1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 水銀 (Mercury) | ||
製品コード | 23B5578 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 乾電池、水銀塩類(昇汞,銀朱など)、蛍光灯、体温計および計量器、電気機器用、アマルガム(歯科用、合金用)等 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 | |||
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | ||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分2 | |||
皮膚感作性 | 区分1 | |||
生殖毒性 | 区分1A | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(呼吸器系、心血管系、腎臓、肝臓、中枢神経系) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(神経系、心血管系、血液、肝臓、歯肉) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 吸入すると生命に危険 | |||
強い眼刺激 | ||||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||||
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ | ||||
臓器の障害(呼吸器系、心血管系、腎臓、肝臓、中枢神経系) | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(神経系、心血管系、血液、肝臓、歯肉) | ||||
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
呼吸用保護具を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
直ちに医師に連絡すること。 | ||||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | ||||
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。 | ||||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
漏出物を回収すること。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 水銀 | ||
別名 | クイックシルバー、汞 、みずかね、Quicksilver 、Liquid silver、Metallic mercury | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | Hg (200.59) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 7439-97-6 | ||
官報公示整理番号(化審法) | - | ||
官報公示整理番号(安衛法) | - | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし。 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。人工呼吸が必要なことがある。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
特別な処置が緊急に必要である。(このラベルの…を見よ。) | |||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
口をすすぐこと。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状 | 吸入 : 腹痛、咳、下痢、息切れ、嘔吐、発熱/体温上昇。 | ||
皮膚 :吸収される可能性あり! 発赤。 | |||
眼 :データなし。 | |||
経口摂取 :データなし。 | |||
皮膚を刺激する。蒸気を吸入すると、肺臓炎を起こすことがある。中枢神経系、腎臓に影響を与えることがある。これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な経過観察が必要である。 | |||
中枢神経系、腎臓に影響を与え、被刺激性、情緒不安定、振戦、精神障害、記憶障害、言語障害を生じることがある。影響が蓄積される危険性がある。動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別注意事項 | ICSC情報より転記/データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | この製品自体は燃焼しない。 | ||
周辺の火災時:適切な消火手段を用いる。 | |||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
火災や爆発の危険性がある。 | |||
特有の消火方法 | ドラム缶などを水を噴霧して冷却する。 | ||
消火作業は、風上から行う。 | |||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火により生じる流出物を収容するための用意。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスク、自給式呼吸器付化学保護衣など)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
漏出物を回収すること。 | |||
水生生物に対して毒性が非常に強い。 | |||
魚類で生物濃縮が起こることがある。 | |||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 大量の場合、危険区域から立ち退く! | ||
専門家に相談する! | |||
換気。 | |||
漏れた液やこぼれた液を密閉式の非金属性容器に出来る限り集める。 | |||
下水に流してはならない。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
自給式呼吸器付化学保護衣。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣(自給式呼吸器付化学保護衣)、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
呼吸用保護具を着用すること。局所排気 | |||
作業環境管理を厳密に! | |||
(妊娠中の)女性への暴露を避ける! | |||
青少年、小児への暴露を避ける! | |||
20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急速に有害濃度に達することがある。 | |||
暴露の程度によっては、定期検診が必要である。 | |||
中毒濃度に達していても、臭気として感じないので注意すること。 | |||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
食品や飼料から離しておく。 | |||
容器包装材料 | 特殊材料。 | ||
ステンレス鋼、鋼、鉄、ガラス、セラミックおよび多くの合成物質は耐久性がある。(ホンメル (1996)) | |||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 0.025mg/m3 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2010年度版) | 0.025mg/m3(蒸気) | ||
ACGIH(2011年版) | TWA:0.025mg/m3 Skin;BEI | ||
STEL:− | |||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 呼吸器用保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護手袋、保護衣(自給式呼吸器付化学保護衣)、保護眼鏡、保護面、呼吸器用保護具を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体(Merck (14th, 2006) ) | ||
色 | 銀色(Sax (11th, 2004)) | ||
臭い | 無臭(HSDB (2010)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | -38.87℃ (Merck (14th, 2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 356.72℃ (Merck (14th, 2006) ) | ||
引火点 | データなし。 | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 0.002mmHg (25℃) (Merck (14th, 2006) ) | ||
蒸気密度 | 6.93(空気=1) (ICSC(J) (2004)) | ||
密度 | 13.5956g/cm3 (Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
溶解度 | 水:0.06 mg/L ( 25℃) (exp) (SRC Phys Prop (Access on Oct. 2011)) | ||
ペンタン:2.7 mg/L (HSDB (2010)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | LogP=0.62 (exp) (SRC Phys Prop (Access on Oct. 2011)) | ||
自然発火温度 | データなし。 | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | 1.685mPa・s (0℃) 、1.45mPa・s (40℃) (Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | アンモニア、ハロゲンと激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。アルミニウム他多くの金属を侵し、アマルガムを生成する。 | ||
安定性 | 加熱すると、有毒なフュームを生じる。 | ||
危険有害反応可能性 | データなし。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、燃焼。 | ||
混触危険物質 | アジ化物、アセチレン、アンモニア、金属ナトリウム。 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に刺激性、腐食性又は有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
沸点近くで長時間加熱するとHgOを生成する。 | |||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
経皮 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | ラットに0.027 mg/Lの濃度の水銀蒸気を2時間のばく露(4時間換算値:0.019 mg/L)により32匹中20匹死亡との結果(CICAD 50 (2003))から、LC50値は0.019 mg/L/4h以下となる。、GHS分類:区分1 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | データ不足。なお、ヒトへの影響としては、水銀の吸入、経口、あるいは経皮ばく露による皮膚反応には、紅斑性および掻痒性発疹、大量の発汗および掌や足底の皮膚の紅潮や剥離があり、一般的に先端疼痛を伴ってみられると報告されている(CICAD(J) (2005))が、この記述からは皮膚との接触による直接的影響が判別できない。GHS分類:分類できない | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 高濃度の水銀蒸気への暴露により、眼の充血や灼熱感ならびに結膜炎が観察されている(CICAD(J) (2005)、ATSDR (1999))との報告がある。GHS分類:区分2 | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | 日本産業衛生学会により感作性物質として皮膚:第1群に分類されている(産衛誌53巻 (2011))。なお、ヒトでは金属水銀に対するアレルギー性接触皮膚炎が報告されており、パッチテストで陽性反応を示した歯科医の症例、また、アマルガムを充填し口腔内扁平苔癬を有する患者29名において、対照群の3%に対し、62%が水銀に陽性反応を示したパッチテストの結果(IARC 58 (1993))が報告されている。GHS分類: 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 本物質自体について、実験動物や培養細胞を用いた試験のデータは見当たらない。しかし、ヒトでの疫学調査はいくつかの報告があり、金属水銀の職業ばく露により、染色体の構造異常の発生増加はなかったが、異数性や無動原体断片の発生率の有意な増加が見られた(IARC 58 (1993))こと、また、染色体への影響は認められなかった(IARC 58 (1993))との陰性結果、さらに、体細胞での姉妹染色分体の発生率の増加が見られた(IARC 58 (1993))ことなどが報告されている。しかし、不十分な方法、交絡因子が考慮されていない、あるいは水銀の尿中濃度(ばく露濃度)と観察結果との間に用量反応関係が見られないなどの理由により、結果の有意性は限定的であり、水銀の遺伝毒性について結論的な評価はできない(DFGMAK-Doc 15 (2001))と述べられている。GHS分類:分類できない | ||
発がん性 | IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 58 (1993))、さらにACGIHではA4、EPAではDに分類されている。なお、動物試験の適切なデータはなく、ヒトでは米国、スウェーデン、オーストラリア、イタリア、カナダにおいてコホート研究やケース・コントロール研究による疫学調査が実施され、水銀のばく露により肺がんや脳腫瘍などのリスク増加を示す複数の報告(IARC 58 (1993))がある一方、腫瘍の発生とばく露との関連はなかった(IARC 58 (1993))とする相反する結果も報告されており、分類にはデータ不十分である。GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ヒトで水銀蒸気のばく露による生殖への影響について複数の疫学調査の報告がある。職業的にばく露された女性歯科医師らを対象とした調査では、非曝露のコントロール群に比べて頭髪中の総水銀濃度は高く、自然流産、死産、先天異常(二分脊椎)等の異常もコントロールよりも多かった(産衛誌第40巻(1998))との報告、また、作業環境で水銀元素蒸気に暴露した女性349人を調べた研究で、215人の非暴露コントロールに比較し、妊娠合併症(中毒症、流産、遅延分娩、分娩時の大量出血)が多数みられた(CICAD(J) (2005))との報告など、水銀のばく露による女性の生殖に及ぼす悪影響が報告されている。なお、実験動物では、ラットに受胎前3週間および妊娠7〜20日に2.5 mg/m3を吸入ばく露により、非ばく露の対照群と比べ出生後の生存仔数の著しい減少が報告され、仔の死亡は一部は母動物の授乳不能によるともされたが、死因は不明である(IRIS (2002))。GHS分類:区分1A | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ることもある(産衛誌第40巻 (1998) )との記述に加え、高濃度水銀蒸気の短期ばく露の結果、タンパク尿、血尿、乏尿、さらに急性腎不全に至る一連の影響が近位尿細管の変性または壊死を伴ってみられた(CICAD(J) (2005))との報告もある。GHS分類:区分1(呼吸器系、腎臓) また、ヒトで高濃度の金属水銀を急性吸入ばく露後に心拍数と血圧の増加(ATSDR (1999))が報告され、一方、ウサギに0.0288 mg/m3の濃度を2〜30 時間ばく露(ガイダンス値区分1相当濃度)により、心組織の壊死を伴った著しい細胞変性がみられた(CICAD(J) (2003))との報告がある。GHS分類:区分1(心血管系) さらに金属水銀の蒸気ばく露に対し中枢神経系がおそらく最も鋭敏な標的臓器である(CICAD 50 (2003))と述べられ、ウサギに0.0288 mg/m3の濃度を2〜30 時間ばく露(ガイダンス値区分1相当濃度)し、脳に顕著な細胞変性と広範囲の壊死がみられた(CICAD (J) (2003))との報告がある。GHS分類:区分1(中枢神経系) 一方、幼児が水銀蒸気の吸入で急性中毒に陥り、ALTや血清ビリルビンの上昇など肝細胞への影響がみられたとの報告に加え、男性1人が水銀蒸気への短期、高濃度ばく露により死亡し、剖検で肝腫大および小葉中心性空胞化が認められた症例(CICAD(J) (2005))が報告されている。GHS分類:区分1(肝臓) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトの慢性ばく露で濃度が高い場合には、振戦や行動・性格の変化が認められ、口腔内にも歯痛などの自覚症状を始め、歯根炎や唾液分泌過剰が起きる(産衛誌第40巻 (1998) )。また、工場で一定年数働いていた労働者が職業ばく露により、振戦、めまい、不安定歩行、鈍いメンタルレスポンス、歯肉炎、歯肉痛などの症状を示した(CICAD(J) (2005))こと、クロールアルカリ工場の作業員で神経伝導速度の異常、衰弱、感覚異常、筋けいれんなどの症状が報告されている(CICAD(J) (2005))。GHS分類:区分1(神経系、歯肉) また、家庭での水銀元素の漏出により、水銀蒸気に6 ヵ月間ばく露された12 歳の少女に白血球数の増加が観察され、また、家庭での水銀蒸気にばく露した別の事例では、家族4 人のうち2人に頻発する鼻血と血小板減少がみられた(CICAD(J) (2005))との報告がある。GHS分類:区分1(血液) さらに、少なくとも5年間水銀蒸気の職業ばく露された労働者での心悸亢進と僅かな心血管反射の低下、別の工場労働者では高血圧の頻度増加、虚血性、脳血管性障害による死亡の可能性の増大が報告されている(ATSDR (1999))。GHS分類:区分1(心血管系) 一方、ウサギに12週間吸入ばく露(0.86〜6 mg/m3、ばく露期間:7 hrs/day)により、肝臓で病理学的変化が中等度の変化から顕著な細胞変性に至るまでみられ、壊死が生じた(CICAD 50 (2003))との結果に基づき、ばく露濃度はガイダンス値区分1の範囲にある。GHS分類:区分1(肝臓) なお、腎臓については反復ばく露による悪影響を示すデータは見出せず、標的臓器として採用しなかった。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(ブラインシュリンプ)の96時間LC50 =0.006 mg/L(AQUIRE, 2011)から、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
水生環境有害性(長期間) | 慢性毒性データを用いた場合、金属であり水中での挙動が不明であり、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC10 = 0.001 mg/L (AQUIRE, 2012)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、金属であり水中での挙動が不明であり、甲殻類(ブラインシュリンプ)の96時間LC50 = 0.006 mg/L (AQUIRE, 2012)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。GHS分類:区分1 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 2809 | |||
国連品名 | 水銀 | |||
国連危険有害性クラス | 8 | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒劇法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 172 | |||
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働基準法 | ||||
労働安全衛生法 | 作業環境評価基準 | |||
特定化学物質第2類物質、管理第2類物質 | ||||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||||
毒物及び劇物取締法 | 毒物 | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
船舶安全法 | 腐食性物質 | |||
航空法 | 腐食性物質 | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |