| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 2,4−ビス(イソプロピルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(別名プロメトリン) | ||
| 化学品の英語名称 | 2,4-Bis(isopropylamino)-6-(methylthio)-1,3,5-triazine | ||
| 製品コード | R06-S31-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(除草剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分4 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系、肝臓、腎臓) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 警告 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 吸入すると有害 眼刺激 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓、腎臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 2,4−ビス(イソプロピルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン | ||
| 慣用名又は別名 | プロメトリン | ||
| 英語名 | 2,4-Bis(isopropylamino)-6-(methylthio)-1,3,5-triazine | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C10H19N5S (241.36) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 7287-19-6 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 5-3850 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(3)-236 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火粉末、耐アルコール泡消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 火災が発生した場合、危険物質(亜窒素ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素および二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱により圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 発火源を遮断する。 自給式呼吸器と密閉性の高い特殊スーツを着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 廃棄物を流し台やゴミ箱に入れない。 固形有機残留物用の容器に収集する。 漏洩物を収集した容器には、内容物を説明したラベルを貼る。 個人用保護具を着用する(個人用保護具の章を参照)。 粉じんを発生させずに回収すること。 その後、周囲を換気し、漏出場所を洗浄する。 流出物が下水道に流れ込まないようにする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 作業場所を清潔に保つよう注意すること。 容器を開いたままにしないこと。 詰め替え、移送、または開放使用の場合は、十分な換気を確保する必要がある。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ充填する。 粉じんの発生を避ける。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する。 テスト済みの工業用掃除機または吸引装置を使用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 必要に応じて、清掃中に保護具を使用する。 清掃中に粉じんを巻き上げない。 清掃に送風機を使用しないこと。 衣服との接触を避ける。汚染された衣服は交換し、慎重に洗浄する。 休憩前と作業終了時には、皮膚を石鹸と水で洗う。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 食品容器は使用しないこと。 容器にラベルを貼る。 できる限り元の容器に保管する。 容器をしっかりと閉め、涼しく乾燥した換気の良い場所に保管する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA: 1 mg/m3 (Inhalable Particlate Matter) | |||
| 設備対策 | 作業場所の換気を良くすること。 床排水溝を設けない。 作業場に洗浄設備を設置する。 可能であれば密閉式装置を使用する。 容器とパイプラインにラベルを付ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸器の保護具を着用する。 フィルター装置の使用限度を超える濃度、18% 未満の酸素濃度、または状況が不明な場合は、使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 耐性のある保護手袋の使用すること。 ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、フルオロカウチューク、およびポリ塩化ビニルは、溶解していない固形物に対する保護用の手袋の素材として適している。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 眼の保護具を着用する。 側面保護付きのメガネを着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | エプロンまたは白衣を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 白色 | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 119 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | > 300 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 可燃性 | 可燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:33 mg/L (25℃) (GESTIS (2024)) アセトン:330 g/L (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:3.51 (GESTIS (2024)) | ||
| 蒸気圧 | 1.24×10-6 mmHg (25℃) (HSDB in PubChem(2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.157 g/cm3 (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 感染性、放射性、爆発性の物質。 強酸化性物質。 この物質は、危険な化学反応を起こす可能性のある物質と一緒に保管しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災が発生した場合、危険物質(亜窒素ガス(一酸化窒素)、硫黄酸化物、一酸化炭素および二酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | (1)〜(9)より、有害性の高い区分を採用し、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:約 1,450 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (2)ラット(雌)のLD50:約 1,440 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (3)ラット(雄)のLD50:約 1,802 mg/kg(EPA Pesticides RED (1996)) (4)ラット(雌)のLD50:約 2076 mg/kg(EPA Pesticides RED (1996)) (5)ラット(雌)のLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (6)ラットのLD50:3,750 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (7)ラット(雄)のLD50:3,750 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (8)ラット(雄)のLD50:3,350 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (9)ラット(雌)のLD50:3,100 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) | |||
| 経皮 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:> 2,500 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (3)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2015)) (4)ラットのLD50:> 3,170 mg/kg(EPA Pesticides RED (1996)) | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)〜(3)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):約 4.96 mg/L(EPA Pesticides RED (1996)) (2)ラットのLC50(4時間):> 2.17 mg/L(食安委 農薬評価書 (2015)) (3)ラットのLC50(4時間):> 2.26 mg/L(食安委 農薬評価書 (2015)) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)、(2)よりガイダンスに従い、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、軽度の皮膚刺激性がみられた(食安委 農薬評価書 (2015))。 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、軽度の刺激性がみられた(EPA Pesticide RED (1996)、HSDB (Accessed Sep. 2020))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)より、ガイダンスに従い、区分2Bとした。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性(Mild)がみられた(EPA Pesticides RED (1996))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において眼粘膜に対して軽度の刺激性がみられた(食安委 農薬評価書 (2015))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | (1)、(2)より、ガイダンスに従い、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモットを用いたBuehler試験において、皮膚感作性はみられなかった(食安委 農薬評価書 (2015))。 (2)モルモットを用いた皮膚感作性試験において、皮膚感作性はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996)、HSDB (Accessed Sep. 2020))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(5)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(経口投与)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2015))。 (2)ハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(経口投与)で、陰性の結果が得られている(EPA Pesticides RED (1996)、Patty (6th, 2012))。 (3)復帰突然変異試験で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (1996))。 (4)ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2015))。 (5)UDS試験で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (1996))。 | |||
| 発がん性 | (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)国内外の分類機関による既存分類結果として、EPAでグループE(Evidence of Non- Carcinogenicity for Humans)に分類されている(EPA Pesticides RED (1996)、EPA Annual Cancer Report 2018 (Accessed Spt. 2020):1994年分類)。 (2)ラットを用いた2つの2年間慢性毒性/発がん性試験(混餌投与)では、1つは3,000 ppm(雄/雌:119/140 mg/kg/day)まで、もう1つは1,500 ppm(同40.9/80.6 mg/kg/day)までの用量で検体投与に関連して発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった。発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (1996))。 (3)マウスを用いた2年間慢性毒性/発がん性試験(混餌投与)では、3,000 ppm(同475/530 mg/kg/day)までの用量で検体投与に関連して発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった。発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (1996))。 | |||
| 生殖毒性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。なお、(4)では親動物に後期吸収胚の増加及び平均生存胎児数の減少がみられたが、有意な変化ではない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (2015))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、100 mg/kg/dayで児動物に骨化遅延(趾骨及び踵骨)の増加がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、250 mg/kg/dayで親動物に体重減少、体重増加抑制、摂餌量減少、児動物に低体重及び骨化遅延(胸骨及び中手骨)がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (2015))。 (4)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、72 mg/kg/dayで親動物に流産(2 例、妊娠16 及び23 日)、体重増加抑制及び摂餌量減少、後期吸収胚の増加及び平均生存胎児数の減少(非有意)、児動物に骨化遅延(前肢近位指節骨)がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (2015))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)〜(7)より、区分に該当しない。なお、(2)、(4)でみられる神経系症状は、致死量付近での非特異的な症状である可能性があり、(1)の急性神経毒性試験でも認められていないことから、標的臓器に採用していない。また、(6)、(7)では呼吸運動異常等、気道刺激性を疑う所見がみられるが、(6)に音反応減退がみられていることから体調悪化による二次的所見と考えられ、標的臓器に採用していない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた急性神経毒性試験において、500 mg/kg以上(区分2の範囲)で歩行運動量低下(投与当日)、1,500 mg/kg(区分2の範囲)で体重増加抑制・摂餌量減少がみられたが、詳細な機能検査(FOB)及び神経病理組織学的検査において検体投与の影響はみられなかったとの報告がある。なお、急性神経毒性は認められなかったと報告されている(食安委 農薬評価書 (2015))。 (2)ラットを用いた単回経口投与試験において、839 mg/kg(区分2の範囲)で鎮静、運動失調、昏睡、流涎、尿失禁、下痢が、1,049 mg/kg(区分2の範囲)で死亡がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (3)ラットを用いた単回経口投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で顔面汚れ、立毛、糞便量減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (4)マウスを用いた単回経口投与試験において、1,470 mg/kg(区分2の範囲)で鎮静、運動失調、痙攣様発作、脱力、昏睡、流涎、流涙、立毛が、1,843 mg/kg(区分2の範囲)で死亡がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (5)ラット及びマウスを用いた単回経皮投与試験において、2,000〜5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で影響がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (6)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験において、2.17 mg/L(区分2の範囲)で呼吸数減少・深度増加、音反応減退、活動低下、流涎、後肢撤去反射低下がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (7)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験において、2.26 mg/L(区分2の範囲)で呼吸運動異常、流涎、半閉眼、鼻口部、顎周辺被毛褐色汚染がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)〜(5)より、区分2(血液系、肝臓、腎臓)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、1,000 ppm(64 mg/kg/day(雄)、80.8 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(Hb・Htの減少、血小板数・赤血球の増加)(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (2)イヌを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、2,000 ppm(70.6 mg/kg/day(雄)、82.8 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(Ht減少、血小板数増加(雄)、赤血球数・Hb・PTT減少(雌))、肝臓影響(絶対相対重量増加、線維化を伴う限局性細胞壊死・細胞肥大(雄)、顆粒球浸潤、ALT/GGT増加(雌))、心拍数増加(雄)、尿ケトン体増加(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (3)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、1,000 ppm(38 mg/kg/day(雄)、45.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で尿ウロビリノーゲン・尿中結晶増加(雄)が、3,000 ppm(119 mg/kg/day(雄)、140 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で腎臓影響(絶対相対重量増加、コロイド変性(硝子円柱相当)、尿タンパク増加等)、血液影響(RBC・Hb・Ht減少、PLT増加等)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015))。 (4)別のラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、1,500 ppm(40.9 mg/kg/day(雄)、80.6 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で腎臓影響(腎盂の結石(雄)、絶対相対重量増加(雌))、血液影響(Hb・Ht減少)(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2015)、EPA Pesticides RED (1996))。 (5)イヌを用いた混餌投与による2年間慢性毒性試験では、1,500 ppm(37.5 mg/kg/day、区分2の範囲)で肝臓影響(変性疾患、うっ血)(雄)、腎臓影響(尿細管の変性、皮質のうっ血等)、骨髄の軽度萎縮がみられたとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996)、IRIS (1987))。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 藻類(ナビクラ属)5日間EC50 = 0.001 mg/L(EPA Pesticides RED, 1995、OPP Pesticide Ecotoxicity Database)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)のNOEC = 1 mg/L(EPA Pesticides RED, 1995)から、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、藻類(ナビクラ属)5日間EC50 = 0.001 mg/L(EPA Pesticides RED, 1995、OPP Pesticide Ecotoxicity Database)から、区分1となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | - | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【366 2,4−ビス(イソプロピルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(別名プロメトリン)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||