルロプラスミンの機能的な役割は同様であるので、銀の発生毒性の作用機序はヒトには当てはまらないとは言い切れないとの報告がある(EFSA (2016)、CLH Report (2020))。 【参考データ等】 (3)EUでは銀(CAS登録番号:7440-22-4)(銀、銀ナノ粒子、銀水溶性化合物の区別無し)についてRepr. 1Bが提案されている(CLH Report (2020))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 加熱した金属銀ヒュウムへの4時間ばく露で肺水腫を伴う肺の障害が起きた(ACGIH(2001))、粉じんの職業ばく露で気道の刺激を生じる(ATSDR ToxFAQs(1997))の記載により区分1(呼吸器系)に分類した。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 粉体への職業ばく露で皮膚、粘膜に色素が沈着する銀中毒(argyria)を生じるが(ACGIH(2001))、(PATTY(5th, 2001))、機能障害として現れるのは夜間視力の減少である(ATSDR ToxFAQs(1997))との記載により区分1(眼)とした。粉じんの長期間吸入による肺への沈着から気管支炎になった(PATTY(5th, 2001))、(HSDB(2003))との記載があり、区分1(吸入:呼吸器)とした。 | |||
誤えん有害性* | GHS定義による固体。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データ不足のため分類できない。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)、リスクアセスメント対象物(法第57の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 生殖細胞変異原性項目、生殖毒性項目を見直した。 |